六合上覧






概要

地平の全てを恐怖させた世界の敵、“本物の魔王”を、何者かが倒した。
その一人の勇者は、未だ、その名も実在も知れぬままである。
恐怖の時代が終息した今、その一人を決める必要があった。

異修羅の第二部以降にして本編。十六名の修羅たちの戦いを以って「勇者」を選定しようという一大トーナメント。

世界に混乱を齎した”本物の魔王”が倒れ、しかしそれを倒した本物の勇者は現れない。
偽者の勇者を立てても構わないが、偽者を立てた後に本物が現れる懸念がある。
それならば、本物が名乗り出る余地のない程の大々的な周知により「勇者候補」を競わせ、それに勝ち残った者を「勇者」とする。

……というのが表向きの建前。

第三卿速き墨ジェルキにとって、その裏の目的は、後の平和な時代において国家への脅威となる恐れがある修羅たちを潰し合わせて一掃すること。
そして勇者という、王族にも並ぶ権威の象徴を得ることで、王政を廃し共和制の国家へと移行すること。

しかしそれは、権謀術数渦巻く二十九官の歴々にとって、己の意思を通す絶好の機会でもあった。
さらには黄都中枢外勢力も、試合に乗じて侵入を試みる。
世界中の勢力が注目する、数多の陰謀劇を抱え込んだ、史上最大の上覧試合である。

名前の由来は天地と四方を合わせての六合から。


ルール

  • 参加者は一対一で戦うこと。
  • 片方が倒れ起き上がらぬこと(死亡も含む)、自らの口にて敗北を認めることを以って決着とする。
  • 参加者はそれぞれ二十九官のうち誰かによる擁立を受けること。擁立者を失った場合、参加権を剥奪され不戦敗となる。
  • 試合場や期間を含めた条件は、試合ごとに両者の合意で決めること。
  • 合意を無視して街中で暴れる・市民を殺すなどの行為を行なった者、あるいは試合に関係なく破壊行為を行い黄都に敵対する者が出た場合、その者を魔王自称者と看做し参加者全員で違反者を討伐すること。


参加者一覧(擁立順)

+ 参加者一覧(ネタバレ有)
【 参加者 / 擁立者 】
星馳せアルス / 鎹のヒドウ
数多の神秘を略奪し、欲望のまま全てを蹂躙しゆく、万能の適性を持つ冒険者(ローグ)か。
この世の誰にも認識されることなく、一撃にて致命の刃を突き立てる暗殺者(スタッバー)か。
万物を捉える地平線の果てより放たれる、防御不可能の破壊をもたらす弓手(アーチャー)か。
敵の生命形態を問わぬ斬殺の技。剣の魔道の果てに法則を逸脱した剣豪(ブレード)か。
知られざる影の底より陰謀と支配で侵食し、群体たる目と耳を操る斥候(スカウト)か。
鉄の執念を以て知識と鍛錬を積み上げた、異形の肉体に武を極めし武闘家(グラップラー)か。
神の如き全能を与えられた、万象を思うがままに破壊し創造すらできる詞術士(ウィザード)か。
世界の根源の呪いを否定し、言葉の神秘を一つの法にて殺す神官(オラクル)か。
あらゆる害意が意味を成さぬ、天衣無縫の身体能力のみで圧倒する狂戦士(ジャガーノート)か。
多種多彩なる魔剣を完全なる形で用いる、恐怖の伝説の後継者たる魔剣士(グリムリーパー)か。
自らは戦場に立つことなく大局を動かし、異才の弁舌を以て数を力へと変える政治家(ステイツマン)か。
卓絶の術者に構築された、理論上永遠に打倒を果たせぬ生術士(クリエイター)にして工術士(アーキテクト)か。
何もかもを置き去りにする神速。槍の間合いが不可避の死を意味する槍兵(スピアヘッド)か。
英雄たちの終焉として君臨し続け、揺るがぬ最強に自身すら絶望させた凍術士(サイレンサー)か。
絶対なるロスクレイ / 黄都二十九官
運営者すらも味方する策謀者にして、不敗の偶像を作り上げた無謬の騎士(ナイト)か。


