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【スラヴィア名所・カチパーデ大地下道】

 スラヴィア名所巡り 『カチパーデ大地下道』

スラヴィア各地に点在する名所でも取り分け目立ちつつも人の目から隠れたる不思議な場所、地底帝国言語にて血管の意を冠する『カチパーデ地下道』。
その大地下道はスラヴィアの起こりにしてスラヴィアンが異世界全土に認知されることになったスラフ島戦役に掘られたとされている。
掘ったのは唯の一人、多腕全身毛ムークスラヴィアンにしてスラヴィア最古の貴族の一角『岩窟王』。
異世界の陽の下ではその体が消滅してしまうスラヴィアンの日中の侵攻を助けたとされ、岩窟王の豪腕で押し固められた内部は石壁や木材の支えなどなしでも兵員移動による振動にも耐えた実績を持つ。
そんな地下道は現在スラヴィアンの日中の移動経路として一部区画が利用されている。
一部とされている訳は、戦役末期に対スラヴィアン戦術を構築した連合軍が仕掛けた罠が未だに残っているからである。
そんな危険区域は立ち入り禁止措置が取られているが、風化して一見では分からない侵入路や脆くなった岩盤などが崩落し一般人が迷い込むことも稀に発生するという。
幾許か自生する灯り苔が僅かにではあるが光源となるものの地図もなく右も左も分からぬ状況ではどうしようもない…と絶望してしまう、がよく目を凝らして見ると場違いに目立つ看板を発見するだろう。
『出口→』と大きく書かれた矢印に従い進むとまた看板が。 『出口→』『出口→』と進めば地上への通路もしくは安全区域へと脱するのだ。
日々地下道の罠除去と看板設置に精を出すのは岩窟王と共にスラヴィアの地下に迷宮を広げる『監獄姫』である。
暗い地下道で淡く輝く長い髪を揺らめかせ、小さな体に不釣合いな大きな腕で器用に作業をする姿を見かければ彼女である。
こちらの気配に気づけば長い獣耳をはためかせて走り寄り地下道の危険性から歩き方、果ては見所まで勝手に喋ってくれるだろう。
お礼に世間話の一つでもすれば、血管を流れる血流の如くスムーズな道程で望む場所まで案内してくれるかも知れない。
そんな大地下道の入り口には御利益確かな御安全ヘルメットが半ば御土産代わりに売られている。
今日も日中はスラヴィアンの往来するカチパーデ地下道でふと何かが聞こえてくる。
吹き抜ける風の音だろうかと耳を澄ませばそれは歌の様にも聞こえる。
テノール顔負けの太く芯強く響く美声は歌詞として流れる言葉の意味は分からずとも力の湧き出る不思議な歌。
それは穴を掘る岩窟王が時折歌うという地底の唄だと言われている。


  • バリトンとかバスじゃなくてテノールなのな岩窟王 -- (名無しさん) 2015-11-03 12:48:25
  • 島のどれくらいを地下道が走っているんだろう。目標スラヴィア全土とか? -- (名無しさん) 2015-11-07 04:33:27
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最終更新:2015年10月24日 02:42