その4
最終更新:
homuhomu_tabetai
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・・・・・・・・・
「…あったあった!」ポイッ! ポテン…
池のそばに水槽を置いてあったのを思い出したので池に来た…水槽に仔まどの死骸を投げ込む。
…ホムーホムー…マドマドー…
後ろからは番の鳴き声が追ってくるが、かなり離れてしまっていた…しかし見失わないでこっちに向かってきている…。
「あいつら遅いな……それにもう俺の事は怖がってないみたいだな…それだけ必死なのかな?…もうこいつ死んでるのに…」カタン…
仔まどの入った水槽を横倒しにして番の方に向けて待つ…。
「…ホム…オロカネ…」「…ハシャイジャ…ッテ…」ヒョコヒョコ…
人間の足ならすぐの距離でも、こいつらにはとてつもない距離なんだろうな…二匹とも足を引きずってるし…。
「…ほら…もうちょっとだ…」
「…ホムホムー…ホムッ!?ホムウウゥゥゥーッ!!」トテトテトテ…
「…マドドーッ!!」トテトテトテ…
水槽の中に仔まどを見つけ、泥だらけの番が力を振り絞って駆けてくる…。ほむほむがまどまどより先に水槽にたどり着いた…。
「ホム…『ガッ!』ホベッ!?」コロン…
「マドー…」トテトテ…
ほむほむは水槽の段差に足を引っ掛け転んでしまったが…まどまどは真っ直ぐ仔まどに向かった…。
「マドー…マドー…」ギュー… ペロペロ…
「…ホヒー…」トテトテ… ギュー… ペロペロ…
「」クテー…
まどまどが仔まどを抱きしめその顔を舐める…ほむほむも遅れて二匹を抱きしめ舐めだす…。
「こいつらってたしか…家族が車に轢かれたりして挽き肉になったら、こねるんだったよな…それ以外の死に方だと舐めるだけなのかなぁ…?」コトッ!
「ホムーッ!?」「マドーッ!?」ゴロンゴロン…
横向きの水槽を元に戻す…番は転がって底に倒れた。
「…ホホッ…ホムムー…」「マドドーン…」テテテ…
急いで起き上がって、離れたところに転がった仔まどに駆け寄る番…。
「ご苦労さん!死んでからも役に立ってもらってありがとな!」ヒョイッ!
「ホムッ!?ホムーホムー!!」「マドマドー!!」ピョンピョン!!
番は目の前で仔まどを取り上げられて俺に抗議する…そんな番を横目に俺は仔まどの死骸に話しかけた…。
「じゃあな…最後も水ですまんな…」ポーン! …ポチャン… プカー…
俺は池に仔まどを投げ込んだ…。
「ホ!?」「マド!?」テテテテ…
池に面した水槽の壁に駆け寄る番…池に浮いている仔まどを食い入るように見ている…その目の前で…。
…バシャバシャ…ガポン!
「ホビャアアアアアアァァァァァァーッ…」
「マギョオオオオオオォォォォォォーッ…」
…仔まどは鯉に一飲みにされてしまった…一番デカイ、親父のお気に入りのヤツだな…。
「…ホムー…ホムー…」「…マドドー…」ギュー… ペロペロ…
水槽の番は抱き合ってお互いを舐めだした…あれ?…もう仔まどの事はいいのか?…昨日は仔ほむは探してたのに…。
「ホムー…マドカァ///」ペロペロ… クイクイ…
「ホムラチャン///」ペロペロ… クイクイ…
「ん!?…なんか様子がおかしいぞ…くっついて腰振り出した…」
「マドカアアァァァ…ホムウウゥゥゥゥ…」ペロペロ… ヘコヘコ…
「ホムラチャアアァァァ…マドオオォォォ…」ペロペロ… カクカク…
「…まさか…交尾…!?」
…やがて、ほむほむが後ろを向き…まどまどが両手でガシッとほむほむの腰を掴んだ…。
「ホムムウウウゥゥゥゥーッ!!!」ヘコヘコヘコ…
「マドドオオオォォーッ!!!」カクカクカク…
「えぇーっ!?始まってしまった…」
少し考える…仔まどがいた時は番は仔まどを心配していたよな…?…たとえ死んでいても……でも仔まどが鯉に飲み込まれたらもう興味をなくして、交尾を始めた…。
それに…昨日はほむほむが仔ほむを探してたしな…うーん…。
「マドカアアアアアァァァァァー…」ビクビクーッ!!
