昔々のお話だ
ミズハミシマの片田舎に ある古い古いエビの部族が暮らしていた
彼らは多少すばしっこくはあったが 戦働きでめざましい成果もなく
国の中ではごくごく普通の 知る者も少ない部族だった
あるとき 東のほうから突然 竜のように大きな羽虫のバケモノが飛んできた
羽虫は海の上にいた村のものを食いちぎり 飛び去った後に残された卵からは
水の中を泳ぎ回るバケモノが生まれて 海の中に逃げた村人たちをも餌食にした
エビたちの村は次々襲われ 羽虫の討伐に向かった兵は誰も生きて帰らなかった
生き残った村人たちは絶望に震えた
やがてエビたちは ついに最後の村に追いつめられた
もはやこれまでと祈る人々の上に 絶望の羽音が近づいた時
これまでまったく聞いたことがない別の羽音が そこにまじりあった
驚き空を見上げた村人たちは そこに黒いイナゴの姿を見た
黒いイナゴは羽虫に挑みかかり 瞬く間にその大きな羽をずたずたに食い荒らしてしまった
苦しむ羽虫は しかしイナゴに首をはねられる最期の時 おびただしい数の卵をばらまいたのだ
突然の羽虫の死に喜ぶ村は たちまち阿鼻叫喚の地獄と化したのである
その時 不思議なことが起こった
卵から生まれるバケモノに食い荒らされるエビたちを見て イナゴはその体を黒い霧に変え あっという間に村中に広がったのだ
黒い霧は 食いちぎられた村人の体を元通り繋ぎ合わせただけではなく さらに大きな変化をもたらした
ある者には大きな鎌を与え その一振りはあっという間にバケモノの首をはね 心臓をくりぬいた
ある者には強い拳を与え その一撃はバケモノの骨も肉も木っ端微塵に打ち砕いた
気づけば 村にいたバケモノは一匹残らずいなくなっていた
これが シャコの起こりである
ヨドコ「…と、いうような話を昔おばあちゃんから聞いた」
カヅチ「あるあ…ないわ」
- アンチウイルスと種の進化細胞の両方を兼ね備えていたのだろうか飛蝗神。トンボとイナゴって狂暴だよね -- (としあき) 2013-11-21 22:35:35
- ひょっとしたらディルカカが見初めた進化するに値する種族だったのかも蝦蛄の元の種族 -- (名無しさん) 2013-11-22 23:28:10
- かつてマセバズに住んでたエビ族をディルカカの意思が助けた? -- (名無しさん) 2013-11-25 23:28:55
- 自らじゃなくて弱者側に働きかけて事態の解決を行った蝗が意外だった -- (とっしー) 2013-11-28 23:00:12
- 考えてみると昆虫と甲殻類の差ってなんだろって思った。ハイブリット生命体シャコ! -- (名無しさん) 2014-08-09 03:34:42
- 弱肉強食の図式が生物問わずあるであろう異世界で人は一体どれほどの階層にいるのでしょうか。絶望に救世主が登場するというところから弱者に変化と力を授けるというのは神の意思を少なからず感じました -- (名無しさん) 2018-04-01 19:27:43
最終更新:2013年11月22日 23:59