用語集

(あいうえお順)

――この世界の知的生物は、文字を残し、解読する能力に欠けている。
“彼方”の者達に詞術(しじゅつ)の真の力を用いることが能わぬのと同じに、話せば通ずる世に生きる者にとっては、体系的な文字言語の定着などは、実用上、極めて困難な概念である。
-無尽無流のサイアノプ その2

ファンタジー作品の例に漏れず、『異修羅』にも独特の用語が登場する。全く異世界の言葉かもしれないし、「音の言葉」と指すものが違う事もあるかもしれない。読者自称者語なんか由来を辿るのも大変だ。
ここではそんな「異修羅用語」のポケット辞典を目指して設置された…覚え書きスペースである。

求ム編者自称者!




あ行


悪魔

あくま。
架空の種族名。異修羅世界においても創作上の存在で実在しない。
天使がいるならその逆もいるだろうというような経緯で創作されたようで、意味も此方の世界とほぼ同じらしい。
なお、語感上魔族みたいな感じだが、魔族ではない。

あじ。
異修羅一問一答で珪素さんに聞いてはいけないもの。
「この修羅は食べたらどんな味がしますか?」「食べたら美味しい修羅は誰ですか?」と言った質問があまりにも多かったせいで、珪素さん直々にこの類の質問にはもう答えませんというお達しが降ってしまった。
なお、ほとんどの回答はその場で適当に考えたものであったらしいが、粘獣(ウーズ)がクソまずいと言うのは一貫している(貪婪なるニグヒルが二度と食べたくないレベル)。

また一問一答によれば、異修羅世界において料理に生術をかけて直接的に味を操作する技術は、あり得ないほど制御の難しい難問であることが知られているという。
劇中で水を単純に甘くする生術は登場しているが、完成された料理を美味しい状態に詞術で調味するという行為は理解度や繊細な調整の必要性などから難易度が恐ろしく高いということなのだろう。

余談1:
余談2:
余談3:

アルハル

あるはる。
アルスハルゲント。この二人の関係性。
読者自称者の皆さんは長々と語らずともお分かりだろう。
Web版では第二部の終盤で物語と共にクライマックスを迎え る。
なに? ここから見たからよく分からない…? こんなネタバレの危険性があるところに居ないでさっさと本編を読むんだ。

異修羅構文

いしゅらこうぶん。

CV - 土師孝也(ナレーション)
「修羅構文」、単に「構文」とも。
修羅達の強さ・能力・特徴を端的に示した四文+クラス・種族・名前で成る一連の文章構成体。かっこいい。

ちなみに、小説版では各エピソードの最後にそのまま構文が示される形だが、コミカライズ版では各エピソードの最終盤にかぶさるように(ナレーション風に)構文が挿入される。
非常にいい演出になっているので、未読の読者自称者の方はぜひコミカライズ版も読もう!

+ 構文持ちキャラクター一覧(ネタバレ有り)
+ 第二部重要ネタバレ注意
+ 書籍版ネタバレ

椅子

いす。
座るために使用される道具のこと。
黄都の公共施設のある椅子は、その多くが小人(レプラコーン)を想定して高さを調節できる造りになっている。

わんこいぬ。
異修羅世界には犬がいない。異修羅世界の人族が狼を飼うほどに信用しなかったのではないかと推測されている。
二次創作の際は注意。本文中で「犬」を発見した場合、保健所(げんさくしゃ)への報告が奨励されている。

『偉力のアルトイ』

いりょくのあるとい。
演劇の題材にもなっている、異修羅世界で相応に有名だと思われる英雄譚。
Web版第三部の『穢れなき白銀の剣 その6』、及び書籍版Ⅷ冒頭にて、幼いロスクレイの前で服膺のナルタが練習していた演技の題目がこの物語であった。
一問一答によれば、色々な伝説の要素を複合したファンタジーで、これという元ネタの史実はない創作作品とのこと。
劇中シーンから読み取れる筋書きや登場人物についてはこちらを参照。

色札

いろふだ。
異修羅世界で一般的な遊戯、またはそれに用いられる玩具。
名前や描写から察するに、トランプのような記号ではなく、色で種類分けされたカードを用いるようである。
夜の盛り場のような人工の灯りを使う場所だと色の見間違えが頻発しそうな気もするが……。

飲料

いんりょう。
飲むことで摂取する液体状のもの。飲み物。ドリンク。

琥珀茶

こはくちゃ。
作中に登場する飲料。とかくリナリスお嬢様とセットで描かれる事が多い。
此方の世界の紅茶の一種らしく、果実などのフレーバーを加えて飲む点も同じらしい。
安価なものではないらしく、少なくとも六分儀のシロクは飲んだことがなかった様子。
味について細かく説明した描写もそれ程多くはない。
ハルゲントが口にした際には「仄かな甘味が体の奥に染み渡って」いた様子であるが、これが琥珀茶そのものの味なのか、はたまた気遣いの出来るピケが砂糖の類を入れておいたのか判然としない。また、これに「林檎香(書籍版では果実香)」を足しているが、これも詳細不明である。
シロクが初めて口にした感想は「味の差異は良く分から」ず「普段飲み慣れた茶の方が美味くすら感じた」というもので、如何にも高級嗜好品といった趣。尤も、リナリスお嬢様の金色瞳に覗き込まれる中ではお茶の味どころではないだろうが…。

橙茶

だいだいちゃ。とうちゃ、とも。
作中に登場する飲料。
“彼方”で橙茶と言うと柑橘の一種である“橙”のジャムを湯に溶いたものや、その皮を茶葉に混ぜたもの等、果物の“橙”を加工した飲料のことである。
しかし、異修羅世界の“橙茶”は、もう一つ登場しているお茶“琥珀茶”がおそらくは「琥珀色のお茶」という意味合いであるため、色の名前だと思われる。つまり「橙色のお茶」。憶測だが。
味について細かく説明した描写はないものの、フリンスダツーに琥珀茶と「どちらが好きかしら?」と聞くくらいには味が違うようだ。
発酵具合の差なのか、そもそも茶葉(材料)自体が違うのかは不明。
劇中ではミルージィが穏やかに、キヤズナが不機嫌そうに口にし、ツーがフリンスダに振る舞われて琥珀茶と飲み比べ?をしていた。なお、ツーちゃんはアニメ版では両手に一つずつティーカップを持っている様子が描かれ、かわいかった。

焙煎豆茶

読みは不明。「ばいせんまめちゃ」か?
嗜好飲料品。喫茶店やテラスの露天で供される所を見ると、大凡コーヒーのポジションにあると思われる。
ユノリノーレちゃんに奢れるあたり、特段に高価という事はない様子。
異修羅世界における「茶」の定義は明確ではないが「煎じて抽出した飲料」というようなニュアンスなのだとすれば「トルココーヒー」のようなものなのかもしれない。
そもそも「黒豆茶」のような茶外茶である可能性も否定しきれないが。

おさけ。
飲むと酔う、強い酒は刺激がある…と100%酒である。彼方と同様に、子供は飲めないらしい。
彼方の発想で想像のつくものもあれば、とんと見当の付かない名前のものも。
+ わーっ、綺麗!どれにしようかなあ!
青柑橘酒
早速よく分からない。緑色の柑橘、となるとライムのリキュールだろうか。魔法のツーが飲み干した。
白葡萄酒
彼方のそれは「皮を取り除いた果肉の白いブドウを発酵させた酒」。自己酵母で発酵するなど製造難度は高くない。そのため、異修羅世界で自然発生するのも、客人(まろうど)が持ち込むのも双方ありうるといった所。
赤葡萄酒
彼方では「黒葡萄を果皮・種子ごとつぶして発酵させた酒」。白葡萄酒と共に「上等な」と表現されている。所謂ワインと同様に高価なものから安価なものまで色々と種類があるということだろう。
樽奥酒
強い酒であるらしい。字面からは「オーク樽のウィスキー」、あるいは「隠し酒」のような印象を受ける。
ブランデー
その名の元々の意味は“焼いたワイン”。発酵した葡萄を蒸留した酒である。つまり、異修羅世界には蒸留技術が存在する事になる。彼方と同様の名前で呼ばれる所を見ると、製法ごと(下手すれば蒸留の概念自体)客人が持ち込んだのだろう。
音斬りシャルクが注文したが、魔法のツーが飲み干した。

雨季祭

うきさい。
中央王国圏に存在する季節行事。
ある月で最初に降る雨を恵みとして開催される祭りで、参加者は誰も傘を差さず雨への感謝を示す。

うみ。

①.陸地以外で、海水に覆われた場所。海洋。
異修羅世界においては、一部の鳥竜(ワイバーン)外洋に到達していたりする以外にはほとんど進出がすすんでいないエリア。
過去には「海」は現実と地続きにある死の世界だと考えられていた時代もあったという。
詞術の相通じる深獣(クラーケン)が発見される前の時代においては、海洋生物には詞術を理解できる生命体が存在せず、遠洋に冒険に出た者が戻ってくる事例がほぼ皆無だったためそう考えられていた。
現在は深獣(クラーケン)が発見され、生命の起源が海であることも判明している。
ただし、上記の通りに遠洋への進出は遅々として進んでいない。
原因は明白で、戦闘力が非常に高いと思われる深獣(クラーケン)のテリトリーであること、深獣(クラーケン)の他にも酷礁イオに代表される分類すら不可能な怪物種が何千種も存在すること、による。
外洋を長期航海可能な船舶は、 とある人物 が主導で開発した 巨大帆船 の存在がこれを建造可能であることを証明している。

②.根獣(マンドレイク)の傭兵、ヒグアレの二つ目の名。
キャラクターの詳細は当該項目を参照のこと。
死の世界と地続きだと考えられていたという①の設定を知ってからだと、彼の二つ目の名の意味合いもより深いものになるだろう。

『エノズ・ヒム歌章千編』

えのず・ひむかしょうせんぺん。
イガニア氷湖に住む冬のルクノカを歌った童謡『野凍(のしみ)畑凍(はたしみ)』も収められた歌集。

オカフ自由都市

おかふじゆうとし。
客人(まろうど)”、“魔王自称者”、哨のモリオが作り上げた傭兵都市。
傭兵斡旋を主要産業としたギルド都市。その規模は事実上の国と言ってさしつかえないほど。故の、魔王自称者。
傭兵ギルドを装っているもののその業務形態は兵器提供・平時訓練をも含めた総合的な軍事提供であり、此方で言う所の P M C(民間軍事会社) のそれである。
特に、モリオが擁する私兵――傭兵の中からモリオ自身が選抜した精鋭――は彼が知る彼方の最新の軍事教練を施されており、それがモリオの切り札となっている。
また、逆理のヒロトとは銃器の斡旋の関係で以前から繋がりを持っていた。

黄都が警戒する外部組織(リチア新公国、旧王国主義者、オカフ自由都市)の内で、(逆理のヒロトの暗躍により)唯一六合上覧まで食い込んでいる(他組織は(逆理のヒロトの暗躍もあり)表面上は解体されている)。

か行


ガシン東西戦争

がしんとうざいせんそう。
かつてあった大きな紛争、あるいは戦乱。
魔剣が使用されなかったため終結した戦であるとされる。
おぞましきトロアが活動していた頃に起きた戦争であるため、古くとも40年ほど前以降の出来事だと思われる。

ガス燈

がすとう。ガス灯とも。
黄都の街路を照らす明かり。
マリ荒野からパイプラインで引かれた天然ガスを使用する。
中世風ファンタジー世界をベースにしつつ、"客人(まろうど)"の技術提供で要所要所がしっかり近代化されているのが異修羅世界の特徴。
アニメではリチア新公国で点灯夫により街灯が点火されている様子が描かれており、ある程度整備された都市においてガス燈の使用は一般的なものであると思われる。

形の変わる街

かたちのかわるまち。
かつて黄都にも引けを取らないほどに活気に満ちていた“クタ白銀街”の別称。
特に商業区は短期間で新しい建物が建っていたためそう呼ばれていた。
そんな活気溢れていた街も今は遠く、現在は“最後の地”と呼ばれている。

彼方

かなた。

①.読者自称者のいる世界と似て非なるもの。
なんだか大変な事になっているらしい。詳しくは本編で。

②.異修羅世界に存在する星の名前。
時期によって明るさの変化する変光星。過去には客人(まろうど)が訪れる時にその明るさが増す星と考えられていたが、現在は因果関係は否定されている。
一問一答で言及された。

カラテ

からて。
異修羅用語ではないものの、当wikiや読者自称者間においてたびたび登場する。本来はニンジャスレイヤーという小説の用語。
琉球発祥の武術………のことではもちろんなく、近接戦闘、基礎戦闘力、または単に実力など、割と幅広い意味を持つ。全く知らない人にとってはなんのこっちゃである。

気球

ききゅう。
黄都では商店が広告の目的で多くの気球を上げており、その様子は書籍版Ⅷにて描かれている。
サブフォム将によれば、特に大きな商店は固有の色の組み合わせで広告・看板を出すらしい。
印証よりも遠目から確認可能でどの方向からでも認識可能というのが大きな利点。その際の色の組み合わせは議会に要申請だが、色の組み合わせ以外の図柄は特に規制はないようで、自由だという。
また、どの店でも使用可能な色も存在し、例に挙げられていた赤一色の場合『並べられた商品の三割以上で二割引き以上の安売り(バーゲンセール)中』という意味合いになるらしい。

季節

きせつ。
異修羅世界には季節がない
気候は基本的にその土地土地で変化するもので、周期的な気候変化が(ほとんど)存在しない。
地軸の傾きがほとんどない関係であるらしい。
ただし、ちょっとは傾いているためサイン水郷で年に一度訪れる破滅的豪雨のような周期的な天候変化はあるらしい。
また、「不言のウハク その1」で「空気の乾く季節」との言い回しがあることから、こちらで言う所の「乾季」「雨季」といった周期的に訪れる気象の傾向を指して「~の季節」と呼称しているものと思われる。
つまりより正確に表現するならば「春夏秋冬のような四季がない」ということである。
その存在しない季節の名前を二つ目の名に冠するご婦人は、もう格を盛りまくりなのである。

ふゆ。
四季のひとつ。一年で最も寒い時期を指す。
“彼方”から異修羅世界に伝わった季節の名、概念。とある最強のご婦人の二つ名
主にこのご婦人のせいなのだが、とんでもない破滅的な季節であると異修羅世界人達には認識されている。
恐らく、かつて戦った“客人(まろうど)”の強者が彼女に伝えたものであろう。彼女自身もこの二つ名を名乗り続けていることからも、相当印象に残った『英雄』だったのだろうと推察できる。

旧王国

きゅうおうこく。
現在の黄都の元になった、中央王国の通称。
かつての魔王の時代にはアウル王によって治められ、現黄都二十九官の元になったらしき二十九幕僚が組織される等、今ある黄都の姿の礎が築かれた。

旧王国主義者

きゅうおうこくしゅぎしゃ。
かつての中央王国(旧王国)の王、アウルに忠誠を誓い、現女王セフィトを偽りの王権、王位の簒奪者とみなして物理的な手段をもって廃嫡を目指す、簡単に言えばクーデターを目論むテロリストである。
恐らくはセフィトが女王となる際に発生した諸々のいざこざの折に発生し、反乱を繰り返してきた組織だと思われる。
破城のギルネスを首魁とし、歴戦の兵で構成された少数精鋭を中心とした組織。
逆理のヒロトの暗躍も有り、第一部の段階でギルレスが捕縛の後事実上の処刑となり組織は崩壊、したと思われていたが第二部にて残党の存在が明らかとなっている。
強者二名を取り込み、秘かに爪を研いではいるものの、彼らはただの少数の敗残兵にすぎない。果たしてどんな結末を迎えるのだろうか――。

