とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 9-468

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ryuichi

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十月十六日午前零時二十五分。

タッタッタと、出来うる限り音を殺した忍者のような足音がロンドン市内の薄暗い通りで小さく響いていた。
そこに人影は四人。内二人は鉄製の杖を携えた赤毛の少女とそれに寄り添う金髪の少女。その後ろに茶髪の東洋人の少女と目つきの鋭く背が高い少女が表情を崩さずに通りを走り抜けていた。
アニェーゼ、イラーリア、絹旗、ルチアの4人は『仕事』の遂行の為、バッキンガム宮殿へと静かに素早く歩を進める。

「『把握報網(MasterNet)』の情報によりますと、敵の術式パターンは或る程度決定されていて感知するのは容易いとの事ですから、探知に触れ次第連絡を寄越す、との事です」
アニェーゼが冷静に言うと、その横でビクビクと小動物のように震えているイラーリアがまたも鬱陶しく騒ぎ始めた。
「なんで八人しか居ない『迎撃』をさらに二つに分ける必要が有るんですか!? て言うか暗い!! この道暗いし何時敵来るか解んないし来ても近距離じゃ私の武器使えないし-------」
「うっさいですイラーリア。『迎撃』は八人しか居ないからこそ分担する必要があるんですよ。て言うか出発してから何回文句言ってんですか? そんなに心配ならさっさと寮に帰って例の襲撃者達と楽しく談笑してても私は何も言いませんが」
「同感です。シスター・アニェーゼの言う通り、貴方は少し騒ぎすぎでは無いですか? 仕事が嫌なら棄権しても良いとシスター・アニェーゼから説明が有ったではありませんか。そこまで拒否するのでしたらとっとと踵を返してください。ハッキリ言って邪魔です」
「うわぁ!! シスター・ルチアまで酷いじゃないですか!!? 私は遠距離専門だって何度も言……」
「「……もう黙っててください本当」」
今度こそ呆れて何も言わなくなったアニェーゼとルチアの冷徹な反応に涙目になって小刻みに震え出したイラーリア。それを見ていた絹旗は吐き出すように言葉を発する。
「なんですか、この超緊張感が無い感じは。もう少し警戒とかした方が無難だとは思うんですが……」
その言葉にアニェーゼとルチアは心の底から溜息を吐いて、イラーリアはもう何も言えなくなっていた。

「二班の方は大丈夫でしょうか? こちらがこの調子だとかなり不安になるのですが……」
ルチアの真っ当な心配にアニェーゼは少し考えてから軽い調子で答えた。
「まぁ、あっちの班長はソフィアですし。要らぬ心配はしないほうがいいでしょうね」

そんな若干抜けた感じのアニェーゼ班から直線距離で八〇〇mほど東の小通りでは『迎撃』の第二班、つまりソフィア班でも同じようなやり取りが繰り返されていた。
この第二班はソフィア、アンジェレネ、アガター、カテリナの四人組で構成された班である。

「て、敵ってどんな感じなんでしょうか? やっぱり寮に侵入した人達みたいなゴッつい男の人ばっかり……? そ、そうしたら私の金貨袋なんて役に立たないじゃないですか……」
歩きながら泣き言ばかり溢すアンジェレネに、一応班長という立場であるソフィアが忌々しそうにアンジェレネを一瞥した。
「ったく何なんだよさっきから五月蝿いな。お前(アンジェレネ)がどうなろうと気には掛けねえけど、仕事中に後ろでギャーギャー騒がれると迷惑なんだよ。腕に自身が無いなら、さっさと寮に帰ってチョコレートでも貪ってろ」
聞いての通り乱暴な言い草が特徴的なソフィアは、右手に身長ほどある巨斧を抱え、左手には『通信』と繋がる通信霊装を握っている。短く切られた銀髪と引き締まったアスリートのような(しかし胸は以外に大きい)身体つきはトライアスロンぐらいなら余裕でこなしてしまいそうな印象を与えた。

