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その1

最終更新:

homuhomu_tabetai

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私は…そうね…仮にA子にしておきましょう。
今、私は自らの二人の子供を連れ、電車に揺られている。見滝原の少し外れにある実家に帰省する為だ。帰省の理由? 主人と喧嘩したからだ。
といっても夫婦関係が修復不可能な程深刻な状態とかそういうのではない。むしろ良い。
成績優秀だった私は東京の名門私立大学を卒業後、誰もが知っている一部上場企業に総合職として採用された。
国立大学を卒業し同期入社して来たのが今の主人である。
企業戦士として苦楽を共にした私達は入社から五年後結ばれた。そして一年後長女を授かったのを機に退職した。
長女誕生から一年半後には長男を授かった。
一姫二太郎、所謂3高で真面目な主人、都内の一戸建て。友人は皆、私を羨んだ。私自身も毎日幸せを謳歌している。
ただ、私も主人もその経歴からお互いプライドが高い。短いと3ヶ月に1度、長いと半年に1度、意見の食い違いで口論になってしまう。


 え~次の駅は上見滝原ぁ~上見滝原ぁ~ 御乗り降りの際は足元に注意してくださぃ~


そういう時私はこうして実家に帰り、暫く主人と距離を置く事にしている。実家は両親と兄夫婦が暮らしている二世帯住宅だ。
結婚当初は主人と喧嘩をしていちいち実家に帰ってくる私を、両親、兄、共々心配し、口うるさく言い、世話を焼いていたが、
私達の夫婦関係がどういうものか伝わるにつれ、そういう事はしなくなり、黙って迎え入れてくれるようになった。
長女が生まれてからは逆に孫、姪と甥の顔見たさに次はいつ喧嘩するんだ?と言わんばかりの素振りすら見せている。
主人の家に嫁いでしまったが家族には感謝の気持ちで一杯だ。
主人もこの事は充分弁えていて、口論した翌日、会社から帰宅し私と子供達の姿が無くても全く慌てたりしない。
私の実家に確認の電話を一本入れてくるだけだ。

 「あ。おばちゃん達いらっしゃ~い」

実家に着くと、お出迎えしてくれたのは兄夫婦の娘。私の姪っ子だ。私の長女より二つ上のこの姪を、私は長女が生まれる前、溺愛していた。
そして二人の子供を授かった今もそれは変わらずだ。親戚のお姉ちゃんの顔見ると子供達は大はしゃぎだ。さっそく玄関付近で遊びだした。
微笑ましくそれを眺める。


 「A子さん。いらっしゃい。」「おかえり。」


そうこうしていると奥から兄の嫁と母が出て来た。兄嫁は快活でテキパキと家事をこなす朗らかな女性だ。
正直専業主婦としては私なんかよりずっとよくできている。兄もうまくやったものだと会う度に思う。
そして母。またちょっと老けたかな…。そんな事を思う。父と兄はもちろん仕事で不在だ。
私は実家に上がり居間に通される。母と義理の姉、そして私。女三人庭で遊ぶ子供達を眺めながら取り留めなのない話が始まる。


 「あ!いたいたぁ~♪」


  「ホムゥ?」ン? ナニ?


長男がほむほむをみつけたようだ。長女と二人で物珍しそうにほむほむを眺める。もう何度もみているだろうに…。
ただ都会暮らしの二人には相も変わらず不思議な生き物なのだろう。姪っ子は見滝原で暮らしているだけに、ほむほむなど珍しくもない。むしろ嫌そうな顔をする。
が、そこはお姉ちゃん。すぐに気を取り直してほむほむも交え一緒に遊びだした。本当に良い子だ。私より更に出来が良い兄に似たのだろう。


 「ホムゥ!マドカァーマドカァー!」

 「ティヒヒ! マドドォ~♪」

 「ミャドォ~♪」

 「ホミャァ~♪」


「わぁ~家族だぁー♪」「すごい!すごい!」

子供達が危害を加えないと思ったのだろう。ほむほむは物陰から子供達と楽しく遊ぶほむほむを羨ましそうに覗いていた自らの家族を呼び寄せ
子供達に紹介した。うちの子二人は大喜びだが、姪っ子は…やっぱり微妙な顔してるww後でお小遣いあげないとね。
無限の体力で遊ぶ子供達。そして何も話題など無いのに話の終わらない女三人。いつの間にか時間は過ぎ、夕方になっていた。
夕方になると、母と義姉はいつもより少し豪華な夕食の仕度をはじめる。私は姪っ子も含めて子供達をお風呂に入れてあげる。


「おばあちゃんほむほむ達もお家の中にあげてもいい?」


決まって子供が母にそう言う。母は笑顔でいいよ。ちゃんと身体を拭いてあげるんだよ。と、子供に濡れタオルを渡してあげる。
子供達は笑顔で頷くと、ほむほむ達の身体を優しく拭いてあげる。思ってもみない展開にほむほむ達は子供達以上に大喜びだ。
飼って貰えると確信でもしたのだろうか? 家族寄り添いながら涙を流している。


 「ホムゥゥ…マドカァ…マドカァァァァ…」ポロポロポロポロ

 「ホムラチャン…ホムラチャン…」ポロポロポロポロ

 「ホミィィィィ…」「ミャドォォォ…」ポロポロポロポロ


「なんで泣いてるの?」「あークネクネしないでぇ!拭きづらいよぉ」「^^;」


姪っ子www

子供達をお風呂に入れてあげた後、私も夕食の仕度に加わる。
子供達は母が即席で作ってくれたダンボールに古いタオルを敷いた簡易ほむほむ達の家にほむほむ達を入れ、それを囲んでまた遊び始めた。
豪華な新居にほむほむ達は、唖然、驚愕、茫然自失、歓喜の涙、そしてクネクネだ。


「ただいまぁ。」

「あ!おじちゃーん!」「おじちゃん!おじちゃん!」

「おかえりなさい」

「おう。」


兄が帰ってきた。兄は猛勉強の末、大学在学中に司法試験をパスし、現在法律事務所を構えている。私より二つ年上だ。
私と子供達が実家に来ていると母が電話したのだろう。仕事を早めに切り上げて来たらしい。


「なんだい?またほむほむかい?お、家族かい。すごいねぇ。」


 「ホムゥッ!」コンチハ! ピョンピョン

 「ティヒヒィ!マジョォー♪」ハジメマシテ ペコリ

 「ホミュゥゥ♪」「ミャドォォ♪」オッキイニンゲン! キャッキャッ♪


「弟が見つけたんだよぉ♪」「僕が見つけたんだよ!」「パパおかりなさぁい」


まぁゆっくりしていけ。子供達を一頻りあやすと兄は私の方に向きかえってそう言った。子供の頃から私はこの兄が自慢だった。
同級生からはA子のお兄ちゃんかっこいいと羨望の眼差しを向けられ私も満更でなかった。今も色々と頼りにしている。
兄は夫婦の部屋に戻り鞄を置き着替えると風呂に向かった。子供達は再びほむほむ達と遊び出す。まどまどが踊りを披露しているようだ。
子供達はそれを観て大喜びだ。姪は相変わらず微妙な顔をしているがww



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