さてさて、物語もいよいよ佳境に差し掛かってまいりました。
ここは、悪鬼が好んで住み着きそうな、人と相容れぬ者が好みそうな森。
昼でも夜の様に深く、日の光をほとんど受け付けないこの森は、もうじき一層の闇を帯びることになります。
そこに招かれし六つの魂は、はてさてどうなることでしょうか。
ですが、まだイベントは始まったわけではありません。
明転、これから暗くなるのに明転というのはおかしな話ですが、それまでの幕間でも楽しんでいただければ何よりでございます。
では、森の南東。生まれも育ちも年齢も、そして経歴さえも異なる2人の暗殺者の物語からどうぞ。




「聞かれたことにだけ答えろ。何故嘘をついた。」
能力者にとっての暗殺者である、柊ナナは冷たく言い放った。
その声量は決して大きくはなかったが、臓腑に響くほど凄味があった。


(このガキ……しかし、迂闊に動けばあの道具で攻撃されそうだ……どうする?)
空気砲を突き付けられた吉良吉影は、どう答えるべきか頭を回転させていた。


「すいません、許してください。私はこの殺し合いから安全に脱出したくて、あなた方の輪に入れてもらえる口実が欲しかったのです。」

彼は波風を立てない平穏な生活を望む人間だが、上司にヘコヘコするのも好まなかった。
ましてや、柊ナナのような少し自分の状況が傾いただけで舞い上がるような年頃の少女に主導権を握られる状況など、真っ平ごめんだった。
だが、懸念すべき相手は彼女ではなくデマオンという大魔王。
あのような男を敵に回して、逃げられることなど到底思えなかった。
少なくとも一時しのぎだけでも、この少女を懐柔させねば、脱出は難しいと判断した。


「ドカン。」
「がっ……。」
スタンドを出す間もなく、柊ナナの右手の空気砲から弾が放たれた。
背中に当たった空気の弾丸は、殺しはせずとも吉良を弾き飛ばした。


「嘘だ。それなら嘘をつかずに、最初から入れて欲しいとだけ言えばよかっただろう。
他にもその御大層なスーツがボロボロになった理由を話すなど、方法はあったはずだ。」

吉良がそうしなかった理由は、少し前にそのことをヤンに話し、その結果疑いを強められたからだ。
背中を攻撃されたと言えば、犯人の姿を話さずに済む。
しかし、柊ナナという少女はヤンと思考方法が異なる。
すなわち自らの勘を頼りにするタイプか、前後関係のロジックを頼りにするタイプかということだ。


「変なことをするな。黙って私の話だけ聞くんだ。」
「………。」

何を話すのかは分からないが、どうせ自分にとって良い事ではないのだろうと考えながら、彼女が言葉を話すのを待つ。
次に口から紡がれた言葉は、吉良にとっても予想外な物だった。


「取引をしないか。」
「!?」

そして、さらに予想外の言葉を出してくる。

「もしも今いる陣営が崩壊すれば、わたしと一緒に参加者を殺せ。」
「は?」

柊ナナとしては、脱出さえ出来ればその過程はどうでもいい。
ただ、脱出手段を1つでも多く用意しておきたいということだ。
全員で脱出するのならばアイラやデマオンと組んでも構わないが、代替案を取らざるを得ない場合は、吉良と組んでも構わない。
その場合吉良とも戦わねばならないが、少なくともそれまでは協力関係を築け、戦わねばならない相手を減らせる。


「聞こえなかったのか?今の取引に乗らないなら、おまえのことをアイラやデマオンにも話す。」
「わ、私は……。」

何が悲しくてこんなガキの言うことを聞かないといけないのか、という考えを必死で抑える。
その時、森に魔王のけたたましい声が響いた。


「キィィィラァヨシカゲェェエェェェェエエエエ!!隠れても無駄だ!!出てこい!!」
「「!!?」」

声からして、まださほど近くはない。
だが、それだけ離れても聞こえるほど、大魔王の声は凄まじかった。


「地球人の分際でわしを謀っておいて、隠れ続けるつもりか!!出て来ねば森を焼き払うぞ!!」

雄たけびと共に、ナナ達から離れた場所で、何かが爆発した。
それがデマオンが放った魔法だということは、想像に難くなかった。

「取引は無しだ。何故かは分からないが、デマオン達もおまえの正体を気づいたようだな。」
「く……くそ……。」


『―――――諸君、殺し合いを楽しんでおられるようで何よりだ。』


その時、放送が鳴り響く。
だが、放送程度では、ナナの集中力がかき乱されることは無い。
彼女がかつていた孤島では、僅かに集中力を切らしたばかりに、馬脚を顕わした能力者がいた。
自分が殺した相手の二の足を踏まないように、死者の名前に耳を傾けながらも、吉良吉影が何か鼻持ちならぬことをしでかさないか、冷静に睨みを利かせる。


