【群乃先生】

「科学の群乃先生の授業って分かりやすいよな?」
「ああ、まるで個別授業受けてるみたいだぜ」
2限目が終了した後の休み時間に他愛のない会話を二人がしていると
「ああ、分かる分かる!あのセンセー、分かるまでしっかり教えてくれるもんね。まるでマンツーマンの授業受けてるみたい。
「うん。あの先生、教え方上手いし、美形だしで言うこと無いよね。狐のお耳としっぽがチャーミングだし…」
その他愛のない会話に暇を持て余した女子が加わってきた。よくある光景。

しかし、それが全ての始まりだったのだ…
「美形!?しっぽ?…たしかに美人だけど群乃先生のチャームポイントはとんがった耳だろ」
「とんがった耳?エルフみたく聞こえるけど先生はノームだろ?ロリっぽいのが可愛いんじゃないか」
「???
先生は男性でしょ?可愛いペンギン族の…」
喧々諤々
他の周りの生徒も混じって群乃先生の容姿をあーだこーだ言い出して収集がつかない。

「ふーん?あのセンセは妙なヒトだと思ったけど、見る人の好みの姿に見えるようにしてるのかしらね?」
離れた所で豆乳片手に事態の推移を見ていた彪はそう一人呟いた。
「ねえ?アニーたんはどう見えるの?」
「…何が?今いいところなんだけど」
シャーペンを机に立てる事に夢中になっているアニーは生返事を返す。
「群乃がどう見えるか」
「さいえんすの先生?」
「そそ」
それがどうかしたんだろうか?という表情でアニーは答える。
「背広着て帽子かぶってお髭生やしたおじいちゃんだけど?」
「……渋いセンスね」
微妙に何とも言えない顔をしている彪にアニーは返す。
「彪はどう見えるのよ?」
「…え?えーと…」
珍しく言い澱む彪。
「?」
「あ、アニーちゃん豆乳飲む?」
「いらないわよ。飲みかけじゃない」
「じゃあ!新しいの買いに行こっか?」
彪はそう言うとクエッションマークが浮かぶアニーを引きずって買い出しにダッシュした。
「ちょっと!?次の授業は?」
「あー、サボリサボリ!アニーたんもいくっしょ?外までついてきてくれるなら駄菓子屋みにぃで酢昆布おごるわよ?」
「……ほんと!?じゃあ行く」
さらっと今までのやり取りどころか授業を受ける義務を忘れて走りだすアニー。
彪はほっとしながらアニーに負けずにダッシュする。

気安い彼女にも言い難いこともあるのだ。
まあ、いつかは言う時も来るかもしれないが…


  • なんて便利な教鞭取りの群乃先生。成果が出ているのなら怪しくたってOK! しかし一人小学生状態なアニーちゃんだ -- (名無しさん) 2012-05-15 12:21:39
  • レギオンの学園での姿でしょうか?一見友好そうですが彪にどのように見えているのかが気になりますね -- (名無しさん) 2014-03-02 16:59:53
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最終更新:2012年04月08日 22:29