ASW-G-01 ガンダム・バエル

「俺の行く手を阻むのならば、今度こそ殺してやろう!」

【形式番号】 ASW-G-01
【機体名】 ガンダム・バエル
【パイロット】 マクギリス・ファリド
【所属陣営】 ギャラルホルン
【動力】 エイハブ・リアクター
フレーム ガンダム・フレーム
【武装】 バエル・ソード

【詳細】

ギャラルホルンが管理していたソロモン72柱の中でも序列1位であるバエルの名を持つガンダム・フレームタイプMS。

左肩には角笛のマークが刻まれ、その機体に適応し操ることが出来るのならその者はギャラルホルンの支配者になれるという。
機体にはギャラルホルン創設者、アグニカ・カイエルの魂が宿るといい、
ギャラルホルンの長い歴史の中、何度も起動させようとした者はいたようだが何故か起動できなかったらしい。

この機体の型式番号は「ASW-G-01」。
つまり一番最初に開発されたガンダム・フレーム機であり、全てのガンダムの始祖、いわば鉄血世界におけるファーストガンダム
この機体の後に71機の開発が続いたことを考えると、プロトタイプ・ガンダムとも言える。

幼少時のマクギリスがラスタル・エリオンに「欲しいものはないか?」と問われた時に「バエル」と口にしていたが、
壮絶な幼少時代を過ごし義父であるイズナリオ・ファリドから性的虐待を受けていたマクギリスにとってはアグニカ・カイエルの伝説が心の支えであり、
ギャラルホルンに対しクーデターを仕掛けたマクギリスは遂にこの機体の前に立つ。

コクピットは唯一厄祭戦から全く手を加えられていないオリジナルのもの。
そのため阿頼耶識システムに対応し、逆に言えば阿頼耶識の施術をしていなければ動かせないのだが、
アイン・ダルトンに対する阿頼耶識の施術、グレイズ・アインの運用データからマクギリスは大人であってもナノマシンに適合する厄祭戦当時の技術を再現し自らに施術。
これによりバエルは数百年の眠りから冷め、現代に蘇ることになった。
なお上述にある「誰も動かせなかった」理由は、阿頼耶識を使わねば起動できないのに機械化を禁忌として封印したことで誰も阿頼耶識が必要ということに気が付かなかったらしい。
いくら戦後阿頼耶識を禁忌とし機械化を忌避する思想を流布していたとしても、当時の技術に詳しい技術者もいただろうに、
ギャラルホルンの上層部の目は節穴だろうか…

武装はヴァルキュリアブレードによく似たバエル・ソード
デザイナーによると、装甲を換装し不要となったヴァルキュリアブレードをバエル用に作り直したものであるらしく、
金色に輝く特殊金属製の刀身を持ち、MSのフレームごと両断する凄まじい切れ味を発揮する。

また大気圏内を浮遊可能な推力を持つ巨大なバインダーをバックパックに持つ。
今のところ大気圏内を飛行可能、という設定を持つ機体はあれど、明確に飛行しているシーンが描かれたのはこのバエルが初。
ただガンダム・フレームはツインリアクターの出力によりある程度なら全機体飛行が可能であるとメカニカルワールドで明言されている。
他の誰も飛ばないのは、飛行する必要性がないため、らしい。
なおバインダーにはレールガンが内蔵されており、広いウイングの可動範囲を使い広範囲を攻撃することが可能。
ただしダインスレイブは発射できず、あくまで牽制用の威力しか無い。

機体カラーはメインが白で、青が所々に。
デザイナーである鷲尾氏曰く「特殊な戦い方」をするらしいが、かつての乗り手であるアグニカは格闘メインで立ち回っていたらしい。
あのMA相手に格闘戦、だと…
アグニカは阿頼耶識により機体と完全な合一化を果たし、その超人的な運動能力と反応速度を持って厄祭戦時最強と言われるほどの武勲を打ち立てた。
MAの攻撃をかいくぐり、自分の攻撃だけを的確にヒットさせていく、そういう戦い方が可能な人物であったようで、
そんなアグニカに必要なのは「折れない武器」だけであり、バエルに剣(と牽制用の銃火器)しかないのはそんな彼の思想を反映させたものであるといえる。

作中ではマクギリスの操縦方法により高機動戦闘を行っていたが、実のところバエルはガンダム・フレームの中で最も膂力が強いMSであるとされ、
アグニカの技量も手伝い、厄祭戦では無双を誇った。
その結果、ギャラルホルンの歴史においてアグニカ・カイエルという人物、そしてガンダム・バエルというMSは伝説となり、
上述の「バエルを起動できればギャラルホルンのトップになれる」という話が広まるほどに強い影響力を生み出していた。

しかしそれはあくまでMAが跳梁跋扈し、それを討伐できる強い個人が必要な時代の話で、
ある程度の平和な世界が実現できている現在の時間での影響力は眉唾ものでしかなかった。
マクギリスの想定はそこから崩れ始めることになるが、結局セブンスターズで戦力を持つ2席の陣営を「中立」として傍観に徹しさせたのも、
バエルの影響力の結果といえる。

マクギリスは1期から策略を張り巡らせてきたが、2期になり、バエルを手に入れてから急激に知能が落ち込んだ(ように見える)。
これは目標であったバエルを手に入れたことで「満足」してしまった結果であり、底から先は出たとこ勝負、
というよりスタッフはマクギリスを「行き当たりばったりのやりたいことを今やる」人物と考えていたらしく、
最終的に手持ちのコマをすべて潰されたマクギリスは本気でラスタル・エリオンを殺し、時代を変えようと最後の戦いに挑んだ。

それを阻止せんとするガエリオ操るキマリスヴィダールとの激しい戦闘の末、「強い個人」だけではなし得ない力の前に敗北。
マクギリスはガエリオに銃殺され、バエルもまたアリアンロッドが確保し、
厳重な封印措置が施され再びヴィンゴールヴ地下に戻ることになる。

【余談】

バエルとは東方を支配し、66の軍団を率いる序列1番の大いなる王とされる悪魔のこと。

さまざまな姿で現れ、ヒキガエル、猫、または人間に似た姿、もしくはこれら全てを併せ持った姿を取るという。
しわがれた声で話し、人を不可視にしたり、知恵を与えたりする力を持つとされ、戦いに強いと言われることも。

バエル、よりは「バアル」とされるほうが馴染みのある人も多いのでは。

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最終更新:2023年08月26日 15:34