皆さんこんにちは、第2回と第3回で私が今いる
異世界国家クルスベルグについて簡単に説明しましたが、今回はクルスベルグの住宅事情についてお話しようかと思います。
クルスベルグの住宅は
ドワーフと
ノームでかなり住宅の様子が違います。
ドワーフは固い岩盤を掘りぬいての洞窟住居がほとんどで、先祖代親から子へ子から孫へと補修や増築をされながら受け継がれていきます。
また兄弟などが新たに所帯を持つなどの場合は部屋のいくつかを改築し、新たに入り口を作り通路を岩と石膏で埋めたりドアなどで仕切ったりして新居を作るのが一般的です。
またこのような作業は親兄弟または親戚や近所の人たちなどが協力して行うもので、クルスベルグでは専門の建築業者やリフォーム業者のような職業は存在しません。
このようにして作られた洞窟住居は夏は涼しく冬は暖かい素晴らしい住居ですが難点もいくつかあります。
一つは明るさがどうしても不足してしまうこと、これは発光石という水と触れることで光る異世界だけに存在しクルスベルグで多く採掘される鉱石などを照明にして室内を明るくしたりしています。
もう一つは換気の問題、洞窟住居には空気穴や換気のための穴があることはあるのですが、どうしても湿気や煙が室内に篭りやすいため、古いつくりの洞窟住居には風呂と炊事場がない場合があります。
その代わり古いドワーフの住宅地にはどの家々からも近い場所に共同の炊事場があり、そこでドワーフの女性たちは食事の用意や食事の後片付けなどをし定期的にパンを焼いたりしています。
そしてお風呂ですが、こちらもドワーフの住宅地には必ずと言っていいほど共同の浴場があります。
また共同浴場の周辺や場合によっては浴場の中には軽食や飲み物を売る売店があり、仕事帰りのドワーフ男性は浴場で仕事の汚れと疲れを落とし、浴場の中や外の店で軽く飲んだり食べたりして小腹を満たしてから家路へつくというのがよくある光景です。
所帯のないドワーフの若者などはここで夕食を済ませ夜食を買って帰るなどということも多いようです。
そして今度はノームの住宅事情ですが、ノームの伝統的な住宅は半地下平屋建てが基本です。
地上部はレンガと木材をうまく組み合わせた作りで落ち着いたデザインですがオシャレな外観の家が多く、窓を有効的に使って明るい室内空間を演出しています。
その反面地下は食糧貯蔵庫や作業場になっていて、作業場は扉を閉めてしまえば上でどんなに騒がしくしていてもほとんど物音が気にならない防音構造になっていて、ここでノームの職人は外の騒がしさに悩まされることなく作業に没頭します。
ノームの住宅はドワーフの住宅と違い炊事場と風呂があるのも大きな違いの一つでしょう(燃料費の問題で毎日風呂を沸かすのはけっこうな贅沢という感じですが)
またドワーフの住居は隣近所との距離感が近く集合住宅的なイメージに近いのに対して、ノームの住居は戸建てで庭を柵で囲うなど近隣と距離を置きたがる傾向があります(別に人付き合いがしたくないというわけではないんですよ?)
しかし、ドワーフとノームに共通することがあります。それは天井の低さです。
ドワーフやノームは彼らの基準でどんなに大男でも身長は150cmに届きません。だから彼らとしては建物の天井は170cmもあれば十分開放的なのです。
しかし、これでは小柄な方なら問題ないかもしれませんが背の高い人は大変です。
こちらに移り住んでそこそこ長くなる私でも時々油断して梁に頭をぶつけて蹲ることが今でも時々あります。
妻とは時々改築のことで話をするのですが、妻は今のままで良いというので私はまだまだ当分頭のタンコブに悩まされそうです。
このコラムを読まれた読者の方がクルスベルグに来られる際はヘルメットを持参することを私は強くオススメします。
それではみなさんまた次回。
Berliner Morgenpost ネット配信版 20011年7月9日号より