JBL Control3 Proのリストア
ほぼ廃品となっていたControl3 Proを手に入れたので修復を試みました。
写真では判り難いですが、ウレタンエッジが朽ち果てているのと、
コーンが折れて、一部破れているので値段も廃品級でした。
コーンが折れて、一部破れているので値段も廃品級でした。
まず分解してみます。
樹脂製のエンクロージャをばらすために六角で前面のねじ六本を外します。
上側の2本のねじが長いようです。
樹脂製のエンクロージャをばらすために六角で前面のねじ六本を外します。
上側の2本のねじが長いようです。
んで、パカッと割れるはずなんですが、接着してるみたいなので、
マイナスドライバーでこじります。このとき、ちょっと傷が付きました(というより増えました。)。
マイナスドライバーでこじります。このとき、ちょっと傷が付きました(というより増えました。)。
やっぱりゴムのリのようなもので接着していたらしく、
割った後にべったりと接着剤が残ってます。
割った後にべったりと接着剤が残ってます。
作業が汚いので、前オーナーはきちんとレストアしてたのか疑問です。
(この辺、「汚い作業=愛情が無い」と、筆者は思い込んでます。)
(この辺、「汚い作業=愛情が無い」と、筆者は思い込んでます。)
TweeterとWoofer、いずれも平型端子で繋がれていますので、
これを外します。
これを外します。
写真で判るようにエンクロージャ内部にもエッジの破片が多く散見されます。
ネットワークは以下の写真。ターミナルに近接してます。
(何がどういう意味を持つのかは知らないです。
いずれ勉強しないといけないかも知れません。)
Wooferユニット裏が下の写真です。
ここにもゴムのりがべっとりです。
ここにもゴムのりがべっとりです。
しかし、この汚さ、なんとかならんのか?
ユニットを外します。裏のナットが固定されていないので、
エンクロージャの分解無しに外すことは無理そうです。
エンクロージャの分解無しに外すことは無理そうです。
ユニット外したところです。新しいエッジを取り付けるには
手前のウレタンのガスケットのようなものを外す必要があります。
手前のウレタンのガスケットのようなものを外す必要があります。
ユニットを取り外したエンクロージャ裏側です。
こちらにも接着剤が残っています。
こちらにも接着剤が残っています。
恐れた通り、ガスケット部にも接着剤がべっとりです。
こんなところ強固に接着しても音は変わらないと思いますが。
(物理的に無意味。)
仕方が無いのでカッターで剥いでいきます。
こんなところ強固に接着しても音は変わらないと思いますが。
(物理的に無意味。)
仕方が無いのでカッターで剥いでいきます。
剥ぎ取り完了。強固に付いてたところは、ぼろぼろです。
次にマイナスドライバーでエッジの残骸を剥いでいきます。
仕上げにペーパーで軽く磨いて剥ぎ取り終了です。
いよいよエッジの取付けです。
今回はコーンが折れて、一部破れていることから、
先に1)コーンの破れ修復、2)フレームにエッジ取付、3)コーンにエッジ取付
の順にすることでコーン全体の形が整わないかと考えました。
今回はコーンが折れて、一部破れていることから、
先に1)コーンの破れ修復、2)フレームにエッジ取付、3)コーンにエッジ取付
の順にすることでコーン全体の形が整わないかと考えました。
写真が破れた部分です。
綿棒を用いて
裏にゴム系の接着剤をつけます。
綿棒を用いて
形を整えたあとに、べったり接着剤を塗って、更に形を整えます。
次にエッジを取り付けます。
(写真ぼけてて御免なさい。)
エッジのサイズは4 1/2inch(angled. 通販で購入)です。
これだとコーン外径(OD of speaker cone)よりもエッジが少し小さいのですが、
ちょうど良いサイズが無かったのと、コーン表にエッジを貼り付けることで
コーン形状の修正しようと思っていたので丁度でなくても良いかな?と
思い、このサイズとしました。
エッジのサイズは4 1/2inch(angled. 通販で購入)です。
これだとコーン外径(OD of speaker cone)よりもエッジが少し小さいのですが、
ちょうど良いサイズが無かったのと、コーン表にエッジを貼り付けることで
コーン形状の修正しようと思っていたので丁度でなくても良いかな?と
思い、このサイズとしました。
次にコーンにエッジを取り付けます。
ダストカバーからの距離を均等とすることでセンターを出すことにします。
LS-11の修理時同様、接着後、指で圧着し、浮いたところが無いようにします。
LS-11の修理時同様、接着後、指で圧着し、浮いたところが無いようにします。
ここで冒険なのですが、シワシワになってコシの無くなったコーンを
ピンと復活させるために、木工ボンドを水で溶いたものをコーン前面に
塗ります。乾かないうちにフレームに貼付け、乾いて縮む紙の性質を
利用して張りを復活させる作戦です。
(美術でポスターを作る際に、木枠にケント紙を貼付けるのに、ヒントを得てます。)
ピンと復活させるために、木工ボンドを水で溶いたものをコーン前面に
塗ります。乾かないうちにフレームに貼付け、乾いて縮む紙の性質を
利用して張りを復活させる作戦です。
(美術でポスターを作る際に、木枠にケント紙を貼付けるのに、ヒントを得てます。)
ボケてて御免なさい。
この状態でフレームに貼り付けます。
この状態でフレームに貼り付けます。
んで、乾いたのが上の写真です。
エッジのサイズが少し小さいのと前から貼ってる関係で、
wooferのサイズが小さくなったように見えます。
コーンの破れた部分を裏から確認したところです。
エッジのサイズが少し小さいのと前から貼ってる関係で、
wooferのサイズが小さくなったように見えます。
コーンの破れた部分を裏から確認したところです。
裏や横からコーンの角度を見た感じでは、そこそこ形が整ったと思います。
気になったので更に破れた部分にゴム系接着剤を塗りました。
(写真は全て組んだ後のものです。)
ガスケットを貼り付けます。
エンクロージャ内の掃除をし(エッジの破片を取り除き)、
吸音材を入れ直します。
吸音材を入れ直します。
再度組み直します。
コーンの完全再生とまではいかなかった(皺が残った)けど、
ネットまでかけてしまうと何も判らんから、良いですかね。
まあ不満が出れば、コーン試作までいきたいと思います。
リストアは以上で周波数特性を調べたのでそれも報告します。
JBL Control3 Pro(リストアしたもの)の周波数特性
Woofer(問題の)

