その1
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homuhomu_tabetai
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「ホムホム♪」「マドマド♪」「ホミャア♪」「ミャロン♪」
これはどこにでも居るほむほむと、その家族の話……
そのほむほむの巣は、裏通りに落ちている古びたダンボール箱だった。
それまではほむほむ一匹で暮らしていたのだが……思いを寄せていたまどまどと昨日晴れて番になり、今朝待望の仔どもが生まれた。
しかし仔どもが生まれたのは普段なら餌探しに出かける時間だった為、巣の中には食べるものが何も無かった。
そこでほむほむは、体力が回復したらまどまどに仔ども達を任せて餌探しに行くことにした。
・・・・・・・
「ホムホム♪」イッテクルネ♪ テフリフリ
「マドマド♪」キヲツケテネ♪
「ホミャアー♪」オカーシャ♪ テフリフリ
「ミャロン♪」テラチャイ♪ テフリフリ
家族に見送られて意気揚々と巣から出ようとするほむほむ……その顔は幸せに満ちている。
昨日までの餌探しとは気分が違っていた……
……昨日までは自分が食べる分だけを必死に探してたけど……今日からは違う♪
……自分を待ってくれている家族がいる……愛しいまどまどに可愛い仔ども達///
……みんなにお腹一杯食べさせてあげなくちゃね♪
「ホムホムホム♪」ニコニコ♪ トテトテトテ…
そんな事を考えながら、いつも餌探しをしているゴミ置き場に向かおうと巣から出た……巣の入り口は建物側に向いている為に箱をぐるっと周らなければならない。
ほむほむがルンルン気分で箱を周った瞬間……突然影に包まれた……
「ホム♪…ホムゥ?」ピタッ
「……この箱が巣になってたか……」
ほむほむの頭上から声が聞こえた。
「ホム…ホムー?」ソー…
ほむほむが恐る恐る見上げると……そこには人間が立っていた……
「ほむほむだけか? いや……夜にまどまどの声も聞こえたから……「ホホッ!?…ホ…ホビャアアアアァァァァァ…」クルッ トテテテテテ…
人間の発した声をかき消すように、ほむほむは叫びながら巣の入り口に向かって走り出した……
「逃げたか……まぁいいか……まだ時間あるしな」
人間はそう呟いて、ほむほむが巣に逃げ込むのを待つことにした。
「ホムウウゥゥゥゥゥッ!?」トテテテテ…
逃げながらほむほむは考える……
……どうして人間が!? 今までずっと見つからなかったのに……
……どうして? 家族が出来て……幸せいっぱいだったのに……
ほむほむは変わったのは自分だけと思っている……しかしそれは違っていた……
人間が巣に気づいたのは昨日の交尾の声が原因だ……また、いつもと違う時間に餌探しに出た為に巣を探しに来た人間に見つかってしまったのだ……
ほむほむがまどまどを迎え入れ、番になった瞬間から全てが変わっていたのだ……しかし、今更どうする事も出来ない……
「ホムウウウゥゥゥ…『ガスッ!』ホマアッ!?」ゴロゴロー…
「マドッ!?」「ホミャッ!?」「ミャロッ!?」ビクビクッ!
急いで巣に駆け込んだほむほむは箱の段差につまずいて転げてしまった……留守番をしていたまどまどと仔達が驚きながらほむほむを見る。
「ホ…ホムムゥ…」イタタ… サスサス…
「マド!?ホムラチャン?」ダイジョウブ? トテテテ…
転んだほむほむにまどまどが急いで駆け寄る。
「ホミュウ?」「ミャロオ?」トテトテトテ…
仔達も不思議そうな顔で近づいた……その時!!
ドスッ!!
「ホムアアアァァァッ!?」「マギャオオォォォッ!?」ゴロゴロー…
「ホミャアアァァァッ!?」「ミャロオオォォォッ!?」コロコロー…
突然巣が揺れて、家族は入り口の方に転げてしまった。
「ホ…ホムムゥ…」ヨロヨロ…
ほむほむが巣の中を見ると、入り口と反対側の壁が大きく内側に開いてしまっていた……
「マドマドッ!?」ナニアレ!? フラフラ…
まどまども巣の異変に気づいた。
「ホミャアアァァ…」ピエェェェン…
「ミャロオオォォ…」エグエグ…
……仔ども達を守らないと!
「マドカァ!!ホムホムーッ!!」コドモタチヲ!! ヨロヨロ…
「マドッ!?マドマド!!」ソウネ!! トテ…トテ…
ふらつきながらも番は泣きじゃくる仔達に向かって歩き出す……そこへ外から声が聞こえてきた。
『……あれ、出てこないな? 箱を蹴飛ばしたら出てくるかと思ったんだけどな……』グリッ!
「マドドー!?」ニンゲン!? ギュッ!
「ミャロロー…」コワイヨォ… ギュー… メソメソ…
まどまどが壁の隙間から差し込まれた人間の靴を見て、仔まどを抱きしめながらほむほむに問う……しかし、ほむほむにはそれに答える余裕が無い。
「ホムホム!!」ダイジョウブヨ!! ギュー…
「ホミャアァ…」オカーシャ… ギュウ… エグエグ…
ほむほむが仔ほむを抱きしめたのと同時に……
バリバリバリ!!
「ホビャアアアァァァ!?」「マドオオォォォ!?」ギュー…
「ホミャアアアァァァ…」「ミャロオオォォォ…」ピエエェェェ…ン…
人間の靴が壁の下半分を完全に踏み潰した。
『まだ出てこないのか?……それじゃあ……よっと!』グイッ!
フワッ!
「ホムウウウゥゥゥ…」「マギャアアァァァァ…」ゴロゴロゴロー…
「ホミャラアアァァァ…」「ウェヒイイィィィ…」ギュギュー…
人間の足が巣全体を浮き上がらせて、家族は転がった……それでも番はしっかりとそれぞれの仔を抱いている。
「ホベッ!!」「マギョッ!!」ボテンボテン!!
「ホミッ!?」「ミャロッ!?」ビクッ! クテー…
地面に落とされた衝撃で思わず力が入ってしまい……仔ほむと仔まどは番に抱かれたまま気絶してしまった……
「やっと出たか! やっぱりまどまど……だけじゃなくて、仔ほむと仔まどまで居るのか……」ブン…グシャ!
人間が……幸せがいっぱいに詰まっていた自分達の家を踏み潰していく……
「ホムゥ…マド…ホム…」フルフルフル…
「ホム…ラチャ…マド…」フルフルフル…
「…」「…」ピクピク…
しかし、番は仔を抱きしめたままへたり込んで動けなかった……
「巣は後でゴミ置き場に持っていくとして……ん? どうした? 逃げないのか?……ははは♪ 仔どもは気絶しちゃったのか?」スッ…
「マ…マド…ド…」フルフル… ショワー…
まどまどの顔の前に人間の手が伸びてくる……まどまどは恐怖のあまり洩らしてしまったようだ……
「ホム…マド…カァ…」フルフル…
ほむほむも動けない……目の前のまどまどの背中と、人間の顔を交互に見ることしか出来ずにいる……