まとめwiki ~ 「♀29匹のボックスに♂1匹を入れてみた」

03話 - クサイものには蓋を

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f29m1

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ゴニョニョ
「ゴニョ……」

 オレはジャーキーとサイコソーダを持って、ゴニョニョの後に付いて行った。

ゴウカザル
「お前よお、あいつらにいいようにされて黙ってんのか。たまにはガツンとやってやれよ」
ゴニョニョ
「ご、ゴニョ……」

 目も合わせようとしねえ。ダメだこりゃ。
 バカ長い廊下の先にドアが見える。ひとつのボックスにあんな隔離された部屋があるのは何故だ?
 ゴニョニョは、ドアが見えると勝手に引き返して行った。チッ……。

(なにか臭うな)
 オレは鼻がいい。ゴーリキーのやつがワキガを香水で隠しているのにも気付いてるくらいにな。
 ゴニョニョから預かった鍵でドアを開けると、一気に腐臭がオレの鼻をついた。いったい何のニオイなんだ? ドアがもう一枚ある。

「だれ……?」2枚目のドアの中から声がした。

ゴウカザル
「メシ持って来たぜ」
 臭いに堪えながら、なんとか返答した。ドアの小窓が開く。
「ウッ……」オレは思わず呻いてしまった。不覚だ。だが、ニオイの正体はわかった。
 クサイハナだ。こいつのニオイは最大で半径2kmにも広がるらしい。隔離されてるのはそのせいだろう。
 クサイハナは、もたついた手つきで小窓から飯を受け取ると、すぐに窓を閉じた。

ゴウカザル
「なあ、お前……、ずっとここに閉じ込められてんのか」
クサイハナ
「……だって、私……、くさいから……」

 なんとも寂しそうな声だった。情けない話だが、その後オレは臭いに耐え兼ねて気をうしなっちまった。
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