とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 9-87

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匿名ユーザー

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十月十四日 英国某所

薄暗い灰色の空の下、人通りの少ない旧歩道の街路樹の横。本格的に肌寒くなってきた季節感の中、郊外路に景色に合わない東洋系の少女が佇んでいた。
「はぁ……、超ついていませんね」
絹旗最愛は脱力して息を吐いていた。
太腿の露出度が半端じゃないウール地のワンピースが目を引く十二歳程度の少女。申し訳程度のポシェット以外は目に付く装備品は無く、とても海を渡ってきたようには見えない。
(まったく。学園都市も超信用できた物じゃありませんね)
彼女が学園都市を離れ『異国の地』を踏んでいる理由。それは絹旗が独立記念日に発生した事件の復帰後初仕事『星門計画とか言う計画の残党、及びその首謀者の抹殺』を命じられ、その首謀者たる男の隠居、つまり英国へ行ってこいと『上』に言われたために他人との会話すらままならない『異国の地』へと遠路遥々やって来た訳である。しかし、つい先程『仕事を終え』、指定された座標にて学園都市の迎えを待っていた絹旗だが幾ら待っても一向に迎えが来なかったため、安を辞して学園都市側へ連絡を取ってみると、
『ちょっとごたごたが起きてましてね。迎えは三日後ぐらいになりそうです』
案の定、こんな返事が返ってきた。そして現在に至る。
話を纏めると、要するに『英国で時間潰せ。迎えは三日後によこす』と言われた絹旗であった。
「能力者を『外』に三日間も超放置するなんて、一体どんな『ごたごた』なんでしょうか?」
絹旗は改めて溜息を吐き、とりあえず泊まれるホテルを捜すのが先決か、と今にも崩れそうな曇天を見上げ歩き出した。




同時刻、イギリス清教女子寮内

「ほんっと、ついてねえです」
アニェーゼ=サンクティスは脱力して息を吐いていた。
今、彼女の目の前にあるのは大量の洗濯物。しかも全て未洗状態。
本来この大量の洗物はアンジェレネが処理するはずだったのだが、どうゆう因果か彼女は朝から風邪を拗らせてとても動けるような身体状況では無く、「代わりに洗濯する人はくじ引きで決めましょう」という事になったのだが、
「それで二五〇人以上の可能性を潜り抜けて私に当たるなんて……だれか仕組んだじゃあないですかね?」
これまたどうゆう因果か、約二五〇分の一の当たりくじを彼女が引いてしまった訳であった。そして現在に至る。
「あー、めんどくさい。アンジェレネ叩き起こしてやらせちまった方が楽ですね。マジでそうして……いや、どうせアンジェレネの看病にルチアが就いてますし。実行は無理そうですね……」
割と本気でブツブツ言いながら水道の前で巨大な布塊を処理に取り掛かるアニェーゼ。そのほとんどは修道服で、水を吸うと異常に重くなるためアニェーゼの細腕では色々と限界がある。(洗濯機も有るには有るが、現在は故障の疑いがあるため放置)
「あー、ほんっとついてねえです」
じゃぶじゃぶとした水の音のみがその場に響いていく。

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