「世の中には似たような顔が三つある」という言葉があるように、探せば色々似た様な種がいるのだわ。
異世界で今日も飛び走り泳ぐ種を紹介するのだわ。
亜竜飛種 羽毛有角目 通称:お喋り鳥 “賢亜翼”
頭部に竜角(鶏冠とも呼ばれる)を持つ空飛ぶ亜竜種なのだわ。
見た目は地球に生息する『鳩』に似ていると言われることがあるのだわ。
卵生で手の平サイズで生まれて成長すれば大人ニ、三人を乗せるくらいの大きさになるのだわ。
体は羽毛で覆われ鳥翼を持つことから鳥類と思われがちだが、脚などが竜鱗に覆われており亜竜の面影を見ることができるのだわ。
雑食で高い知能を持つのだけれども、特徴的なのは幼生期に角の根本が脳に刺さっているということなのだわ。
竜角には種族様々な力を秘めているのだけれども、その作用により角が脳より離れるまでの間は学習能力が非常に高くなるのだわ。
学習し高まった知能は身体にも少なからず影響を与え、状況次第では鳴き声も人語も発することも可能になるのだわ。
新天地の東方より渡ってきた種が異世界各地に飛んで増えたものの数はそう多くない種なのだわ。
産卵の時期になると樹上や茂みに巣を作り、孵化し子を育て飛べるようになると土地を離れる習性を持つのだわ。
継続飛行能力は高く上手く手懐けれれば頼もしい飛行獣になるのだわ。
種の生まれの逸話として、昔昔東大陸で力と智を揮った龍族の中でも特に知識を持った賢龍が己の知恵と意識を後世に残そうと自らの体を様々な生物に食わせたのだわ。
その体を食した生物の中で角を齧り食べた鳥が世代を重ねる毎に角を生やしていったというものがあるのだわ。
継続飛行能力:高い / 体躯:丸っこい / 知能:高い / 成長時:5メトル前後
亜竜飛種 羽毛双角目 通称:轟雷主 “黄金の冠”
灰と黒の鋼毛に覆われ青鱗鎧の様な翼を持つ大型の飛行亜竜種なのだわ。
主に厳しい気候環境が広がる辺境に棲息し、雷雲の中を金属音を響かせ羽ばたき飛ぶのだわ。
特徴は頭上に並び生える対角、透過する外殻の中は特殊な発光細胞が詰まっているのだわ。
その対角は『光精の砦』とも呼ばれ、内部に濃密な光精霊が存在するのだわ。
感情により細胞が活性化するのに呼応し光精霊が活動することにより雷撃を発生させるのだわ。
雷雲の中は光精霊の好む環境であり、その状況から発声させる雷撃は天に轟き地に落ち砕くのだわ。
好戦的な性質から辺境で生存競争を戦い空の強者として君臨しているのだわ。
長い寿命を持つ一生の中で数度数個しか卵を産まないために絶対数は少なく希少種とされているのだわ。
高い山や崖などに住処を作るのは他生物に襲われないようにするためでもあるのだわ。
元々角を持たない種であったが、寄生骨種と共生しているうちに新たな器官を持つ種と変異していったと言われているのだわ。
身体能力:高い / 外観:カッコイイ / 放電可能時間:10分程度 / 成長時:10メトル前後
亜竜飛種 多羽毛目 通称:毛むく鳥 “雪花綿”
寒さの厳しい凍える空も悠然と飛翔する、豊かな純白の羽毛が全身を覆う飛行亜竜種なのだわ。
北方未踏破地帯付近に棲息していたのだけれども土地は寒い環境ではなかったのだわ。
大規模な精霊濃度異常が発生し気候が大変動したことにより広範囲で温度低下と豪雪地帯化してしまったのだわ。
極端な寒さによる生物の移動制限は『凍氷の檻』と言われ、環境から抜け出すことのできない生物は否が応でも順応せざるを得なくなったのだわ。
吹雪の中で寄り添い熱を共有し、群れの塊そのものを『巣』とすることで凍土を移動し生存に成功した中で生まれた子はどんどん毛が長く豊かになっていったのだわ。
やがて単独でも寒さを克服する種が誕生するとそれらは極寒の地を飛び、餌を集め群れへと運んだのだわ。
そしてついには種そのものが寒さに順応したのだわ。
亜竜種の中では珍しく角を持っておらず鱗もまばらで豊富な脂肪と羽毛により見た目はかなり大きいのだわ。
生物の少ない凍土で生き残るために雑食化が進むのは勿論、持ち前の知能の高さから寒冷地植物の種を集め比較的温度の高い泉源地の周辺などで栽培するという習性も持つのだわ。
高い知能から人語を理解することも可能で、彼らに有用な物を提示すれば運んでくれたり寒さを凌ぐため羽毛に入れてもらえたりするのだわ。
体温:高い / 羽毛:ふわふわもこもこ / 性格:温和で知能的 / 成長時:8メトル前後
亜竜飛種 有角三眼目 通称:闇飛翼 “三界識”
一日のほとんどが闇に包まれるという辺境『暗の国』に棲息する特殊な飛行亜竜種なのだわ。
視界の届かない暗闇の中でも何の障害もなく飛ぶ彼らの秘密はその三つの眼にあるのだわ。
それぞれが『光・温度・振動』を捉え、更に発達した耳によって『音』も感知するために、普段一般の視界ではない独自の識界を有するのだわ。
元は龍人に従属する亜竜種であり、かつて龍族が他種族に対し起こした大戦の戦火から逃げ延びた龍人の巫女を守護していたのだわ。
『全て見通す目』を持つ巫女は様々な勢力から狙われており、追ってを防ぐために『暗の国』へ落ち延びたと言われているのだわ。
本能により巫女を護る彼らは長い龍人の生を終えたその亡骸をも護るためにその地に生き続けたのだわ。
彼らの領域を犯さない限りは大人しいのだけれども、一旦その聖域に一歩でも入ろうものなら鋭い爪と嘴が暗闇の四方八方から襲い掛かってくるのだわ。
そんな彼らが護る巫女の亡骸なのだけれども、何の運命の悪戯か頭部だけが消失してしまったのだわ。
まだ世界の何処かに巫女の頭が存在すると察知した彼らは種の中でも特に強い群れを異世界中の空へと送り出し捜索を続けているのだわ。
高い空からでも地表のあらゆるものを識別できるにも拘わらず、幾星霜を重ねた今現在でもまだ巫女の頭は見つかっていないのだわ。
龍の尾の如く長く伸びた髪に神秘性を帯びた巫女の頭部を見かけたら是非教えてあげて欲しいのだわ。
感知範囲:全周囲2km / 飛行距離:東大陸縦断 / 性質:冷静な攻撃性 / 成長時:6メトル前後
ワナヴァンのお仲間ちゃん想像
- 角が脳に刺さっとる…! -- (名無しさん) 2018-02-07 21:54:52
- Lタグ一発目でなんともカオスな。異世界のドラゴン派生の生物は色んなのがいそうね -- (名無しさん) 2018-02-08 23:29:43
最終更新:2018年02月07日 00:53