鋏刻虫

きょうこくちゅう。
書籍版Ⅰに登場した昆虫の種類。劇中では“鋏刻虫の一種”と表現されていたため、“彼方”で言う所の「目」や「科」のような範囲の広い分類名だと思われる。
劇中に登場した種類は花粉の焼ける匂い(物の焼ける煙の臭い)に誘引される性質がある。飛翔能力も高い。
また、「口蓋と鼻腔を食い破って」「脳みそを食い荒らす」ことのできる顎の構造を持ち(反転部分は本来この種の虫が持っていない習性である)、かなり小型の昆虫であると思われる。
「煙の臭いに誘引される」という習性(正の走煙性)はかなり特殊*1であり、どんな生態を持っているのか興味深いところ。
+ (アニメ9話解説によれば――)
(アニメ9話解説によれば、ある種の藁が燃える時に出る“鋏刻虫を呼び寄せる集合指令類似の化学物質”に誘引されているというイメージ設定とか。)
上文の反転部分が可能な顎の構造と体の大きさ、名前に付いた「鋏」「刻む」の文字、飛翔能力が高い等の特徴から“彼方”で言う所のハチ目やアミメカゲロウ目(あるいは小型のカミキリムシ科・カッコウムシ科・ハネカクシ科の様な甲虫)と似た外見の昆虫である可能性が高い。
+ あるいは、完全なファンタジー的外見かである。(コミカライズ版ネタバレ)
コミカライズ版にて詳細な形態が判明。
クワガタムシに似た形状の太く大型の胸角を持った、非常に特異な形状をした、恐らくは昆虫。
ダイコクコガネ等の糞虫に近い外見的特徴が見られるが、飛翔能力が極めて高く、胸部から背面中央を縦断するように腹部先端まで伸びる三本目の胸角と思われる形状を持ち、この部位には等間隔に単眼と思われる球状の器官が3ないし4つ確認できる。
脚部はその飛翔性にしては頑丈な形状に発達している。恐らくは脛節が籠手状に変化し、その先の跗節と爪はそこに収納あるいは退化しているものと思われる。
頭部とブラシのような口器の形状から、本来は樹液や花蜜・果実の果汁等の栄養価の高い軟質・液状の物質を餌にしている可能性が高い。
構造的に明らかに異常なのはその翅。甲虫の場合、高質化した前翅の後ろに後翅が1対の計4枚が通常であるが、本種は前翅の後ろに2対4枚計6枚の翅が確認できる。
甲虫としての防御性能に釣り合わない高い飛翔能力。異常な形状に発達し本来存在しない単眼と思しき器官を備えた胸部と明らかに枚数の多い翅。推測でしかないが、これは逸脱して飛ばされてきたやつなのではなかろうか?

教団

きょうだん。
異修羅世界最大の宗教組織。だが今や、“本物の魔王”の影響により信仰は死に、滅びへと続く道を進んでいる。
劇中にその教義は断片的にしか語られてはいないが、その情報を纏めればおおよそ次の通りである。
この世界を創った詞神の信仰
詞術の相通じる者どうしでの憎み合いの禁止
詞術の相通じる者どうしでの傷つけ合いの禁止
詞術の相通じる者どうしでの殺生の禁止
詞術の相通じる者どうしでの助け合い、困窮している者への救いの手の推奨・実行
この教義に基づいて、教団では救貧院を運営し、困窮している者、ひどく悩みを抱えている者に救いを差し伸べる慈善事業を行ってきた。
孤児には教団文字を教え基礎的な教育を、飢える者や病める者には相応の施しを与えるという、異修羅世界における基礎教育と福祉事業、社会落伍者への救済と社会復帰という役割を担ってきた組織である。
しかし、詞神への信仰は“本物の魔王”によって殺されてしまった。
そして教団は消滅の危機に瀕している。その身に多くの子供達や年若い神官見習いを抱えたまま……。

――語り合いましょう。誰しもに言葉の通ずる詞術を、詞神様は与えてくださったのですから
――すばらしい奇跡のために、私たちはもう、孤独ではありません。心持つ生き物の全てが、皆の家族なのです
――憎んではいけません。傷つけてはいけません。殺めてはいけません。あなたが、あなたの家族に対してそうであるように
――死は永遠の別れではありません。行ってしまった皆の残した言葉は全て、残されたあなたがたの心に、今も残る詞術なのですから
――生きとし生ける誰もが平等であるように、詞神様は、言葉を与えてくださったのです

共有の呪い

きょうゆうののろい。
二体の生物命を共有し、片方が生きている限りもう片方の生物も動き続ける特質。
詞術の一種だが、人が行使できる類ではなく、魔族のような新たな生命が生まれ持つ性質であり(ドラゴン)粘獣(ウーズ)等の種族的性質と同様のカテゴリーらしい。
書籍版Ⅰにて「自身ではない別の存在に命を仮託する」技術であるらしいことが明かされた。
また、アニメ版の作者 の偽物を名乗る Xアカウント実況解説によれば、『「片方が死ねばもう片方が死ぬ」、つまり「死んでいないのでもう片方も死んでいない」とみなす命の詞術のバグ技』とのこと。

虚実侵界線

きょじつしんかいせん
2020年のエイプリルフールに突如公開された、『もし異修羅がアプリゲームになったら』というお祭り企画。
様々なレア度のキャラが出る10連ガチャメーカー、珪素氏直筆のダイジェスト台詞集、そして珪素氏が自腹で依頼したクレタ氏描き下ろしの修羅集合絵でTwitterを大いに盛り上げた。
世界を越えて現れる敵に修羅たちが力を合わせるというスパロボ的展開に加え、分岐世界における修羅と同じ二つ名の別人、レアリティや二つ名の変わった修羅たちといった小出しにされた考察要素に読者自称者が大いに盛り上がった。
ここで初めて二つ名が明らかになった登場人物も何人か存在する。

さらに、2022年のエイプリルフールには珪素氏の過去作品『空葬テラー』とのコラボイベント『空を葬る恐想の眼』が追加され、本編ではありえないメンツで繰り広げられる書下ろしイベントシナリオまで投下された。
今後のさらなる熱い展開を期待してしまう熱い展開であった。

銀板写真

ぎんばんしゃしん。作中でのルビはダゲレオタイプ。
彼方においては1839年にフランスのダゲールによって発表された写真技術。産業革命を背景に一般市民に写真が普及する契機となった。
異修羅世界では、黄都に「造影所」と称する写真屋業が存在し、市民相手に売り込んでいることから、同様に一般化している様子。
また、黄都の指名手配制度による手配書には写真の技術を用いた人相書きが活用されている(書籍版Ⅸ情報)。この写真技術が銀板写真なのかは明らかではないが、写真の存在自体はそれほど珍しいものではないようである。
詳細は名言はされていないが彼方での名前を使っている以上、これもまた"客人(まろうど)"が持ち込んだ技術と推測される。彼方ではすでに後継に道を譲った技術がスキップされず実用されている理由は不明。

クソSS

くそしょーとすとーりー/くそさいどすとーりー。
ゲーマーズ、メロンブックス、アニメイト等、様々な書店で書籍版異修羅の各巻を買うことで得られる店舗特典のSSのこと。
ギャグ要素が非常に強いため、作者が直々にこう呼んでいる。
https://x.com/bunko_dengeki/status/1169930950886559744 1巻の特典
https://x.com/bunko_dengeki/status/1239493730245074944 2巻の特典
https://x.com/bunko_dengeki/status/1292761356001673216 3巻の特典

珪素(偽)

けいそ(にせ)。
真偽不明の謎のXアカウント。
書籍化から順調に巻を重ね、コミカライズ、アニメ化と作品が飛躍していく中、24年4月末に作者である珪素先生のX(旧Twitter)*2が凍結されるという悲劇が発生した!!
凍り付いたままの状態が長らく続いた後*3、24年12月に珪素(偽)なる真偽不明の作者アカウントが突如として出現する……。
このアカウントの正体は? 果たして本物なのか? あるいは作者を自称しているだけの偽物なのか?
ここから語られ発信される情報は、真実なのかはたまた真っ赤なウソなのか――。
その真偽は読者自称者個々人での判断に委ねられることとなったのである。

なお、著者告知用のアカウントやアニメ公式によってリポストされていることから確定で本物である。

拳法

けんぽう。
突きや蹴り等の当身技を中心とした徒手武術のこと。
無尽無流のサイアノプが図書館にて究めた技術系統。彼が劇中にて使用している業は多数の技術体系を網羅したものである。
+ 劇中使用業一覧(ネタバレ有り)
劇中使用業一覧
業名 詳細
八極貼山靠 八極拳。別名『鉄山靠』。体当たりとして認識されていることが多い。
正しくは『並足を揃え膝を軽く落とし、踏み出しで敵の足を掛け下方向へ向け背面で体当たりする』業で、
投げと打撃の複合のような性質の技術。
冷勁 中国拳法。接触状態から打ち出す発勁のこと。長距離は長剄、短距離は短剄。
短勁は数センチから打ち出すものを寸勁、数ミリから打ち出すものを分剄と呼ぶ。
嘯液重剄 オリジナル。あらゆる防御外装を無視し、内部に全衝撃を伝達させる無手の絶技。
底掌 掌低打ち。格闘技・武道において、掌の手首に近い部分で相手を殴る業。
螺旋手刀 少林寺流空手。螺旋手刀打ち。
体を後ろ向きから前に回転させて打つ手刀打ち。総合格闘技で使用されるバックハンドブローの原形の業。
連環腿 中国拳法。連続で相手を蹴り上げる業。
十三歩 沖縄空手における形の一つ。セイサン、あるいはセイシャン。
刻み突き 空手。前足で踏み込みながら前拳で相手の上段を突く順突き。
縮地術

無足の法
縮地は本来は仙術で、地面を縮めることで瞬間移動を行う術。
古武術においては動作の起こりの気配を殺すことで相手に瞬時に移動したかのように錯覚させる業。
単に素早く走る技術をさす場合もある。
無足の法は、四心多久間流柔術における体が倒れる力を利用して地を蹴ることなく進む歩法。無足之法。
この歩法を応用して間合いを詰める技術が縮地と呼ばれる。
肩固め 柔道。袈裟固系の抑込技。
角手 少林寺拳法で使用される貫手の呼称。
正拳 徒手の打撃系格闘技・武術・武道で使われる突き技。正拳で対象を突く基本技。
前蹴り 徒手の打撃系格闘技・武術・武道で使われる蹴り技。相手に正対して前方に真っ直ぐに蹴る基本技。
手刀打ち 徒手の打撃系格闘技・武術・武道で使われる打撃技。
開掌を刀剣類に見立てて、相手に打ちつけ攻撃する技術。チョップ。
化勁 中国武術。相手の攻撃による力を吸化、あるいはそのベクトルをコントロールする身法。
相手の攻撃を受け流し、無力化した上でその力を巻き込んで利用するような技術。
出足払 柔道。足払い系の技の一種。
踏み出した相手の足が着地する瞬間を狙い、それを払い同時に腕で捻り相手を横向きに倒す業。
指弾 非拳法技術。中国武術。
指で礫や金属球、コイン等を弾いて飛ばし、相手を攻撃する技術。
暗器・暗殺術の類に属し、動作が非常に少ないことが利点とされる。
達人の放つ一撃は、鉛の弾で木の板を貫通するほどであると言われる。

抗血清

こうけっせい。
特定の抗原がヒトあるいは動物に取り込まれることで得られる、抗体を含んだ血液から得られる血清。
毒素に対する抗体を含むものを抗毒素血清、病原菌に対する抗体を含むものを抗菌血清という。
+ 劇中に登場する抗血清(書籍版等のネタバレ有り)
劇中では血鬼(ヴァンパイア)の病原体に対する抗血清が登場する。
屍鬼(コープス)の治療薬」と表現しているものもこの抗血清のことだと思われる。
書籍版によれば、“本物の魔王”の時代よりも以前の、人族と血鬼(ヴァンパイア)が争っていた時代に開発されたものであるという。
製造原料が特殊(血人(ダンピール)の骨髄)であり、一度に作れる量も限られていたらしい。
+ 黄都の技術力でしか精製できないものであるとも言われている。(書籍版ネタバレ)
黄都の技術力でしか精製できないものであるとされるが、窮知の箱のメステルエクシルによって複製が可能であることが判明している。
この事実は、ケイテ陣営の強力な切り札として逆転の一手となると予想されるが――。
Web版と書籍版とで設定がやや異なる。

黄都二十九官

こうとにじゅうきゅうかん。
黄都の政治・軍事を司る最大二十九人からなる官僚組織。
本物の魔王”の脅威から黄都を防衛し続けた。旧王国に当たる国のアウル王が組織した二十九幕僚が元となっており、つまり実質的には魔王軍と戦うための戦時体制ということになる。
建前上は序列に関わらず同列の立ち位置になる。
ただし、現実では各々の派閥所属状況や保有戦力によって明らかな序列が存在している。
+ 派閥所属状況(六合上覧開始時点)
派閥所属状況(六合上覧開始時点)
改革派
(ロスクレイ派)
絶対なるロスクレイ 速き墨、ジェルキ 鏨のヤニーギズ 暮鐘のノフトク 鎹のヒドウ
囁かれしミーカ 整列のアンテル
軍部派
(ハーディ派)
弾火源のハーディ 片割月のクエワイ 紫紺の泡のツツリ
過激派
(ケイテ派)
円卓のケイテ 淵藪のハイゼスタ
女王派 荒野の轍のダント
中立派 基図のグラス 文伝てシェイネク
貴族派?
涜職罪にて追放済み
異相の冊のイリオルデ
無所属
もしくは不明
静寂なるハルゲント 先触れのフリンスダ 蝋花のクウェル 白織、サブフォム 千里鏡のエヌ
光暈牢のユカ 憂いの風のノーフェルト 赤い紙箋のエレア 遊糸のヒャッカ 鉄貫羽影のミジアル
空雷のカヨン 警めのタレン
+ 保有戦力による序列(六合上覧前時点)
保有戦力による序列(六合上覧前時点)
 絶対なるロスクレイ(事実上の黄都トップ)
  →弾火源のハーディ(黄都軍+黒い音色のカヅキ
   →円卓のケイテ軸のキヤズナ+現代兵器)
    →先触れのフリンスダ真理の蓋のクラフニル
現状“客人(まろうど)”や人間(ミニア)以外の異種族が所属していないことから、黄都の人族至上主義の現状が窺い知れる。
また、二十九官には各々管轄部門が存在する、あるいはしていた。
+ 二十九官名簿・管轄部門一覧
二十九官名簿・管轄部門一覧
第一卿 基図のグラス 総務省
第二将 絶対なるロスクレイ 人事局(総務省)
第三卿 速き墨、ジェルキ 通産省
第四卿 円卓のケイテ 産業省
第五官 異相の冊のイリオルデ(現在空席) 外務省
第六将 静寂なるハルゲント 防空局(国防省)
第七卿 先触れのフリンスダ 保健省
第八卿 文伝てシェイネク 文部省
第九将 鏨のヤニーギズ 警察庁(総務省)
第十将 蝋花のクウェル 消防庁(保健省)
第十一卿 暮鐘のノフトク 教団局(文部省)
第十二将 白織、サブフォム 防災局(建設省)
第十三卿 千里鏡のエヌ 建設省
第十四将 光暈牢のユカ 公安局(総務省)
第十五将 淵藪のハイゼスタ 監察局(特別機関)
第十六将 憂いの風のノーフェルト 地理局(建設省)
第十七卿 赤い紙箋のエレア 情報局(国防省)
第十八卿 片割月のクエワイ 技術庁(通産省)
第十九卿 遊糸のヒャッカ 農林局(通産省)
第二十卿 鎹のヒドウ 戦災復興庁(総務省)
第二十一将 紫紺の泡のツツリ 通信局(国防省)
第二十二将 鉄貫羽影のミジアル 体育局(文部省)
第二十三官 警めのタレン(現在空席) 辺境開発局(外務省)
第二十四将 荒野の轍のダント 王宮警護局(特別機関)
第二十五将 空雷のカヨン 運輸庁(通産省)
第二十六卿 囁かれしミーカ 司法省
第二十七将 弾火源のハーディ 国防省
第二十八卿 整列のアンテル 財務庁(通産省)
第二十九官 (空席)/ 実境のシェナ(番外編) 解析局(特別機関)

