その5
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homuhomu_tabetai
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ガチャ!
「かーさん、おはよー」
俺は勝手口を開け、母親に挨拶した…勝手口はキッチンにつながっているのだ。
「ビックリした!?…おはよう。…早いじゃない?」ジュー…ジュー…コトコト…
突然現れた俺に母は驚いたが、すぐにいつもの口調に戻った…う~ん…朝食のいい匂いだ///
「まだ出来てないわよ!昨日は頂き物で作ったから早かったけど…もうちょっと待ってね!」トントントン!
朝食の用意をする母…俺は『昨日』と言う言葉でさっきの事を思い出し、母に聞いてみた。
「かーさん、昨日の朝…今よりちょっと早い時間に庭で居たよね?」
「…そう…ね…朝ごはん作らなくて良かったから…庭でいつものを食べたわね…それから草むしりとかやったから…十一時過ぎまで居たわよ」ジャー…
…そういえば…巣の出入り口が丸見えなのがどうしてかと思ったけど、草が無くなったからか…どうりで…。
「草をむしってる時に何か居なかった?」
「えっ?…特になにも…あ!大きなバッタが飛び出して悲鳴上げちゃったけど、それぐらいかなぁ…どうして?」カチャカチャ…
「いや特になにもないよ…あ!この容器もらってくから!」スタスタスタ…
「えぇ、どうぞ♪もうすぐ出来るからねー」カチャン!
…今の母の話でやはりほむほむが朝、巣から出れなかった事がわかった…ずっと巣の前で草むしりされたらそりゃ出れんわな…。やはり夜は餌探しだったみたいだな!
昼間は暑いし…敵にも見つかりやすいしな…。
「…草むしりやってるのに巣穴に気づかない、かーさんもどうかとは思うけどな…」ハァ…
階段を上がり、部屋に近づくと…。
…ジリリリ…
「…あ!目覚ましが鳴ってるな!」スタスタスタ…ガチャ!
『ジリリリリリ…!!』
目覚ましが鳴り響く…俺がいつも枕元で聞く音だが…離れて聞いたのは初めてだ…思ってたより大きな音だな…扉を閉め、机に向かう。
「ホミャアアアアアアアアァァァァァァァァ…」ペチペチペチペチ!!
仔ほむが目覚ましとは反対側の容器の壁を気が狂わんばかりの勢いで叩いている…鳴き声は目覚ましの音に負けてるな…。
「ホミュウウウウウウウゥゥゥゥゥ…ミャロカアアァァァ…ホミュラチャアアアアァァァァ…」ペチペチペチペチ!!
仔ほむは俺に気づかず壁をずっと叩いている…ずっと見ていたい気もするが…そうも行かないので止めてやる事にした。
『ジリリリリリ…「カチン!」…ン…』
「ホミミミミミー…『ペチペチ…』…ミュ!?」ソロー…リ…
仔ほむはそっと目覚ましの方に振り向いた…。
「目が覚めたみたいだな!」
「ホミャアッ!?…ホミミー…」モソモソモソ…
振り向いたら俺が居たので、慌ててティシュの中に逃げ込む仔ほむ…。
「失礼なヤツだな!せっかく助けてやったのに!」
「…ホミャ……」フルフル…
相変わらずティッシュの中で震える仔ほむ…。…穴…塞げよ…。
「まったく進歩が無いな……ん?」
「…ホミュウウゥゥ…」ブルブル!
ティッシュの中で仔ほむが、さっきまでの震えとは違う震えを始めた…なんだ…?
「…ホミュウウゥゥゥ…ホミャッ!」プリプリ…プスー… ショワー…
「…ホミャア///」クンクン…スリスリ…
「うわこいつ!?糞と屁とションベンを一気に出しやがった!!…しかも自分で出したやつを嬉しそうになすりつけてる!?」
「ホミッ!?…ホミャー…」モソモソ… フルフル…
俺が驚いて大声を出したので、仔ほむはまた丸まって震えだした…。
「…いくらマーキングったって…これは…汚ねーだろ…」パカ!
