ふたば系ゆっくりいじめ 1198 プレミアムゆン ~餡子~

プレミアムゆン ~餡子~ 10KB


観察 考証 実験・改造 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 独自設定 ゆぶぶ ドキュメンタリー風 二行作


 ゆっくり、脆弱かつ不可思議な生き物。近年、その驚くべき生態が明らかになりつつあります。
 『YHKスペシャル・プレミアムゆン』 この番組はそんなゆっくり研究の最先端をご紹介致します。

 なお、当番組の内容はいずれも研究途上のものであり、いわゆる独自設定であることをご了承下さい。





『YHKスペシャル・プレミアムゆン ~餡子・儚き生命に秘められた驚きのメカニズム~』



 ある野良ゆっくりが、廃材置場で暮らしています。れいむ種が4匹。3匹が赤ゆで、もう1匹も子ゆっくりです。
 どんな生き物においても赤子は食欲の体現者。ゆっくりならばなおさらです。3匹の幼きれいむも、空腹を訴え続けています。
 しかし、どんなに泣いても叫んでも、親ゆらしき姿は現れません。恐らく、子供を残してずっとゆっくりしてしまったのでしょう。
 子ゆっくりの姉は、妹達のいるところから少し離れて、何やらもぞもぞと体を動かしています。盗み食いでもしているのでしょうか。

 カメラを寄せて、その動きを見てみましょう。
 なんとこのれいむ、トタン板の端で自分の頬を傷付けています。割れてギザギザになった破片が皮膚に食い込む度、その顔が苦痛に歪みます。
 見れば、姉れいむの表皮には到るところに自傷の痣が残されています。どれも餡子の手前で止まっているものの、浅い傷ではありません。
 痛みには恐ろしく弱い生饅頭。そのショックは当然、体を蝕んでいきます。
 姉れいむが遂に、ゆぶぶと餡子を吐き出しました。吐餡と呼ばれる、深刻なストレス状態です。
 しかしこのれいむは、一風変わった行動に出ます。自分の餡子をアイスクリームの蓋めがけて吐いているのです。

 吐餡が落ち着いたのか、紅饅頭が上下に伸びて息を整えています。
 しばしの後、姉れいむは蓋の縁をくわえ、満載された餡子ごとずーりずーりと運んでいきます。
 たどり着いた先は、3匹の妹。姉が自分の中身を差し出すと、赤ゆ達は大喜びで食らい付きます。
 餡子で汚れた妹の顔。それを、姉は青ざめたままにこやかに眺めています。
 姉れいむは這いつくばりながら、またも妹から離れます。そして、自分は辺りに生えている雑草を舐め取り、長い時間をかけて咀嚼していくのです。



 この映像は、世話品大学の雨宮助教授が撮影したものです。
 助教授は、ゆっくりの暮らしぶりについて研究しています。ゆっくり種の社会生活から、生態の秘密を探ろうとしているのです。
 今回も、土地の所有者の許可の元、半月に渡って隠しカメラで野良れいむ姉妹を撮り続けました。
 雨宮助教授に、お話を伺います。

「どうやられいむ達は、親なしでの生活を強要されているようです。原因までは分かりません。
 そこで子供だけの狩りとなるのですが、4匹のうち3匹が赤ゆ。しかも、この赤ゆは既に舌が肥えているようですね。
 撮影初日には、姉がペースト状の草を与えていたのですが、全て吐き出してしまいました。
 次に姉れいむの取った行動は、ご覧の通りです。もしかしたら、親も同じような行動を取っていて、それを真似たのかもしれません。
 それにしても、ゆっくりとしては理に適った行動といえます。仮におたべなさいや類似する方法で餡子を与えるとなると、回数は大幅に限られてしまいます。
 しかしこの吐餡による方法なら、幾度も上質のあまあまを与え続けることができるのですから」



 そもそも、吐餡とはどういったメカニズムで起るのでしょうか。
 そのきっかけは強いストレスであることは知られています。加えて今までの説では、『ゆっくりできない記憶を餡子と一緒に吐き出している』とされてきました。
 しかし、世話品大学は少し変わった視点から、吐餡を探ろうとしています。

