水やり

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homuhomu_tabetai

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作者:2AAIOyY90

943 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[] 投稿日:2011/10/15(土) 00:04:44.70 ID:2AAIOyY90




仔ほむ「ホムッ!」キャッ!?
仔まど「マドッ!」ツメタイ!
知久「おっとごめんよ」サァァァァァァァ

庭に住んでいるほむ家族の子供に、間違えて水をかけてしまった。
もう親と大差ない大きさにまで育ってきてはいるがやはり子供、空気も冷たくなってきたし、ひょっとしたら風邪くらいはひいてしまうかもしれないかな?

仔ほむ「ホムホムッ♪」ワーイビショビショ♪
仔まど「マドマドッ♪」ドロンコドロンコ♪
知久「ああ、大丈夫みたいだね、よかったよかった」サァァァァァァァ

何時の頃からだったか、庭の隅っこ辺りに住み着きだしたつがいのほむまど。 その子供がここまで大きくなった事には多少の感慨を禁じえなくもない。
大して広くもない庭、はじめの頃は窓の開け閉めをするだけで柵の隙間から隣家にまで逃げていたものだったが随分慣れたものだ。
こちらとしては別に追い出す理由もなく、老いた飼いキュウべぇも狩ろうとしない現状、気が付けば半ば同居人として家族に認識されつつある。
時たまプランターの花が齧られている程度の害はあるが、自然の中で育っていくほむ種を見るのはまどかやタツヤにも珍しいようなので、家族の多少の癒しになっている、僕も含めて。

仔ほむ「マドカァ♪」ピョコピョコ
仔まど「ウェヒヒ♪」ピョンピョン

ただまあ、最近微妙に図々しくなってきた気がしないでもないが。
少し前まではこっちが庭に出たら隅に逃げる程度のことはしていたのだが、最近は庭の真ん中に我が物顔でお昼寝していたりする。
僕らはともかくキュウべぇが横を通っても動かないのは野生としてどうかと思わない事もない。 
間違えて水をかけてしまったのも、隅のほうに逃げているだろうと無意識に思ってしまったのが大きい。

知久「まあ、いいか」

それだけ慣れているということだろう。
食用にする気もないし、動物に懐かれるというのは悪い気分ではないし。

知久「そろそろ巣立ちも近そうだけど…あるいはこのまま孫家族が庭に住み着……痛っ!?」
ほむほむ「ホムホムッ!!」ヨクモコドモニミズヲ!!
まどまど「マドマドッ!!」カゼデモヒイタラドウスルキ!?

どうでもいいことを暢気に考えていたら、突然背中に軽い痛みを覚えた。
振り返ってみてみれば、そこには弓矢を構えたほむまどが一組。

ほむほむ「プンプン!! ホムーホムー!!」コレカラサムクナルノニコノヒトデナシ!! ペシペシ
まどまど「マドマド!! マドッマッ!!」モウスコシマワリヲシッカリミテヨネ!! ヒュンヒュン

知久「あー、うん。 いや僕も悪かったけどね」

ほむほむ「ホムー! ホムー!」ナンダソノタイドワ!
まどまど「プンスカ!!」ソンナンジャアンシンシテクラセナイゾ!!

知久「…………うん、子供達はタイミング良くこっち見てないね」ムンズ

ほむほむ「ホムッ!!」ナニヲスル!! ハナセ!!
まどまど「マドッ!!」コンナタイドデイイノカ! シャザイヲヨウキュウスル!!


知久「あー、わかったわかった、ほらご飯だぞー、お前たち」
騒ぐほむまどを適当にあしらいつつ、一つのケージの中に放り込んでやる。

ほむほむ「ホムホム,ピョンピョン」ゴハンダト,ソンナコトヨリセイイガタリナイ
まどまど「マドマド,ヨジヨジ」マアハンセイノキモチトシテウケトッテヤランコトモナイガナ
???「ジュルリ」
ほむほむ「ホムッ?」ナニ?
まどまど「マドッ?」クルリ?

知久「残しても害にしかならないからちゃんと食べろよー」

さやさや「サヤサヤッ♪」エサダ
あんあん「アンアン♪」ウマソウダ
ほむほむ「ホッ,ホムッ!?」ウ、ウソダ!?
まどまど「マ…マドォ」コ、コナイデ

知久「そりゃさ、水をかけたのは僕の過失だよ。でも君たちは元は不法滞在者な訳で、そこまで上から責められる云われは無いよ、うん」

大した害にならないから放置していただけで、明確な害獣を放置しておく理由はないね。
僕たちに害なだけじゃなくて、仔ほむ達の教育の面でも害にしかならないよね。 同居人としてはそれくらいの面倒は見てあげないと。

ホビャァァァァァァァァァァァァ!!マドォォォォォォォォォォォォォ!!



仔ほむ「ホムッ!! ヨジヨジ」ネェネェ、オカアサンタチガイナイノ!!
仔まど「ヨジヨジ マドォ…」ワタシタチヲオイテドコカヘイッチャッタノ!!

庭に出ると仔ほむ達が飛びついてきた。 どうやら両親の不在を知ったようだ。
その状況で頼られるというのはそんなに悪い気はしない。

知久「いいかいよく聞きなさい。 君たちはもう子供じゃない、親離れする時が来たんだよ」
仔ほむ「ホム?」オヤバナレ?
仔まど「マド?」ドウイウイミ?

知久「君たちの両親も、かくて親の元を離れていつしか番となり、そして僕の家に流れ着いたんだ」
仔ほむ「ホム…」オカアサンタチモ
仔まど「マド…」コウヤッテ

知久「そう、君たちはもう親がいなくても生きていける、だから次は君たちの番なんだ」
仔ほむ改め若ほむ「ホムホムッ」ワタシタチモ
仔まど改め若まど「マドマドッ」オカアサンニ

仔ほむ達の、いや若ほむ達の顔に理解の光が広がっていく。
そう、悲しいけどもこれは必ずやってくること。 全ての生物の掟なんだ。

知久「だからもう君たちはどうしようと自由だ。 ただ、君たちにその気があるなら、この子達と一緒にこの庭で暮らすといい」
若まど2「マドッ?」ダーレ?
若ほむ1「ホ、ホム!?」エ、エートハジメマシテ?

若ほむ2「ホムー?」アタラシイナカマ?
若まど1「マドッ、ティヒヒ///」ヨ,ヨロシクネ?

食用ほむのケージから選んできた、同じくらいの年の若ほむと若まどを気に入ってくれたようだ。
少しだけ早い巣立ちの時なんだし、これくらいの手助けはしてあげてもいいだろう。
手をつなぎ庭の隅に歩いていく若ほむ達を見送り、中断していた水やりを再開する。
今度子供が出来た時は、もう少し明確にルールを決めて、教えてやろうと。
きっと、ご両親もあの世で喜んでくれているだろう。


あんさや「アンサヤッ♪」ゲップ
親ほむまど「」ホネカラン


おしまい。





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