国防研究院

こくぼうけんきゅういん。
書籍版Ⅴで唐突に言及され、Ⅵにて重要度が増した、謎の組織。
+ 書籍版Ⅴネタバレ
書籍版Ⅴ
千里鏡のエヌが秘かに繋がりを持つ。
淵藪のハイゼスタの調査によれば、「国防」と名乗っているにもかかわらず黄都政府に公式に認可されたものではないのだという。
+ 番外編【-虚実侵界線-『空を葬る恐想の眼』】
番外編【-虚実侵界線-『空を葬る恐想の眼』
見たことのない新種の境魔(ダブル)の解剖調査をここに依頼する旨の台詞がある。
その台詞中には、「感染症などには気をつけて」とも……。
+ 書籍版Ⅵネタバレ
書籍版Ⅵ
黄昏潜りユキハルが追っている真のネタであり、彼の背の木箱の中の存在とも深い関係があるらしいことが判明した。
また、エヌが都市開発統括の立場を利用して黄都から隠して拠点を提供する必要があるという。Ⅴの情報と合わせ、何やらきな臭い感じである。
+ 書籍版Ⅶ重大ネタバレ
書籍版Ⅶ
千里鏡のエヌが都市開発統括の立場を利用して秘かに建設した、イリオルデ陣営の拠点。
ティム大水路の暗渠から繋がる、倉庫群に紛れるようにして建つ施設。
その真の活動目的は、国防でも、研究でもない。
表舞台に立つことのなかった怪物たちを集めた、黄都転覆を目的とした機関の総称である。


イリオルデはこの組織を完全に黄都の現政権転覆のために暗躍させているが、エヌはまた違った目的をもって血鬼(ヴァンパイア)のサンプルを提供しているようだ。

黒曜の瞳

こくようのひとみ。
かつて世界最大規模を誇った諜報ギルド。
「諜報」ギルドであるとされるが、情報取得のみならずそれに付随する形で暗殺・破壊工作等幅広く活動する、暴力組織であったようだ。

本物の魔王”の恐怖の影響による戦乱の時代の裏で隆盛を極め、世界の影を側を支配していた。
しかし、契約中だったクタ白銀街の参謀駒柱のシンジの裏切りを契機に凋落を開始。
裏切りに対する報復こそ実行したものの、クタ白銀街からの脱出を余儀なくされることとなる。
組織からの離反者も増え、数年の後に組織は壊滅したとみられていた。
現在は生き残った残党が逃げ延び潜伏している状況にあり、真の意味での壊滅も近いと思われていたのだが――。

統率の“黒曜、レハート”は血鬼(ヴァンパイア)と目されており、構成員の多くもまた屍鬼(ドローン)従鬼(コープス))であったとされる。
それゆえに高い組織性・秘匿性、個々の身体能力の高さを誇り、それもまた最凶の諜報ギルドであった理由の一つであろう。
なお、現在も過去も黒曜の娘の覚えている限りにおいては客人(まろうど)の構成員は存在していなかったようだ。

劇中には組織を抜けた元構成員も多数登場しているが、そのほとんどが傭兵や工作員を生業にしており、黒曜の過去を良くも悪くも引きずっている様子が見て取れる。

+ 黒曜の瞳構成員
黒曜の瞳構成員(空欄は現在所属者不明)
首領 黒曜、レハート / 黒曜、リナリス
一陣 前衛 韜晦のレナ 六陣 前衛
後衛 ゆらめく藍玉のハイネ(元) 後衛
二陣 前衛 刻み三針のルック(元)
爪先震えのパギレシエ(元)
七陣 前衛 無垢なるレンデルト
後衛 後衛 変動のヴィーゼ
三陣 前衛 天眼のクウロ 八陣 前衛
後衛 後衛
四陣 前衛 塔のヒャクライ 九陣 前衛 光摘みのハルトル
後衛 目覚めのフレイ 後衛
五陣 前衛 奈落の巣網のゼルジルガ 不明 霧の手のレヘム仮声のティークス
ネヘルユフィク
窮知の箱のメステルエクシル
後衛
不明
(元構成員)
瘴癘のジズマ
月嵐のラナ
ぷちしゅら!
  【参考】
四方浄化のルバ、優秀なる助手アレ

こよみ。
異修羅世界では大小二つの月を基準とした暦が採用されており、大一ヶ月が6日、小一ヶ月が6日×7週で42日、1年が小9ヶ月で42日×9で計378日となる。
大一ヶ月の方が短い事に混乱する読者自称者が多いが、その理由については月の項目にて解説してあるので参考して頂きたい。


さ行


最初の一行

さいしょのいっこう。
二十一年前、“本物の魔王”に初めて挑む勇気を抱いた、七名(+一匹)から成る超絶の英雄。
時に敵対し、時に手を組んで魔王軍へと挑んだ。本編中ではこの一言で片づけられているが、本当になんやかんや色々あったに違いない顔ぶれである。
+ “最初の一行”
“最初の一行”
弓の一つで奴隷から英雄へとのし上がった、天のフラリク
連綿と続く秘めたる業を極めた狼鬼(リカント)の闘士、彼岸のネフト
世界より放逐された邪悪なる詞術の使い手、汚れた地のルメリー
天運に見放された不世出の槍の神童、無明の白風、アレナ
地上最悪の異名で恐れられた魔王自称者、色彩のイジック
異界の影の技を振るう“客人(まろうど)”、移り馘剣のユウゴ
人体経絡の全てを理解した技術医療の先駆者、星図のロムゾ
最初の一行の知られざる“八人目”、粘獣のサイアノプ
 上記のメンバーが複数のグループでそれぞれ“本物の魔王”を倒す目的で活動し、各グループ間で敵対・協力・メンバーの入れ替えとか紆余曲折を経て最終的に合流、という流れらしい。
主なグループ構成
【フラリク組】フラリク>ユウゴ :一組目。魔王の時代以前からの英雄二名。
【ルメリー組】ルメリー>ロムゾ>サイアノプ>アレナ :人族社会内における強者が集った組。
【イジック組】イジック>ネフト :人族社会外の異端の強者二名。

最後の一行

さいごのいっこう。
本物の魔王”に初めて挑んだ集団が“最初の一行”であるのなら、もし“本物の魔王”を倒した集団がいたと仮定したなれば、それは“最後の一行”になるだろう。
ただし、“本物の魔王”の最期の状況を知る者は(現在知られている限り)存在しない。
そもそも“本物の魔王”を倒したのが個人であったのか集団であったのかさえもが不明であり、あるいはそれは事故であったかもしれず……。現在真相は闇の中である。
――ただ 一体 だけが“最後の一行”の真実を知るのみである。
+ “最後の一行”(第二部重要ネタバレ有り注意)
“最後の一行”
+ “本物の勇者”(第二部最重要ネタバレ注意)
“本物の勇者”              

酒場

さかば。
各都市の色んな区画にしっかり存在している、お酒を提供する店。
情報収集に便利なこともあり、要所要所で登場。結構な割合で刃傷沙汰になったりしている。
+ 酒場案内
“眠る鵞鳥(がちょう)亭”
オカフ自由都市の酒場。傭兵たちが喧嘩しながら和気藹々と飲む、怒声笑顔が絶えない楽しいお店。
“霞の(おおとり)亭”
黄都の(恐らく)酒場。黄都二十九官御用達の、たぶんちょっとお高いお店。
“青い甲虫(こうちゅう)亭”
黄都の酒場。銃声鳴り響くミナツ水源街からの本物の詩人が歌うお店。
“穴倉の牡牛(おうし)亭”
黄都の酒場。うらぶれた水路街に店を構える、薄暗く埃っぽい隠れ家的お店。
“輝く雌鹿(めじか)亭”
黄都の(恐らく)酒場。噂好きの親父がいるお店。
“白磁の(つばめ)亭”
黄都の(恐らく)酒場。二十九官御用達で、会談にも便利。一服盛る素晴らしい料理を出すお店。
揺蕩(たゆた)う複眼亭”
番外編"長虫計りのインエジン"の舞台の酒場。土を皿に盛って出したり武装戦車に砲撃されたりする非日常感が味わえるお店。

詞術

しじゅつ。
ごく単純化して言えば
①.異修羅世界の超自然(ファンタジー)法則。
②.異修羅世界において他種族・他言語間で会話が成立する現象。
③.②の意思疎通を用いた異修羅世界の魔法。
詳しくは当該項目を参照のこと。

辞書

じしょ。

①.辞典。字引き。言葉や物事・漢字などを集め、その品詞・意味・背景(語源等)・使用法(用例)・派生語等を解説した書籍。

②.ゴカシェ砂漠の図書館に所蔵されていたもの。無尽無流のサイアノプが図書館の蔵書を読み解くための足掛かりとして大いに役立った書物。
……ただし、その中には『人を消し去る輝きの気候』『心を持つ文字列』『半球の星』等の不可解な項目が多数含まれていたらしい。

詞神

ししん。
異修羅世界を創世した神、あるいは存在。
もしくは、詞術法則による現象、世界のシステムそのものとも考えられる。
“教団”が信仰の対象とする存在である。

異世界から数多の“客人(まろうど)”を集めてこの世界を始めたとされる。
そして、この世に遍く通ずる言葉(詞術)をもたらした存在であるとも。
また、その時に世界のルールとして詞神から権能を分けられた存在が“天使”なのだという。

死のプレゼント

しのぷれぜんと。非本編用語。
発売された書籍「異修羅I 新魔王戦争」の大好評を記念して行われた豪華プレゼントキャンペーン。#異修羅の感想 ハッシュタグを付けツイートすると、作者の珪素氏・イラスト担当のクレタ氏によるサインが入った色稿が当たる...というものだったのだが、クレタ氏のサインが早々に公開されたのに対し珪素氏のそれは最後まで公開されず「発送待ち」な状態であった。
そしていざ受け取った読者自称者が見たサインの図案。それは――
珪素 の元素記号Siをデフォルメし
S の上部を別角の直線にし(5 に近い形)
その尻尾をクルンと回し
i の点より若干下に貫通させ
もちもちのアヤキを添えたもの
であった。すなわち

    

である。作者直々の死のプレゼントに読者自称者は騒然...となるかと思いきや、喜んでいる者が妙に多かったのであった。
+ 死のプレゼント、その由来
この「死」は、異修羅がとにかく人の死ぬ作品に因んで...もいるのだろうが、それ以上にweb小説「ファイナルファンタジーS」*4に由来する。
「死のプレゼントじゃ」と襲ってくるサンタを筆頭に「お礼に死ね」と恩を仇ならぬ死で返そうとする敵がとにかく多く、いつしか読者の間では「プレゼントといえば死」という図式が定着してしまったのである。
読者も読者で、「やったー!死だー!」と死をエンターテイメント扱いし始める始末。
こんな調子であるから、再放送Botを作ってしまう程のFFSファンである珪素氏が死のプレゼントの機会を逃すはずはなかったともいえる。
エクス者垂涎の「死のプレゼント」であるが、書籍からの読者自称者にとっては困惑しかなかった事だろう。


じゅう。
異修羅世界にはマスケット銃(道具名鑑参照)が普及している。
九年前に黒い音色のカヅキが魔王自称者攻略に使用するまでは知られていなかった*5そうなので、つい最近まで槍と弓が兵士の主武装な、いわゆるファンタジー中世世界だったようである。
開発と製造は逆理のヒロトの国が担っており、かつてカヅキに提供したのも彼。外貨獲得手段である。
なお、人の到達できる技量の限界値が馬鹿高い異修羅世界では、銃よりも弓の方が速射性・連射性・威力において上回ると考える「達人」は少なくない。兵装としてはともかく、剣士や弓術士が絶滅するわけではないようである。

“寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝るところに住むところやぶら小路のぶら小路パイポパイポパイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命"の長助

じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつくうねるところにすむところやぶらこうじのぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーのちょうきゅうめいのちょうすけ。

①.有名な落語前座話。
『寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の、水行末・雲来末・風来末、食う寝るところに住むところ、やぶら小路のぶら小路、パイポ・パイポ・パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの、長久命の長助』といった極めて長い名前を言い立てる早口言葉の類。
こういった長い名前をモチーフにした逸話や民話の類は他にも見られるが、その中で一番知名度が高い。

②.一問一答で『異修羅世界で歴史上最も長い二つ目の名前』を有していたとされる人物。
“寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝るところに住むところやぶら小路のぶら小路パイポパイポパイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命”の部分が二つ目の名前。

種族

しゅぞく。
異修羅世界に存在している詞術を介して相互に会話可能な知的生物につけられている名称。
異修羅構文の名前の前にある『人間(ミニア)』や『鳥竜(ワイバーン)』、『骸魔(スケルトン)』などの部分が該当する。
特性や外見的特徴からおおまかに――
  • おおむね人型を成し、種族的凶暴性が低く相互に共存が可能な『人族』。
  • 人型を成してはいるが、敵対種族を喰らったり、他種族に害をなすため相互共存不可能とされる『鬼族』。
  • 詞術によって人工的に命を与えられた存在である『魔族』。
  • 詞術は通じるが、外見的に人型を成していない『獣族』。
  • 特徴としては『獣族』に該当するもののうち、所謂爬虫類様の特徴を有し、強力な身体性能を持つ『竜族』。
――に分けられる。
さらにそれぞれの分類の中に劇中に登場するような細かな種族名が属している。
詳しくは当該項目を参照のこと。

黄都における入国管理においては、この種族ごとに審査基準が異なる(一問一答情報)。
人族は入国が一番容易く、獣族は知能テスト的な物で恐らく一定基準以上の点数が必要。
鬼族には身元引受人ともども特に厳重な審査が存在する。
鳥竜(ワイバーン)蛇竜(ワーム)(恐らく竜族)は出入り禁止で、血鬼(ヴァンパイア)は発見次第即処分。

また、新たに新種の種族が発生した場合、その価値はたとえ死体であろうと非常に高いものになるという。
恐らくは学術的な価値、あるいは好事家がその価値を見出すためであると思われる。
――それは星馳せアルスの欲する宝ではない。

隻鬼

きゅくろぷす。
書籍版Ⅵにて登場した新種の鬼族の種族名。
詳しくは当該項目を参照のこと。

+ 以下余談(ネタバレ有り)
単眼症(たんがんしょう)。サイクロピア。
致死性の奇形であり、流産・死産例がほとんどであるとされ、無事誕生した場合でも長期の生存例はないとされる。
隻鬼(キュクロプス)達が長期間問題なく生存しているのは大鬼(オーガ)ゆえの生命力の高さや、詞術生物として適応した可能性が考えられる)
此方の世界においても、後天的な毒性物質の摂取によって単眼の奇形が生じる事例が存在する。
(先天的な原因の事例は本項目とは別の要因として省略)
有名な事例は、アメリカ合衆国アオダホ州に自生するバイケイソウの仲間(カリフォルニア・コーン・リリー)の妊娠中の羊の摂食による単眼症の誘発がある。
これは植物中に含まれているシクロパミン(C27H41NO2)という毒性アルカロイドが動物の細胞の増殖活動を阻害する効果を有し、妊娠中の一定期間内にこの物質を摂取することによって胎児の脳が二つに分かれることを妨げることにより発生する。
この植物を食べた羊から産まれた子羊の最大25%が顎の奇形から単眼症に及ぶ重篤な顔面障害を被ったという。