「寮に侵入してきた奴等だろうが、それ以外だろうがやる事は同じだ。全員、斧打で叩き潰してひき肉にしてやる。そんでさっさと休みてえよ俺は」
ソフィアは巨斧を見つめて心底面倒臭そうに言った。
彼女が抱えている大きな斧は『バルディッシュ』と呼ばれる戦斧。十九世紀までの欧州で実際に戦場で使用されていた対人斧である。別名ハルベルトとも呼ばれ、その柄の長さと極端に大きい刃部から比較的大きな衝撃を与えられることで知られている。
そんな物騒な戦斧を携える本物の斧闘士を前に、少し怯みながらもアンジェレネは目を泳がせて言葉を繋ぐ。
「で、でもシスター・ソフィアもあの男達の耐久力見たでしょう? キヌハタさんが居なかったら傷一つ与えられなかったかも知れないってシスター・アニェーゼも言ってたじゃないですか。魔術に対してだけ特殊な防御を発動するとかも言ってましたし、幾らシスター・ソフィアでも苦しいかも……」
「んなこと闘ってみなきゃ分かんねえだろ。正直、相手が誰だろうと力比べで負ける気はしないけどな」
そう言うソフィアの表情には若干の余裕が垣間見られた。
その理由は至って単純。彼女は、単体の身体能力や攻撃力ではアニェーゼ部隊の中で圧倒的トップを陣取っているからである。
彼女は八~九㎏程度の『バルディッシュ』を“右手一つで自由自在に振り回す“程の馬鹿力であり、とても巨斧を持って戦っているとは思えない素早い挙動で敵を迎え撃つことで有名である(斧を片手で振り回す少女の噂はイギリス清教のトップまで伝わっているらしい)。

「別に、敵がどんな反則業使って来ようと、俺はそれごとブチ壊すだけだ。魔法名に架けても、それだけは譲れない絶対事項なんだよ」
「……え、っと、とりあえずシスター・ソフィアは『一応女の子』なんですから、一人称は「俺」じゃ無い方が良いんじゃ……?」
不用意なアンジェレネの発言にソフィアがギロリと睨みつけた。小動物のように思わずビクッと跳ねてから畏まるアンジェレネ。修道女としての序列は同列とは言え、その威厳と迫力は他のシスターの比ではない。
舌打ちをして面倒臭そうに頭を掻いたソフィアは、再び歩を進めようと片足に力を入れた所で、
「……『通信』から連絡網か。『把握報網(MasterNet)』に何か掛かったみてえだな」
左手の通信霊装が淡く点滅しているのに気づいた。

連絡網はアニェーゼの元にも同時に届いていた。
内容は通話という形でアニェーゼに伝達され、何回か頷いた後、アニェーゼは通信霊装の光を落す。
「……やはりバッキンガム宮殿付近です。どうやら宮殿敷地に隣接するハイドパーク内にて、寮に進入した奴等と同じ術式パターンが観測されたらしいですよ」
アニェーゼの慎重な言葉にルチアと絹旗が顔を顰める。イラーリアは相変わらず拗ねた子供のように涙目で何も言わない。

ルチアは携える巨大な車輪を構え直し、さらに厳格な表情に成る。隣の絹旗はむしろ嬉しそうに口を少し吊り上げた。
「……つまり『そこに敵が居る』と……、そういう訳ですか」
「相も変わらず超理解出来ませんけど、そこに行けば目的に会えるんですね?」
「……ええ。相手がどんな能力持っているかさえも全く解らねえ状態ですけど」
アニェーゼは適当に答えて、『蓮の杖』を持ち直す。真っ暗な裏路地の向う側を一瞥すると、イラーリアを引きずるような形で再び走り出した。光の見えない裏路地で、またも小さな足音が響いていく。


