「幽霊島」


概要


正式名称は「レヴェリア」島。輝石大陸 ステルディアレインフォース王国領領海内に存在する無人島。

かつてはルフト教より派生したカルト教団「黒の黎明」の信者が隠れ住まう治安がそんなに良くないけども比較的平和な島であった。
しかし8年前に起きたルフト教との宗教戦争にて多大な被害を被り島の状況は一変した。
教祖一家含む敗北した当時の島民のほぼ全て、約百数十名の信者は凄惨な拷問と処刑の後に果て無人島となってしまったのである。

なお教団本部地下には魔石の鉱脈があり、島の産物となっていた他教団の運営資金としても用いられた。
今まで野放しにされていたこの島が急にルフト本教の標的となった真相はこの魔石の鉱脈を巡るトラブルであるのかもしれない。

なお、「幽霊島」という名称の由来は事情をよく知る者による証言によるものである。
事件が済んで3ヶ月後、処刑の後片付けをしていた時に教祖の息子を拘束していた一本の刑具が処分中に姿を消し、その後教祖の息子の幽霊を何人もの修道士が見たという幽霊騒ぎから。
これで済んでいれば良かったものの、事態は極めて深刻かつ取り返しのつかない重大な事件として発展する。

そう、理不尽な死と供養もされずゴミのように捨てられた彼らの怨念は膨れ上がるばかりであった。
神に見捨てられ、秩序と光の善なる神とその使徒にあんまりな仕打ちを受けたことから神という存在を酷く憎悪するようになってしまったのだ。

アニミズムが盛んなこの大陸では、神という存在は世界に存在する万物に宿る霊であり、その要素を擬人化した謂わば化身とも言える存在である。
それを憎むということは世界のありとあらゆるものを憎み、否定するといっても過言ではない。

臨界に達した憎悪は「死の炎」という霊障に姿を変え、あっと言う間に島を覆い尽くし、命という命を恨み、破壊しつくす怨念となり美しかった筈の島を異界へと変貌させた。
ヒトを失い、獣達と自然の楽園となっていたそれに自分たちと同じ理不尽な死を与え、島全体を人工物しか残らぬ焦土に染め上げた。
また、島の怨霊を浄化しようとしたり調査に訪れた修道士、傭兵、地元民、冒険者などなど数多の人々に多大な悪影響を与えた。

その中にはルフト教の信徒は勿論、捕らえられ自由と引き換えに送り出された邪神の信徒、雷鳥信仰者のハルピュイアも居れば無信仰者も多かった。
はたまたレインフォース軍暗部で生み出された不死者までもが調査に送られたらしいが、命を落とすものも数多く、生き残っても心身に一生ものの後遺症を持った者も珍しくない。

調査に訪れた者たちは誰も島の呪いを解くことは出来ず、加えて近隣の海域にまで被害を及ぼすようになった為、5年前に近隣の地域一帯への立ち入り禁止令が発令された。
現在では名を語ることすら恐れられ、現地の人々はその存在を忘れようと勤めている。


しかし、最近になって漂着者達により、かつての黒の黎明の象徴、現人神の成れの果てたるマステマを討伐。
8年間も続いた島の呪いを解き、かの島は平穏を取り戻した。
……ように見えたが、今までの瘴気のガタがきたのか島自体が地震に見舞われ海中に沈む。
悪夢が過ぎ去った夢の島はその名の通り、跡形もなく消えてなくなってしまったのである。

現在はマーレクレア港から少し離れた小さな漁村にて犠牲者の慰霊碑が制作されている。
調査が盛んであったころ、この村の船夫が多く被害を受けたことから彼らの魂を慰めるためこの村に制作されたらしい。


死の炎


島全体を取り巻く霊気、怨念が持つ「神宿りし万物への憎悪」というものが炎という形を取った霊障となったもの。
万物に対し被害を加える極めて強力なものであり、生物・無生物問わずあてられ続ければ深刻な悪影響を被るものである。
炎の見た目を取るが実際は死霊が引き起こす霊現象であるので炎属性はついていない。純粋な死属性攻撃となる。

霊障の被害には個人差があり、幽霊島に調査に趣いた者の中にも比較的軽傷で済んだ者も存在する。
しかし、屈強な名高い戦士であったりこういったものの対処に慣れている腕の良い退魔師であれどものの数時間で命を落とした者も珍しくない。

そのトリガーとなるのは知的生命体の信仰心並びに神、精霊などの人知と理を凌駕する超越者の力
これらを憎悪し否定するこの力は、神を信仰するものと信仰され、崇め畏怖される者を許さない。

また神仏や精霊などの力を持つ存在がこの炎を直接取り込むことで、その超常の力に呼応するように爆発的に膨張する性質を持つ。
そしてその超越者としての超常の力と命を打ち消すが如く過剰なダメージを加える性質を持つ。
つまり超越者として強力な力を持つ存在であればあるほど、強力な力を使ったり借りたりすればするほど危険。
この呪いを生み出す者が持つスキルにより更に凶悪性を増しており、強力な超越者や敬淑なる信者や眷属が相手ならば対象が持つ無効化耐性すら上回るほどの効力を引き起こすことすらできる。

この島限定の霊障と思われたが近年になって、傭兵業界にてよく似た炎を操る殺し屋(元テロリスト)が現れた。
なお彼の操る炎には超越者に対して発揮される凶悪な特性は一切見られない。

