その6
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homuhomu_tabetai
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・・・・・・・・・
ソロー…カチャ…
「…さて…仔ほむは…なにしてるかな…?」
部屋の扉を静かに開けて、中にある容器を見る…。
「…ホミャホミャホミャ…」アグアグアグ…
「…ホミュミュー…」ゴソゴソゴソ…
「…なんだ…せっかく静かに入ってきたのに…まだマーキング中かよ…」
容器の中で仔ほむが忙しそうにティッシュを噛んだり破ったりしている…最初の時より多めに入れたから時間がかかってるんだろう…。
「…ホミャアァ…ホミュー…」モソモソモソ…
「…潜ったな…」ソロー…
仔ほむが気づかないように慎重に机に近づく…。
「…ホミホミー…」モソッ…モソモソ…
今は中心のティッシュに自分のにおいをつけているのか…仔ほむは潜ったままだ…。
「…到着…さて…」
俺は机の下にたどり着いた…しばらく待つ…。
「…ホミュ…」モソモソ…
「ホミャアァー…」モゾッ!
潜っていた時よりも大きい鳴き声が聞こえた…ティッシュから出てきたんだろう…フフフ…。
「戻ったぞっ!!」ヌッ!!
俺は机の下から勢い良く仔ほむの真正面に姿を現した!
「ホッ!?…………ミ………」ビックゥ!!! コテン… パク…パク…
「あ!?」
…仔ほむは驚きすぎたのか…白目を剥いて、ひっくり返ってしまった…。
「…ちょっとやりすぎたか……生きてる…か…?」カパッ! ヒョイ!
「…」プラーン… ピク…ピク…
容器の蓋を取って仔ほむをつまみだす…仔まどの例があったから確認しとかないとな…。
「…手に乗せて…と…」ポテ… スッ!
「…」…トクン…トクン…
「…うん…心臓も動いてるな…」
「…」クテー…
「このまま連れてくか…あ…開けっ放しだった…」スタスタスタ… パタン!
・・・・・・・・・
…ホムー…マドー…
池に近づくとほむほむとまどまどの鳴き声が聞こえてきた…あれから水際には近寄って無いみたいだな…。
「よっと!」ピョン!
石に飛び移り、仔ほむをそっと石の上に寝かせる…まだ気絶したままだ…。
「ホム…ホムホムー…」テテテテテ…
「マドドー…」テテテテテ…
仔ほむに気づいた番が走り寄ってくる…居なくなっていたが、自分の仔だって事はわかるんだなぁ…。
「オヨバナイワ…」ギュー… ペロペロ…
「ハシャイジャッテ…」ペロペロ…
「…ホ…ミ…」フル…フルル…
しゃがんでいる俺の真下で番が仔ほむを舐める…仔ほむも意識が戻りつつあるようだな…。
「ホムーホムー…」「ホムラチャン…」ペロペロペロ…
番も回復してきているのがわかったのか…更に必死に舐めだす。
「…ホミ……ホミュ…ン…」モゾ…モゾ…
仔ほむの腕が動いて、白目が平常に戻った…。
「ホムムー」「マドドー」ペロ…ペロ…
「…ホミャァ…」プルプル!
仔ほむの意識が戻ったのがわかると、番は今度は優しく仔ほむの顔を舐めてやる…仔ほむはまだ朦朧としているのか、顔を振った…。
「…やっと起きたな…ビックリしたぞ…」
俺も精一杯優しい声で、仔ほむに言葉をかけた……が……。
「…ホミャッ…ホミャアアアァァァァ…」コロリン… トテテテテ…
「ホビャッ?」「マドンッ?」ビクッ!
仔ほむは俺の声を聞いたと同時に番の腕から転げ落ち……走り出した…。
「あ!?やばい!!止まれっ!!」
「ホ…ホムウウウウゥゥゥゥ…」テテテテテ…
「マドオオォォォ…」テテテテテ…
俺は手を伸ばしたが…仔ほむに届かなかった…。
…番も慌てて仔ほむを追いかけるが……。
「ホミュウウウウゥゥゥゥ…」トテテテテ…
…間に合わないな…。
「ホミョオオオオォォォ…」「ティヒヒヒイイイイィィィ…」テテテテ…
それでも番は走る!…しかし…。
「ホミミミィィィィ…『パチャパチャ…』…ホミャア!?」ピタ…
…バシャバシャバシャ!!!
「ホビョオオオオオォォォォーッ!!!」テテ…テ…
「ホミュラチャアアアアァァァー…!!!」テテ…
「ホミ『ゴプッ!』…バシャバシャバシャ!!!…バシャン…
…仔まどに続いて仔ほむも…番の目の前で食われてしまった…。
「ホビャアアアアアアァァァァァァーッ…」
「マギョオオオオオオォォォォォォーッ…」
またも絶叫する二匹……。
「…あぁー…仔ほむも食われちゃったか…食ったのは仔まどを食ったのとは別のヤツだったな…」ポリポリ…
「…で……やっぱり…」
「ホムーホムー」トテトテトテ…
「マドマドー」トテトテトテ…
もう番は仔ほむの事も忘れたようにまた石の上を歩いている……さっき交尾はやったので今回はやらないんだな…。
「…こいつらって…よくわからんなぁ…」ハァ…
「…まっいいか!…そういや、物置にこいつらの巣にちょうど良さそうな箱があったな…」ピョン!
「…あ、その前に…ここでお前らを飼ってもいいか親父に聞かないといけないな…」
「待ってろよ!…まぁ、お前らは池の怖さを知ってるから心配ないだろうけどな…」スタスタスタ…
…親父の許可は取った…俺はこの石を『ほむほむの島』と名づけて、餌やりする以外は基本的にノータッチにすることにした…。
物置にあった鳥小屋を改造して、中に布切れを入れた箱を島に置いてやると…番は警戒しながらも箱に入って行った。
しばらくすると、箱の中で番が忙しそうに動き回る音が聞こえてきた……恐らくマーキングを始めたのだろう…。
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次の日の朝…俺が水と餌の入った箱を島に置いて橋に飛び移ると、番が鼻をクンクンさせながら巣から出てきた…。
仔ほむと仔まどの二匹が親に遅れて巣から走り出る…どうやら無事に出産したようだ…。
しかし…仔達は池が気になったのか……親の方に行かず、石の際まで走って行き……姉達と同じ運命を辿ってしまった…。
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次の日の朝も水と餌を補充して橋に移動する…。
しばらくすると巣から番がまた鼻を鳴らして今日は仔を一匹ずつ抱いて出てきた…抱かれているのはどちらも仔ほむ…キョロキョロと周りを見ている。
餌箱の前で仔を降ろしてやる番…仔達も親から離れずに夢中で餌を食べ始める……しかし、昼には番の姿しか島には無かった…。
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次の日………いや…もう何も言うまい…。
…夕方…ほむほむとまどまどの二匹は並んで池を見ている……やがて二匹は振り返り…巣に入っていった…。
…パシャン…
…島の近くで鯉が跳ねる…。
…しばらくすると、巣の中が騒がしくなった…。
・
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…半年が経った…。
…巣からは…番の交尾の鳴き声が聞こえてくる…。
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・
・
・
・
…あれから一年…。
…バシャ………パシャン…
…去年と変わることなく、鯉は美しいうろこを煌めかせ優雅に泳ぎまわり…。
「…マドカアアアァァァァァ…ホムウウゥゥゥゥ…」
「…ホムラチャアアアァァァァ…マドオオォォォ…」
………番は巣の中で交尾にいそしんでいる…。
「終わり」