冬のルクノカ

「ウッフフ!こんな耄碌したおばあちゃんになんの用かしら?」

それは地平の最強種の中にあって数百年、真の最強の名を許されている。
それは地形と気候を変えた、全生命を瞬間に屠る鏖殺の息(ブレス)を持つ。
それは史上にただ一例しか確認されていない、氷の詞術(しじゅつ)の使い手である。
戦いすらをも許されぬ、それは一つの荒涼の光景である。

+ アニメ版
それは地平の最強種の中にあって数百年、真の最強の名を許されている。
それは地形と気候を変えた、全生命を瞬間に屠る鏖殺の息を持つ。
それは史上にただ一例しか確認されていない、氷の詞術(しじゅつ)の使い手である。
戦いすらをも許されぬ、それは一つの荒涼の光景である―――。


登場話

第一部

  • 「冬のルクノカ その1」
  • 「冬のルクノカ その2」

第二部

  • 「第二試合 その1」
  • 「第二試合 その2」
  • 「第二試合 その3」
  • 「第二試合 その4」
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第三部

  • 「第九試合 その3」
  • 「第九試合 その4」
  • 「第九試合 その5」
  • 「第九試合 その6」
  • 「第九試合 その7」

略歴

  • 読み:ふゆのルクノカ
  • 種族:(ドラゴン)
  • クラス:凍術士(サイレンサー)

CV - 井上喜久子
六合上覧の参加者の一人。
イガニア氷湖に棲む伝説の(ドラゴン)

熱帯地方にあったイガニアに溶けることのない氷雪をもたらした。その到来は三百年以上前から伝わる歌として残っている。
少なくともこの百年ほどは人里を襲わず氷湖に留まり、獣を捕食して暮らしていた。

あまりにも強すぎ、自身に挑む者の尽くを屠ってきたために闘争に諦観を抱いており、屠山崩流ラグレクスの挑戦を受けても戦わず勝ちを譲った。
しかしハルゲントによって自負と闘志を刺激され、強敵との闘いを求めて六合上覧へ向かう。

人物

強大無敵、文字通りの伝説の(ドラゴン)でありながら、自身を「耄碌したおばあちゃん」などと言う品の良い老婦人の如き言動であり、かわいい。
また、第一回戦を直前にして、新しい遊び場を見つけた少女のように浮ついてみたりして、かわいい。
+ 「ウッフフフ!」(ネタバレ有り)
しかしそれは当然の様に齎される数多の勝利に起因する諦観による表面上の印象でしかなく、その本質は飽くなき闘争心の塊。
真に最強と称される隔絶した力を持ちながら未だ自身でも己が全力を把握していない、そんな自分が死力を尽くして戦うことが出来る強敵(英雄)の出現を心から待ち望んでいる、ソウジロウに負けず劣らぬ戦闘狂(バトルジャンキー)である。



外見

白く滑らかな、輝く竜鱗。
左右対称に広がる翼。流麗な曲線を描く首筋。透き通った水色の目。
精緻な神像よりもなお美しい、白き一柱の巨竜。

能力

凍術

通常の熱術はエネルギーを発生させるものであるが、彼女は全く逆の効果をもたらす、つまりは熱を奪う(ブレス)を使う。

常人を超える詞術士は分野によって「熱術士(イグナイター)」、「力術士(ルーラー)」、「工術士(アーキテクト)」、「生術士(クリエイター)」と呼ばれる。彼女のクラス「凍術士(サイレンサー)」は、既存の詞術体系と「真逆の現象を引き起こす」唯一無二の詞術を使うことを示している*1

その一息は気候を変動させ、大地を裂き、直撃した万物(空気でさえ)を崩壊させる天変地異の一撃である。
四季のない異修羅世界において「冬」の二つ名を持つことと合わせ、名乗りだけで格を盛りまくりである。
+ ルクノカの息に伴う現象の解説
まず、超冷却された空気は急激に体積が減少し、凝固する。その結果、減った体積の分だけ真空の空間が生まれるため、そこに周囲の空気が勢いよく流れ込み、凄まじい暴風が発生する。
地面も地殻の深部まで一瞬で体積が減り、クレーターのように陥没する。岩盤は奇妙な紋様が描かれたように捻くれた、黒い結晶のような状態に変わってしまう。

身体能力

息(ブレス)を抜きにした単純なスペックだけでも全生命のなかでトップクラスを誇る。
そもそも、ブレスによる隕石の衝突にも匹敵する大破壊が吹き荒れる中、身動き一つしないその身体能力は推して知るべしである。
イガニア氷湖と黄都をたった一日足らずで行き来できる高速の飛行能力。恐ろしく高硬度で銃弾も病毒も弾く鱗や爪。ただ動かすだけでぶつかれば致命傷となりうる超重量の肉体。歴戦の猛者たちと交戦してきた経験値。
そして、今まで本気を出したことがないゆえ自分自身でも限界を把握していない神速の反射神経。

成長する必要すらないその圧倒的なパワーはまさに最強と言って間違いない。なんでこんなやつ連れてきたんだ。




+ 「【果ての光に枯れ落ちよ――】」(第三部ネタバレ)
空気と大地が変動した。

全てが死んだ。


ルクノカ討伐。その「本物の勇者」に匹敵する英雄性を獲得することを画策し、イリオルデの策略の下、ハーディ陣営のツツリ指揮により、大規模軍事作戦での第九試合中の暗殺が実行される。

しかし、当のルクノカは「サイアノプによる左頸部の負傷を狙った必殺の“嘯液重剄”での重要神経系への重篤な損傷」「呼吸器系に影響を与える毒の散布」「上空より散布した燃料への熱術での着火による熱と煙」「大型地雷」「“彼方”の武器、“パンツァーファウスト3-IT600”による頸部負傷を狙った無数の爆撃」を受けてなお身を起こし、ブレスを発動。動員された部隊は壊滅状態に陥った。

極限の身体能力。天地壊滅のブレス。飛行能力。竜鱗による攻撃遮断。知覚すら及ばぬ絶速の反射神経。英雄との無数の戦闘経験。
そしてそれ以上。
逸脱の索敵能力に在り得ざる生命力。


星馳せアルスの魔具、黄都軍の策謀、サイアノプの必殺の一撃、“彼方”の超常の兵器、それを尽くしてなお殺しきれない。


先の見えない白い霧。誰も並び立つことのない頂点。
戦いすらをも許されぬ、それは一つの荒涼の光景であった。

ルクノカは笑っていた。

「楽しくて……ああ、とても、楽しくて……楽しすぎて……フフフ……」

絶望の具現である冬が、そう思ったのだ。
「……そんなこと(・・・・・)……全然……気づかなかったわ…………」

余談



  • …それでも、ルクノカがブレスを放とうとした場所にクゼが居たら、ルクノカは即死。ルクノカが生物として最強でも、ナスティークという概念には敵わない。 -- 名無しさん (2024-11-22 06:51:05)
  • ルクノカが死んだ位で動きが止まらんからどのままブレス吐かれて相打ちや無いかな? -- 名無しさん (2025-02-17 12:50:14)
  • 死んだぐらいじゃ止まらない修羅が多いのはクゼのキツい所よな -- 名無しさん (2025-03-14 03:55:43)
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  • 十六修羅
  • 十六修羅(書籍)
最終更新:2025年04月26日 02:43

*1 ちなみに作者によると同じ理論によって「巨視的運動を停止させる止術」、「生命反応を含めた変化を否定する停術」、「万物の構造を砂のように分解する壊術」が存在し得るようだ。