(どうにかしてこの場から脱出せねば……)
それは吉良吉影も同じだ。
だが、キラークイーンを出そうとすれば、即座に撃たれると思っていた。
おまけにデマオンも近づいてくる。
東方仗助が呼ばれたのは彼にとって朗報だが、今の状況は到底喜べない。


しかし、そこから先の出来事は、2人には予想できなかった。


「「うわっ!」」
空が闇に包まれ、大地が大きく揺れる。




これにて、幕間は終わり、第三幕の開演です。
次からは、この森という名の舞台にいる演者たちを見ていきましょう。




別に誰が死のうとどうでも良かった。
佐々木ユウカにとって大切な人物は、この会場にいないのだから。
何処が禁止エリアに選ばれようと、関係なかった。
そんな所に入らなければいいだけだから。

(プレゼントはありがたいけど、渡すタイミングを考えて欲しいんだよね……)

だが、空を覆った闇は、彼女を悩ませた。
夕立でも起こるかのように、青から黒に早変わりした空を見つめる。
プラスかマイナスかと言えば、間違いなくプラスの出来事だ。
太陽の干渉が無くなったことにより、ネクロマンサーの能力を予定より6時間早く使えるようになった。
とはいえ、肝心の死体が無いのでは、ユウカは無能力者とは変わらない。
先程までに滞在していた清浄寺に、犬飼ミチルを埋葬した墓があったが、命の摩耗を代償とする彼女の能力が、死後も活用出来るのかは分からなった。


「小娘。何かあったのか。」
「……何でもない。早くしないと、ナナちゃんを殺すチャンスを逃がしてしまう。」


そう声をかけたバツガルフも、1つ胸に引っかかるものがあった。
マリオにビビアン、先の放送で自分の敵が2人も死んだのはいい。
最初に戦った妙な髪型の男、東方仗助もあの歩いていただけで強さが滲み出ているような赤髪の男、ガノンドロフも死んだ。
残る彼の敵はクリスチーヌと、あの時邪魔をしてきたトゲトゲのカメだけ。
優勝もさして非現実的では無くなってきた。
だが、問題は放送の後のことだ。
あまり自らの第六感と言うものを当てにしないバツガルフだが、それはそうとしてあの出来事は身に覚えがありすぎた。


なんせ、この殺し合いに招かれる寸前に味わったことなのだから。
突然響く地震も、空が影に覆われたことも、あの状況と一致している。
カゲの女王が棺から現れた時のことだ。


(もしかすると、この殺し合いの真の黒幕はヤツなのでは?)


バツガルフが元々この殺し合いに優勝する目的は、世界征服という願いをかなえてもらうことだ。
この殺し合いに参加させられる前に、カゲの女王を復活させたのも同じ理由だ。
だが、彼女はバツガルフの言うことを聞かず、あろうことか彼に攻撃を加えた。
そのため、彼女が主催者だというのなら、よしんば優勝したとしても、願いをかなえてもらえる確率は極めて低い。


(だが……どうする?)


優勝しても願いをかなえてもらえない可能性が出たからと言って、方針の転換も難しい。
この会場には、自分を悪だと認識している者がまだ残っている。
方針を変えたと言っても、はいそうですかと受け入れられるとは思っていない。
元々しばらくの間は戦いを避け、身を潜めておくべきだと考えていたが、ゲームの終わりまでそれを続け、他の対主催組と共に脱出するのも難しい。
やがてボロが出るはずだし、何より今の同盟はどうするのかということになる。


(今は小娘と同じことをすればいいか。)

