夜になり、昼の戦いから体を休めるため、ベランダに出て夜風に当たりながら、ゆっくりとお酒を楽しんでいた。
今飲んでいるのは、ウイスキーだが基本的に彼は、酒なら何でも好きで、ワイン、焼酎、日本酒などなど、何でもいける。
今飲んでいるのは、ウイスキーだが基本的に彼は、酒なら何でも好きで、ワイン、焼酎、日本酒などなど、何でもいける。
「木山は……捕まったそうよ…」
ゆっくりと夜景と酒を楽しんでいる雷電の後ろから、ウイスキーのボトルと氷の入ったコップを持った珠理が話しかけてきた。
「…そうか」
「悲しんでる?」
「別に…」
「そう…じゃあ、疾っくに直っている腕のハンカチを外さないのは、動揺してるからじゃないの?」
「…………違う、気に入ってるだけだ」
「……そっ」
「なんだよ?」
「別に…」
「悲しんでる?」
「別に…」
「そう…じゃあ、疾っくに直っている腕のハンカチを外さないのは、動揺してるからじゃないの?」
「…………違う、気に入ってるだけだ」
「……そっ」
「なんだよ?」
「別に…」
本音を言わない雷電をからかっていたが、珠理自信も実は、戸惑っていることに雷電は気付いていた。
だから、雷電は特別言い返そうとはしなかった。
だから、雷電は特別言い返そうとはしなかった。
「…もうちょっと、高いウイスキーでもいいじゃない?」
雷電が開けたウイスキーを飲んだ珠理が感想を述べた。
「いいんだよ…安酒の方がよく酔える」
「……あっそ…なら勝手に酔ってなさい…」
「……あっそ…なら勝手に酔ってなさい…」
そう言うとボトルをベランダの柵に置いて部屋へと戻って行った。
それを確認した雷電は右腕に巻いてもらったハンカチを外して、未だに直っていない傷口を見て呟いた。
それを確認した雷電は右腕に巻いてもらったハンカチを外して、未だに直っていない傷口を見て呟いた。
「治ってない…か……もうあまり時間がないな…」
コップに残ったウイスキーを飲み干し、もう一杯注ごうとしたときに、
突然、夜景の中に眩しい光の柱が現れた、雷電が居るマンションからは、遠く離れていたが
その光は、どこまで伸びているのか分からず、天まで届くという言葉は、その状況にこそ相応しかった。
いきなり現れたなぞの現象に、ただ唖然としていたが、その光を見てなぜか一人の友人の名前を呟いた。
突然、夜景の中に眩しい光の柱が現れた、雷電が居るマンションからは、遠く離れていたが
その光は、どこまで伸びているのか分からず、天まで届くという言葉は、その状況にこそ相応しかった。
いきなり現れたなぞの現象に、ただ唖然としていたが、その光を見てなぜか一人の友人の名前を呟いた。
「……………当麻?」
何気なしに出てきた言葉だが、その言葉が友人に届くことはなかった。
夏の日差しが射し込み、白いベットに白いカーテン、全てが白一色というわけではないが
眩しい日差しによって白がよりいっそう際立つ病室で彼は「生まれた」。
眩しい日差しによって白がよりいっそう際立つ病室で彼は「生まれた」。
今、彼はただベットでボーっと窓の外を眺めていた。
先ほど、とあるシスターに噛みつかれた傷跡がヒリヒリ痛んでいるが、
今は、とにかく何かを見て、感じ、覚えて、なくなった記憶を埋めたかった。そこに
先ほど、とあるシスターに噛みつかれた傷跡がヒリヒリ痛んでいるが、
今は、とにかく何かを見て、感じ、覚えて、なくなった記憶を埋めたかった。そこに
「よっ!当麻大丈夫か!?」
銀髪の男性が部屋に入ってきた、先ほどのシスターが言っていた、おそらく自分の物らしき名前を呼んでいるとこから考えると
彼は、きっと友達なのだろうと思った。
彼は、きっと友達なのだろうと思った。
「あぁ…まぁ大丈夫かな…わざわざ来てもらって悪いな」
「気にすんなって!慌ててきたから何もお見舞いの品ねぇけど」
「いいよ、気使わなくたって…」
「まぁ、さっさと治して、また一緒に車でナンパ旅行しようぜぇ!!」
「…あぁ…そうだな」
「気にすんなって!慌ててきたから何もお見舞いの品ねぇけど」
「いいよ、気使わなくたって…」
「まぁ、さっさと治して、また一緒に車でナンパ旅行しようぜぇ!!」
「…あぁ…そうだな」
以前の俺は一体何をやっていたんだ?と思っていると、目の前の銀髪の男は、急に真剣な顔になり
当麻が一番恐れていることを口にした。
当麻が一番恐れていることを口にした。
「ホントに何も覚えていないんだな…当麻」
「っ!?」
「っ!?」
今、一番誰にもばれたくないことが、あっという間にばれてしまった。
つい先ほど目の前で泣きそうなシスターのために、嘘をついた当麻にとっては、これ以上にないショックだった。
つい先ほど目の前で泣きそうなシスターのために、嘘をついた当麻にとっては、これ以上にないショックだった。
「ゴメンな…ここの医者とは知り合いで、全部教えて貰った……すまんな、騙したりして…」
「……いいんです…気に…しないで下さい…」
「……いいんです…気に…しないで下さい…」
ばれたくない事があっさりとばれて、当麻は、自分の中に不満や悲しみが一気にあふれ出し、ただ俯いて泣き始めた。
今、目の前にいる友達だったであろう男性に心配させないように何とか涙を止めようするが、そう簡単に涙は止まる物ではない。
早く止めようとすればするほど流れ出てきた。そんな、当麻を見て、銀髪の男は、
今、目の前にいる友達だったであろう男性に心配させないように何とか涙を止めようするが、そう簡単に涙は止まる物ではない。
早く止めようとすればするほど流れ出てきた。そんな、当麻を見て、銀髪の男は、
「…まっ!いいさ…お前はお前だ…」
「えっ!?」
「えっ!?」
涙でボロボロになった顔をあげて、見知らぬ銀髪の男の顔を見ると、彼は、微笑みながら右手を前に出して言った。
「ここから、また始めればいいさ…一緒に…俺は雷電…お前がつけてくれた名前だ…気に入ってるんだぜ…」
そう言われて当麻は、ただ、目の前の銀髪の男を見つめて、
まるでそれが当たり前かのように自分の右手を差し出し、彼の手を握り握手をした。
またここから共に始めるために
まるでそれが当たり前かのように自分の右手を差し出し、彼の手を握り握手をした。
またここから共に始めるために