「あなたは、どんな味がするのかしら?」
それは生まれながらに、野生すらをも凌駕する狩猟本能を持つ。
それは神経反応すら追いつかぬ、怪物的な威力の四肢を備える。
それは獲物が生きるうちに、すべての解体過程を認識することができる。
遍く人類の上位を宿命づけられた、唯一頂点の捕食者である。
登場話
番外編
略歴
- 読み:どんらんなるニグヒル
- 種族:人間
- クラス:料理人
二百年前に実在したとされる
客人。
穏やかな言動とは裏腹に完全なる人格破綻者。
王国の只中で三十六の異なる年齢種族の人族を解体・捕食し、追放された。
のちも鬼族、獣族、さらには魔族さえも捕食し続けた。歴史上で唯一生きた
深獣を捕食した存在であると言われる。
最高の竜族を捕食するべく
冬のルクノカに挑み、死亡した。
能力
「人間」という種族表記が嘘であるかのような異形の女(余談参照)。
引き攣った黄色い皮膚と、骨ばった、発条めいた癖の付いた四肢を持ち、関節すら逆方向にある。また、その消化器は完全に逸脱し、指先は鋭利で、肉を斬るには不足がない。
対象が生きている間から調理過程を認識する、完全な「捕食者」である。
なお、彼女の料理はとても美味らしい。
余談
作者によると「異修羅世界に定着しなかった最初の逸脱者」。
アメーバが逸脱して
粘獣になるように、病原菌が逸脱して
血鬼になるように、彼女の逸脱もまた、定着していれば新たな
ファンタジー種族になっていた。ゆえに「
人間」。種族名がつくことがなかった、最初の生物。
ちなみに、種族として定着していた場合の種族名は「
餓鬼」とのこと。
最終更新:2022年07月25日 00:59