代替案も出ないので、一先ずはこれまでと同じようにする。
これまで通り南東へ向かい、デマオンが走った方向へ向かう。




アイラもまた、仲間を一人失った。
しかも、それはまるで大切に想っていた幼馴染を追って行ったかのように。
既に生死が分かっている重清やゼルダ、満月博士の喪失を改めて聞かされたのも、精神的な疲労が積み上がる一因だった。
図書館で別れたクリスチーヌやミドナ、まだどこかにいるメルビンやシャークがまだ生きているのは朗報だ。
ボトクの名が呼ばれたのも、悪くない知らせだ。
けれど、彼女が積み上げてきたものが、音も立てずに崩れていくような気がした。


(そういえば、私、独りになったのは初めてかしらね……。)
彼女はユバール族の一員として生まれ、常に周りには誰かがいた。
初めてアルス達に出会い、所属が変わってからも、誰かと共に旅をしていたことは変わらない。
この殺し合いに巻き込まれてからも、すぐにゼルダと出会ったため、独りだった時間は今までほとんど無かった。


ゆえに、彼女は気づかなかった。一人で暗闇の森の中を歩く心細さに。


(ええい、だらしないわ。暗い場所でこそ皆を照らすのが、スーパースターでしょ?)
自分を奮い立たせるアイラ。
だがそれでも、精神の疲弊から起こる短絡さには気付けなかった。


――何でもないわ。早くしないと、ナナちゃんを殺すチャンスを逃がしてしまうわ。

(どういう事よ……しかもナナを殺すって言ったわね?)
だが、己を鑑みる暇さえほとんど与えられなかった。
なんせ森の中、聞き覚えの無い声が聞こえたと思いきや、その先に要注意人物として聞かされた2人がいたのだから。


片方は柊ナナから聞かされた、ストーカーの少女の佐々木ユウカ。
もう片方はクリスチーヌから聞かされた、世界征服を企もうとしている男のバツガルフ。
いずれ相まみえることになるかもしれないとは思っていたが、まさか2人が徒党を組んでいるのは彼女も予想できなかった。


(どうする?でも、今はナナちゃんの方が先よね……。)
幸いなことに気が付いていない様子なので、不意を突いて一気に2人を倒すというのもあるかもしれない。
懸念すべきは、吉良吉影という男と戦っている間に、背後から攻撃を受けるということだ。
魔界の王デマオンでさえも、死ぬときは死ぬということは既に知っている。


(迷っている場合じゃないわ!)
少し悩んだ末に、彼女は地面を蹴り、2人に向かって行った。
彼女が吉良ではなく、バツガルフ達と戦うことを選んだのは、決して背後からの攻撃を警戒したわけではない。
元の世界の仲間を失い、そしてこの世界でゼルダを失ったこの喪失感を、紛らわせたかった。
戦いでも友好でも、とにかく誰かと何かをしたかった。
モーテン星を付けることも忘れ、空高く舞い上がり、上空で身体を捻る。




地震は、完全に柊ナナの予想の範疇外の出来事だった。
とはいえ前後上左右、あらゆる方向を警戒出来ていた人物に限って、足元の警戒を怠るというのはよくある話だ。ゆえに、柊ナナが悪いわけではない。
事実、敵対していた吉良吉影も、地震によって尻もちをついたのだから。
ただ相手が悪かった。
なぜならスタンドは、持ち主が立っていようと座っていようと、はたまた地面に寝転がっていようと精神に異常でもない限り自由に動かせるのだから。


人間が身体を自由に動かせない中、スタンドのみが彼女の右手から空気砲を奪った。
先程までとは打って変わって、余裕の満ちた静かな笑みを浮かべている。
だが、陶酔や慢心と言ったものは見られず、冷静にナナを見つめている。

「ふむ。武器を取ってみたら、君もまたきれいな手をしているね。」
空気砲が外れたナナの右手を、舐めまわすように見つめる。

「……!返せ!!」
「私の名は『吉良吉影』 年齢33歳。自宅は杜王町北東部の別荘地帯にあり結婚はしていない。仕事は『カメユーチェーン店』の会社員で 毎日遅くとも夜8時までには帰宅する。
タバコは吸わない。酒はたしなむ程度。夜11時には床につき、必ず8時間は睡眠をとるようにしている。」

