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ワーウルフ
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gensousyusyu
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ワーウルフ/Werewolf
ヨーロッパに伝わる人狼・狼男のこと。狼憑きの一種で、男性であることが多い。
白ロシア・東欧・北欧などを中心に、ヨーロッパの森林帯に棲むとされる。日中は普通の人間として暮らしているが、夜になると狼に変身する。完全に狼になる場合と、体中から毛が生えるだけに留まる場合が見られる。変身すると理性は失われ、人や家畜を襲ったり、埋められたばかりの死体を掘り起こして食べたりなどと凶暴になる。また、ワーウルフに襲われて死んだ人間もワーウルフになるという。変身が解けると消耗しきった状態になり、変身時に犯した悪行を思い返して憂鬱になる。
本物の狼とワーウルフの見分け方として、尾が無い・目や瞳が人間のものである、などがある。人間時には、眉毛が繋がっている・傷つくとその傷口から毛皮が見えるといった判別方法がある。完全な狼に変身するワーウルフの場合は、変身後の姿が通常の狼よりも大きいためにワーウルフだと分かる。ロシアでは、舌の裏側に剛毛が生えているという。
ワーウルフへの変身方法はいくつかあり、衣服を脱いで狼の皮製ベルトを身につける・魔女の軟膏を塗る・なりたい動物の足跡に溜まった雨水を飲むなどといった、自らの意志による方法がある一方、神などによる呪いや病気・ローマカトリック教会から破門された者が変身させられる・妖術師の魔法によるものなど、自らの意志に関係せず変身する場合もある。キリスト教聖者は自らが獣になったり、相手を獣にしたりする力を持つとされ、聖パトリックがウェールズ王を狼に変えたという伝説も残っている。
ワーウルフ伝承の原型は、ギリシア神話に登場する、ゼウスによって狼に変えられた王・リュカオンの話だとする説がある。ワーウルフの名の初出は西暦1000年以前とされる。ワーウルフのイメージが定着したのは12世紀から13世紀と思われ、中世ヨーロッパでは実在すると信じられていたが、プリニウスは『博物誌』第8巻34章においてワーウルフの真実性を否定している。魔女狩りが行われていた時代には、ワーウルフと見なされた人間も魔女同様に虐殺されたという。
今日における、「狼男が満月を見ると変身する」「銀の弾丸で死ぬ」といったイメージは、1935年のスチュアート・ウォーカー監督映画『Werewolf of London』や、1941年のロン・チェイニーJr.主演映画『The Wolf Man』が定着させたものである。
白ロシア・東欧・北欧などを中心に、ヨーロッパの森林帯に棲むとされる。日中は普通の人間として暮らしているが、夜になると狼に変身する。完全に狼になる場合と、体中から毛が生えるだけに留まる場合が見られる。変身すると理性は失われ、人や家畜を襲ったり、埋められたばかりの死体を掘り起こして食べたりなどと凶暴になる。また、ワーウルフに襲われて死んだ人間もワーウルフになるという。変身が解けると消耗しきった状態になり、変身時に犯した悪行を思い返して憂鬱になる。
本物の狼とワーウルフの見分け方として、尾が無い・目や瞳が人間のものである、などがある。人間時には、眉毛が繋がっている・傷つくとその傷口から毛皮が見えるといった判別方法がある。完全な狼に変身するワーウルフの場合は、変身後の姿が通常の狼よりも大きいためにワーウルフだと分かる。ロシアでは、舌の裏側に剛毛が生えているという。
ワーウルフへの変身方法はいくつかあり、衣服を脱いで狼の皮製ベルトを身につける・魔女の軟膏を塗る・なりたい動物の足跡に溜まった雨水を飲むなどといった、自らの意志による方法がある一方、神などによる呪いや病気・ローマカトリック教会から破門された者が変身させられる・妖術師の魔法によるものなど、自らの意志に関係せず変身する場合もある。キリスト教聖者は自らが獣になったり、相手を獣にしたりする力を持つとされ、聖パトリックがウェールズ王を狼に変えたという伝説も残っている。
ワーウルフ伝承の原型は、ギリシア神話に登場する、ゼウスによって狼に変えられた王・リュカオンの話だとする説がある。ワーウルフの名の初出は西暦1000年以前とされる。ワーウルフのイメージが定着したのは12世紀から13世紀と思われ、中世ヨーロッパでは実在すると信じられていたが、プリニウスは『博物誌』第8巻34章においてワーウルフの真実性を否定している。魔女狩りが行われていた時代には、ワーウルフと見なされた人間も魔女同様に虐殺されたという。
今日における、「狼男が満月を見ると変身する」「銀の弾丸で死ぬ」といったイメージは、1935年のスチュアート・ウォーカー監督映画『Werewolf of London』や、1941年のロン・チェイニーJr.主演映画『The Wolf Man』が定着させたものである。
別名
参考文献
- 草野巧著『幻想動物事典』新紀元社
- 山北篤著『幻想生物 西洋編』新紀元社