 強いストレスを受けたゆっくりの餡子は甘くなる。彼らはこの定説からとらえ直すことにしました。
 生きた餡子の糖分が上がるのは、これまでストレスによりホルモンバランスが変化するためとされてきました。
 しかしそれが『甘くなる』ということと、どう結びつくのか。何故、苦くなったり辛くなったりしないのか。世話品大学の研究陣は頭を悩ませました。
 その疑問に一石を投じたのは、大学の重鎮・滋賀教授の呟きでした。

「ストレスの対極は、リラックスではないか。ならば、ゆっくりにとってのリラックスとは?」

 その言葉がカギとなりました。ゆっくりが最もリラックスできること、それは甘いあまあまを食べることです。
 そこから、こういった仮設が導き出されたのです。
 まず、強いストレスを感じた餡子は、ゆっくりが最も好むあまあまに近い物質に変化します。
 そして、それを口内を通じて排出しようとします。『吐餡』です。
 この時、吐しゃ物が口内を通過する時に感じる甘味によって、ストレスを和らげているのではないか、という説です。

 雨宮助教授は語ります。

「端的にいえば、『あまあまを食べている気になって、嫌なことを忘れようとしている』ということです。
 ゆっくりしていない記憶が吐しゃ餡に含まれているという説は、吐しゃ餡を食べたゆっくりがストレス状態になることから考えられたものです。
 しかしいくら甘味とはいえ、目の前で醜く吐き出されたものを食べれば強いストレスを受けるのも当たり前です。
 だからこそ冒頭の野良れいむは、こっそりと吐餡をしていたのでしょう。現場さえ見られなければ、姉が持ってくるのは単なるあまあまなのですから」

 さらに、この吐餡新説は、ゆっくりのショック死の解明にも繋がるといいます。
 以下は、世話品大学がまとめたレポートによるものです。

 ショック死のパターンは2つ。まずは、過剰な吐餡による出餡多量死です。
 これは、激甚なストレスを打ち消そうとする余り、次々に口蓋めがけて変換されたあまあまが排出されるために起る現象です。
 そしてもう1つは、吐餡を伴わない完全なショック死です。

 ここに、あるゆっくり実験のデータがあります。使われたのは、1つの茎に実った2体の実験用まりちゃです。
 まりちゃの茎は採取後、特殊な砂糖水に付けられて、生れ落ちるまでの期間を調整されています。
 落下までの間、このまりちゃ達には催眠を施しました。
 まず過去の実験時に録音したゆっくりの断末魔を延々と流し、潜在意識化に刷り込みます。
 そして、オルゴールが鳴るとそれを徐々に思い出すように、チャイムが鳴ると全て一気に思い出してしまうように暗示をかけたのです。

 ある日、遂にまりちゃが生れ落ちました。ほぼ2匹同時です。

「「ゆっくちしていっちぇね!!!」」

 ただちに1匹を透明な小箱に入れ、睡眠ガスで眠らせます。

「ゆ? まりちゃのいもーちょは?」

 どうやら箱に入った方が妹だったようです。
 妹を案じる可愛い姉まりちゃに向けて、オルゴールを鳴らします。

「ゆげぇ・・・にゃにきょれ・・・」

 心休まるメロディーが、姉まりちゃにとっては地獄の旋律となりました。減らず口を叩く間もなく、まりちゃは吐餡を繰り返します。

「もっちょ・・・」

 断末魔も言い終えぬまま、短いゆん生は幕を閉じました。体は萎み、お飾りさえ飲み込むほどの吐しゃ餡がまりちゃを包んでいます。
 じっくりと締め上げるような深いストレスが、このような事態を招いたのです。

 次は、妹まりちゃの番です。まずは小箱に覚醒ガスを吹き込みます。
 小箱の蓋を開けると、まだ寝ぼけ眼のまりちゃが、研究員に向かってご挨拶をしようとしました。

「ゆ・・・ゆっきゅりおひゃよ」

 すかさずチャイムを鳴らします。一気に突き抜けるようなストレスを呼び起こすものです。
 すると、妹まりちゃは『おひゃよ』と言った表情のまま、固まってしまいました。どうやら、一撃でショック死したようです。

 この2匹のまりちゃの成分を調べたところ、姉の吐しゃ物と同じものが、妹の体内にみっちり納まっていることが分かりました。
 つまり、姉がじわじわとあまあまを吐き出したのに対し、妹は一瞬にして体内があまあま化してしまったのです。
 あまりにも急激なストレスは、排出運動に必要な分の餡すらも変換してしまうようです。
 生きている饅頭が一瞬で単なる饅頭に変わる。これも、ゆっくりならではの生態なのです。