低く、穏やかな口調で訥々と語る。
ナナに空気砲を突き付けられたり、デマオンに睨まれたりした時のおどおどしていた態度が嘘であるかのように。
殺し合いの場所に不似合いな自己紹介を、唐突に初める。
なぜそんなことをし始めたのか、ナナは聞きはしなかった。
内気な人間が個人情報を聞かれてもいないのにさらけ出す意味は2つ。
目の前の相手に心を開いたという純白の意志か、はたまた、相手を生かして帰す気はないという漆黒の意志の顕れだと分かっていたから。


「そして安心して眠るためにはね。上司の言うことに耳を傾け過ぎてはいけないのだよ。
特に僅かな力を手にしただけで悦に浸っている無能の言葉などに耳を傾けてはならず、ハイハイそうですねと聞き流さなければならない。」


形勢は、完全に逆転した。
空気砲は奪われ、重清から貰ったダイナマイトは図書館で使ってしまった。
こうなれば、彼女にとっての手段は逃走しかない。
かつてユウカが率いたネクロマンシーの軍団に追われた時の様に、彼女はいざという時逃げる判断力もある。
だが、何処へ逃げようと無意味だ。


「君の方から交渉を決裂させるのか。もう遅いがね。『キラークイーン』は君に触れている。」





「うわっ!」
暗い森の中、少女の声が響いた。
森の中から、空中を舞う独楽の様になったアイラが、二人に飛びかかった。
スーパースターのダンスを応用させた、曲芸とも見紛う回転攻撃は、完全に相手の不意を突いた。
その回転体当たりはバツガルフを攻撃し、続いてユウカにもぶつかりそうになった時……。


「タイムストップ!!」


バツガルフの時止め術が、空中で回転する彼女の動きを止めた。
1つの竜巻になった彼女も、時間が止まれば意味が無い。
捻った体勢のまま、空中で凍り付いたかのように固まる。


「ソイツをお願い!私はナナちゃんを殺しに行くから!」

アイラの時間が動き出す前に、ユウカはいち早く駆け出す。
バツガルフは勝手な行動をするなと言いたかったのだが、足手まといの彼女が邪魔なので、ある意味で丁度良かったとも思った。

「ジャマする奴はここで排除してくれる。バツバリアン展開!!」
「やってみなさいよ。」

バツガルフは戦闘態勢に入り、防御生命体を召喚。
対してストップ状態から解放されたアイラはディフェンサーを抜き、バツガルフと対峙する。
向こうへ走ったユウカを優先して倒したいところだが、そう簡単に通してくれる相手では無さそうだ。
再びバツガルフは杖を垂直に構え、エネルギーが溜まるとアイラの方向に向ける。


「ファイアーウェーブ!!」
「そうはいかないわ!!」

それに対応するかのように、アイラが指をパチンと鳴らすと、地面から火柱が立った。
バツガルフの放った青い炎と、アイラが放った赤い炎がぶつかり合い、その中心で爆発が起こる。







【C-4 森・北 日中】


【アイラ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】
[状態]:ダメージ(中) 火傷(中) 精神的疲労(大) 職業 調星者 (スーパースター)
[装備]:ディフェンダー@ FINAL FANTASY IV 魔法の盾@ドラゴンクエストVII
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜1モーテン星@魔界大冒険 、イツーモゲンキ@ペーパーマリオRPG、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:オルゴ・デミーラを再度討つ
1. バツガルフを倒す
2. その後ユウカと吉良吉影も倒す
3. デマオン、ナナと共にデパートへ向かう
4. メルビン、シャークが心配が心配
5. 柊ナナに対する疑い



※職業は少なくとも踊り子、戦士、武闘家・吟遊詩人・笑わせ師は極めています。
参戦時期はED後。



【バツガルフ@ペーパーマリオRPG】
[状態]:ダメージ(中) 至る所に焦げ付き 愉悦(中)
[装備]:えいゆうのつえ@ドラゴンクエスト7
[道具]:基本支給品 POWブロック@ペーパーマリオRPG まだら蜘蛛糸×3@ドラゴンクエストVII
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し世界征服を叶え、ついでに影の女王へ復讐する……つもりだったが?
1:まずはアイラを倒す
2:佐々木ユウカと共に、柊ナナを追いかける。トドメは彼女に任せるが、状況次第では自分の手で彼女を殺す。
3:ユウカの提案には一先ず乗ってみるか。
4:ユウカの能力とは?