腐土太陽の泥に含まれているのは、これと同様の効果を持つ催奇性毒性物質だろう。
同様の症状がマトウク炭田の河川にて魚類に発生しているとの星馳せアルスの証言があり、その際に「鉱山から出た毒」と表現していることから恐らくは浮遊選鉱に類する作業によって出た不必要な廃棄物質(尾鉱)に含まれる毒性物質が原因であると思われる。
腐土太陽の泥にはこれと同様、あるいは類似する物質が含まれていると考えられる。
此方では例のない症状を呈する鉱物毒(推定)であるため、異修羅世界特有の物質、あるいは「逸脱して流れ着いた物質」だと推測される。


――なお、単眼症を検索する場合はショッキングな内容が含まれる可能性が高いため、自己責任にてお願いします。

修羅

しゅら。


②.【書籍版】六合上覧開始までに各エピソードの区切りのいいところでその名が挿入されてきた強者のこと。
現在の最新版は『Ⅲ巻 第六節 六合上覧Ⅰ 十一.上覧前夜』の最期に挙げられた 十六名
アニメ版においても1期最終話(第12話)ラストで四名、2期最終話(第24話)ラストにて十六名の名が挙げられた。

③.【その他】書籍版の登場人物紹介や虚実侵界線において、あるいは稀ながら劇中での説明において、重要な登場人物・強者を指して“修羅”と呼称している場合がみられる*6
特に虚実侵界線においてはガチャで出るキャラクター全般を指してそう呼称しているようである。

本作のタイトルにもなっている、最強にして最恐の英雄達の総称
彼らは一人一人が魔王すらも滅ぼしうる強大無比の戦闘力、あるいは逸脱した異能を持っているとされ、それ故に黄都を始め数多くの陣営から魔王以上に恐れられている、真の強者にして通常の存在とは大きく隔絶した超越者である。
修羅達の力は単純な強さのみならず、頭脳面においても常人の遥か上の領域にあり、一騎当千の戦闘能力を発揮する者がいれば、舞台の裏側で暗躍し策謀を企てる盤外戦を仕掛ける者もいる。
本作は約十六名の修羅達が黄都に集結しており、彼らを中心に物語が進行する。
+ 一問一答情報(ネタバレ有り)
劇中には上記十六名以外にも強者が多数登場するが、珪素氏によれば修羅と同等の実力者はほとんどいないとされる。
修羅相当の実力者として現在明言されてるのは、
刻食腐原ネクテジオ十字のロト色彩のイジック汚れた地のルメリー昏想デクスイノス無天のエクゼノウ
知略においては千一匹目のジギタ・ゾギも該当。

準修羅

じゅんしゅら。

①.(広義)一般人を凌駕した能力を持った登場人物の総称。

②.(狭義)異修羅構文を持っているが、六合上覧(本戦)前の書籍版Ⅰ・Ⅱ(予選)において退場(死亡)した、あるいは本編未登場である登場人物の総称。

イメージ的には「名だたる修羅には及ばないものの、世界でもトップレベルの実力者」くらいの意味合い。
作劇上かませ犬にされることが多いポジションだが、極めて高等な技術の使い手ひとつの技術体系を確立した者世界最強の竜の一撃を凌いだ男など濃い面子が多く、彼らのファンも多い。
書籍版Ⅰ・Ⅱでは修羅に匹敵するレベルの猛者が新規で複数登場し、予選と銘打って激しい戦いを繰り広げた。

なお非公式用語であり、作中でもこの単語が登場したことはないが、読者自称者の間ではいつの間にか定着していた。

蒸気機関

じょうききかん。
インターネットミームに倣って表現するならば「お湯を沸かして動力を取り出す機関」のこと。正確には「レシプロ蒸気機関」という。
異修羅世界のそれは客人(まろうど) 精髄のバーナード棺の布告のミルージィの共同開発で「再現」されたものである。
本編においては「蒸気機関車」「蒸気自動車」の動力として描写された。
前者は説明不要のSL、後者は19世紀末~20世紀初頭にかけてガソリン自動車と乗用車市場で覇権を争った乗り物として実在する。
彼方では移動手段より先に「産業用動力」として用いられ産業革命の立役者となった装置であるが、当事者たるミールジィが「機魔(ゴーレム)で増産」し「産業革命を起こそうとした(そして道半ばで頓挫した)」と述懐しており、作中時系列での産業形態は不明である。

汽車

きしゃ。蒸気機関車とも。
黄都には『黄都主幹軌条』が存在し、市内全域を巡っている他、在りし日のクタ白銀街でも運行されていた。
また、これより先に「南王国」でも鉄道網が敷設されていたようである*7

書籍版Ⅹでは、黄都中央を走る南北鉄道橙三十六号上にて複数の修羅達の運命が交錯することになる。

蒸気自動車

じょうきじどうしゃ。
蒸気機関によって駆動される自動車。石炭焚き。
民間でも利用されている様子であるが、政府高官たる黄都二十九官であっても市内移動に汽車や馬車を使う、行政への登録制度が整備しきれていない...など、発展途上の乗り物である事が窺える。
このような次第であるため、作中ではもっぱら軍用車両として登場、その速度を生かした活躍を見せている。

+ 現実のそれについて
本編での用途に近いものとしては、19世紀末~20世紀初頭にガソリン自動車と覇権を争った蒸気自動車が存在する。
この時点ではガソリン車と同等かそれ以上の性能を誇っており、T型フォード出現までは「アメリカで最も売れている自動車」の座にあった。
加速時に景気よく蒸気を吹き出す様子はなかなか面白いので、気になった読者自称者は調べてみるのも一興である。


食品

しょくひん。
食べるために直接使用できる食用可能品。食べ物。食料品。フード。
この項目には一部食用に適さない品目が含まれておりますので注意してご利用下さい。

アイス

あいす。
異修羅エイプリルフール2023企画より、クウェルちゃんの好きな食べ物。
乳原料をなめらかなクリーム状に凍らせた冷たいお菓子、ということなので所謂アイスクリームのことだろう。なめらか、とあるのでソフトクリーム寄りかもしれない。
一問一答によれば、中央王国圏では蒸気圧縮冷凍機に類似する機械が業務・工業用として実用化されているそうで、冷たい食品が恐らくは限定的ながら提供されているものと思われる。

あめ。
“彼方”の読者自称者が知るものとそう違わないだろう。
「ただの飴」なる表現があるため、高級品という訳でもない様子。
色とりどりの飴が綺麗に並ぶ様子には、リナリスお嬢様も心躍らせずにはいられない。
圧倒的エモさで数多の読者自称者を屍鬼(ドローン)へと変えたクタ白銀街での一幕に欠かせない小道具であった。
ここだけの話「あ」で始まるサンプルとして適当だっただけです

書籍版においては、大幅変更部分である第六試合において試合の趨勢を左右する重要な小道具に抜擢された。
かつてのクタでの思い出と共に、良くも悪くも大切な人との絆を感じさせられる展開となった。

エリンギ

えりんぎ。

①.ヒラタケ科ヒラタケ属のキノコの一種。子実体は食用。

②.とある(ドラゴン)の一柱の通称。詳しく?は当該項目を参照のこと。

紅果

こうか。
異修羅世界原産で、現地人が品種改良した栽培植物。
ありふれた果物の代名詞として登場し、様々な場所で食べられる。安くておいしい。
世界詞のキアが即席で育てて朝食にしたり、貪婪なるニグヒルがジャムを調味料として持ち歩いたり、海たるヒグアレが切り刻んで剣技を披露したりする。

根束草

こんぞくそう。
ナガン市が壊滅した日、そこに居合わせたソウジロウが空腹に耐えかねて口に運んだその辺の草。毒草

黄柳草

こうりゅうそう。
イータ樹海道や黄都のイズノック王立高等学舎の中庭に生えている草本。
薄桃色の果実は食用。茎から抽出した液は化粧水に利用できる。
イータでは食用、黄都では主に観賞用として植えられているようだ。
キアが実をポケットに複数個入れていたことから、小さく比較的硬い実をつけるのだと思われる。
+ 第三部ネタバレ
第二部終盤の星馳せアルスの一件の責任を負わせられ、黄都から事実上の追放処分となった鎹のヒドウ
彼が前もって買い上げ、隠遁生活を送っていた黄都西部の閑静な農村地帯の一角にあるアウル王時代からの古い邸宅の庭にも植えられている。
手入れがいい、と評されていることから、園芸用の植物としては一般的であると思われる。

菜麺

おそらく「さいめん」。
一問一答で言及された、異修羅世界で人気の麺料理。
刻んだ香味野菜の中にコシが強めの冷たい麺を混ぜて調味油で味付けをした料理。

ちなみに“彼方”で言う所の“菜麺”は温野菜をたっぷりと乗せた温麺を指す場合がほとんど。

左葉草

さようそう。
根から猛毒のシアン化合物(青酸)が抽出できる毒草
どれだけの量が必要かは不明であるが、気化成分のみで虫獣を容易に殺傷するレベルの青酸が抽出可能な、かなりやばそうな植物である。
+ 第三部ネタバレ
第九試合においては、砲撃機魔(カノンゴーレム)に搭載可能な特注の弾頭が(第二試合終了直後から)開発され、使用された。
僅かな熱反応で白霧にも似た毒の煙をまき散らし続け呼吸器を侵すこの弾頭が、果たして最強の竜種に効果があったのか否か……。

ツーちゃんはこの抽出物で青く染まったお風呂に口まで沈んでぶくぶくしてた。さすがかわいい。

塩とチーズと香草を振ったトマトを丸ごとオーブンにブチ込んで焼く料理

しおとちーずとこうそうをふったとまとをまるごとおーぶんにぶちこんでやくりょうり。
キヤズナおばあちゃんの得意料理。一問一答で言及された。
乱暴・豪快そのものな料理ではあるが、技術者ならではの巧みな温度調節で、美味い。

――で、何が言いたいかというと、異修羅世界には“トマト”が存在する。
リナリスお嬢様の好きな野菜でもある。
異修羅世界では生術を利用した品種改良も盛んらしい*8ので、フルーツトマトみたいな甘い品種とか加熱料理に適した品種とかがちゃんとあるのかもしれない。

また、“チーズ”が存在していることからもわかる通り、異修羅世界にはかなり多くの種類の家畜が確認できる。
ざっと上げるだけでも牛、馬、羊、山羊が飼育されている。
他の動物では、哺乳類だと猪や鹿、狼や各種猫科動物、鳥類で燕、鵲(かささぎ)、鵞鳥(がちょう)や虎鶫(とらつぐみ)の名が確認でき、カブトムシの様な甲虫*9も存在しているらしい。

けっこう見知った生物(名前が同じの似て非なるものかもしれないが…)が多そうな感じである。これなら“客人(まろうど)”も安心だ。

白銀熊

しろがねぐま。あるいは「はくぎんぐま」か。
イガニア氷湖に生息する、大型の獣。ラグレクスによれば、砂漠の獣よりもデカい。
名前から推察するなら、白熊をさらに巨大化したような獣だろうか?
そんな危険極まりなさそうな獣も、かの地ではルクノカの「(ごはん)」になっていたと思われる。

青月果

せいげつか。
種にを持つ植物(果物?)。
主な症状は腹痛、ひどい場合は呼吸困難・胃からの出血・痙攣等の症状が出るが、その毒性はごく弱く、体力に劣る老人や病人が稀に亡くなることがある程度らしい。

このようなごく弱い毒物を摂取させ、毒性を生術により高める詞術行使は、暗殺の技である。

太歳

たいさい。

①.古代中国の天文暦学において設けられた、木星の鏡像となる仮想の惑星。

②.上記の①が神格化されたもの。太歳星君。祟り神とされる。
天上の木星と呼応して土中を動く肉の塊とされ、数千の眼がついているとも。
掘り出してしまった場合すぐに元通りに埋め戻さないと酷い災いが起こるという。

③.中国の古来より伝承のある、稀に土中から得られる肉の様な塊。②の原型になったと思われる物。
いくつかの古文書でも言及されており、曰く「いくら食べてもその分が元に戻る」、曰く「食べると不老長寿の効用がある」。そのため、仙薬の原料としても重宝されたという謎の物体。
現在では変形菌(いわゆる粘菌)の変形体であると推測されており、近年でも同じようなものであると思われる肉の様な塊が掘り出された事例がある。

+ 劇中での“タイサイ”(ネタバレ有り)
糧魔

たいさい。
移り気なオゾネズマの協力により、逆理のヒロトを中心とした新大陸にて開発された、人肉の代替食糧。
箱に詰まった無秩序に膨れ上がった肉塊・腫瘍。脈動し、白濁した眼球が重なる肉腫の間から覗く、異様な見た目をしている。
寿命が存在しない“客人(まろうど)”である逆理のヒロトの細胞を元に、オゾネズマの持つ最先端の医療技術により人工的に変異を繰り返して生み出された。生命として生きながらも死すこともなく栄養の限り再生する、人工的な新たな意思無き生命。科学の手により造り出された魔族。
ヒロトが人族と鬼族(小鬼(ゴブリン))との共存の第一歩のために生み出した存在である。

恐らくは上記の③の意味での命名であると思われるが、③のように莫大な利益をももたらす一方で②の様に対処しなければ多大な災いをももたらすとされる“太歳”は、まさに“客人(まろうど)”の性質そのものを言い表しているとも言えるだろう。

チョコレート

ちょこれーと。
アヤ、ウミャ!