 ゆっくりの餡子は、或いは幹細胞に近いものなのかもしれません。運動も思考も記憶も切れ目のない1つの餡子で行われ、しかも時には食料にさえ変わります。
 未だ分からないことだらけのゆっくり餡ですが、これを医療分野に役立てようとする動きがあります。

 世話品大学でも、筋肉や神経が渾然一体となったこの餡黒物質を使って、義手を作ろうとしています。
 まず、シリコンで作られた外装の中に、大学で培養された生餡子を詰め込みます。
 生餡子はペットボトル内で育てられた、半融解状態で生きているゆっくりです。目や口などのグロデスクな器官はなく、栄養チューブで育てられた純粋な餡子生物です。
 この餡子が詰まった腕の付け根に、制御チップを埋め込まれた中枢餡を取り付けます。制御チップは体内から流れる信号や物質に反応し、餡子の腕を動かすのです。 
 未だ臨床にはほど遠いものですが、既に簡単なものをつかむことには成功しています。
 ただ、普通のものとあまあまを並べると、スリのような速度であまあまを取ってしまう不具合があり、この調整に難航しているそうです。

 大学の滋賀教授は、ゆっくり餡の医学的な可能性を認めつつも、ある懸念を表します。

「・・・ゆっくりはその餡によって、消化も解毒も心肺機能も賄います。
 これは、将来においてゆっくり餡を臓器として利用できる可能性も示唆していると私は考えます。
 しかし、もし人間の体内を餡で補うようなことになれば、人間と胴付きゆっくりの境界はどうなるのでしょうか。
 そして、餡子でできた体は簡単に傷付き、簡単に修復します。この簡便性は生命の尊厳を脅かしかねません。
 近い未来、人造人間ならぬ餡造人間が現れた時、我々の研究はどう評価されるのでしょうか・・・」



 YHKは取材の最終日、再び雨宮助教授の元を訪れました。

「ゆっくり餡による臓器の生成ですか。
 私は息子を医学部に通わせているんですがね。医者になっていざ体を切ったら中身が餡子だった、なんて馬鹿な目には合わせたくないですね」

 そう言いながら、雨宮さんは我々にあのVTRの続きを見せてくれました。
 映し出されたのは廃材置場。微笑んだまま動かない姉れいむ。文字通り、ずっとゆっくりしてしまっているようでした。

「所詮、子ゆっくりです。あのような生活に耐えられるわけはなかったんです。
 赤れいむどもですか? いつの間にかいなくなってましたね。
 餌をくれなくなった姉を見捨てて、どこかに行ってしまったのか。それとも守ってくれるものが死んで、自分達も後を追う羽目になったのか」

 それでも、姉れいむの死に顔は幸せそうでした。敢えて自分を傷つけて得た餡子によって、幼い妹をゆっくりさせたれいむ。
 或いはその場しのぎであり、自己満足であったかもしれません。
 しかし、今、れいむは正にゆっくりしています。それは『ゆっくり』という感情で動くお饅頭にとって、最も望ましいゆん生だったのかもしれません。





『YHKスペシャル・プレミアムゆン ~餡子・儚き生命に秘められた驚きのメカニズム~』

 製作著作:YHK(ゆっくり放送局)
 脚本:二行
 協力:世話品大学  (有)砂利廃材





 『プレミアムゆン』、いかがでしたでしょうか。
 この春には、『プラネットゆース ~密林の戦争~』も公開予定です。知られざる秘境で展開する脅威。ご期待下さい。





(終)





【過去作】



※ほんの少し未来の話
 nue082  「現実には起こりえない話」
 ふたば系ゆっくりいじめ 1146 ゆっくりしていただけの群れ
 ふたば系ゆっくりいじめ 906 蟷螂の斧



※どろわ&ぬえ
 draw006 「パラダイゆch」
 nue079 「素晴らしき世界」
 nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」
 nue022 「ゆナッフTV」
 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」

 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。
 餡娘ちゃんとWIKIあき、感謝。



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感想

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  • 赤ゆっくりにあまあま食べさせたら餓死するか、同属殺しのゆっくりにしかならないだろうに・・ -- 2010-08-20 01:58:43
最終更新:2010年05月15日 12:43
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