※主催者がカゲの女王ではないかと疑いを持っています。。









「キラークイーン!第一の爆弾!!さあ、点火しろ!!」
人差し指側面には点火スイッチを作動させ、安眠の邪魔をする無粋物を爆殺しようとする吉良。
カチリという、スイッチが作動した音がする。
だが、彼女が爆死することは無かった。


「な、何故?」
口を四角にさせ、両目を見開き、表情はまたもナナに背後を取られた時に逆戻り。
「危ない所だった。もしもの時のために使っておいて良かった。」

柊ナナがもしもの時に備えて、図書館で他人に見せずに取っていたアイテムの名は「テキヨケール」
マントの形をしたそのアイテムは、使った者を触れさせにくくする。
柊ナナは吉良吉影に空気砲を突き付ける前に、もしもの時に備えて既に使っていた。
最も確実に攻撃を躱せるという訳では無いが、キラークイーンの接触を回避することが出来た。
空気砲を取られてしまったのは不覚だったが、爆弾に変えられることは避けられた。


今度は吉良に最悪の状況が訪れた。

「岩よ。雷となり、地球人を打ち砕け。」

邪悪な岩の精霊が、吉良吉影目掛けて襲い掛かる。
「ウロ~~~ン!!」
「くっ……キラークイーン!!」
満月博士の時とは異なり、距離はまだ離れていたため、スタンドで殴り飛ばすことが出来た。


岩が飛んできた方向を見れば、木の間からぬっと、人ならざる巨体が表れる。
「しばらく顔を見せていないと思ったら、随分と青白くなったものだ。」
「………!!」
だが、状況が最悪であることには変わりはない。
この会場で吉良が最も恐れていた相手を敵に回したというのだから。


「デマオンさん!危ない所を助かりました!!」
「馬鹿者が。このような地球人に殺されかけるとは、きさまそれでも我が部下か!」
「申し訳ありません。(私もその地球人なんだがな……)」

何を考えているのか分からない男だが、この場にいてくれれば最も頼りになる男の到来を歓喜するナナ。

「なぜ……なぜそうまでして、私の安眠を妨げようとする……。」
吉良は自分の左手に血が滲むのも厭わず、自分の手を爪を立てて握った。
「そんな疑問などどうでもよかろう。大魔王たるわしを虚仮にしてくれた罪として、永遠の眠りにつくことが出来るのだからな。」


(頼む……デマオン、こいつが余計なことを言う前に、早く倒せ。)
どうにか助かった柊ナナだが、まだ1つ懸念があった。
それは、自分がデマオンやアイラを裏切って、吉良と組もうと考えていたことを言いふらす可能性だ。
自分と吉良では信頼感が異なるのは分かっているが、それがあらぬ疑いでは無いというのが厄介だ。


この隙に逃げるべきか、それともこの場で戦いの集結を待つべきか考える。






【D-4 森・南 日中】

【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:ダメージ(小) 困惑(特大) 苛立ち(大)
[装備]:空気砲(80/100)@ドラえもん のび太の魔界大冒険
[道具]:基本支給品 ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本行動方針:脱出派の勢力に潜り込み、信頼を勝ち取る。
1.邪魔者を殺し、この場からさっさと逃走する。
1.名簿に載っていた、仗助、康一、重ちー、隼人、そしてシャークに警戒。争うことになるならば殺す
2.早人やミチルにもスタンドが見えたことに対する疑問
3.ヤン達からは距離を置きたい。
4.絵の中の少女、秋月真理亜の手が欲しい
5.柊ナナをどうする?
※参戦時期は川尻耕作に姿を変えてから、カップルを殺害した直後です



