商魂逞しき猫人が盛りたてた砂漠の大国
ラ・ムール。
国土の中央に広がる砂漠は、過去にどの様な姿をしていたのかは分からないが、
様々な鉱石、宝石の類が採れる事もラ・ムールの財を形成する一つの要因になっている。
危険渦巻く砂漠へと、確証も当ても無い一攫千金の勝負へ赴く者達も絶えない。
その中でも特筆して希少価値が高いラ・ムール砂漠産出の宝石の閑話休題を一つ。
【 陽神の涙 】
その石は紅とも橙とも言えぬ、空より照らす強き陽射しの色にも似たり。
ラ・ムール国内で産出されるもその数は未だ百にも満たぬという。
大きさは親指の先ほどから拳大まで様々なれど、
陽光へ掲げて見れば 石の中に神見たり
陽に翳す事で石の中に太陽神の紋様が見えるのが特徴であり、その石の真贋を確かめる唯一無二の方法という。
【 神への門 】【 赤の神託 】【 秘せる玉座 】などなど、その石を称す名も多い。
他の特徴として、
月の浮かぶ夜 砂漠に流れ星あれば それは世を憂うラーの涙
決まって月夜に砂漠へと流れ星が落ちた後、その石は採れるという。
しかし広大な砂漠故、流れ星を見たからと言ってそう易々と発見出来る物でもないのが
尚一層稀少に拍車をかけているのであろう。
ラ・ムールはその石を国の所有物とし、ある目的に使用しているのだが、
それはまた別の話に出てくるだろう。
しかし、その石を私利私欲のためだけに国の宝物殿より奪ったのが
ラ・ムールの御伽噺にて都度都度登場する“猫盗賊 ロゼータ”である。
今は昔の御伽噺であるため、その真偽は定かではないが、
その話の中で、
かくてロゼータの人生最後にして最大の盗みは成功せり
ロゼータ、自身の掌よりも大きなる赤石を抱え砂漠を疾(かけ)り
役人、身命を賭けロゼータを追うも、突如空が歪みて彼の者は空に飲み込まれリ
之、神の怒りとし、二度と失の無き様に赤石は扱われる事になりけし
とある。
その話に関しては諸説あるが、共通している点は
ロゼータは赤石と共に消えた
という事である。
その後の捜索や物見の力でもロゼータと赤石の行方は掴めずに今に至る。
ロゼータは石を持って何処へ消えたのか?
世界が門により繋がった今、再び御伽噺が様々な研究者により紐解かれ様としている。
猫人は商人に拘らず何かしら宝石を一つ、自身の証みたいな感じで持っていそう
そんな想像から一つ
- おとぎ話の登場人物や世界に散らばるオーパーツは異世界が関係していた!というのは大いにありそう -- (名無しさん) 2013-01-18 17:47:33
- オリハルコンとか伝説の金属が実現した!って理由付けに最適やな小ゲート転移 -- (名無しさん) 2013-01-18 21:48:35
- 猫盗賊面白い。地球に飛んだ赤石がロゼッタストーンに? -- (名無しさん) 2014-02-27 23:40:39
- 地球のオーパーツや秘宝が異世界由来のものであるというのはありそうでわくわくしますね。地球から異世界へという逆もありそうです -- (名無しさん) 2015-11-29 20:37:54
最終更新:2013年03月25日 23:57