学園都市から連絡が一切無い。現在、絹旗にとって一番不自然な現象である。
自分の身体内には極小の「ナノデバイス」と呼ばれる発信機のような物が打ち込まれたはずだ。学園都市側からも絹旗が英国にて別組織の運動に参加しているのは知られているはずなのだが。
(イギリス清教……って言ってましたっけ。あの修道女達は)
やはりそこが関係しているのか、と絹旗は悟った。
世界最大宗派とも呼ばれる『十字教』。その三本柱と言われているのが『ローマ正教』『ロシア成教』『イギリス清教』であるらしい。つまりアニェーゼ等、修道女が所属していると思われる『イギリス清教』は“それなり権力や勢力を持っている”と言うことになる。

加えて、学園都市にはこんな噂も存在した。
『学園都市統括理事長は、十字教の幹部と通じている』
もし、これが本当だとすると、もしかすると『絹旗は学園都市から許可を得たイギリス清教に使われている』かも知れない。それならば「ナノデバイス」に監視された自分が野放しにされているのには納得が行く。
(しかし、そこまで大きな組織と学園都市が通じているとなると……)
学園都市だって幾ら規模の大きな物とはいえ、ただの宗教団体と“能力者の使用を許す”ほどの関係を結ぶとは思えない。やはり、宗教以外でイギリス清教には学園都市側が親密な関係を持ちたいと思うような何かが有るのだろうか.


魔術、と言う単語が絹旗の脳裏を過った。

自分はそれを何回もこの目で見ている。暴れ回る絹旗を取り押さえようとした修道女達が使った『異能の力』もその類だろう。包帯や縄が意思を持って襲ってくる。お金の入った布袋が不自然な軌道を描いて自分へと向かってくる等。もしかすると静物にも使用できる『洗脳能力(マリオネッテ)』の一種かもしれないが、絹旗にはどうもあの不安定な力が超能力の分類に入るとは思えない。

(全く別の世界。RPGの中に超閉じ込められた気分ですね)
だが、絹旗は純粋にこの状況を楽しんでいた。自分の知らない、それでいて興味深いもう一つの法則は、彼女にとって“好奇心だけで危険に足を突っ込む”だけの価値がある物なっていたのだ。
そう、今現在、彼女の中で感情を圧倒的に支配しているのは『好奇心』。まるで新しいゲームを買って今まさに始めようとしているような錯覚。
学園都市の『裏』で行われる限られたカードの中での血生臭い殺し合いとは違う。ここでは麦野沈利のような仲間割れや裏切りといった類の事は起こらないのだろう。修道女という信頼を前提にした少女たちと共に協力して敵を倒す(絹旗はヌイグルミを取り返す)。本当にRPGのような光景である。現在の状況を客観的に見れば学園都市の『裏』と大した違いは無いかも知れないが、『外』という広い世界は、絹旗最愛にとってゲームや漫画を現実に引きずり出す巨大な娯楽施設にも見えた。

〈行間〉

欧州のとある場所に純潔で聡明な少女が居たという。
彼女は誰にでも素直で優しく、それでいて定められたルールや規則は、和を平淡に保つ物として決して破る事は無かった。そして、そのルール自体が間違っていると思えば学校や親に直訴して止めさせる努力を惜しまない。市議会に乗り込んでいった時もあったと言う。
少女は皆に好かれ、皆を好き、気が付けば、その町の中でも別段名の知れた優等生となっていた。


だが、ただ一つだけ、彼女は不満に思っている事があった。

(私の周りの人間は、いやこの国の人間は、みんな頭が悪い。私がどれだけ注意しても同じ過ちを繰り返すし、どれだけ助けてもさらに助けを求めてそれから離れられなくなっていく。自分は努力を惜しまないとか言う人間に限って、それに夢中になり過ぎて周りが見えなくなっていく。馬鹿しか居ない。考えることが出来ない。私はどうしてあんな下等生物の中で生きなきゃならないのだろう)
頭が異常に優秀。それ故に起こる不満であった。それは彼女の頭が天才を遥かに超えるレベルで良かった事から生まれた不満なのか。それとも彼女の周りの人間の頭が馬鹿を遥かに下回るレベルで悪かったからなのかは判断は付かない。
だが、それでも彼女より強い頭と頭脳を持った人間はこの世に居ないのでは、と諭される程に、彼女は完璧な『天才』であった。
別に人間が嫌いな訳じゃ無い。ただ単にその頭の弱さに失望しているだけだ。何時しか彼女が他人を見る目は、ペット等に向けるそれと同様の物へと変わっていく。

