アットウィキロゴ

【四季】

ミズハミシマ 四季妖怪

春。

 夜行颪が、空高く飛び回ろうとする青鷺火を宥めている。ほんわかと温かい陽気が広がる。
 百目多足羅も騒がし過ぎず、やわらかい日差しとなり世界を照らす。
 土用蛇が様々な場所に顔を出し、百目多足羅の日差しを受けた花々が顔を出す。
 道真はゆっくりとした風となって駆けまわり、花々や人々を撫でていく。
 時たま、夏に向けて水越入道と道真が騒ぐこともあるが、夜行颪の元すぐさま大人しくなる。

夏。

 夜行颪が少しずつ姿を消す。
 水越入道と道真が良く良く目撃されるようになり梅雨となる。
 青鷺火が飛ぶ姿がちらほらと目撃されるようになる。
 狐火や朧車の目撃例が増えだすと、いよいよ梅雨明けだ。
 青鷺火がこの都市の上空を飛び、一瞬街に大きな影をつくる。本格的な夏の幕開けを告げる。
 度々、青鷺火が羽を休めるために姿を消すと、特大の水越入道が現れ、道真と共にひどく雨を降らせる。
 水越入道と道真の専有が長いと、腹を立てた土用蛇が山を崩してグズることがある。
 百目多足羅が青鷺火と共に絶えず光を照らすことで、生物たちは活発だ。
 水越入道や道真、土用蛇たちのやんちゃも、笑い飛ばしてくれる。

秋。

 上空を飛び回る青鷺火が、パタリと姿を消す。狐火や朧車は夏にしがみつくように陰地を照らし、植物は紅葉する。
 水越入道も姿を見せなくなってくる。
 百目多足羅は一つずつ眼を瞑っていき、徐々に薄暗い影を落とすようになる。
 影からは少しずつ、夜行颪が現れる。
 土用蛇は植物のために子守唄を歌い、草木を枯らしながら寝かしつける。
 冬に向け、道真は肌寒い風となり吹きつく。

冬。

 人々は夜行颪の影を目撃する機会が増える。
 水越入道が降らす雨は夜行颪の影を通って雪となることが多い。
 青鷺火は寒さで羽が鈍り高く飛べなくなる。ときたま百目多足羅に持ち上げられて、カラッっとして天気を運ぶことがある。
 土用蛇は、降り積もる雪から滅多に顔を出さず、土の下で植物の種と共に対話している。  
 道真は家の隙間から中に入り込み、外出せず思考に耽る人々に寒さと閃きを与えるとされる。



ミズハミシマ見られる高位の精霊の一部は、日本における妖怪のような姿を取ることが多い。
ある土地での各属性の高位精霊たちの変遷が、上のSSである。
亜熱帯であるミズハは基本的には火の高位精霊と水の高位精霊が幅を効かせていることだろうが、ミズハミシマには各精霊が折り合いを付けながら四季を織り成している都市も存在する。

火:青鷺火(アオサギノヒ)
燃え盛るサギのような精霊体を作ることがある。ミズハ上空を青鷺火が飛ぶと、本格的な夏が始まる合図である。
昼間、青鷺火の羽休めのために止まった木には光精霊が集まり、夜になると発光することがある。
水:水越入道(ミズコシニュウドウ)
巨大な人影のような精霊体を形成する。海洋上に水越入道が出ているのを見たなら、洗濯物をしまうといいだろう。近々雨が降る合図である。
土:土用蛇(ドヨウノヘビ)
土で出来た蛇やうなぎのような精霊体を形成する。土用蛇が出現した土地は耕作に適しているとされるが、土用蛇に無断で土いじりをするとその土地は不毛の大地となると言われいる。
風:道真(ドウシン)
雷状の男性用着物として精霊体を形成する。道真の放つ雷に打たれたものには閃きが与えられるとされる。過去に異世界からやってきた魂を、高位精霊が真似ているらしい。
光:百眼多足羅(ヒャクメダタラ)
百つの光源と多くの影を精霊体とする。その影は足のようにも見えるという。活性化を司るとも言われる。気分屋で色んな所を照らす。たまに頭部に毛髪のない種族を照らしたりする。
闇:夜行颪(ヤギョウノオロシ)
イノシシのような無数の影を精霊体として形成する。影はとらえどころがなく不定形で、見るものによって様々な解釈がなされる。角や牙をもつ動物の姿として目撃した場合は小さな幸運を運んでくる。逆に羽が生えた夜行颪を目撃した場合は、不吉の吉兆であるとされる。


  • 昔ミズハミシマに飛んだ風流人が日本に戻ってきて書いた放浪記みたいだな -- (名無しさん) 2014-08-29 23:07:59
  • 精霊の様々な姿をしっとりと語るのがミズハミシマとあってる素晴らしい切り口 -- (名無しさん) 2014-09-02 23:17:12
  • おおお…かなり本格的だ昔話みたい -- (名無しさん) 2015-05-08 23:43:22
名前:
コメント:

すべてのコメントを見る
-

タグ:

i
+ タグ編集
  • タグ:
  • i
最終更新:2014年08月28日 09:21