【柊ナナ@無能なナナ】
[状態]後頭部に打撲 吉良吉影への疑い(大) ヨケヨケ状態
[装備]なし
[道具]基本支給品、名簿を七並べ順に書き写したメモ、
[思考・状況]
基本行動方針:最低でも脱出狙い。可能ならオルゴ・デミーラ、ザントの撃破。最悪は優勝して帰還。
1. デマオンに加勢すべきか?逃げるべきか?
2. この騒動が終わればデパートへ向かう
3. 殺し合いに乗っていない参加者と合流を目指す。
4. 小野寺キョウヤはこの殺し合いの中なら始末できるのか?
5. 佐々木ユウカは出会ったら再殺する。
6. スタンド使いも能力者も変わらないな
7. 吉良吉影、余計なことを言うなよ
※参戦時期は20話「適者生存PART3」終了後です。
※矢安宮重清からスタンドについて、東方仗助について聞きました。
※広瀬康一、山岸由香子、ヌ・ミキタカゾ・ンシをスタンド使いと考えています。
※異世界の存在を認識しました。



【デマオン@のび太の魔界大冒険 】
[状態]:健康 魔力消費(小) 精神疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2
[思考・状況]
基本行動方針:不遜なるデク人形(オルゴ・デミーラ、ザント)をこの手で滅し、参加者どもの世界を征服する
1.不届きな地球人(吉良吉影)を殺す
2.デパートへ向かい「鍵」の正体が何なのか調べる
3.何だ……この気持ちは……。
4.デマオン軍団の一員として、対主催の集団を集める。
5.刃向かうものには容赦しない








(遅かったか……やっぱりもう誰かいる……)
いち早く遅れて、柊ナナがいる場所にたどり着いたユウカ。
この戦場では、誰もがデマオンに注目していたため、木陰の裏にいるユウカのことなど誰も気づいていなかった。



(ナナちゃん、待っててね……私とシンジの恨み、今度こそ思い知らせてあげるから……。)

彼女らがいる場所は、デマオンが放った魔法の余波で火が燃えており、暗い森の中でも良く映っている。
既に自分の見える所に柊ナナがいるというのに、迂闊に飛び出すことが出来ないのは何とももどかしい。
誰も自分のことに気付いてないのはチャンスだったが、今戦場に飛び込めばデマオンの魔法の巻き添えを食うことは分かっていた。


(せめて誰か1人でも死んでくれれば良いんだけど……)
折角能力が使えるのようになったのだが、辺りにはまだ死体はない。
確実に復讐を成し遂げるために、そして優勝し、恋人と結ばれるために思考を凝らす。
ハイラル駅の時と同様、誰も気づかれていない場所でひっそりと。




いよいよこの森でも、戦いが始まりました。

私が皆さまにお話しできるのはここまでです。
この先どうなるのかは、私にもお話しできません。
ただ言えるのは、一つだけ。





この戦いで誰かが何かを失うという事だけです。




【D-4 森・南 日中】


【佐々木ユウカ@無能なナナ】
[状態]:ナナへの憎悪(極大)
[装備]:POWブロック@ペーパーマリオRPG
[道具]:イリアの死体@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス、基本支給品×2(自分、ピーチ)、遺体収納用のエニグマの紙×2@ジョジョの奇妙な冒険 陶器の馬笛@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス、虹村家の写真@ジョジョの奇妙な冒険、ランダム支給品×1(彼女でも使える類)、愛のフライパン@FF4
[思考・状況]
基本行動方針:シンジと添い遂げるために優勝する
1:どうにかしてナナを殺す

※まだ昼ですが、太陽が隠れたため、ネクロマンサーの能力を使えるようになりました。
※参戦時期は死亡後で、制服ではありません。
※死体の記憶を共有する能力で、リンク、仗助、ピーチ、マリオの情報を得ました。
 イリアの参戦時期は記憶が戻った後です。
※由花子との情報交換でジョジョの奇妙な冒険の参加者の能力と人柄、世界観を理解しました。
 但し重ちー、ミカタカ、早人に対する情報は乏しい、或いはありません(由花子の参戦時期で多少変動)



支給品紹介
【テキヨケ~ル@ペーパーマリオRPG】
柊ナナに支給されたアイテム。使えば、敵の攻撃を50%の確率で躱せる「ヨケヨケ」状態になれる。
ただし、魔法攻撃など、攻撃範囲の広い技には通用しない。



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083:影濃くなれども 時系列順 085:破滅の足音1 疑心、悪鬼を呼ぶ
投下順
078:あいつをさがせ! デマオン 093:魔王の牙(前編)
アイラ
バツガルフ
佐々木ユウカ
077:イントゥ・ザ・ウッズ 柊ナナ
吉良吉影
最終更新:2023年02月20日 14:47