月菜

つきな。
野菜。猪肉と一緒に煮込んでスープにしたものはおぞましきトロアの好物。
「菜」ということは葉菜、かつ「肉と共に煮込む」としているので、比較的肉厚な芯(茎)を持つ、例えばキャベツや白菜、セロリの様な野菜だと思われる。
他にもトロアは 海に潜って深獣(クラーケン)を噛み殺して、血でギトギトに濡れた実が毎日生る、肉の魔剣を持ち、根獣(マンドレイク)の毒を煮出して、酒代わりに毎日飲んでいた すり潰した芋を山羊乳のチーズと混ぜ、それを芋の葉に包んだものも好んでいる。素朴な味が好みなのだろう。

月見焼き

つきみやき。
+ 卵料理。(書籍版Ⅹ微ネタバレ)
利器のビハトが潜伏生活で唯一の楽しみと言っていた卵料理。
恐らく目玉焼き、あるいは何らかの具材に卵を落として焼いた料理だと思われる。

献立

こんだて。
メニュー。定食。お品書き。物語の随所で様々な登場人物に提供された食事。
他項で言及しているものは除外。
+ 【メニュー表】
【メニュー表】
燻製肉と焼き野菜
鎹のヒドウ及び速き墨ジェルキがリチア新公国への対処に関する密談を行った晩餐会にて供されていたもの。
肉とその日の昼に焼かれたパン、羊乳の入ったスープ
リチアへ向け移動中のヒドウニヒロクゼらが立ち寄った救貧院で供されたもの。いつもより彩に満ちた夕食。
豆と麦を数種の香辛料と共に煮込んだスープ、馬肉の燻製、白く炊き上げた餅粥、果実の蜜のソースで和えた生野菜、白葡萄酒
リチアにて、警めのタレン晴天のカーテが共にした夕食で供されたもの。白葡萄酒はイターキ高山からの取り寄せ品。
葉物野菜とアヒル肉を挟んだ白パン
鎹のヒドウが毎日昼食としているもの。毎回同じ店で購入している。熱術の加減が上手く、素朴でありながら素晴らしい逸品であるらしい。
『パンの包み紙』との記述があり、ファストフード的な食事の包装として紙が使用されている様子で、要所要所で近代的な技術・感覚が浸透していることが伺える。
よく似込まれた豆料理
イズノック王立高等学舎の食堂で供されていたもの。キアがフォークを使って食べていたものであるが、詳細は不明。
黒蜂蜜を縫った真鴨の肉、根菜とチーズのサラダ、澄んだ琥珀色の牛骨スープ、上等な赤葡萄酒
来る六合上覧に向けて行われた黒曜の瞳と棺の布告のミルージィとの会談において供されたもの。
Web版では、黒蜂蜜の照る真鴨の肉、彩り豊かに並べられた紺菜のサラダ、琥珀色のスープ、上等な白葡萄酒。
蜂蜜酒と大麦のパン
第六試合終了直後に行われた黄昏潜りユキハルとの密談後に、通り禍のクゼが購入した夜遅くまで売れ残っていたもの。
木の塊 硬すぎるパンと謎の干物
壊滅寸前の旧王国主義者達が糧食としていたもの。ケイテ曰くパンは生地が完全に詰まって膨らんでおらず、干物はまるで蟻の餌とのこと。
山菜の炒め物。芋のパイ。焼き菓子
世界詞のキアの好物、あるいは美味しかったもの。順に、エレアの手料理、母の得意料理、黄都露店で一番美味しかったもの。
潰した芋とバターのスープ、パン
世界詞のキア魔法のツーに振る舞った、不言のウハクの手料理。
こねた挽肉を焼いた料理
十字のロト小潜りのロウキに振る舞った手料理。

ナッツ

なっつ。
硬い皮・殻に包まれた食用になる果実・種子のうち、主に樹木に実るものを指す。
(草本に実る類似の形状・形態を持つ種実類を含む場合もある)
星馳せアルスが好きな食べ物。保存が効き、栄養価が高く、携行しやすいことから好んでいるようだが、他の鳥竜(ワイバーン)は食べたがらないらしい。
また、不言のウハクはアリモ列村で暮らしていた際、大一ヶ月の始めの日に自身が食べる分だけの豆と木の実を森から採取し、それのみを食べて暮らしていたことが語られている。

フィノル

ふぃのる。
番外編-虚実侵界線-『空を葬る恐想の眼』にて登場した菓子。
黄都のジョキウ商業区で流行っている、柑橘の皮が入った焼き菓子。駒柱のシンジによればマドレーヌに似たものであるらしい。

緑苺

みどりいちご。
恐らく果物。
食後のデザート的な感じで出てくるものらしいので、此方で想像する苺の未熟果のことではなく、ちゃんと甘い別のベリー系果実だと思われる。緑色っぽい木苺的なものだろうか?

無倉草

読みは不明。他の草本の読みから推測すると、「むそうそう」か?
実を炒ったものを料理に使用する(恐らく調味料)らしく、貪婪なるニグヒルが所持していた。

雪道蔦

読みは不明。恐らくは「ゆきみちつた」。
葉を乾燥させたものは香辛料の一種で、貪婪なるニグヒルが所持していた。

ヨーグルト

よーぐると。
アヤアヤーッ!

初手ゴア

しょてごあ。ゴアスタート。
“ゴア”とは、血糊や流血などのべっとりとした血液表現を伴う残虐描写・人体破壊のシーンを表す語。
アニメ版異修羅一期二期共にいたいけな無辜の少女が冒頭で文字通り無残に散ったことから、こう評された。

リュセルス~~ッ! そんな……なんで原作者の好感度を上げてから殺すんだ! 許せねえ……いったい誰がこんなことを……!!」
「キャアーッ!? ち、血ィィ~~~ッ!?」「なんだよ……なんなんだよこのアニメは!? こんなんじゃ異修羅が第1話で女の子を惨殺してばかりの作品だと思われるじゃねーか!」

真業

しんごう。
「決闘」の際の決まり、ルール。
仮初の武器でも加減の詞術でもなく、個人の積んだ技と誇り、その命さえをも含めた、文字通りに全てを懸ける、戦い(殺し合い)
劇中では六合上覧に採用されているのをはじめ、「絶対なるロスクレイ その1・その2」で描かれたロスクレイギルネスの決闘の際のルールでもあった。

また、「絶対なるロスクレイ その1」にて「古代にあっては奴隷闘士の真業を競う闘技場が」というくだりがあることから、かつて海たるヒグアレが所属していた闘技場においても恐らくは真業による決闘が行われていたと思われる。

新大陸

しんたいりく。
逆理のヒロトがかつて志を同じくする仲間と共に渡った、海の向こうにある大陸、あるいはそこで建てた国のこと。
Web版では四十二年、書籍版では六十九年をかけて築き上げられた、描写された情報等から推察するに「詞術によらない工業・科学技術」によって成り立つ国。
時期は不明だが、この異修羅世界で最先端の技術医療知識を有する医師も迎えている。
歩兵銃(マスケット)をはじめとする銃器の大量生産技術・開発能力、化学薬品・物質類の合成知識、高度な技術医療知識、統一文字を有しており、書籍版では「小型拳銃」や「編み込まれた繊維状の構造を内部に有する樹脂に似た材質の盾」、つまりは合成樹脂で化学繊維を固めた防弾盾を使用している場面も描かれ、想像以上に科学技術が発展している可能性が高い。

スケルトンジョーク

すけるとんじょーく。
非公式用語。
劇中で音斬りシャルクが言い放つ、自虐的、あるいは皮肉的な冗談、諧謔。
例)「こいつは骨が折れそうだ」「こっちはたった二名で来てるんでな あんたと比べたら多勢に無勢ってもんじゃあないか?」「酒も煙草も長生きに悪いらしいんでな。控えてるところだ」

寿司職人

すししょくにん。
クラス名。ルビは 寿司職人(スシリアン)
異修羅と某有名寿司漫画との夢の 公式コラボ企画(?)。
だが、この話題を語るにはこの場では狭すぎる。詳しい内容を味わいたい方はこちらの『異修羅の寿司~新人寿司職人戦争~(togetterまとめ)』をご賞味下さい。

ゼーエフ郡

ぜーえふぐん。
王国領外、東の辺境に位置するゴカシェ砂海に存在する砂の迷宮への探索の試みを、ことごとく妨害する狼鬼(リカント)の群れ。
最初の一行が一人、彼岸のネフトの薫陶を受けた、強力無比なる武術の探究者たち。
生きながらにして骸と化した伝説の彼岸。彼を本尊と拝して遺された闘技の研鑽と実践に明け暮れる、武術流派に近い集団。
その強さに応じて「初許し」「中許し」「奥許し」「皆伝」の位階が与えられ、皆伝に達した者が師範を名乗る。
基本的に砂海で研鑽しているだけの一団だが、砂海探索に赴いた者への襲撃・略奪行為を行う鬼族らしい一面も持つ。

一問一答によれば、黄都側に危険視されてはいるものの、現状砂海の外へと進出することがなく、かつ王国の領外であるため介入の口実を作りにくいことに加え、無策に攻め込めば手痛い反撃を受けるということも有り、現状は静観・放置状態にあるらしい。

星深瀝鋼

せいしんれきこう。
超常の魔石。竜鱗に次ぐ硬度を持った究極の鉱物*10
熟達の工術士による直接の加工以外では尋常の力でも、熱によっても傷つかないとされる。一問一答によれば、この頑強さは詞術由来のものではなく、単純に死ぬほど硬いというだけらしい。
金属の一種ではなく、高純度の鉱石として採掘される別種の鉱物。同体積の金と銀の中間くらいの価値の高価な材料で、本来は兵器利用ではなく工業的な利用がされているものらしい。
兵器的利用の例としては機魔等の主要構造部や装甲に用いられる(埋葬のヘルネテン)。
重量面で実用に堪えないため、武器の素材とする例はあまりないらしい(露頭のヘルド)。
例外的な利用では、前述の高圧・高熱への超耐性と比重が重いことを利用して弾丸として使用した例も(方舟のシンディカー)。

尋常の攻撃では傷つかない最強クラスの装甲材だが、並み居る修羅達の攻撃は尋常の威力ではないのが難点である。

赤竜剣樹

せきりゅうけんじゅ。
ゆらめく藍玉のハイネの有する奥の手。熱術、力術、そして両指を用いた鉄鎖術を複合した奥義。武器とする鎖自体をもその熱の負荷で損耗しかねない、必殺の四撃。
詞術と武術を高レベルで融合した非常に習得難度の高い技術で、わかりやすく例えれば魔法剣のようなものに該当する技。
ただし、高等・高難度であるが故に同じ修練を積み重ねた一芸に勝る性能を獲得することはかなり難しい。事実、彼の様に実戦レベルでこのような複合技を習得している人物は現状未登場である。
血と闘争に満ちた修羅の巷においては、「高等=強力」ではないのが現実である。

『鮮影』

せんえい。
アニメ版の劇中歌。作中で黒い音色のカヅキが口遊んでいた歌。
作詞 hotaru 作編曲 KanadeYUK

た行


『旅を続ける男』

たびをつづけるおとこ。
一問一答で言及された、異修羅世界に伝わる伝説の一つ。
最初にこの世界を始めた人間の一人は、寿命で死ぬことなくずっとこの世界を歩き続けている。
彼が歩き続ける足跡が星の極点から反対側の極点まで、隙間なく螺旋になって繋がったその時、
この世界は終わるのだ。

探索士

たんさくし。
ナガンの大迷宮に挑み、攻略し、それによって生計を立てたり一獲千金を目指す者たち。
都市の中心となっている探索士養成校によってその資格が発行されているらしく、小説家になろう版ではユノが自身の探索士の資格が仮通行であるという発言がある。
相応に権威のある資格で身分の証明にもなるらしく、本取得前の学士(仮通行)の状態でも黄都で十分通用するものらしい。

ただし、ナガンの探索士や学士たちは黄都側から見た場合グレー寄りな存在だそうである。
これは、迷宮で得られるオーバーテクノロジー的な知識や物品の存在、異端・邪道とみなされる精密工学や電気工学といった科学技術の類を研究している者が多数学園都市に流れていたことによる。
要するに魔王自称者予備軍と認識されていたものだと思われる。明るみにならない程度の経済制裁もやってたらしい。

『地底の樹』

ちていのき。
日の当たらぬ地の底で無限に成長し枝分かれしていくという『地底の樹』に関する伝承。恐らく小鬼(ゴブリン)に伝わっているもの。
新大陸の小鬼(ゴブリン)の三つ目の名前“ゾギ”は、この伝承を元に作った言葉。

通貨

つうか。
異修羅世界の商取引には金貨や銀貨といった貨幣が主に使われている。
+ 書籍版Ⅹでは――(微ネタバレ)
書籍版Ⅹでは、利器のビハトが金欠と物価高騰(違法)に嘆く描写がみられる。
作者によるとお金の単位については設定されていないので、具体的な単位については存在するが描写する予定はないそうだ。
元ツイート(1)(2)

つき。
異修羅世界には大小二つの衛星があり、これらの公転周期が日数を表す基準に使われている。
大小二つの月の公転周期をそれぞれ大一ヶ月・小一ヶ月と呼び、大一ヶ月の方が小一ヶ月より短い。*11
読者自称者の多くが疑問に感じるだろうがこれには理由があり、大一ヶ月と小一ヶ月は「大きく見える月の一ヶ月」と「小さく見える月の一ヶ月」という意味なので、大きく見える月の方が距離が近い事により公転周期が短くなるからである。
大月は赤みがかっており、小月が青みがかっている。

天言語

てんごんご。
弾火源のハーディが兵を介して何者かと情報をやり取りする際にも使用した、異修羅世界では比較的知られた言語。
いくつかの家系で使用されているもので、ナガン市の探索士養成校でも履修することができ、そこで学んだユノはすらすらと読み解くことができた。
(ユノは「運よく知ってる」とのことなので、いわゆる選択科目的な感じだったのかもしれないが、日本語も嗜んでいた彼女なので謙遜の可能性も高い。)
ユノの教養の高さが垣間見える。相応に有能な娘なんだよなユノさんは。
リノーレも見ただけで天言語だと判別することができていたことからも、それなりに有名な文字体系ではある様子。
(翻訳できなくても英語で書かれていることは判別できるみたいな感じだろう。)

他に異修羅世界でそれなりに浸透している主要な言語は、教団文字、市場で使われる数字(Web版では「エギルの文字」とされている)が劇中に登場している。
2023エイプリルフールイベントでは小鬼文字について触れられ、また、この世界の文字は必然的に表意文字であることも語られた。
異修羅世界における文字の扱いに関する情報は書籍版Ⅸ末に詳しく解説されているため、参照されたし。

点穴

てんけつ。
最初の一行の一人、星図のロムゾが体系化した技術。
人体経路を刺激することで、その対象の治療・強化・弱体・破壊等を行う。
元は民間療法として様々に研究されていたものであったらしい。

宿威

しゅくい。
来る絶対なるロスクレイ戦に向けて、破城のギルネスが旧王国主義者顧問である星図のロムゾに頼んだ、肉体限界の解除の秘術。その技の中でも、死の代償すら背負いかねない究極の技法とされる。
その神髄は「自らの意思をもって、瞬時に、思う位置と速さで、その肉体を『止める』ことができる」というもの。近接戦闘においては極めて強力な効果をもたらす秘技である。

また、書籍版Ⅸにおいて、詳細は不明ながら同一の『生理的限界を引き出す点穴の技』として、“風瘰” “刺踏” “解生” というものが存在することが判明している。

暗穽

恐らく、あんせい。
一問一答で判明した、星図のロムゾの初登場時に黄都兵の意識と短期記憶を失わせた際に使用した点穴の名前。

天青石

てんせいせき。
かつてのクタ白銀街にて、球形の籠の中にこの鉱石の粉を含ませて炎を燃やし、鮮やかな赤紫色の光の玉にして大道芸として魅せていた。
実在の鉱物。硫酸ストロンチウム(SrSO4)を主成分とする、ガラス又は真珠光沢を有する薄く透き通る青灰色をした宝石。炎色反応でストロンチウム特有の深赤紫色を発色する。
こちらも色とりどりの飴と同様に圧倒的エモさを誇り、クタ白銀街での一幕に欠かせない風景であった。

読者自称者

どくしゃじしょうしゃ。

①.「異修羅」の重篤な読者のこと。プロデューサー*12、提督*13、ニンジャヘッズ*14、めいたクラスタ名。
新規読者をX(旧Twitter)で探して囲む、作中暴力に飢えている、など奇怪な生態を持つ。公式名称。
由来は、作中に登場する「魔王自称者」だろう。旧Twitterにて「異修羅の読者をなんと呼べばよいのか」という話題になった際、「魔王軍」など様々な名称が上がった中でこの何とも奇妙な名称が普及してしまった。

一説によると、作者が「この作品を読んでくれている人がいることが信じられない」というような発言をし、それを受けた読者達が自分の実在性を疑いはじめたことによって生み出された呼称であるとも。

②.自分を異修羅読者だと思い込んでいる一般人(というネタ)。

異修羅の物理書籍化発表に伴い、作者の珪素氏からは「12万文字(!)を書き下ろした」「本編の登場人物に匹敵する化物が何人も登場する」との発言があり、実際に公開された表紙イラストに描かれている人物を見ると(推定だが)『WEB連載版で登場した修羅と未登場の人物の割合がほぼトントン』という状況になっている。

転じて「読者でも知らない人物が描かれている」=「実は異修羅を読んでいないのでは? 自称しているだけなのでは?」というネタが発表後に流行ったのだった。
あくまでネタなので、失礼のないよう使いましょう。

図書館

としょかん。

①.一般には、図書、雑誌、視聴覚資料、点字資料、録音資料等のメディアや情報資料を収集、保管し、利用者への提供等を行う施設もしくは機関のこと。

②.固有名詞。ゴカシェ砂海の座標定かならぬ地点に存在するという砂の迷宮にある、彼方から追放された建築物。
無尽無流のサイアノプが、その知識と拳法を修めた地。
このような巨大な構造物が丸ごと放逐されてくることは、かなり異例であるらしい。

