Nカルチャー(英語表記:N Culture)は、2020年代初頭に日本のインターネット上で形成された、新たな創作文化の潮流である。4コマ漫画の形式を解体・再構成する「現代4コマ」を起点に、ジャンル横断的な作品や概念が次々に登場し、それらを包括する枠組みとして2024年に現代4コマ運営チームのリーダーである人生(@unagi_mp4)によって命名された。
「N」という文字には、「New(新しい)」「Next(次の)」「Net(インターネット)」など、複数の意味が込められている。
概要
Nカルチャーは、従来のジャンルや表現形式にとらわれず、個人の感性や実験性を重視する創作活動全般を指す概念である。漫画、音楽、詩、記号、ミーム、批評など、媒体や文法を横断する作品が含まれ、インターネットを主な舞台として発展してきた。
この文化圏では、個人が見つけた「おもしろさ」や「違和感」「ズレ」「意味のなさ」を、誰にも強制されることなく表現に昇華することが許容される。
そのため、Nカルチャーはしばしば、芸術と趣味、プロとアマ、正当と異端の境界を曖昧にしながら創作の幅を拡張する文化的運動として評価されている。
そのため、Nカルチャーはしばしば、芸術と趣味、プロとアマ、正当と異端の境界を曖昧にしながら創作の幅を拡張する文化的運動として評価されている。
歴史と展開
Nカルチャーの起点は、2023年にX(旧Twitter)上で提唱された「現代4コマ」にある。これは、漫画における最小単位ともいえる4コマ形式を素材とし、物語性やキャラクターに依らず、図像や構成、概念そのものによって表現するスタイルであり、従来の4コマ漫画とは一線を画していた。
この動きはSNSを通じて拡がり、4コマ以外にもさまざまな実験的創作が生まれた。こうした多様な活動を包括する名称として「Nカルチャー」が定着し、次第に1つの文化的まとまりとして認識されるようになった。
現代4コマの提唱者であるいととと(@itototo1010)は、Nカルチャーについて次のように語っている
「現代4コマを始めとするNカルチャーは、根本的な創作の精神を育むためのものではないかと考えている。
自由に創作していいという精神。
一見よく分からないものを、自分の視点で楽しむ姿勢。
他者の評価に縛られず、自分自身のお気に入りを見つける感覚を大切にする。
Nカルチャーは、こうした創作に向き合う姿勢を育てる場として存在しているのではないかと思う。」
自由に創作していいという精神。
一見よく分からないものを、自分の視点で楽しむ姿勢。
他者の評価に縛られず、自分自身のお気に入りを見つける感覚を大切にする。
Nカルチャーは、こうした創作に向き合う姿勢を育てる場として存在しているのではないかと思う。」
この思想は、従来の価値軸に対するオルタナティブであり、プロ/アマ、芸術/遊び、成功/無名といった文化的二項対立を軽やかに超えていく創作観として、多くの共感を得ている。
文化的意義
Nカルチャーは、表現内容だけでなく、文化そのもののあり方に変革をもたらしている。
評価されることを前提としない創作の肯定、意味の不明瞭さや脱文脈性の許容、そして即時共有・再編集・共創といったネット時代の表現環境に適応した文化活動である。
評価されることを前提としない創作の肯定、意味の不明瞭さや脱文脈性の許容、そして即時共有・再編集・共創といったネット時代の表現環境に適応した文化活動である。
また、Nカルチャーの特徴は、表現だけでなく、それを取り巻く「態度」「倫理」「鑑賞姿勢」まで含めて一つの文化として機能している点にある。
主な表現例
現代4コマ
VirtuNym
既存漢字グランプリ
無意味グラフ
ピーコロン
絵文字漫画
VirtuNym
既存漢字グランプリ
無意味グラフ
ピーコロン
絵文字漫画
外部リンク
現代4コマ公式X(@gendai4koma)
現四通信(@gen4_tsushin)
現四通信(@gen4_tsushin)