「…ホミー…ホミー…」モソソ… プルプル…
容器の蓋を開けたので仔ほむはもっと深く潜った……ん?…臭くないな…?
「…というか…甘い感じの匂いがするな…こいつの排泄物だと言われなかったら何かの果物の香りと間違えるかも…」
「…この匂いが染み付いてるから…こいつらを食おうって人が居るのかもな…」
「…ホミャ…」フルフル…
…しかし…いくらいい匂い(?)といっても糞は糞だ!ずっと溜まっていけば雑菌も繁殖するだろう…。
「…せっかくマーキングして、お気に入りにした様だが…寝床交換だ!」ガサッガサッガサッ!バサー…
俺はキッチンから持ってきた新しい容器にティッシュを敷いて、新聞紙を机に広げた…。
「ほれ!」クルン!
仔ほむの入っている容器を逆さにして、新聞の上にティッシュごと仔ほむを落とす…。
「ホミャアー…」ポテン…
「…ホミュミュー…」カサカサ…モソモソ…
反対に落とされたことで、奥に潜っていた仔ほむがティッシュの一番上に出てきた…また急いで中に潜りこもうとする。
「はい残念!没収でーす!」ワサッ!
「ホミャアァァー」コロン…
ティッシュを取られた拍子に仔ほむは新聞の上に転げ落ちた…。
「ホミー…ホミャー…」トテテテ…
寝床を取られた仔ほむはそれでも何とか俺から逃げようと机の上を走る…しかし俺の机の上には今は新聞紙が広がってるだけで何も置いていない…。
「ホミュー…ホミュミューン…」トテテテ… キョロキョロ…
「ホミャアー…ホミ…」トテテ… トテテテ…
「机から落ちるなよ!お前が落ちたら助からないかもしれない高さだからな~♪」
「ホミャミャア…」トテテテ… フルフル…ペタン
…隠れる場所が無い為に仔ほむは俺から一番離れた端に行って、下を覗いた後…震えながらしゃがみこんだ…。
「後で手を洗えば大丈夫だろ…こいつを洗うのは…メシ食ってからでいいか…」ポイ! ポトン
古いティッシュをゴミ箱に投げ入れる…。
「ほら!おとなしくしてろよ…」スー…
「…ホミャアァァァ…」ジリジリ…
仔ほむを捕まえようと手を伸ばす…仔ほむは机の端に沿って、四つんばいで逃げようとする。
「…かなり怖がられたな…」ヒョイ!
「ホミョオオォォォ…」ジタバタジタバタ… プラプラ…
簡単に捕まえた…しかし次からは転落防止のために机はやめよう…。
「新しい布団だぞ!お前はどうか知らんけど、俺は新しい布団が好きだな…」ポイ!
「ココジャニャイイイィィ…」ポスッ!
「それじゃ、朝も言ったけどお前はメシ抜きな!俺は朝飯食ってくるわ!」カポン!
「クリカエシュウゥゥ…」ガサガサ…アグアグ…
「ニャンドデモオオォォ…」ゴソゴソ… スリスリ…
やっぱり気に入らないのか、昨日の夜と同じように敷かれたティッシュを噛んだり擦り付けたりしだした…。
「んじゃ行くわ!どうせ俺がメシ食ったらお前の洗浄なんだから程々にしとけよ!…その時またティッシュも新しくするしな…」スタスタ…ガチャ! パタン!
「ホミー…」モソモソ… アグアグ…
・・・・・・・・・
「ごちそうさま!」
「食器、シンクに運んでね」
「はいはい」カチャカチャ… スタスタ…
…そういえば、番…どうなっただろ?
気になったので食器をシンクに入れて、また勝手口から外に出た。
スタタスタスタ…
「…水槽に…居るな…」
「…もしかして…お前らずっと変わらずか?」
「…ホヒー…」ガシッ! プカプカ…
「マドーマドー」ペチャペチャ…
ほむほむは相変わらず石にしがみついたままだったが…まどまどは石の上から水面に口をつけて水を飲んでいる…。
「…ほむほむ…お前って……餌探しに妊娠に子育て…色々やってるのに…なんか不憫だな…」
「…ホムー…」プカー…
「お前は何が出来るんだよ?」ピン!
