【異世界漫才「自己紹介」】

「はいどーもー、いれう゛んずですよろしくおねがいしまーす」
「皆様、愛想の拍手はかまいませんよー」
「何言うとんねん」
「それでもね、無茶苦茶地味なコンビですけど今日は顔と名前と誕生日と身長体重と好きなモンと住所ぐらいは覚えて帰ってもらいますからねー」
「多い多い!顔と名前だけで十分やがな!」
「覚えたやつから帰っていいぞー」
「なんで学校の先生みたいに言うんや」
「お前には売れたい言う気持ちはないのかな!!!」
「そら売れたいけどやりすぎや!てか漫才中に自分の住んでるとこ晒すやつがどこにおんねん」
「だったらさ、アタシたちが、その記念すべき第一号に、なってやろうぜぇ!」(ノンスタさんぐらいのドヤ顔で)
「うっざ!」
「まぁこんな感じでやってます、人間とハーピーの地味なコンビですけど」
「待て待て。どこが地味やねん」
「角はない、鱗ない、耳短い、死んでない、エロくない」(一言一言ごとに俺をイジる、最後はチーンで)
「最後のはエルフに失礼やろ」
「は?誰もエルフとは言うてませんが」
「ぐっ・・・!」
「これだから万年発情期の人間は困りますなー。まったくエロフといい勝負だよ」(最後は毒吐き、ボソッと強く)
「今エロフ言うたなお前!?」
「もうちょっとキャラ強くしないとこの業界生き残れないよ」
「俺はええやんか、ただの人間やから」
「それが甘いって言ってるの。増えることしかない下半身直結種馬発情期ケンタウルスめ」
「これ以上敵を作るなや!」
「だからもうちょっと健全で強烈なキャラ作りが課題なんですよアタシらは」
「健全はともかく強烈なんはお前で十分やっちゅうねん」
「えー?アタシなんてぇー花も恥じらう乙女なのにぃーそんなこと求めちゃうぅー??」(ものすごいぶりっこ)
「やかましいわ。とにかくお前ちょっと俺につっこんでみ?」
「こう?」(デコ狙いで裏拳ツッコミ)
「胸まで隠れるやないかーい!もうええわ!」
「「どうも、ありがとうございましたー」」









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「ど、どうやろ?」
「面白くない」
「ばっさり斬りよった!?」
「・・・もう何回めよ、このやりとり。ほんと飽きないよねー」
「諦めへんでー!次こそは腹抱えて笑わしたるさかい首を笑って待っとけよー!!」

十津那学園、とある校舎の屋上。
慌ただしく走り去る一人の男子生徒と残されたネタ帳をため息混じりにめくるハーピー女生徒。

後にこの二人がお笑い界初の亜人夫婦漫才として一世を風靡するが、それはまた別のお話。


  • ばっさり!異世界からやってきた異種族の留学生には異世界のあれこれという人間にはないネタを持っているのが強みですね。どうやろと言われれば台詞を短くして掛け合いの回数を増やしてみてはという感想です -- (名無しさん) 2016-12-11 18:45:00
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最終更新:2013年08月05日 15:39