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ほむトープ その3

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homuhomu_tabetai

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観察記録7・狩猟者からの進化  担当研究者の手記より抜粋

20XX年◇月◇日

その日、俺は近くにた教授を大声で呼んだ。

今まで住居を自然環境エリアと都市環境エリアの境界付近に限定し、
自然環境エリアへ餌であるきゅうべえや草の採取に向かい、
その場で食事を行っていたほむほむ種に変化が見られたからだ。

さやさや「サヤサヤ~」ハッパノオサラデ
あんあん「アンアン~」ツチモッテキタ
ほむほむ「ホムホム~」タクサンタクサン
まみまみ「マミマミ~」モッテキタ

まどまど「マドマド~」ヒロイトコロヘ
ゆまゆま「ユマユマ~」ハコビコモウ

そう、きゅうべえの多く含まれる自然環境エリアの土を大量に運び始めた。
数日に渡って続いた作業は、都市環境エリアに意図して用意されたスペースを幾つか埋め尽くした。
そして、都市環境エリアに元から引かれていた水と、落ちた木の葉をその土の上に撒き始めた。

元々、このほむトープに入れられたほむほむ種達は、
ビオトープ環境に適応できるよう、各種の隔離ビオトープで世代調整を行われた種だった。
その長い歴史の中で、ほむほむ種は本能的に葉の栄養と水分できゅうべえが増殖する事を悟っていたんだ。

野生のほむほむ種も、これまでのほむトープ内のほむほむ種も、
土の中に潜むきゅうべえを捕獲し、自然に生えた雑草をその場で摂取する狩猟生物だったんだ。

さやさや「サヤァ、サヤサヤ」ゴハンタクサン
あんあん「アン、アンアンアン」オウチニモチカイ

だが、今、俺達の目の前で繰り広げられているのは、ほむほむ種が狩猟生物から農耕生物へと転じて行く様だった。
それはさながら、俺達人類がより多くの安定した食糧を求め、狩猟民族から農耕民族へと転じていったように。

そして、その日を境に、ほむほむ種の居住地は、徐々に都市環境エリア中心方面へと向かって広がって行った。





観察記録8・より多くの土を   担当研究者の手記より抜粋

20XX年◇月△日

私が知る限り、その行動を起こし始めたのは、一組のほむほむとまみまみのつがいだった。

ほむほむ「ホムゥ……ホムホム」ハッパノオサラジャ
まみまみ「マミィ……マミィン」ツカレチャウ

葉で作った皿での輸送方法は、発見当時は実に画期的なアイデアだった。
だが、長距離の輸送においては、運べる量はまだまだ少なく、それ故に往復回数も増える。

最早数百万にまで膨れあがったほむほむ種達であっても、その行動に一貫性があるとは言えず、
まあ、つまる所の指導者がないと言う状況にあって、作業に従事するのはやる気を起こした一部のみ。
そんな状況では作業量・労働量が増える事による個々人内の不満や疲労も多いだろう。

まみまみ「マミィ、マミマミ……マミッ!」ハッパガオサラニナルナラ……ソウダ
ほむほむ「ホム? ……ホム、ホムホムホム!」キダッテオサラニナルネ

そのつがいは、共に暮らすさやさややあんあんのつがい達と共に、木を切り倒し、
木の同士を蔦で結び、イカダ状の物を作り上げたのだ。

あんあん「アンー! アンアンー!」さやさや「サヤー! サヤサヤー!」オーエスオーエス

それをほむほむ種の中でも力に秀でたあんあん、さやさやが引っ張る事で、
上に乗せた大量の土を一気に運び込もうと言うのだ。

結果は惨敗だった。
摩擦係数と言うものを知らないほむほむ種達は、そのあまりの労力に体力を使い果たし、
大量の土を運ぶと言う、ほむほむ種達の計画は頓挫した。

まみまみ「マミャァァン、マミャァァン」ウマクイカナカッタ
ほむほむ「ホムゥ、トモエサン、ホムゥ」ナカナイデ、マミマミ

切り倒されて放置された細い枝の上に座り、泣き崩れるつがいのまみまみを慰めるほむほむ。
暖かい光景だが、私は次の瞬間、思わず噴き出した。

まみまみ「マミャッ!?」ほむほむ「ホミャッ!?」コロコロスッテン

グラついた木の枝が転がり、二匹が転倒したからだ。

まみまみ「マ、マミマミィ……」エダノウエデ
ほむほむ「ホ、ホミャホムゥ……」コロンジャッタ

まるで幼子の失敗のような光景に、私は娘の幼少期を思い出して微笑まずにはいられなかった。
だが、数日後、私が微笑んだ光景が、驚愕の光景への鍵となる事を、私はまだ気付いていなかった。





