国の後押しを受ける国が認めた商人のスケールはとてつもなく大きい。
龍神を鎮め安泰をもたらした乙姫に心酔信奉する一族が、代々商人として富国に勤める中でその献身と実直から竜宮城が協力を決定した。
海の国とも言える
ミズハミシマが力と知恵を結集し建造した輸送特化の大船団は一度の交易で町を起こせるほどの物量を運ぶ。
圧倒的積載量は先導する旗船以外の輸送船から、推進力の一つである人力のスペースを削った結果である。そのために運航には波と風、牽引など外的な力が必須となる。
船そのものもミズハミシマならではの地上と海中の建材を組み合わせた特別性であり船底は水の滑りも良く、必要最低限の波風の力で進む。
今となっては規模の大きさから寄港可能な港湾が限られることとなったが、ミズハミシマ各地の港町の発展に寄与している。
旗船と輸送船は熱雨群島に生える樹木と大軟魚の皮を縒り編まれた良くしなり伸びる耐候性の高い太縄。入念な手入れを怠らないことによって五連結でも切れたことはない。
海運、海商の間で『富の連城』『潮市場』と呼ばれる大船団がこれからもミズハミシマをより豊かにしていくのは間違いないだろう。
海上を行く船の影に隠れるものの、ミズハミシマにはもう一つの目玉がある。
それはかつて龍神の横暴甚だしくあった頃に運用された海底を進む船。
災害とも言える龍神の影響から避難するために人が搭乗した後すぐに海中の潮流に乗り、その速度同様に進むのである。
帆は無く航路は潮流そのものであり、そこに入るもそこから出るも特異な操船技術と精霊や海中の理解が高い領域で必須である。
昔より海中で生きる魚人などの種族ならではの船と言える。
海上の気候に左右されず高速で進む海中船は積載量はそう多くないものの、急を要する荷や特別な品を運ぶのに重用される。
時代の先にミズハミシマがどれ程の発展を成し遂げるのか、現在では異世界のみならず地球からも熱い視線が送られている。
最終更新:2019年03月16日 19:57