2wayだからか、そこそこ中音域も出るんですね。
Tweeter

3000-5000Hzくらいにピーク。
もうちょっと高いとこ出ても良いのにと思いますが、
こんなもんなんすかね?
まあ、Wooferの足らず(3000Hz以上)を出していることが判ります。
もうちょっと高いとこ出ても良いのにと思いますが、
こんなもんなんすかね?
まあ、Wooferの足らず(3000Hz以上)を出していることが判ります。
バスレフの穴(??で良いのかな?)

バスレフ前の測定では一応80-100Hzにピークが来ているようです。中高音側で鋸のような波形が出ています。置いた机か、箱そのものがビビッているのでしょう(とりあえず対策せず)。
Total(30cm前です。スピーカーの真ん中位置で。)

これ結構、マイク位置で変わるんですよね。
低音域は怪しいですけど~7000Hzくらいまで出てるんでしょうか?
LS-11はどうだったかな?
低音域は怪しいですけど~7000Hzくらいまで出てるんでしょうか?
LS-11はどうだったかな?
ここで修理前は出ていなかった低音域の音を出して見ました。
100Hz
100Hz

200Hz

修理前全く聞こえなかった200Hzの音が聞こえました。良かった...
ちなみに高音も。

さすがに20000Hzは聞こえませんでしたが(私の耳か? でもマイクも拾わなかったし。機器の問題か?)、15000Hzは聞こえました。
とりあえず修理成功で良いよね???
(2006.05.14記載)