ベチン!
「マッ!?」バチャーン!
水を飲んでいたまどまどの尻を指で弾いた…まどまどは顔から水に飛び込んでいった。
「ホムーホムー」ヨジヨジ…
まどまどが居なくなった石にほむほむがよじ登る…。
「マドッ…」ガシッ! プカプカ…
「ホムムー…」ペロペロ…
「さっきと反対になったな…何事も助け合いが大事だぞ!」
「…マドー…」プカー…
「ホムホム」ペロペロ…
「…この番も飼ってやるか……といっても…俺の部屋に三匹はちょっと騒がしすぎて…俺が寝れなくなりそうだし…」
「…家の中は親が嫌がるかもしれないしな…うーん…」
…俺はなにかいい方法が無いか思案をめぐらす…。
「……おっ!……あそこならいいんじゃないか?」スタスタスタ…
俺は池に架かっている橋の上に立ち…池を見る。
「うん…ここでいいな!よっと!」ピョン!
…橋の上から池に跳ぶ……着地したのは池の中の島に見立てた石の上だ!
「…広さもそれなりにあるし…周りは池に囲まれてるから逃げれないしな……逃げるなら泳がないといけないが…あいつらの泳ぎじゃ…」
バシャン!
「…仔まどを食ったあいつからは逃げれないだろうしな……よし!決定!」ピョン!
スタスタスタ…
「…おい!お前らの新居が決まったぞ!」
「ホムムーホムー」ペチャペチャ…
「…マド…」プカー…
「それじゃ案内してやるからな!」ヒョイヒョイ!
「ホムー」「マドー」ジタバタ… プラプラ…
「そうだ!後で仔ほむも連れてきてやるからな!お前ら、あいつが死んだと思ってるだろうから驚くなよ…」スタスタスタ…ピョン!
「ほら!ここが新居だぞ!」ポトポトン!
「ホムッ…」「マドッ…」ポテテン!
石の上に落とされた番は起き上がってキョロキョロした後、石の上を歩き出した…。
「…ホムーホムムー…」トテトテ… キョロキョロ…
「…マドマドー…」トテトテ… キョロキョロ…
「あんまり端に行くなよ!」
「ホムムーン…」ピタッ! チャポ…
ほむほむが石がなだらかに水中に伸びている場所に着いて、池に片足を入れた瞬間!
…バシャバシャバシャ!!!
「ホビャアアアアアァァァァーッ…」トテテテ…
「ウェヒイイイイイィィィィィ…」ビクーッ!! テテテテ…
池の鯉が一斉にほむほむめがけて殺到してきた!…ほむほむはなんとか難を逃れて石の真ん中まで逃げてきたが…。
「…ホヒ…ホヒー…」ペタン… カタカタカタ…
…その場に尻餅をついて震えだしてしまった…。
「…マドマドー…」トテトテトテ…
…まどまどはどうやらほむほむの鳴き声に驚いただけのようだ…何事も無かったようにまた石の上を歩き出した…。
「…ほれ見ろ!!命拾いしたな…ほむほむ!…お前らぐらいの大きさだと鯉は餌と間違って寄って来るからな…まどまども気をつけろよ…」
「…ホヒヒー…」カタカタカタ… ジョワー…
「…マドドー…マド?」トテトテトテ… クンクン…
「…漏らしたかぁ…まぁここは外だしいいか…仔ほむみたいに擦り付けるなよ…」
…まどまどがほむほむの漏らしたションベンを匂っている…まだ『巣』と思っていないのか、マーキングはやらないみたいだ…。
「…雨は降りそうにないから、後で適当な巣になりそうな箱でも持ってきてやるからそれまで生きてろよ!」ピョン!
「…仔ほむもここに来るなら洗わなくてもいいか…」スタスタスタ…
俺は勝手口から家に入り、部屋へ戻った…。