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マジックシステム

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マジックシステムとは

創造世界における魔法のルールのことをマジックシステムと言います。

ここでいうルールとは、魔法の源、制限、代償、能力・効果、取得方法など様々な要素を含み、それらがまとめてシステムということです。

マジックシステムの種類

マジックシステムの種類は大きく分けて2つあります。

1. ハードマジックシステム

2. ソフトマジックシステム

ハードとソフトの違いは「どれだけはっきりとしたルールがあるか」というところにあります。

ハードマジックシステムは、はっきりとしたルール、代償、制限が定義されており、登場人物がどのような魔法をどの程度使うことができるかということが明確なものを言います。どの魔法にはどのような制限があるのかというルールを読者が理解できることで、その制限の中で登場人物が上手く障害を乗り越えられた際に達成感と、どうして乗り越えられたのかという理解が伴い、読んでいる側としても納得することができます。HUNTERxHUNTERの念や鋼の錬金術師の錬金術がその代表例と言えるでしょう。

ソフトマジックシステムは、逆に魔法のルール、代償、制限が明確に定義されていないものを指します。魔法の効果と代償がはっきりとしていないため、読者としても予測不能な展開になってしまいます。このシステムを上手く使うことができればその予測不能さを逆手にとって緊張感のある展開を演出できますが、作者側が都合の良い使い方をしてしまえば「主人公補正で勝っただけじゃないか」という物足りなさに繋がってしまいます。ロード・オブ・ザ・リング(ガンダルフ)やハリー・ポッターの魔法がその代表例と言えるでしょう。

この2つのシステムは必ずどちらかを選ばなければならないということではありません。

ハード |------------------------------| ソフト

例えば「代償ははっきりしているが、効果やその上限はわからないところが多い」「この呪文を唱えればこういった効果が得られることはわかっているが、その代償や制限などのルールはわかっていない」というようなマジックシステムでもいいわけです。

サンダースンの魔法の法則

サンダースンの魔法の法則(Sanderson’s Laws Of Magic)とは、Mistbornシリーズの作者ブランドン・サンダースンが唱えた良いマジックシステムを創るために則るべき三法則のことを指します。この法則は主にハードマジックシステムを創る際の指標となっています。

第一法則:魔法を用いて問題を解決する著者の能力は読者の魔法に対する理解度に正比例する

解説:読者がそのマジックシステムを理解していればいるほど、より上手くストーリーの中でその魔法を使って問題を解決することができる、ということです。魔法のルールがはっきり示されていないのに、大事な場面で都合よく未知の魔法を使って問題を解決してしまっては、読者としても「そんなのズルじゃないか」という不満感を持ってしまいます。ハード寄りのはっきりとしたルールが定義されていれば、読者としても「この障害は、このマジックシステムにこういった制限があるから問題なんだ」と理解でき、その制限の中で納得できる解を示したり、時にはユニークな解を提示することで読者に「ズルされた」と感じさせることなくストーリーを展開できます。逆に、ソフト寄りのマジックシステムを用いる際は、登場人物が対面している問題の重大さと、読者に開示されている魔法のルールとを照らし合わせ、あまりにも唐突でご都合主義な解決方法を選んではいけないということになります。

第二法則:制限は能力よりも重要である

解説:マジックシステムにおいて「何ができるか」よりも「何ができないか」の方が大事だ、ということです。ここにおける制限は、魔法としての制限(限界)だけでなく、代償や弱点などのネガティブな側面を総合して指しています。つまり、アンパンマンの能力に関して重要なのは空を飛んだり顔を分け与えたりできることではなく、顔が濡れたら力が出なくなることであり、ロード・オブ・ザ・リングの指輪に関して重要なのは姿を消せることではなく、指輪を長くもっていると指輪に固執し始め被害妄想が加速するというサイドエフェクトだということです。注意するべきなのは、これが重要になるのは読者側ではなく作者側にとってだということです。こういったネガティブな側面がストーリー上における障害に繋がり、その制限下においてどのようにして問題を解決するかが大切だということをサンダースンはこの法則で書いているのでしょう。

第三法則:新しい要素を足す前に今ある要素を広げるべきである

解説:様々な要素を足して複雑なマジックシステムを創るよりも、今ある要素を深めて奥行きのあるマジックシステムを創るべきだ、ということです。この魔法は世界にどのような影響を与えるか、この魔法とこの魔法はどのように上手く連動させることができるか、この魔法は世界のどのような場所に埋め込むことができるかというように、ただのかっこいい魔法ではなく世界に編み込まれた魔法を創るべきだということです。

出典:リンク

 

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