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【性態学者と後輩】

いつものようにお昼過ぎに外出し、性態学の為に色々調査していた。
そしていつものようにあまり成果を得られなかったあたしは、重い足取りで帰路に着き──
「あれっ……?」
オフィスの扉を開け、そこで見た光景にあたしは硬直した。
「おかえりなさいませ、サツキ様」
目をまんまるにして呆けているあたしの事など気にしていないかのような態度で、クーリエが口を開く。
それ自体はいつものやり取りだった。
来客用のソファに座っている彼女の腕の中に、制服姿の少女がいる事を除けば。
その制服には見覚えがあった。十津那学園高等部のものだ。
──かつて、あたしもそれを着て登校していたので間違いない。
「え~っと……なんで、そこにいるのかな……?」
「なかなか座り心地がいいですよ、このソファは。安物にしては」
「そーじゃなくて、その……」
「あぁ、これですか」
あたしは恐る恐るその少女を指すと、クーリエは少女を抱えながら、何事もなかったかのように答えた。
「サツキ様がエリスタリアに帰郷している間、彼女の部屋に厄介になりまして」
「うん、それはあたしが頼んだ事だからわかるけど」
「同居している際、妙に気に入られてしまいまして、現在ではこのような有様に」
淡々と答えるクーリエだが、抱いている少女の頭を撫でたりしている辺り、実はこの少女の事を気に入ってるんじゃあ…と思わずにはいられなかった。
と、あたし達のやりとりで目が覚めたのか、少女の身体がわずかに動く。
「うぅん……あれ、先輩何時の間にいたんです?」
少女はクーリエに抱かれたまま、目を擦りながらあたしに顔を向けた。
「莉々ちゃん、それあたしの台詞だって」
「やっと起きましたか、メス犬」
あたしが彼女──白星・莉々に対し物申そうとする途中で、クーリエが口を挟んできた。
「メス犬って……」
「妙に私に懐いてくるものですから、なんとなくそう呼ぶ事にしました」
「いや、でも流石に……」
真顔で答えるクーリエに引き気味になるあたし。
「違うの先輩、クーリエさんの事責めないで!」
「えっ……ええっ!?」
そんな中、莉々は身体を起こしてクーリエから離れると、あたしの前に詰め寄り弁明してきた。
「その……なんていうか、私もはじめはビックリしたけど、言われていくうちに心地よくなって……」
「なって……って、まぁ女の子同士でイチャつくのが好きな莉々らしいっちゃらしいけど」
「先輩、それじゃまるで私が変態みたいに聞こえるじゃない!?」
「いやでも実際そうでしょ、あたしがオトコノコだって知った時なんかすっごい反応だったし……」
「だって、これだけカワイイのにオトコノコだって知ったら、誰だって新しい道に目覚めちゃうじゃない!」
力説して疲れたのか、莉々はぜえぜえと息を荒げながらクーリエの座るソファに腰を下ろした。
「というわけでサツキ様、せっかく地球人の実験材料が手に入った事ですし、今回はこのメス犬で実験しましょう」
「妙~に活き活きしてるねクーリエ……。でも急にそんな事言われても莉々ちゃんにも心の準備ってもんが」
「大丈夫です! 私、少しでも先輩の役に立ってみたいって思ってここに来たんですからっ!」
「そ、そうなんだ……。じゃあ、準備してくるね」
「支度は早めにしてくださいサツキ様。あまり待たせると何時このメス犬が我慢できずに暴れるかわかりません」
もはやクーリエに反論する気力はなく、あたしはふらふらとした歩調でオフィスから一旦出て行く。
だが頭の中は期待でいっぱいになり、全身の体温が急上昇していくのを自覚すると、着替えや道具を取り出す為に自室に向かった。

こうして、あたしの性態研究にまた一人助手が増えたのであった。


  • また変ないや濃いキャラが増えた!研究室じゃなくてオフィス? -- (名無しさん) 2014-01-30 23:38:36
  • サツキの周りにはきっとこんなキャラばかりが集まってくるんでしょう?! -- (名無しさん) 2014-02-14 23:50:32
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最終更新:2014年01月30日 20:32