数々の異世界の知識を収めた書物が無数に存在し、さらには彼方から弾かれるに値する異様な書の数々が眠る。
さらには、逸脱の知識の蔵とするために転移後に持ち込まれた魔書も多数加わっているらしい。
その無数の本から正しく知識を読み解けたのであれば、その価値は一国にも値するという。
ただし、この蔵には果ての無い飢餓感を与える本、解読者を食いちぎろうとする本、薬物の如き依存性を有する本、何者かが常に囁き続ける本など、それ一つ一つが超常の魔具と言える呪いの書がそこここに並ぶ。
まさに世界逸脱の図書館である。

な行


にゃんこねこ。
異修羅世界には“猫”は存在している。しかし此方の世界のイエネコではなく、大型の虎や豹なども含めた動物種が一律で“猫”と呼ばれている。
要はMTGのクリーチャータイプの猫と似たような扱いである。

は行


灰髪の子供

はいかみのこども。
書籍版での逆理のヒロトの通称、別名。
ヒロトがその正体をさらす以前、彼は「“歩兵銃(マスケット)”や“気象観測情報”を提供している正体不明の“客人(まろうど)”」「少なくとも十年以上前から黄都含む各地の商工ギルドと取引を行っている素性不明の少年」としか情報がなかったため、主に黄都陣営からこう呼ばれていた。

白皮症

はくひしょう。
先天性白皮症。アルビノ。色素欠乏症。
メラニンと呼ばれる色素の生合成に関係する遺伝情報欠損によって、先天的にメラニンが欠乏してしまう遺伝子疾患。白化個体。
人間の患者の場合――
  • 体毛はメラニン量により白金(プラチナブロンド)金色(ブロンド)
    ほとんどメラニンが無い場合、日光の影響で黄変しているケースもある。
  • 皮膚は乳白色か、あるいは皮下血液が透けて薄紅色を呈する。
  • 虹彩の色はメラニン量によって無色・淡青色・淡褐色 等。
    メラニンが無い場合は無色半透明となり、眼底の血液の色が透けて瞳孔と共に淡紅色に見える。
  • 脈絡膜のメラニン欠乏により、瞳孔は眼底部血管の色が透け淡紅色となる。
    脈絡膜に少量のメラニンを有する場合はぶどう色になる。
  • 脈絡膜及び網膜色素上皮における色素欠乏の影響によって網膜上での光受容が不十分であるため、視力が弱い。
    眼球振盪・斜視・乱視・近視・遠視を伴うケースもある。
  • 虹彩に色素が無い(少ない)影響で遮光性が不十分であるため、非常に光を眩しく感じる(羞明)。
  • 皮膚での紫外線遮断ができないため、紫外線に対する耐性が極めて低い。
――等の症状が見られる。
劇中該当者2名は外見の描写からするとかなり重篤な症例に思えるが、上記のような激しい生理的症状はほとんど見うけられない。
セフィトは家系的なものとされているため、軽度の逸脱として固定されている可能性はあるかもしれない。
あるいは異修羅世界では致死性の奇形でも生存している事例が報告されているため、詞術的な影響が関与していることも考えられる。

羽根独楽

はねこま。
クゼノーフェルトの再会時に郷愁と共に遊んだ、恐らく比較的ポピュラーな昔ながらの子供の遊び。
サイアノプの記憶の中でルメリーがつまらなそうに回したりしており、現在でも救貧院で子供達が遊ぶ様子が確認できる。
描写から推測すると、同時に独楽を回し、どちらがより長く回っているかを競うものだと思われる。
独楽は金属製(真鍮)で、部品をカスタマイズしてオリジナルの独楽を作ることができるらしい。各地で専門の職人が部品を製作しているようだ。
例)ノーフェルト自慢の“鷺鳴(さざな)き”号。弱い。

楽しく遊ぶには広くて平らな板張り、例えば 聖堂の床などが適している

羽毟り

はねむしり。
鳥竜(ワイバーン)のみを何百と討伐してきた黄都第六将静寂なるハルゲントに付けられた敬称、あるいは蔑称。
蔑称の意味を知らない民にそう呼ばれて本人が微妙な心境になったり、自虐的な意味を込めて自分で自分をそう呼んでみたりする。
彼が心底この渾名を嫌悪しているといった様子はなく、心の奥底では幾百もの鳥竜(ワイバーン)を討伐してきた経歴に彼なりの誇りと自信を持っているということなのかもしれない。

日の大樹

ひのたいじゅ。
六合上覧参加者である灰境ジヴラートを首領とするギルド組織。副首領は翼剣のギザが務める。
首領ジヴラートを中心として、辺境のヤタガ炭鉱都市で過酷なラヂオ鉱石採掘労働をしていた子供達が手段を選ばず(非道な行いを繰り返して)成り上がったもの。
「暴の力は市民の誰もが知るところ」と説明されていたが、それは言ってしまえば粗野で無学な愚連隊の延長線上でしかない暴力集団であるということに他ならない。

首領のジヴラートはただのキアの代役・目くらましの捨て駒でしかなかったが、特に書籍版においては六合上覧におけるこのギルド組織の顛末が、多くの登場人物の運命に深く影響を及ぼしていくことになる。

火の鉄杭の戦車団

ひのてっくいのせんしゃだん。
番外編「長虫計りのインエジン」に登場した、魔王自称者より離反した独立無法軍。
武装戦車を多数擁し、複数の弩で武装した質の悪い暴力集団。
鉱山の採掘権を狙って(それ以上に破壊や暴力を楽しむためであったように言受けられるが)集落へ襲撃を繰り返していたようだ。

菌魔兵

ふぁんぎへい。
+ 書籍版Ⅷネタバレ
第十一試合開催当日、大規模政変に伴い、その先駆けとして展開されたイリオルデ派の擁する魔族兵器。
全長1.3m程度で、腕や感覚器に相当する部位は存在せず、三本に枝分かれした脚部状の柄を使い徒歩程度の速度で這い進む。
体温を有する動物を栄養源として感知し、網目状の構造を有する傘の内側の半液状の内部組織へ取り込もうとする習性を持つ。
また、乾燥休眠状態にすることで体積が七分の一程度まで減少し、水分を与えることで即座に活動開始する。
単体であれば一兵卒でも討伐可能な、ごく単純な構造・性質の魔族。
未知であること、形態が不気味であること、取り込まれた犠牲者が溺死めいた凄惨な状態で死亡すること、何より数が多いことにより、恐怖と混乱の誘発には効果覿面であった。

“葺の常盤木亭”

ふきのときわぎてい。
リチアが新公国を名乗る以前、大堤街時代から続く大衆向け料理屋。
器に米を盛って、甘辛く煮た肉や野菜を乗せた逸品が名物。
品数の少なさを生かした効率化のため、大堤街時代からすでに食券制を導入している。この食券は来店者だけでなく、工場や軍内での販売契約も結んでおり、かなり商魂たくましい食堂であると言える。
+ 異修羅 Blu-ray BOX特典書下ろし小説『翼の国』にて――(ネタバレ)
異修羅 Blu-ray BOX特典書下ろし小説『翼の国』にて、食事に来店した洗薬のフィエと無銭飲食しに来た鵲のダカイが再会した店。
+ また、書籍版Ⅰ終了以降は――(ネタバレ、一問一答情報)
また、新魔王戦争終結後、大火災の後も健在。
復興特需でさらに業績を伸ばし、黄都へのチェーン拡大までも視野に入れているとか。たくましすぎる。

二つ目の名

ふたつめのな。
「柳の剣の」「星馳せ」「絶対なる」といった部分。
他の作品では「あだ名」や「通り名」くらいの感覚だが、異修羅においては正式な名前の一つである。(お得話参照)
どのような二つ目の名を名乗るかは自由であり、改名も可能だが、実績に釣り合っていない大仰な二つ目の名はちょっと恥ずかしい奴くらいの扱いらしい。

また、二つ目の名は物心ついた後に自身の能力や立ち位置を自覚して「自分で」名乗ることに意味があるため、詞術が通じず意思疎通の不可能な対象には基本的に二つ目の名は存在しない。
ただし、異常なまでに有名になったり強力であったりした場合は例外的に二つ目の名が付けられる場合も存在するようである。
(例:不言のウハク埋葬のヘルネテン鉄鳥竜サキュア酷礁イオ潮解のシュゲスター)

なお、王族には二つ目の名は存在しない。

+ 第二部ネタバレ
三つ目の名

みっつめのな。
一つ目の名でも、二つ目の名でもない、その一族に代々受け継がれる三つ目の名前。
逆理のヒロト小鬼(ゴブリン)の盟友ゼゲグにつけた士族名“ゾギ”が該当する。
その三つ目の名と共に想いは受け継がれ、誰よりも賢い天才が生まれてくることになる。
もしかしたら、短い生を無数に繰り返してより強い者を、ひいては種族の英雄になり得る者を生み出す確率を高くすることが小鬼(ゴブリン)の種族特性であり、生存戦略であるのかもしれない。

新大陸の他の小鬼達にも三つ目の名があるのかは詳しくは不明であった。
しかしながら、2023エイプリルフール企画にて「ゾギ」の他にも縄の結びつきを意味する「キカリ」、鑿を意味する「ユド」などが主要な血族としてあり、他にも大きな血族から分かれた分家筋が新たな三つ目の名を名乗ることも多くなってきているということがヒロトから語られた。

物理書籍

ぶつりしょせき。
いわゆる出版社から発行される紙製の本。「WEB上での連載」「電子書籍」などと対比される用語。
異修羅の物理書籍も2019年09月17日に「異修羅I 新魔王戦争」として発売されることが決定している された。以下続刊!

なお、購入報告という名のもとに異常構図での撮影が強行されたり架空の購入特典が自作されたりする事例が後を絶たない。

ぶれす。
強力な効果を有する(ドラゴン)の使う詞術のこと。
(ドラゴン)が“世界にアクセスする権限”は他の詞術より強く、詠唱の「~より」の部分を省略して命令する事が出来る。そのため詠唱開始から発動までの時間が短い。
ただし、(ドラゴン)がそのテリトリーから離れると、効果の弱体のみならず発動自体が不安定になる、という詞術のいわゆる理解度の法則の影響は通常通りに受ける。

劇中では冬のルクノカの規格外の威力の息の印象が強い。
――が、彼女は自身のテリトリーを大きく離れた上での弱体化を受けた詞術(ブレス)行使であったということを忘れてはいけない。

+ 【竜の息一覧(ネタバレ有り)】
(ドラゴン)(ブレス)一覧】
個体名 系統 効果 詠唱
燻べのヴィケオン 熱術 高熱の黒煙が滞留し、徐々に拡がる ティリートの風へ(g o g i p y a e i s)烟れる月を涸らせ(j y g u e g y u o r g)――】
冬のルクノカ 凍術 全てを凍結・崩壊させ、冬に変える コウトの風へ(c o c h w e l n e)果ての光に枯れ落ちよ(c y u l c a s c a r z)――】
拉ぎのティアエル 熱術 対象を内部から膨張、熱光を伴い爆裂させる サンガの風へ(j o j i n g e p f)崩れる黯黒を沸かせ(j e k r e m j e d o r h o)――】
咲白エスター 工術 大地から無数の剣を生成する 不明
鱗貫きディアーギン 生術 生体組織を再生させる 不明
無天のエクゼノウ 熱術 クソ強熱術 不明
幽きシンエイ 不明 不明 不明

暴力マン

ぼうりょくまん。
読者自称者の間で噂される謎めいた存在。(※本編には登場しません)
+ 暴力マンの謎めいた生態に迫る...!
一応丁寧に説明すると、作者・珪素氏の友人・森田氏が締め切りに追い詰められた際生み出したキャラクター「時間マン」の亜種。
イメージを掴みたい人はこのへんを読むと良いと思われる。
この時間マン、造形のシンプルさからか事あるごとに亜種が作られる傾向にあり、暴力マンもその一つ。
この暴力マン、(困ったことに)異修羅の「圧倒的な力を持つ修羅」と「その破壊に喜ぶ読者」の構図とに妙な親和性を発揮、結果ネタとして定着・結構な頻度で話題に上がるようになってしまった。
言ってしまえば身内ネタに過ぎないのだが、異修羅に関連するTogetterまとめを調べようものなら高確率で遭遇する事になるため此処に項目がある。どうか勘弁願いたい。
応用的に、「六合上覧の試合が塩試合だったので怒る観客」などを指して「暴力マンだ!」と呼んだりする事もある。
2019年9月期ラノオンアワード4冠達成によりまた新たな亜種が生まれた

本物

ほんもの。
本当のもの。本当のこと。常人の域を超えた、本格的なもの。
本物概念的には、本物と付く存在はその元となった存在の殆ど反存在である。個別事例によって大きく差異があるため正確には違うのだが、だいたいそう。
この本物概念を本物に理解したいのであれば、“本物”の異修羅(togetterまとめ)を熟読のこと。

本物の魔王

ほんもののまおう
詳しくは該当項参照。

判明している“本物の魔王”に関する情報は、劇中で語られているそれ以上でもそれ以下でもない。
また、“本物の魔王”の外見を知っている人物も極めて少ない。

+ 現状判明している“本物の魔王”に会ったことのある人物(六合上覧開始時生存者・重大ネタバレ有り)
現状判明している“本物の魔王”から生還した人物(六合上覧開始時生存)
彼岸のネフト(“最初の一行”生還者)
星図のロムゾ(“最初の一行”生還者)
魔法のツーセフィト救出前に対峙*15
移り気なオゾネズマ“最後の一行”生還者

“本物の勇者”

ほんもののゆうしゃ
“本物の魔王”を倒したとされる人物。
黄都第三卿、速き墨ジェルキ直属の間諜隊が小九ヶ月動き続けて何も特定できていない、謎の存在。
六合上覧開始前の段階で売名目的の自称勇者が多数出てきており、ジェルキは勇者を騙る人物を称して冗談で「勇者自称者」などと呼んでいた。それに対しての“本物”ということだろう。

+ 書籍版ネタバレ
書籍版において、黄昏潜りユキハルの考察により「“本物の魔王(・・・・・)を倒した本物の勇者は(・・・・・・・・・・)当然とても恐ろしい(・・・・・・・・・)」ものであり、それを皆が心の底では理解しているため無意識的にその正体に関する情報を避けていた、という可能性が示された。

魔王軍

まおうぐん。
+ “本物の魔王”の影響によって変貌した存在。(ネタバレ有り)
本物の魔王”の恐怖に中てられ、発狂した生物群。
お互いに殺戮し合い、自滅し合うただの狂った集団であり、統一された意思や思考能力の欠如したただの有象無象の群れであるが、進行とともにその恐怖を無差別に拡散・伝播させ、規模を無限に拡大し進行してくるが故に、対処困難。
「どんな軍より、間違いなく弱かった」とされるが、その特性によって文字通りに世界を恐怖で覆いつくさんとした。

ま行


ま。魔なる~。魔の~。
人を迷わし、修行を妨げ、善事を害する存在。人間技ではない不思議な力を持ち、悪を成すモノ。
あるいは人を一事に熱中させたり、偏執すること(~魔)。

異修羅世界においては、『正道を外れ(突出し)た存在』『逸脱した超常』というような意味合いがあり、上記のような悪を成すモノとしての印象は薄い。
具体的には、後述されている “魔” 王や “魔” 眼、“魔” 具、“魔” 剣などであり、他にも “魔” 族、ツーの二つ名の “魔” 法や、キアの全能を例えた “魔” 才も同様の表現である。

