「というタイトルでですね、読点ヒロシ探検隊シリーズの最新作を作りたいんですよ」
そうプロデューサーが話を事務所に持ちかけてきたのがおよそ半年前。
「ふじ、じゃなかった読点さん。異世界行きの許可がおりましたよ!
問題はまだ山積ですけども、なんとか番組制作GOできそうですね」
そうマネージャーが破顔したのがおよそ3か月前。
「ふじお、じゃなかった読点さん。
本当に申し訳ないんですけど、制作会社からの話では異世界ではTVカメラは機能しないようです。
残念だけれど今回の企画はボツにして、地球での撮影で話を進めませんか」
そう番組ディレクターが謝罪してきたのがおよそ1か月前。
そして読点ヒロシ探検隊は今、十一門世界は
ミズハミシマ陸地の奥深く、沼連ね郷にいる。
「隊長、来て良かったですね」
普段は探検隊隊員に扮する劇団員、孫堂は感動うち震えていた。
せっかく下りた許可なのだから、プライベートで行こうじゃないか。
読点の提案に番組スタッフが同意し、何人かでミズハミシマへと渡ったのである。
「撮影機材一式使えなくて、番組は全部スタジオや地球ロケでの再現になるだろうけどな」
やはり探検隊隊員に扮する劇団員、南藤が現実的な事を言う。
「まあまあ二人とも。確かに機材は無い。
だが、我々には目も耳も鼻も、体の中に五感があるじゃないか。
五感のセンサーを全開にして、この世界の情報を持ち帰るんだ。
これはきっと素晴らしい探検になるぞ」
普段は役者なれども今はまさに探検隊隊長である、読点ヒロシは豪語した。
役者バカ一代とはよくぞ言ったもの。演技やなりきりなどではない。
「たいちょお~ あっちの沼地になんか人影がありましたよ~」
探検隊隊員であり、番組ディレクターの伊武平が叫んだ。
「ちょっとアレまさか本当にカッパなんじゃないですか!」
そう叫んだのは探検隊隊員であり番組スタッフの小平である。
「またまた、コダイラさん冗談キツいんだから~」
のんきに返答するのは探検隊隊員でありいまいち売れてないアイドル『じゅんま』である。
「いやいやいや、ほら、アレじゃないっすか!アレ!
何でカメラ使えないのかなぁ!」
そう叫んだのは探検隊隊員であり、番組カメラマンの繰平である。
彼らが見たもの、それは・・・!
「何ぞ御用です?」
てくてくと彼らに歩み寄ってきたのは、ミズハミシマ陸地に古くから暮らす獣人である。
地球の動物でたとえるならばカワウソのような姿をしており、頭の上に皿をかぶっていた。
「君は一体何者なんだね」
読点隊長が極めて冷静に尋ねると、正体不明の獣人は淡々と語った。
「ああ、そこの沼畑で農業やってますctgあふbuhふぁじょpn水ijmko,人のガンギといいます。
今日は用水路に釣りにきただけなんです?」
ガンギと名乗った獣人は、地球の物と比べても大差ないように見える釣竿を掲げた。
「待て。君の種族名は翻訳精霊が翻訳できなかったぞ。
まさか君はあの幻の大妖怪、カッパなのではないのか。
何よりの証拠に、頭に皿を乗せているではないか!」
隊長の鋭い指摘!だが、ガンギはやはりのほほんとしていた。
「カッパなんて知らないんです?」
さて、その様子を見聞きしていた翻訳精霊の一人。
「ほう。ctgあふbuhふぁじょpn水ijmko,人はカッパと翻訳すべきか」
と、思ったと通説では語られております。カッパは異世界に実在した!
ジャジャーン
おわり
- “頭に皿”というだけで河童!隊長はかなり異世界熱で舞い上がっている様子なんです? 機材はなくとも全員番組トーク口調なのは流石プロというべきか -- (名無しさん) 2013-07-24 22:35:22
- ふじおk…読点さん?翻訳加護が曇ったのはガンギさんを一目見て脳内直結で大妖怪だと思い込んだからなのか -- (としあき) 2013-07-26 21:16:51
- これは日本に戻った後に製作される再現映像でとっても怖い姿でガンギが描かれてしまうフラグ -- (名無しさん) 2013-07-26 23:59:53
- ガンギのちょっとした台詞と仕草が純朴で可愛らしい。隊長は頭に乗せた皿で条件反射したのでは -- (名無しさん) 2013-07-31 01:33:05
- ふじお、じゃない読点さんの熱意が天に届いてカッパと出会えたんです?ほかの同行者のプライベートなのにプロの演技吹いた -- (名無しさん) 2014-08-09 03:27:18
最終更新:2014年08月31日 02:09