「ホムラチャアアアアアァァァァー…」ビックー…ン!!
俺が考えている間に交尾は終わったようだ…。
「ホムーホムー」ペロペロ…
「マドーマドー」ペロペロ…
二匹は水槽の隅で座り、また顔を舐め合いだした…やはりまるで、何も無かったように…。
その時!…閃いたモノがあった…。
「…そうか…こいつらって人間の姿に近いけど…所詮小動物だったよな…」
…少し長くなりそうなのでまとめてみる…。
昨日、仔ほむを探してたと思ってたのは…仔ほむじゃなくて餌を探してたのかも…本当は朝から行くはずが、俺の母親が庭に居たから巣から出られなかったんだな。
しかし仔ほむは居なくなったが、まだ仔まどが巣に居たから…番は仔ほむの事はあきらめて、残された仔まどを大事にしようとしたんだろう…。
野生の世界ではなにがあるかわからないから目の前の命を大切にする…それが自然の中の決まりごと…。
多分…こいつらは仔が全滅か、巣立った時に交尾をするんだろう…。
「…仮定だけど…それなら今の状況は説明が付くよな…」
少しわからないのは…仔まどが死んでるのは水槽の中で確認したはずなのに仔まどをあきらめなかった事だ……仔まどが鯉に食われてやっとあきらめたよな?
…もしかしたら…俺は仔まどの痙攣が止まったのに全然動かないから死んだと思ったが…もしかしたらあの時仔まどは、仮死状態だったんじゃないだろうか?
…水槽で仔まどを抱いた時に番はそれに気づいて、だから必死に舐めてたのかも?…こいつらって怪我や服まで舐めて治すって聞いたことがあるし…。
それなのに俺が確かめずに鯉に食わせたから…『仔まど!?』・『食われた!』・『死んだ!』・『仔が居ない!』・『交尾だ!』になったのかも…。
「…あくまで仮定の域を出ないし…他のほむまどがこの番と同じ行動を取るかどうかはわからないけど……まぁいいか!俺には関係ないしな!」
「…しかし…こいつらも汚ねーんだろうな……今は泥でもっと汚くなってるし…」
「ホムホムー」ペロペロ…
「マドドー」ペロペロ…
まだ番は舐めあっている…というか…泥が付いている服まで舐めている…。
「…綺麗にしてやるか…」ヒョイ!
「それ!」キュッ!ジョバー…
「ホ!?ホムー…」「マドー…」バシャバシャー! トテテテ…
池の際にある水道で勢い良く番に水をぶっ掛ける…二匹は驚いて水槽内を走り回るが…やがて…。
「うおっ!?重い……よっと!」ドン!
「ホビャアァ…」「マギョオォ…」バチャン…バチャバチャ…
そんなに大きくない水槽だが、半分近く水が溜まったら結構な重量になる…二匹は足が着かなくなり、溺れているような泳ぎで必死に顔を水面から出している。
「苦しそうだな……これ…入れてやるか…」ヒョイ! トプン…
俺は水槽のど真ん中に石を置いてやった…うまいこと水面から石の頭が突き出した。
「ホッ…ホホー…」バチャバチャ…
「マドッマドー…」バチャバチャ…
二匹が必死に泳いで石にしがみつく…そして同時に左右からよじ登りだした…。
「…ホムーン!!」「…マドン!!」ヨジヨジ…
「頑張れよー!…でも…二匹一緒に石に乗れるのか?」
ドン!
「ホヒー…」バチャーン!
「マドー」
「…言わんこっちゃ無い…」
石の水面から出ている面積はほむまどが抱き合えばぎりぎり二匹乗れる面積しかない…案の定まどまどに押されてほむほむが水に落ちた…。
「ホムー…ホムー…『ガシッ!」…ホヒ…」バチャバチャ! プカー…
「マドマド」ペロペロ…
ほむほむは何とか石の端にしがみつき、その状態で浮かんで休みだした…まどまどは濡れた自分の腕を丹念に舐めている…。
「水が濁ったな……いいか…入れ替えるのも面倒だし…そろそろ腹も減ったしな…」
「また来るからな…」スタスタスタ…
俺は番をそのままにして家に入った…。
・・・・・・・・・