魔王自称者

まおうじしょうしゃ。
本物の魔王”が現れるまでは魔王と呼ばれていた者達。
詞神を後ろ盾とする“正なる王”に属さない“魔なる王”。

とはいえ基本的には「グハハよく来たな勇者よはらわたを喰らい尽くしてくれよう」みたいなティピカル魔王というわけではなく、ざっくり言うと「主流派にとって都合の悪い力(権力・暴力・技術力etc)を持ちすぎた連中」。
例を挙げると異修羅世界に産業革命を起こそうとした独立勢力鬼族までも集めてPMCやってる奴等。
中には強い病虫害耐性を備えた小麦の新品種を普及させようとしたら黄都の小作人が離反して食糧危機待った無しなんて変り種もいる。
現状判明しているメンツを見るに、思想や知識が異修羅世界と乖離している客人(まろうど)や、物理的に脅威になりやすい魔族精製者が認定されやすい傾向にはある。
この称号は政治的都合の産物である為、中には指定した事に対して民間からかなりの反発が生じたり認定されたかと思ったら役人との交渉で示談が成立してあっさり解除されるといったようなパターンも存在する。
いずれにせよ魔王(自称者)を認定するのも主流派(かつては三王国、現在は黄都)なのでどこが自称者だよ、という話ではある。

もちろんクソ野郎一般市民を省みないマッド科学者のような魔王らしい魔王もいる。

+ 魔王自称者一覧
+ 第二部・書籍Ⅵネタバレ
+ 書籍Ⅶ
+ 書籍Ⅸネタバレ
+ 書籍Ⅹネタバレ
+ 異修羅 Blu-ray BOX特典書下ろし小説『翼の国』

魔眼

まがん。
王国の古い言い回しで、通常の五感を凌駕した世界を認識する、再現不能の“魔なる眼”のこと。かつて“魔剣”と同様、戦士の異能として用いられた歴史からそう呼ばれるらしい。
通常認識できない波長の電磁波や、あるいは危険を感じ取る直感的なものを(多くは視覚的情報として)捉える能力。そのため、正確には「眼」ではなく、感覚器官全てで感じ取っている「超感覚」というのが正しい。
本編では詳しい言及がなく、そのためソウジロウの「殺し方を一目で見出す超感覚」や、トロアの「初見の魔剣の想念を読み取る能力」、クゼの「ナスティーク天使)を見る能力?」等が魔眼に相当するのかは不明*16

+ 魔眼所持者一覧

魔具

まぐ。
様々な異能を発揮する超常の道具。
作品の性質上、登場する道具はそのほとんどが戦闘用の兵器であるが、非戦闘用の便利な道具的なものも存在する。
強力な効果を有するものが目立ちがちであるが、旧王国主義者の物資基地に保管されていたり、キヤズナも製作した機魔(ゴーレム)に組み込んでいる場合があるようで、触媒や能力補助系の魔具はある程度の数が存在しているものと考えられる。
彼方から流れてくる該当超常物品も多数あるが、なぜか剣の形態をしたものの割合だけが際立って多いという。

+ 魔具一覧(魔剣・魔弾以外)
魔具名 所持者 効果
液化塁壁(えきかるいへき)
【書籍版Ⅵ】
黄都管理 使用者の意思に応じ自在にその形態を変化させる、虹色の金属光沢を持つ油状の魔具。
液体ではあり得ない大きさの比重と、酸の如く生体を分解する機能を持つ。
遺徳の帳
【書籍版Ⅹ】
黄都管理 淡い虹色を帯びた輝きを放つ柔らかな天蓋の王族護衛用魔具。
帳の外からの矢や銃弾といった飛来物を、その薄布をなぞるように逸らす機能を持つ。
キヲの手
(カイディヘイで拾った鞭)
星馳せアルス 巻きついた対象を強度に関わらず捻り、切断する鞭。
また、通常の鞭を凌駕した挙動が可能。
死者の巨盾(きょじゅん)
(中央山脈の(とげ)沼の盾)
色彩のイジック【書籍版Ⅵ】
潮解のシュゲスター
→星馳せアルス
侵食と激痛を代償としてあらゆる攻撃を無効化する装飾品。
シトロカリ機動賽
【エイプリルフール企画】
迷宮名 かつて星馳せアルスが攻略した迷宮の一つ。
大迷宮自体が複雑な仕掛けの巨大な魔具であったらしい。
地走(じばし) 星馳せアルス 所有者の意思の通りに地形に沿って敵を自律追跡する超高温の炎。
非使用時は小さな壺に収まっている。
茸垣
【一問一答】
星馳せアルス 複雑に入り組んだ原木で、一日で新たなキノコが生える。
この魔具でしか生やせないキノコがあるらしい。
チックロラックの永久機械 燻べのヴィケオン
→星馳せアルス
負傷した肉体を機械に置換し、生命活動を模倣する歯車。
冷たい星
【書籍版Ⅰ】
未解、ナガン
鵲のダカイ
警めのタレン
鎹のヒドウ
  (黄都管理)
年単位で蓄積した太陽光を都市間攻撃可能な爆裂光に変える、
水晶製のレンズが組み込まれた器械。
霆笛(ていてき)
【書籍版Ⅶ】
方舟のシンディカー 魔王自称者、方舟のシンディカーが製作した、人工魔具。
星深瀝鋼の弾体を物理的・詞術的に加速し、超速にて射出する長大な機械砲。
ナガネルヤの心臓 未解、ナガン 詳細不明だが、詞術詠唱の法則からすると
下記のハレセプトの瞳と同じような役割の魔具である可能性が高い。
ハレセプトの瞳 汚れた地のルメリー
棺の布告のミルージィ
熱術の触媒に使用されていると思われるが詳細不明。
ルメリーが詞術詠唱する場面では、この魔具と思われる『指の宝石』との記述がある。
ヒツェド・イリスの火筒(ほづつ) 星馳せアルス
音斬りシャルク
中に入れた物体を超高速で射出する鉄筒。
フィンデルイルの末摩(まつま)の写本
【書籍版Ⅵ】
黄都管理 詳細不明。
腐土太陽(ふどたいよう) 炯炯たるゼラド
→星馳せアルス
魔法のツー【書籍版Ⅵ】
無限に湧く泥を刃や弾丸として放つ球状の土塊。
書籍Ⅵの描写によれば、多孔質の球体である。
意思を通わせることで泥の排出圧力と形状を操作可能。
メレの黒弓 地平咆、メレ 原材料・制作者・制作世界不明の巨大な黒い弓。
メレ曰く、絶対に壊れない。不壊の黒弓。
モート神経矢(しんけいし)
【書籍版Ⅵ】
黄都管理 矢を射出した瞬間の使用者の思考を、打ち込んだ対象に実行させる。
道具名鑑により詳しい記載があります。
魔剣
まけん。
様々な異能を発揮する魔具のうち、刀剣として認識・使用可能な形状をした物品の総称。
認定範囲は広く、(刃部分の大きい?)槍やその穂先部分(短剣として判定?)等も含まれる。
劇中ではっきりとその定義が示されていないものの、該当する物品から推察するに――
 ①.何らかの異能を発揮する魔具である。
 ②.その一部を「刀身」と認識することが可能(必ずしも鋭利な刃を有している必要はない)。
 ③.①の異能が②の刀身部分から発動する、あるいは刀身部分を利用する行動を補佐するような効果として発動する。
――に該当する物品が魔剣と呼称されるものと思われる。
一本一本が一軍に値する、解析不能の神秘。遥か昔の時代から続く、唯一特別である武力の象徴。

ただし、魔剣を所持するものの前には、いずれ死神が取り立てに訪れる。
後に残るは血海と化した所有者と目撃者のみ、怖気を震う凄惨な殺戮の痕跡だけを刻み、魔剣だけが忽然と消えている。おぞましきトロア。魔剣使いの善悪聖邪を問わず、ただ、それを殺すモノ。

ゆえに現状世界に知れている、現存が確認されている魔剣は多くはない。ほとんどの魔剣は惨劇と共にいずこかへと消えたためである。

+ 魔剣一覧(所持者ネタバレ有り)
アルクザリの虚ろの魔剣   :所持者|弾火源のハーディ柳の剣のソウジロウ
インレーテの安息の鎌    :所持者|おぞましきトロア
慄き鳥           :所持者|星馳せアルス→おぞましきトロア
音鳴絶           :所持者|おぞましきトロア
ギダイメルの分針      :所持者|おぞましきトロア
凶剣セルフェスク      :所持者|おぞましきトロア→星馳せアルス【書籍版Ⅵ】→おぞましきトロア
瞬雨の針          :所持者|おぞましきトロア
神剣ケテルク        :所持者|おぞましきトロア
ジンナグラスの顕らかなる魔剣:所持者|不明(虚実侵界線、準修羅相当と思われ意識持ちの可能性有り)
ダブウィクトの波の魔剣   :所持者|おぞましきトロア
チャリジスヤの爆砕の魔剣  :所持者|旧王国主義者→窮知の箱のメステルエクシル→おぞましきトロア→窮知の箱のメステルエクシル→旧王国主義者*17破城のギルネス→黄都
テミルルクの眠りの魔剣   :所持者|不撓のオスロー絶対なるロスクレイ→黄都
天劫糾殺          :所持者|おぞましきトロア
ネル・ツェウの炎の魔剣   :所持者|おぞましきトロア
バージギールの毒と霜の魔剣 :所持者|おぞましきトロア
ヒレンジンゲンの光の魔剣  :所持者|おぞましきトロア(初代)→星馳せアルス→おぞましきトロア
ファイマの護槍       :所持者|おぞましきトロア
ムスハインの風の魔剣    :所持者|おぞましきトロア
ラズコートの罰の魔剣    :所持者|鵲のダカイ→?(一問一答によると魔剣をそのまま放置しておくはずはないらしいが…?)
※ なお、ナスティークの“死の牙”は本人の能力なのか剣の能力なのか不明である。
※ より詳しい魔剣の効果や固有剣技(奥義)はおぞましきトロアの頁へ。
道具名鑑にも記載があります。
魔弾
まだん。
魔具の中で、銃に装填し発射することで異能を発揮する物品の総称。
極めて珍しいもので、非常に貴重。事実、劇中でも使用者は一羽しかおらず、複数種の魔弾を所有・使用できたのは彼の異常の行動範囲があってこそである。
+ 魔弾一覧
魔弾名 効果
雷轟の魔弾 戦列や地形ごと焼き払い貫通する雷撃を放つ弾丸。
本来の用途不明の謎の電子部品。
拷樹(ごうじゅ)の種
(樹の魔弾)
銃から放たれる際の熱で発芽し、着弾した対象を激痛と共に侵食する植物の種。
書籍版では、対象から生命力あるいは養分を吸収し、異常な速度で成長する樹を生やす。
毒の魔弾
摩天樹塔(まてんじゅとう)の毒の魔弾)
根獣(マンドレイク)の毒を加工した弾丸。特注量産品。

魔法

まほう。
人智の及ばぬ超非科学的現象の総称。あるいは人間の力では成し得ぬ不可思議なことを行う術。魔術や妖術、仙術等のこと。

異修羅世界においては、詞術でも科学でもない、より童話的・荒唐無稽な超常現象を意味する単語。
既知の何かではない、『魔の法』。
劇中ではツーの二つ目の名として印象深い。

魔王の落とし子

まおうのおとしご。
“最後の地”に最近になって出没するようになったという正体不明の徘徊獣。凄まじき怪物。
この謎の存在によって“最後の地”へは誰も手出しできない状態になっているという。
+ その正体は――(ネタバレ有り)
その正体は、魔法のツーである。
その詳しい経緯と渾名の真の意味するところは――、本編を読もう!

マスコット

ますこっと。
何らかの団体やブランド、作品を象徴するキャラクター。
『異修羅』においてはもちもちのアヤキのクラス名であり、作者広報アカウントや作者サインに採用され、事実上のマスコットとして周知されようとしている。
アヤキは平和でカワイイで何ら裏がないので確かにマスコットにはうってつけなのだが、唯一最大の問題があり、彼女は本編には一切登場しない
では登場キャラクターから選べばよいのかというと、読者自称者の間でもサイアノプだ、ヒグアレだ、いやハルゲントだと意見は別れている。

マリ荒野

まりこうや。
一回戦第二試合(アルスルクノカ)および第七試合(メレシャルク)、の舞台となった場所。 二回戦以降 も使用されることになる。
どれだけ虐待しても構わない存在(作者公認)。

ガス田が存在する以外は不毛の荒野という土地で、大規模破壊が予想される試合の舞台となったのだが、それゆえにルクノカのブレスによって凍土化するわ、メレの射撃によって大穴は空くわとひどい目に遭っている。

「ぐわあああーッ!!」「マリ荒野が死んだ!この人でなし!」

客人

まろうど。
元居た世界(彼方)の法則から逸脱した能力故、異修羅世界へ飛ばされてきた存在。一種の異世界転移者。*18
何かしら「元の世界に居られないくらいの」変態 異状 異常技術/能力(逸脱)と『彼方での記憶』を持つ。それは武術・戦闘技術であったり、軍略や商才、観察力といった場合もある。
「異世界転移したからチートを貰える」のではなく、「もともとチートだから異世界に追い出された」という因果関係。
逸脱している分野に関してならばその能力は異常極まっており、通常奇跡や九死に一生と表現されるような状況を必然として易々と実現し、理屈は理解できるがそんなことはまず実現できないといったようなことを当たり前のように成し遂げる。
彼らはまた歳を取らない。「彼方の常識を持っている限り」詞術の真の力(会話を聴く機能がない自然物に意思を疎通させる)を使う事は出来ない。人間同士の場合、現地人との間に子供はできるが、異常技能が遺伝することはないらしい。
歴史に名を残す偉人・傑物・英雄は全て、例えばあのルーデル*19ですら「客人(まろうど)になる程の逸脱者ではなかった」と考えるとその理不尽さが理解しやすい。修羅中では柳の剣のソウジロウ逆理のヒロトあたりが客人(まろうど)である。
その逸脱に関しては物語の進行と共に、その多くが単純な技術や能力ではなく物理法則から外れた文字通りの異能であるらしいことが判明してきている。
+ 例:(ネタバレ注意)
例:柳の剣のソウジロウの能力は単なる剣技ではなく、刀剣類(刃物)と認識できる存在を自在に操作する能力であるらしいことが徐々に描かれている。
また、書籍版Ⅷにて黒い音色のカヅキの腕を移植した移り気なオゾネズマがその曲射の異能を問題なく行使できていることから、彼女の能力が単純な技術技能ではなかったらしいことがうかがえる。
なぜ客人(まろうど)が異修羅世界へ流れつくのか? 等の疑問については『音切りシャルク その1その2」内である程度の考察が行われている。

その異常極まる能力故、国家に属する民が客人(まろうど)を発見した場合は報告の義務が課され、発見された客人(まろうど)は保護という名目での監視・管理がなされる。
一応の特別市民権や生活・活動保証があるとされるが、要は莫大な利用価値のある特級の危険分子を 手元で管理するため のシステムである。

ちなみに「逸脱」によって異修羅世界にやってくるのは人間に限らない。
異修羅世界におけるファンタジー生物の先祖は、別世界から追放された生物学・物理学的に逸脱した新種と推察されている。
生物以外でも、強大な力を持つ魔剣や魔具、一部の魔弾、ゴカシェ砂海の図書館等も“逸脱”した存在である。
また、血報弾ラーキが使用していた拳銃のように、何の変哲もない器物が流れ着く場合もある様だ。
(恐らくは「客人(まろうど)」が所持していたり、他の逸脱物品と一緒に付属物的に流れついたものだと考えられる。)
こういった彼方から流れ着いた「器物」に関しても(恐らくは逸脱が有るか無いかに関わらず)経年劣化はしないらしい。

+ 【客人一覧】
+ ネタバレ
全ての敵、シキ (相原 四季)