観察記録8.5・より多くの土を、その後  観察モニター上の記録映像と担当者の手記より抜粋

ほむほむ「ホム、キョウコ、サヤカ、ホムホム!」アンアン、サヤサヤ、コッチニキテ
まみまみ「マミマミ、ティロー!」イイホウホウミツケタ

あのつがいが、仲間のあんあんとさやさやに声をかける。

あんあん「アン…アンアン!」ウソツクナ
さやさや「サヤァ、サヤサヤ、ホントバカ!」ツカレルノハイヤダヨ

だが、あんあんとさやさやは疲れており、不満そうだ。
それでも、つがいは仲間達に食い下がった。

ほむほむ「ホム、ホムホムホム、ホムホムゥ!」キノオサラ、エダノウエデオス
まみまみ「マミ、マミマミマミ、マミマミィ!」キノオサラ、エダノウエデヒク

新たな木の皿イカダの下には、大量の木の枝が敷かれており、
木の枝は目的地に向かって敷き詰められていた。

あんあん「アンアン……アン?」コンナノデ……アレ
さやさや「サヤァ、サヤサヤ!」ラクチンラクチン

訝しげに引き始めたあんあんとさやさやの表情は、すぐに笑顔のソレに変わった。
大量の仲間で引いても僅かにしか動かなかった木の皿が、信じられないほどスルスルと前に進み始めたからだ。

まみまみ「マミマミ…マミマミ、アケミサン」ヤッタネ、ホムホム

ほむほむ「ホムゥ、トモエサン、ホムホムホム」マミマミガンバッタカラ

まみまみ「マァミィィ///」テレテレ

お互いを労い合うつがいのまみまみとほむほむ。
失敗の果てに得た成功は、このつがいの絆をより一層に強くした。

ほむほむ「トモエサン……ホム」マミマミ、エットネ

まみまみ「マミ?」キョトン

ほむほむ「ホム、ホム」アカチャン、デキタ
まみまみ「マミッ!?」ビックリ

ほむほむ「ホ、ホムゥ///」テレテレ

まみまみ「ティロー! ティロー!」バンザーイ

妊ほむ「ホムホムゥ///」サスリサスリ


達成感と幸福感と、様々な要因に祝福されるつがいを見て、
私はこのつがいを見守って来た事に誇りにも似た感傷を覚えた。
ほむほむ種はついに、輸送における最大の道具、荷台と車輪を発明したのだ。
しかし、この発明の一つである荷台は、さらなる発展と発明をほむほむ種達に約束していた。

海辺さや「サヤ……サヤサヤ」アレ……ツカエルカモ





観察記録9・悲劇  観測所内の監視カメラより再生

研究員1「お、おい! 都市環境エリアで火災だ!」

研究員2「か、火災だって!? 何がどうなってるんだ!?」

ほむほむ『ホミャァァ、ホビャァァァ!?』アツイヨ、アツイヨォ
まどまど『マギャァ、マギャァァ!?』マッカッカガクルヨー

研究員1「知るかよ!? ああ……俺達のほむほむ達が燃えちまう!
     早く降雨システムをONにしてくれ! 火を消すんだ」

教授「待て!」

研究員3「きょ、教授!? 何で止めるんですか!?
     このままでは、あの区画のほむほむ達が……」

教授「………ここのほむほむ達は、まだ火を知らないんだ。
   見た事も、聞いた事も……そして、その恐怖も」

研究員1「そ、そんな……ほむほむ達に学習させるために、火災を放置するって言うんですか!?
     アンタ……アンタが俺達にほむほむ達に愛を保って接しろって言ったんじゃないか!?」

教授「愛すればこそ! 愛すればこそ、恐怖は教えなければいけない!」

仔ほむ『ホミュゥ、ホミャァァァン』オカーサン、アツイヨー
仔まど『ミャドォ、ミャギャァァァン』クルシイヨ、ノドガイタイヨ

研究員1「ああ……し、死んじまう……俺達のほむほむ達が……ほむほむ達がぁ……」

教授「延焼が、本区画を燃やし尽くすまで、降雨システムは一時凍結。
   目を背けたいものは、背けてもかまわん……私が、全責任を持つ」


その日、外敵のいなかったほむほむ種は、火の恐怖を知る事になる。
火災の原因は、都市環境エリアに運び込まれた木の摩擦が起こした物だった。

報告
第一エリア、Aブロック第328区画、全焼。
ほむほむ種成体・幼体を問わず、約1万匹を失う。
区画・観察対象共に被害は1%に満たない模様。


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