結局、その町に飽きて、親と兄弟には何も言わずに夜中に家を抜け出した。その理由は自分より頭の強い人を探す為。周りが一つ下の生物にしか見えなくなった彼女は、夜逃げに躊躇う事が無かった。

(誰か。私より頭の強い、深い芯から動きを得る要領の良い『人間』である誰か。他のペット共とは違う誰か。……それが現れるまで歩みは止められない)

金色の髪の少女は進んだ。
『人間』を求めて。

十月十六日午前零時五〇分、ハイドパーク内某所。

僅かな蛍光灯の光以外何も見えない林の中。沢山の木々が薙ぎ倒され、ドッガァァァァァン!! という爆音が辺りに撒き散らされた。
ソフィアが横薙ぎに振るった『バルディッシュ』による一撃のせいである。
攻撃を受けたのは二〇代前後の男。服装はやはり黒い喪服のようなスーツで、右肩に黒十字に斜め一本線の入ったシンボルを貼り付けている。

「……手応え抜群。寮の時より防御力劣ってねえか『対十字教黒魔術』」
ソフィアはそう言いながらも『バルディッシュ』を構えなおす。手応えはあった。だが、ゆっくりと起き上がったその男の服には傷一つ付いていない。
「……シスター・ソフィア。木とかあんまり吹き飛ばさない方が良いですよ。後で女子寮の方に損害賠償の届けが来るかもしれないし。ここはもうちょい穏便に行こうよ」
巨斧を構えるソフィアの隣で言葉を発したのはカテリナ。その手には刃渡り一五センチ程の短剣が握られていた。風の役を示す短剣がカテリナが主に使用する霊装なのである。
「うっせえな。穏便に話し合いが出来るような連中じゃ無えことぐらいお前だって解ってんだろ。……それにこっちの攻撃は大して効いてないみたいだしな。『どこまで相手が耐えられるか』、少し興味がある」
「……また力比べ? ちょっとは策とか練ったらどうなの?」
「必要ねえだろ」
ソフィアは言い捨てて、『バルディッシュ』を相手に向けた。敵である男は相変わらず表情に変化が見られない。まるで操り人形のような不気味な冷たさを感じる。
「とりあえず私達が後方から援護しますからシスター・ソフィアは遠慮無く魔法名名乗ってしまってください。そろそろ『遠爆』の増援も来る頃だと思うので」
アガターの促しにより、カテリナ、ソフィアが前線。アガター、アンジェレネが後方援護という形を取った。相手は一人だが、ソフィアの一撃で掠り傷一つ無いとなれば油断は出来ない。
『バルディッシュ』に力を込めるソフィアが口を吊り上げて獰猛に笑った。高まる高揚を抑えられずの居るのだ。それを見たカテリナは思わず溜息を吐く。

……またソフィアの悪い癖が出た。
(三度の飯より正面喧嘩……仮にも女の子がそんなんじゃ駄目でしょ普通)
カテリナの心内声は、当然ソフィアに伝わるはずも無く、アガターとアンジェレネの援護煙幕により視界を封じた瞬間には、ソフィアは敵へと一直線に飛んでいった。
男は何の霊装も持ってはいない。あるいは『持つ必要が無い』のかもしれない。それでも、ソフィアは自身の誓いを声の限りに叫んで相手へと投げつける。


