絶望に堕ちた樹神は狂気に堕ち、人の滅びを夢見た
それと同時に目覚めるのは一輪の青い奇跡
悠久の時を越えて目覚めた彼女は、数奇な運命に翻弄される
あらゆる願いを叶える力を持つ、青い薔薇の少女
【The Blue Rose】
前日譚
本編
時空を隔てた先にある、植物たちのブラックボックス“楽園”。
世界の中で生きていけなくなった、やがてすぐ途絶えてしまうだろう命を集めたその地の中で泣き叫ぶ男たちがいた。
どんなに叫べど傷つけられる同胞、収まらないヒトへの怒りと失望、絶望から男達は眷属と共に人類を敵に回す。
ヒトの傲慢さと愚かさを唱え、残虐な行為を尽くす彼らは同胞を守りたいと立ち上がったのに、その絶望と怒りの為に全てを傷つけてしまう。
ヒトも、自然も、同族も、そして己すら自らの行為で傷つけてしまう。
滅びの道へと暴走を続ける彼らを止めることはできるのだろうか?それとも……。
第一部「Desperation Evergreen」
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一部 |
第一章
「弱者の楽園」
(2013/11/09)
世間を騒がす木霊強硬派の拠点を突き止めた一行。
復讐と失望、絶望の為に狂った彼らを止めるべく、救うべく彼らは マウロらを含め“弱者の楽園”を目指す。
だが、同時に彼らのことをよく思わない精霊達が動き出していて……
輝石大陸南部、人類未踏の原生林の中、悲しく愚かな世界の敵との決戦が幕を明ける。
「生きているからこそ、立場が違って、意見が違って、ぶつかり合うんだぞ、少年。ハッハッハ!」
「ぼっ僕は…行くよ!自分の目で見て、自分の足で進んで!見極めるんだ!」
「人間全部ひとまとめで考えたらだめなんだ!それだと関係のない人ばかり巻き込むだけだ!」
「…ギリギリで間に合ったみてぇだな。」
「さあ!行くぞ、一緒にアイツらをバラそう。一緒はイヤか?戦うのはイヤか?一緒に奴らの理想を潰そう!絶望させよう!今日のお仕事だ、いいな」
第二章
「雪に似た灰」
(2014/04/10)
楽園へ乗り込んだ一行を待ち受けるのはヒトに絶望を抱く木霊たち
破滅へ走る同胞(なかま)を救おうと、一人の魔物が楽園を駆ける
だが、彼らは和平を申し出る一行を拒み、彼らに攻撃を仕掛けその怨嗟をぶつけるのだった
変革の為の破壊(ふくしゅう)、己の行動により更に加速し拡散する絶望。それでも彼らは止まれない
ならばどうすればよかったのか?自分たちはこのままヒトを恨むことなく、虐げられ続ければよかったのか?
何故、分かり合えなかったのか?この絶望と怨念を止めることはできないのか?
抱き続けた「想い」は寂寞の地で爆発し、ヒトの前に砕け散る
矛盾を抱え続けた彼らは最期に守るべきだったはずのものを失って……
「僕の言葉だけじゃなくてもいいです、もっと、他の人の声を聞いてくださいよ・・・!」
「護ってみせるさ!!人間達を滅ぼしてこの楽園も護る!!」
「てめえ、人はともかく仲間の話も全く聞かねえんだな。少しは水に浸かって頭ふやかしてきたらどうだ?」
「もういいんだ ここに どこにも 僕の居場所 は な い そ う 悟 っ た ・・・・」
「・・・・生きてて、よかったんだよ・・・ 」
「おい此処で死ぬな!!その他メインメンバーと私の努力を無駄にする気か!!地が出るぞ!!あんまりの瀬戸際で目上にナマなタメ聞くぞ!!良い声聞くまで死んじゃダメだろバカ!!」
(しかしそれは、結局のところ) (ヒトの業が源か。)
第一部エピローグ 「大地の傷跡」
幻想の楽園は失われ、狂った樹神はその長い生に幕を終えた。
彼の魂は輪廻を歪め、現代の聖域に舞い戻る。
自分のやったこと、許されない大罪。
それを抱えて、贖罪の為に生きるんだ。あの男と同じ道をたどってはいけないんだ。同じことをしてはいけない。
そう思わなければ、罪悪感から狂ってしまいそうだった。
絶望を抱え、償いを続ける。
自分たちが傷つけた大地の上でひたすらもがく。
情も同胞への思いも切り捨てて、その手を真っ赤な同胞とかつての同志の血に染め上げる。
そのスミレ色の瞳に「救済」という名の希望を見据えながら。
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楽園を失い、この世界にたどり着いた木霊たち。
一人ぼっちだと思っていた青薔薇の少女は、楽園の青薔薇である「ブルーシャトー」の存在に心を躍らせる。
一行とも交友を深めていく中、周囲から発せられる自分への警告はどんどん大きくなっていって。
そんな彼女を、絶望の中を足掻き続ける青年が見つめていた。その力が欲しいと、牙を隠して見つめていた。
大事な人を失い続けた彼は、ようやく一人の友達を手に入れた。だけども、友達の命も今にも失われそうで、彼はその運命をどうしても変えたかった。
蠢く悪意は靄により包まれ、表の世界からかき消され誰もその謀に気づかない。
靄が嗤う、魔女が嗤う、狂戦士が嗤う。
人と願いと争いと。エゴに満ちた世界は、無垢な少女たちにただ残酷な牙だけを向けて。
第二部「War and The wishes and Human」
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二部 |
冒頭「小さな狐の謀(はかりごと)」 (2014/7/15)
木霊強硬派が起こした事件から数ヶ月 ―――――
一見平穏がもどったように思えるこの地でコノハナから齎された青薔薇と凶行に走った同胞の真相を光霊の呪術医は知ってしまう
そんな中、青薔薇に迫る不穏な影がひとつ。それは呪術医の患者である「ある青年」の友人だった
彼は、信じていた神を失い絶望に飲まれた友を助けたかった。そのためなら、何をしても何を切り捨てても構わなかった
大事な友人を健康だった時のように戻すための手段が青薔薇にしかできないと信じていた
張り詰めた思いは遂にはち切れ、近々傭兵たちによる大規模な討伐を控えたこの初夏
青薔薇を狙った第二の凶行が引き起こされる
第一章「歪んだ願い」
最終章A 「望まれた聖戦」
最終章B 「欲望の靄と道化の狐」
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外伝
外伝 「Curse of HateGod」
これは神殺しの魔神、『憎悪の天使』(
マステマ)を巡る物語
前日譚
ひょんな出来事から巷で話題の呪われし
幽霊島に漂着した一行……
神と世界に向けられし憎悪の呪い蠢く悪夢の島を一行と狂える樹神の下僕たる付喪神が駆ける
『神を呪え、神を憎め』
彼らは島を脱出し、明日を、生を掴むために
付喪神は8年越しの悲劇の再来を。そう、神殺しを為すために
Special Thanks!!
イラストに使用した素材はこちらよりお借りしました。
最終更新:2015年06月04日 03:16