ちなみにその弱点は浄化攻撃(呪いであるため)による浄化及び水属性で中和されること。
どちらも超越者の能力由来のものだと炎の性質により膨張して相殺しようとするため相当強い力をぶち込まないといけない。
しかし、精霊や悪魔などの力を借りていたとしても人間などが使える普通の魔術や特殊能力によるものなら問題ない。

現在は呪詛の大本が消滅し、別の存在に引き継がれたため全盛期に比べその力は大幅弱体化している。


瘴気の霊場


幽霊島の支配者たるシセラの信者達が生み出していた死の炎の瘴気の霊場。
超越者の力を封じ、彼らの一番の弱点である浄化と光を拒絶する効果を持つ。
また瘴気の力で生物や超越者、その眷属への猛毒を引き起こす。

死の炎の特性通り浄化や光、水に弱い為対処不可能というわけではない。


亡霊信者「憎悪の使徒」


幽霊島の一連の事件の犠牲者たちの成れの果て。
神に対する憎悪と絶望を抱くが故にシセラの洗脳を受けて強制的に彼の眷属にさせられている。
彼らの中には発端である黒の黎明とルフト教との宗教戦争の犠牲者は勿論シセラの手により神を抱くように惨殺された冒険者や調査隊、地元民、魔物やアンデッドなども含まれる。

現在はシセラが消滅したため彼らの魂は解放され、またユリウス=デア=ハイデンの浄化の聖歌の影響で抱いていた怨念が浄化。
彼らはみな成仏して輪廻の中に戻っていった。


ある少女の手記


  • かつてその島では宗教戦争があったという。
  • 宗教戦争の後破れた原住民は悲惨な末路を迎え、悪霊となったという。
  • 悪霊が抱く怨念は非常に強く、島全体を強力な霊場としているという。
  • 霊場に充満する霊気は非常に危険で、有機物・無機物問わずあてられ続ければ深刻な影響を被るという猛毒である。
  • 幽霊島の霊障には個人差があり、比較的軽傷で済むものも多々であるらしい。
  • 探偵さんに聞いたところ精霊使い、並びにその信望者や契約者への被害が大きかったらしい。
  • 現地では「マステマの孤島」及び「神殺しの島」と呼ばれている。マステマとは「憎悪」のことか?
  • 「神を、憎め 神を、恨め 我らが受けた仕打ちを忘れるな 死を想い、死と踊れ」と始まる聖句のようなものを聞いたものもいるらしい。
  • 幽霊島の霊障を使う殺し屋がいるらしい。傭兵業界に関与しているみたいだから、「仕事」で会えるかも知れない。誰だろう?
  • 幽霊島の霊障は「信仰心」に反応するらしい。だから人によって被害の差が大きいのかもしれない。
  • 幽霊島のかつての住民たちは「神」と扱われる存在をひどく憎んでいる。
  • 霊障や悪霊による被害に耐性のある不死者にも効果があるようだ。恐らくは耐性を貫通するほど強いものなのかもしれない。
  • 殺し屋さんに出会った。凄く背の高い男の人だった。後で他の傭兵さんに聞いたのだけど彼は人外、それもモノであるらしい。
  • 他にも噂を聞いた。殺し屋さんはシャワーは浴びるものの、湯船にはいつも浸からない。どうやら水が苦手であるらしい。……カナヅチ?
  • ともかく、彼が真相に極めて近い位置にあるのは確かなようだ。心なしか避けられているものの、チェレーレを止めるためにも協力してもらいたいなぁ。私が止めても聞かないし

  • それは、胸が張り裂けそうになるほどとてもとても悲しく恐ろしい島だった。数多の夢に消えてしまった島、たくさんの魂にどうか、安らぎあれ。 (NEW)


主な関係者


カルト教団「黒の黎明」教祖の息子

この痛ましき宗教戦争の犠牲となった若きエルフ。見た目は子供だけども中身はオトナ。
ちなみに名前はシセラ。フルネームは「シセラ=メルディン」。
元は両親共々ヴューステの出身だが、ルフトの汚点の集まりとも言えるナハト信仰により破門されてこの地に島流しにあった。
ナハトを尊ぶ黎明において重要なポジションであったらしく、現人神、ナハトの神子と呼ばれるほどの力を持っていたという。
故人であるが、その魂は魔神となり島の呪いの大本たる超越者マステマとして8年の間恐怖と憎悪と理不尽を振りまいた。


ウルスラ

当時真っ当な修道騎士だった現テロリストでカルトで一人教団な危険人物な闇の聖職者。
件の教祖の息子の幽霊をみた修道士のうちのひとりでもある。
彼の異常な性格は当時からだったらしく、拷問狂のサディスト。というか信仰対象が違うくらいで精神構造に違いはない。たぶん。
ちなみに事件以後行われた幽霊島の調査とは無縁である。やっぱり元かry


十字架

この事件において用いられた刑具のうちの一本が付喪神となったもの。こちらも性質の悪いタイプな天然系サディスト。
いろいろあって処分されかかった所を偶然見かけたメリアスによって救われ、後に木霊強硬派となる。
前述のよく似た炎を操る殺し屋というのは彼のこと。消えた刑具、教祖の息子の幽霊の正体も彼。
付喪神の化ける能力を利用して一時的に死んだはずの「シセラ」に成り代わって逃げたのである。

命を繋ぐためにシセラに化け逃げおおせ、メリアスに拾われた彼は、8年の時を経て本当にシセラに成り代わってしまった。
その呪いと力、業を引き継いだ二代目マステマとして。


ちなみに


  • クローズドサークルなホラースポットが欲しかったので作成。
最終更新:2015年05月27日 05:28