見えない軍

みえないぐん。
六合上覧の裏で暗躍する、正体不明の勢力の仮称。
あらゆる勢力の内側に入り込み情報を得る、謎の諜報組織。
千一匹目のジギタ・ゾギが仮定し、黄都勢からも認識されているにもかかわらずその全貌は不明。
正体はリナリス率いる“黒曜の瞳”であり、血鬼(ヴァンパイア)の能力によって感染させられた者達による諜報・破壊工作である。
ジギタ・ゾギはこの軍の正体が血鬼(ヴァンパイア)であることを看破しており、それに応じた対応策を講じていくことになるのだが――。

微塵嵐

みじんあらし。
ヤマガ大漠にて発生する異常天候。
巻き込んだもの全てをただの微塵へと変えてしまう超常の砂嵐。

書籍版Ⅱの加筆部分のメイン軸となる現象。詳しくは当該項目を参照のこと。

砂漠地帯の外には発生・移動しないと一般には考えられているが、過去に砂漠外にあった軸のキヤズナが造った“機魔(ゴーレム)の国”を砂漠から出てきて(・・・・・・・・)滅ぼしている。

光辻

恐らく、みつつじ。
星馳せアルスが好きな、異修羅世界の気象現象。
落雷が伝導率の高い地形を一直線に走って、電流を加えられた特殊な岩が強く発光するもの。発生するとずっと遠くまで光の道が浮かび上がって見える。
その条件から、限定された場所・地域でしか見られないものだと思われる。

『緑の時節の真王帰還』

みどりのじせつのしんおうきかん。
民にとって“本物の勇者”の出現がこの真王の帰還に匹敵する大事変であると例えられる、伝説(史実?)上の出来事。
事実は不明であるが、共通する筋立てとしては――
『遠い彼方(“彼方”と同一視する場合も)に旅に出た真王の不在中に、王の帰還を信じる者と信じぬ者の間で大きな争いが起こったが、知識と共に帰還した真王によって戦いは治められた』
――というものである。

『オルクトの歌』

アニメ版劇中歌。漂う羅針のオルクトが「間章 その3」にて歌っている、この伝承を詩歌にしたもの。
+ アニメ1期にて――(ネタバレ)
アニメ1期にて、晴天のカーテが口遊んでいたメロディも、この曲と同一のものであった。
作詞 珪素 作編曲 eba ルバーブ演奏 ウエダタカユキ
+ その歌詞の内容
その歌詞の内容
彼の正義の炳乎たる / 骸の原へと還り来て / 双つの玄兎の交わりの――
 「彼」=真王。「炳乎」は明らかなさま、あるいは光り輝くさまのことを言う。「骸の原」は戦場、あるいは乱れた国のことだろう。「玄兎」は月の異名。二つの月が交わった時、ぐらいの意味合いだと思われる。
緑の時節に朝影満たし / 勇猛なる真王 / 此に万劫の栄あり――
 一般的に「時節」=季節であり、詳細は不明。推測だが、二つの月が交わる時分を「緑の時節」と呼称しているのかもしれない。「朝影」は朝の光のことであるので、朝の日差しや新緑が満ちる様子を真王の威光が戻るさまになぞらえている可能性もある。「万劫」は非常に長い年月のこと、永劫と同じ意味。

メートル

めーとる。
【meterオランダmeterフランス】
①長さの単位。国際単位系(SI)の基本単位。最初は赤道から北極までの大円距離の一000万分の一と定められた。1875年、国際メートル原器の二標線間の長さと改められ、さらに1960年、クリプトン6原子から出る光の波長を基準としたが、83年からは、光が真空中で1秒の2億9979万2458分の1に伝わる行路の長さと定義されている。
‐『広辞苑(第5版)2617頁』より
異修羅世界では、客人(まろうど)吝嗇なるヴィクトルがステンレス定規(メートル原器)と共に持ち込んだメートル法が統一単位として用いられている。
「異世界のくせにメートル!」とお怒りのファンタジー警察(ポリツァイ)もどうかその曲尺を鞘に納めて頂きたい。

迷宮

めいきゅう。ダンジョン。
外からは攻略できぬ難攻不落の存在。
基本的には人族の能力をもってして攻略難度が高く、それを攻略することにより何らかの益(多くは魔具等の財宝)を得られるものをそう呼称しているようである。
劇中には軸のキヤズナが作り上げた「ナガン大迷宮」、ゴカシェ砂海の座標定かならぬ地点に存在するという“図書館”なる「砂の迷宮」、九年前に黒い音色のカヅキが解放した「大氷塞」、かつてキザヤ火山に存在していた「泥の迷宮」が登場・言及される。
+ また――(書籍版Ⅷ ネタバレ)
また、書籍版Ⅷにて刻食腐原ネクテジオによって黄都カダン第三区画が菌糸迷宮化した。
2023年エイプリルフール企画にて、は星馳せアルスが印象に残っている場所としてネシリ遺棄平原の「シトロカリ機動賽」という迷宮が語られた。なんでも、大迷宮自体が複雑な仕掛けの巨大な魔具であったとか。
また、同企画内にて魔具「茸垣」を入手したのは「竜の巣穴」という迷宮であったことも語られている。
他にも明言はされていないが、アルスが魔具を取得した「カイディヘイ」、「中央山脈の棘沼」、「摩天樹塔」にも迷宮が存在していた(あるいはそこ自体が迷宮である)可能性がある。
その解釈を広げれば、黄都もまた攻略難度が高く多くの魔具を保管しているため「迷宮」であると言える。

メレのチ〇コカット

めれのちん〇かっと。
異修羅アニメ化に際し、作者読者自称者共に期待していた地平咆メレのほのぼのエピソードである〇ンコの逸話がまるっとカットされた悲劇のこと。
DVD化の際して チ〇コが生える 追加修正が期待されている。
【類語】メートルカット:異修羅アニメ化に際し、メートル法伝来云々の話がまるっとカットされた事件。
    アムグサカット:異修羅アニメ化に際し、左の枷のアムグサの記憶がまるっとカットされた事例。
    アルバートカット:異修羅アニメ化に際し、五月雨のアルバートの存在がまるっとカットされた案件。

紋章

もんしょう。
個人及び家系や公的機関・組合・軍部隊等の組織・団体などを識別し、特定する意匠又は図案のこと。
リナリス六分儀のシロクに手渡した手紙の封蝋には“黒曜”の紋章の印璽がされていた。
また、アニメ版14話(2期2話)においては、シロクが各家系の紋章の描かれた手帳にチェックする形で魔王討伐後に出戻ってきたイターキの住人調査を進めている様子が描かれた。
黄都やリチアの紋章も コミカライズ版 にて確認できる。
異修羅世界においては文字が基本的に存在しない(普及していない、というか普及不可能である)ため、戸籍・家系等の調査・識別にはこの紋章で判別するしか方法が無い。

や行


柳生新陰流

やぎゅうしんかげりゅう。
ソウジロウが名乗った、その剣の流派。
古流剣術の流派の一つで、正式には“新陰流”。
永禄年間、大和国出身の柳生(やぎゅう)但馬守(たじまのかみ)宗厳(むねよし)が、新陰流開祖・上泉(かみいずみ)伊勢守(いせのかみ)信綱(のぶつな)から印可を得て創始した後の新陰流を指して“柳生”新陰流と呼称する。
宗厳は修行の末に師である信綱が考案した“無刀取(むとうど)り”を完成させた、とされる。

劇中に登場する使い手は、姓こそ“柳生”ではあるが、自称な上“彼方”の状況が状況であったためその真偽は極めて怪しい。
ただし、新陰流の思想や兵法はから弟子へ伝聞されてはいたようで、ソウジロウは“無刀取り”を知っており、その概念を実践すらしている。
…ちなみに、一問一答によればソウジロウは新陰流を使えるか使えないかで言えば全ての技を使えるのだが、それは術理を理解して意識的に使っているわけではないため、柳生新陰流の剣の術理としては全く習得していない、という方が正しい表現だとか。
なお、ソウジロウの使う柳生新陰流はアカシック柳生とは全くの別物らしい。

勇者候補者

ゆうしゃこうほしゃ。
本物の勇者を決めるために開催される六合上覧の参加者十六名のこと。
各試合後においては、そこで敗退したものは正式な候補者から順次除外されていく*20
試合勝利者ではその試合における負傷時に厳重な警備体制の敷ける病院の利用が可能等の優遇措置もあるが、六合上覧参加者の中から規約違反者が出た場合には招集がかかり、それを討伐する義務を負う。
詳しい顔ぶれは当該項目①もしくは該当項目②を参照のこと。


ら行


ラヂオ鉱石

らぢおこうせき。
作中世界で産出する便利な鉱物。トランジスタのような独特の挙動を示すという異修羅世界固有の物質。
これを用いた無線通信装置が「ラヂオ」。詳しくは道具名鑑参照。
整流作用もあるのか、ラヂオは鉱石から直接アンテナが生えた様な構造をしている。
また電源無しでの増幅が可能らしく、これとマイク・スピーカーのみで拡声器が作れてしまう。電流の増幅とかできるんだろうか
「ラヂオに使う鉱石」だからラヂオ鉱石なのか「元々ラヂオといえば石の事だったが、無線機の方が有名になりすぎた」ためのレトロニムなのかは不明。
全くの余談ではあるが、実際ラジオに用いるトランジスタは「石」で数える。

六合上覧

りくごうじょうらん。
本物の魔王”を倒した“本物の勇者”を決める一連の催事の正式名称。
詳しくは当該項目を参照のこと。

黄都はこの試合名称を『商標』とし、使用許可を出すことで資金源としているようである。

竜斧戦役

りゅうふせんえき。
かつてあった大きな紛争、あるいは戦乱。
魔剣が使用されなかったため終結した戦であるとされる。
おぞましきトロアが活動していた頃に起きた戦争であるため、古くとも40年ほど前以降の出来事だと思われる。
永らく名称のみが登場していたが、エイプリルフール企画2023にて詳細が判明。
北方王国自治領を納める一族の継承権を巡る問題で、王国の介入を拒否し領内が割れ、大規模軍事衝突が発生したものであったらしい。

竜鱗

読みは恐らく「りゅうりん」。
(ドラゴン)の体を覆っている鱗のこと。
異修羅世界で二番目に硬いとされる物質*10。普遍的に存在する物質の中では実質一番硬いと言える。個体による硬度の違いが存在するかは不明。
特殊な手段*21でない限りは破壊不能。さらに遮断性も極めて高く、熱や冷気、病毒の類もシャットアウトする。
(ドラゴン)の膂力と高度に結晶化した竜爪をもってすれば比較的簡単に表面の鱗を剥がすことが可能であるようで、害のある物質が付着した様な場合にも対処可能。
一問一答によると、そもそも竜鱗は(ドラゴン)の体とは別の層になっているため、表面に対するあらゆる攻撃は本体には即座に届かないということらしい。
まさに言葉通りに一切遮断の防御層ということか。
また、この異常な耐久性能は詞術由来の影響が少なからず関与しているという。

極めてなめらかで硬質なもので、すべすべした手触り。(ドラゴン)の体温も遮断するため、ひんやり触感。
最強で美人で触り心地もいいとか無敵か!?

わ行


鳥竜兵

わいばーんへい
本来は人族の脅威であるはずの鳥竜(ワイバーン)をリチア新公国が兵力として運用した、世界で唯一の“空軍”。
整然と隊列を組み、鉄鎧を纏い、装備したラヂオを通じて戦況を報告し、高度な戦術を行使する。『群』でなく『軍』として機能する空の災禍である。
この竜族の兵力を保有しているることが黄都がリチアを許容不可能にしている最大の原因であり、警めのタレンを魔王自称者と認定している理由の一つでもある。
タレン側から見れば、この空軍が軍として運用可能であるかどうかが黄都と開戦するかどうかの指標であった。

その他


0

ぜろ。
正の数でも負の数でもない、1の直前の整数。
数学的に非常に重要かつ発見困難な概念だが、異修羅世界では“客人(まろうど)”経由ではなく、独力で発見されている(一問一答より)。
また、数学関連の法則はこちらの世界とほとんど同様とのこと。

FFS

ふぁいなるふぁんたじーえす。

『ファイナルファンタジーS』。
珪素さんや一部の読者自称者が毎日0時になると実況している謎の小説。
名前の通り一応ファイナルファンタジーの二次創作…であるはずなのだが、最早その言葉では表現しきれないほどの独特な世界観を有しており、コアなファンが多い。
元々は15年以上前に2chで掲載されていたSSであったがある頃に突然断筆。後に珪素さんがそれまでのストックを旧Twitter上で実況していた。しかし5年程前に突如としてこの実況の存在を知った作者が珪素さんとコンタクトを取り、まさかの連載再開に繋がった……という非常に数奇かつ切っても切れない関係がある。
珪素さんはこれの布教を人生の目的としていると言っても過言ではなく、公的なインタビューですらこの話をするほどである。
詳しい話はこちらへGO! >ファイナルファンタジーSまとめwiki
なお、FFS世界に放り込まれたらどんな修羅でも5秒で死ぬ(公式設定。一問一答より)。

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最終更新:2025年04月24日 01:42

*1 通常虫に限らず動物は煙を嫌う。蜂の巣駆除の際に煙を焚くことや、煙が野生動物除けになることを知っている読者自称者の方も多いだろう。

*2 と、アヤキアカウント

*3 アヤキアカウントは24年6月に復活

*4 元々は旧2chで連載され、長い休載の後に現在はTwitter上で連載されているゲームプレイ動画風日刊小説。とにかく特徴しかない、ハマる人はハマる強烈な作風を持つ。

*5 銃自体は十三年前にヒロトからカヅキに託されており、血報弾ラーキも使用していて存在自体はしていたようである。

*6 書籍特設サイトの登場人物紹介や公式ツイートの黒い音色のカヅキ等。

*7 書籍版においては「中央王国」に変更されている。

*8 一問一答では園芸品種に言及されていた。芸術的な面での生術利用品種改良が盛んで、広い庭園を有する貴族なんかはお抱えの生術士を雇ったりしているとか。

*9 ツーちゃんはかっこいい虫が好き。

*10 一番は魔法のツーである。劇中の描写から推測すると、ツー>竜鱗≧蛇竜の頭蓋(≒イオの殻)>星深瀝鋼 といった感じか?

*11 大一ヶ月が6日。小一ヶ月が6日×7週の42日。一年が42日×9月で計378日。

*12 長寿ゲームシリーズ「アイドルマスター」ユーザー。

*13 ゲーム「艦隊これくしょん」プレイヤー。

*14 海外文学「ニンジャスレイヤー」読者を指す語。公式呼称。

*15 セフィトが本物の魔王と邂逅しているかについては現在確定した情報がない。断片的な情報からは、少なくともその姿を目撃している可能性は高いと思われるが…?

*16 一問一答によると、上記のような能力を魔眼とすることも可能ではあるが、そうすると際限なく魔眼保持者が増加していくため見なしていないとのこと。

*17 正確には「書籍版Ⅱ」にて一旦放棄されたこの魔剣を“黒曜の瞳”が回収。旧王国主義者に渡して「絶対なるロクスレイ 1・2」に繋がる。

*18 死と生まれ変わりを経験している訳ではなく、着の身着のままやって来るらしい。それ故、彼方からの服や持ち物を大事にするとか。

*19 WWIIにて戦車を破壊しまくったドイツ軍人。あまりに破天荒な戦歴故、アンサイクロペディアでも冗談を挟む余裕がなかったことで有名。

*20 勇者候補ではなくなるが、後述の規約の適応対象外にはならない。

*21 ヒレンジンゲンの光の魔剣に代表される超常の魔剣・魔具や、柳の剣のソウジロウの逸脱の剣など。