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ロスクヴァ
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gensousyusyu
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ロスクヴァ/Röskva
北欧神話の登場人物。ミッドガルド(人間界)に住む。農家夫婦の娘で、兄はシアルヴィ。トールの召使いとなった。
トールとロキ(1)のウトガルド遠征への道中、一宿一飯を求め寂しい農場にやってきた。農家夫婦とシアルヴィ、ロスクヴァが彼らを歓待したが、食べ物が少なかった。そこでトールは戦車を引かせていた2頭の山羊を殺し、皮を剝いで農婦の釜の中に入れて調理した。シアルヴィとロスクヴァはご馳走に心躍らせ、肉が煮えたかどうか釜の近くで見続けた。トールは「食べる時に骨を丁寧に扱い、全て皮の上に投げ置く」ことをルールとした。食事が済んで一同が眠りにつき、やがて夜明け前になると、トールは山羊の皮の上にミョルニル(トールの所有するハンマー)を持ち上げて祝福の言葉を述べると、2頭の山羊が立ち上がった。しかしシアルヴィが髓まですするために骨を裂いていたため、1頭は片足を引き摺っていた。トールは言いつけを守らなかったことを怒ったが、一家が嘆願したため、シアルヴィとロスクヴァを召使いとして旅に同行させることで許すことにした。
一行は小舟で海を渡り、森の中を彷徨った。宿を探すシアルヴィは大きな館を発見し、そこに泊まることになったのだが、館だと思っていたのはスクリューミルという巨人の手袋だった。スクリューミルは食物に飢えた一行に食事を与えると言ったが、それはスクリューミルの意地悪で、彼が渡した食物入りの袋はトールでさえほどけない紐で結ばれていた。巨人に翻弄された一行は食事にありつけないまま夜を明かした。森を後にした一行がウトガルドの砦に到着すると、ロキ(1)は先立って門をくぐって中に入った。その後に細身のロスクヴァと手足の長いシアルヴィ、そしてトールが続いた。ウトガルドの館で、一行は巨人たちの王ウトガルド・ロキと様々な対決をすることになる。まずはロキ(1)が、続いてシアルヴィとトールが巨人たちと勝負したが、いずれも負けた。しかしウトガルド・ロキはトールの力を認め、一行を歓待した。翌朝、ウトガルドを後にする際、すべてはウトガルド・ロキの作った幻影だったことが明かされる。一行はミッドガルドの農場で預けていた山羊と戦車を受け取り、アースガルドに帰還した。
名は古ノルト語で「勇気のある女」「有能な女」の意。
トールとロキ(1)のウトガルド遠征への道中、一宿一飯を求め寂しい農場にやってきた。農家夫婦とシアルヴィ、ロスクヴァが彼らを歓待したが、食べ物が少なかった。そこでトールは戦車を引かせていた2頭の山羊を殺し、皮を剝いで農婦の釜の中に入れて調理した。シアルヴィとロスクヴァはご馳走に心躍らせ、肉が煮えたかどうか釜の近くで見続けた。トールは「食べる時に骨を丁寧に扱い、全て皮の上に投げ置く」ことをルールとした。食事が済んで一同が眠りにつき、やがて夜明け前になると、トールは山羊の皮の上にミョルニル(トールの所有するハンマー)を持ち上げて祝福の言葉を述べると、2頭の山羊が立ち上がった。しかしシアルヴィが髓まですするために骨を裂いていたため、1頭は片足を引き摺っていた。トールは言いつけを守らなかったことを怒ったが、一家が嘆願したため、シアルヴィとロスクヴァを召使いとして旅に同行させることで許すことにした。
一行は小舟で海を渡り、森の中を彷徨った。宿を探すシアルヴィは大きな館を発見し、そこに泊まることになったのだが、館だと思っていたのはスクリューミルという巨人の手袋だった。スクリューミルは食物に飢えた一行に食事を与えると言ったが、それはスクリューミルの意地悪で、彼が渡した食物入りの袋はトールでさえほどけない紐で結ばれていた。巨人に翻弄された一行は食事にありつけないまま夜を明かした。森を後にした一行がウトガルドの砦に到着すると、ロキ(1)は先立って門をくぐって中に入った。その後に細身のロスクヴァと手足の長いシアルヴィ、そしてトールが続いた。ウトガルドの館で、一行は巨人たちの王ウトガルド・ロキと様々な対決をすることになる。まずはロキ(1)が、続いてシアルヴィとトールが巨人たちと勝負したが、いずれも負けた。しかしウトガルド・ロキはトールの力を認め、一行を歓待した。翌朝、ウトガルドを後にする際、すべてはウトガルド・ロキの作った幻影だったことが明かされる。一行はミッドガルドの農場で預けていた山羊と戦車を受け取り、アースガルドに帰還した。
名は古ノルト語で「勇気のある女」「有能な女」の意。
別名
参考文献
- K・クロスリィ-ホランド著/山室静,米原まり子訳『北欧神話物語』青土社
- クロード・ルクトゥ著/篠田知和基監訳/広野和美,木村高子訳『北欧とゲルマンの神話事典 伝承・民話・魔術』原書房
- ライナー・テッツナー著/手嶋竹司訳『ゲルマン神話 神々の時代 上』青土社
- 久保田悠羅とF.E.A.R.著『ドラゴン』新紀元社