第一回戦

六合上覧(りくごうじょうらん)が、始まる。
+ 対戦組み合わせネタバレ有
――最強と最強の激突。心躍らぬ者はこの世におるまい。
六合上覧。この地平の誰も見たことのない、凄まじき戦いになる。
(勝者:クリックで勝敗ネタバレ注意)
+ 第一試合:無尽無流のサイアノプ    対 おぞましきトロア
第一試合:無尽無流のサイアノプ(無手にして無限)    対 おぞましきトロア  (全剣にして全技)
勝者:
+ 第二試合:星馳せアルス        対 冬のルクノカ
第二試合:星馳せアルス(伝説殺しの英雄)        対 冬のルクノカ(英雄殺しの伝説)
勝者:
+ 第三試合:移り気なオゾネズマ     対 柳の剣のソウジロウ
第三試合:移り気なオゾネズマ(隠されし“客人”の手)     対 柳の剣のソウジロウ(秘されし“客人”の剣)
勝者:
+ 第四試合:絶対なるロスクレイ     対 灰境、ジヴラート
第四試合:絶対なるロスクレイ(最強を装う最弱)     対 世界詞のキア  (最弱を装う最強)
勝者:
+ 第五試合:通り禍のクゼ        対 魔法のツー
第五試合通り禍のクゼ (不可知の絶殺の矛)       対 魔法のツー  (不可侵の絶止の盾)
勝者:
+ 第六試合:窮知の箱のメステルエクシル 対 奈落の巣網のゼルジルガ
第六試合:窮知の箱のメステルエクシル(完全なる鉄の機構) 対 奈落の巣網のゼルジルガ  (完全を崩す影の機構)
勝者:
+ 第七試合:音斬りシャルク       対 地平咆、メレ
第七試合:音斬りシャルク(回避を許さぬ速度)       対    地平咆、メレ  (回避を許さぬ射程)
勝者:
+ 第八試合:千一匹目のジギタ・ゾギ   対 不言のウハク
第八試合:千一匹目のジギタ・ゾギ(理を支配する戦術)   対 外なるセテラ   (理を破壊する法則)
勝者:



転章 - 第一回戦終了 -

――強者と強者がいる。

彼らは互いに対等な条件で……持てる力の極限を尽くし、それを見る者に熱狂を与えるような、華麗にして壮絶の死闘を見せることがあるかもしれない。
それは強者同士の戦いの、一つの形だ。

読者諸兄の知る通り、六合上覧(りくごうじょうらん)はそうではない。

その勝負が真に生死を決するのならば、そこに観客の目線などは介在しない。
これは全ての力と知、技巧と策謀、暴威と政治を尽くす、真業(しんごう)の戦いである。
+ 第一回戦勝利者八名(ネタバレ有)
異世界の遍く武芸を修めた、無限の極地へと至った武闘家(グラップラー)が存在する。
絶望と終焉をその身に体現する、最強にして孤高なる凍術士(サイレンサー)が存在する。
その刃の運命を完全に支配せしめる、逸脱の地にあって異常の剣豪(ブレード)が存在する。
絶対なるロスクレイ / 黄都二十九官
絶対不敗の祝福と呪詛を一心に集める、完全にして万能の騎士(ナイト)が存在する。
死の権能を許された特異点にして、認識不能の領域より至る暗殺者(スタッバー)が存在する。
摘出不能の謀略の網を張り巡らせ、確定した結末すら覆す斥候(スカウト)が存在する。
知覚速度を凌駕する一撃を、あらゆる地点より到達せしめる槍兵(スピアヘッド)が存在する。
世にあり得ざる全てを消失する、虚無を現世界に投影する神官(オラクル)が存在する。

「――続行とする」


第二回戦

新たな戦いが、そして始まる。
+ 第一回戦勝敗ネタバレ有
これより始まる四つの試合に、正常に成立した試合は一つも存在しない(・・・・・・・・)
第二回戦は、六合上覧の全期間において、最も多くの犠牲を出した戦いになる。
(勝者:クリックで勝敗ネタバレ注意)
+ 第九試合:無尽無流のサイアノプ    対 冬のルクノカ
第九試合:無尽無流のサイアノプ(脆弱下等な生命体)    対 冬のルクノカ   (地上最強の生命体)
勝者:
+ 第十試合:柳の剣のソウジロウ     対 絶対なるロスクレイ
第十試合:柳の剣のソウジロウ(“彼方”最強の剣士)     対 絶対なるロスクレイ(世界最強の剣士)
+ 勝者:絶対なるロスクレイ      |謀略により試合前から確定
勝者:柳の剣のソウジロウ      |絶対なるロスクレイ:死亡、試合開催は予定外
+ 第十一試合:通り禍のクゼ       対 奈落の巣網のゼルジルガ
第十一試合:通り禍のクゼ   (生命を奪う権能)    対 奈落の巣網のゼルジルガ(生命を縛る陰謀)
+ 勝者:
――試合延期――          |奈落の巣網のゼルジルガ:消息不明
+ 第十二試合:音斬りシャルク      対 不言のウハク
第十二試合:音斬りシャルク(音を抜き去る神速)      対 不言のウハク(「詞」を消し去る神判)
+ ――――
――対敵変更――
   音斬りシャルク (万物を凌駕する超速)     対 魔法のツー  (万物を遮断する防壁)
勝者:
+ ――――
――代替試合――
+ 第十一試合:通り禍のクゼ     対 奈落の巣網のゼルジルガ
――第六試合勝者行方不明のため敗者繰上り――
第十一試合:通り禍のクゼ  (必然なる生命剥奪)   対 窮知の箱のメステルエクシル(無限たる生命再生)
勝者:





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最終更新:2025年04月25日 12:28