「……『pugno cupiditas156(戦欲に狩られし者)』!!」

少女の魔法名が響きわたり、再び戦闘が始まった。

同時刻、第二班より六〇〇m手前に位置する古舎付近。

ここでもアニェーゼ等と『対十字教黒魔術』の戦闘が繰り広げられた。
前方、背後。突然挟み撃ちに遭った彼女等は、すぐさま臨戦体勢に移行したため、不意打ちによる一撃はどうにか避けることに成功した。
現れたのは案の定、黒服の男。その数は寮の時と同じ三人。前回と唯一違っていたのは、その男達の霊装が鉤爪では無く中剣だったこと。
彼等が襲撃してきたのはソフィア等が『対十字教黒魔術』の男とハイドパークにて対峙したのとほぼ同時であった。


だが、
「……そんな超貧弱な業で私を倒そうなんて一万年早いですよ」
絹旗最愛の圧戦により、アニェーゼ班の戦いはすでに終結している。

シスター部隊側が最初に放った攻撃はアニェーゼ・サンクティスによる遠距離打撃。だが、例の如く男達には全く効果が無く、アニェーゼが「では、キヌハタで」と一応実験的に前線に投入してみれば、僅か三分余りで地面に大の大人が三人寝そべる形となったのだ。
そんな、快勝を超えて圧勝のレベルにまで達している戦闘を、修道女三人は頭を抱えて眺めていた。
「……やっぱりこの男達は“魔術に対してのみ”防御術式が適用するように準備しているみたいですね。幾ら何でも、これでは弱すぎる気がしますし」
「え、で、でももしかしたら、キヌハタがすんごい強いだけかも知れませんよ? 能力者の強さの基準なんて、私には判断出来ませんけど」
「いえ、彼女は弱くはありませんが、特別最強と言う訳でも無いでしょう。実際、暴れる彼女を、寮のシスター達は割と簡単に押さえつけたらしいですから」
アニェーゼ、イラーリア、ルチアが呑気順々に言葉を発する。当の絹旗はと言うと、手首をコキコキと鳴らして、なんとも退屈そうな雰囲気だった。
「別に強い相手を寄越せ、と言っている訳では有りませんけど……これじゃあ、幾ら何でも超時間の無駄でしょう。学園都市からの迎えは明日にまで超迫ってきてますし、私はさっさとヌイグルミ取返してぐっすり眠りたいですよ」
滝壷土産はヌイグルミ。これは彼女の中ではすでに決定事項のようだ。

数分後、色々と無駄にのんびりした戦場に『遠爆』の増援が四〇人ほど到着した。すでに終わってしまっている戦いに増援は皆一度眉を顰めたが、一瞬で戦闘が終わっている不自然さよりもアニェーゼ達が無事なことに気を掛けているようで、皆、それぞれ安堵している。
ふぅ、と雰囲気が緩んだことに気を降ろしたアニェーゼに、ルチアが小走りで近づいてきた。
「シスター・アニェーゼ。アガターより通信です。ソフィア等と『対十字教黒魔術』の戦闘は未だ続いているので、増援が欲しいと」
ルチアが業務的な声でアニェーゼ手渡したのは、筆入れほどの通信霊装。霊装の向こう側からは、確かに荒っぽい打撃音や爆発音が聞こえる。アニェーゼは『遠爆』を三〇人、次いでに『術発』を一五人程送り込むことをルチアに伝え、ルチアはそれを皆へと伝えた。

「さて、と。そろそろ私達もハイドパークへ向かいましょう。『禁竜召式』なんて訳の解らない術式、発動させる訳にはいきませんし、奴等は十字教の敵ですから。ついでにキヌハタのヌイグルミも取返してとっとと終わりにしちまいましょう」
アニェーゼの言葉に修道女達はしっかりと頷き、彼女等は再び動き始めた。


その安全な空気が何時までも続かないことを確りと理解した上で、不穏な刻へと自ら歩みを進めるように。

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