在り続けるとはどういうことなのか。
かつて何もなかった我は、ただ破壊と共にあった。
他に何も考えられぬ
それが愛なのでございましょう
唯の一人しか愛せぬ我が姫に施した業
愛には様々な形がありましょう。 それに、それは…
姫自ら願い出たものであった
我の中にしかと残る言葉。 しかしそれを言ったのが何者なのか、最早我の記憶にはない。
そう、今の我の記憶と心は唯一人のためにある。
大
ゲートの解放により全てのゲートを繋ぐ
先程まで聞き流していただけの死神の弁だが、その一言が我の心を突き刺した。
我の愛する美しいオトヒメ
美しいオトヒメの祭り
世界中から人々が訪れ、その美しさを知る
世界中から賞賛されるオトヒメ
オトヒメは喜ぶ
そして夜は心良いまましっぽり
我は嬉しい
そうと決まればすぐにでも動かねば。
と思った矢先に死神が解散を告げた。
さてどうするかどうしたものか。
城に顔を出すか天より告げるかすれば国は祭りのために動くであろう。
しかしそれだけで成功するであろうか。
我が人の身になりて降りたとて、出来る事と言えば
姫を見守るくらいであろう。
そういえば。
そういえば、少し前に催された丘と海を結ぶふぇすてぃばるという祭りは大盛況だったと聞いた。
国に住む種はもとより、外より祭りに訪れた者にも評良しで終えたという。
未だ確執と蟠りの残る丘と海を一所にした上に成功させる手腕の持ち主。
確か異なる世界より訪れし人間、びんわんぷろでゅうさぁなる者。
うむ、捕らえ…いや、締め上げ…いやいや、御触れでも発し見つけて頼むとしよう。
ただ何の目的もなく存在するだけで破壊を撒き散らしていた我が、
愛を知った今では、姫のためであれば頭を下げることすら厭わなく思う。
胸の奥から沸き上がる昂ぶりが恥じなどすぐに掻き消してしまうのだ。
…出来ることなら我と姫が共に舞いを奉納などしたいものだ…
あれこれと思いを廻らすシマハミスサノタツノミコトの尾はどすんどすんと激しく揺れていた。
スレでのオトヒメにまつわるレスが興味深かったので思わず龍神の大ゲート祭とはどういうものだったのか?と考えました。
- オトヒメに「嫌いです!」とプンスカ顔で言われたら灰になりそうだよね龍神 -- (名無しさん) 2012-07-14 21:22:41
- 多分灰じゃなくて塩の柱になって崩れ去るね。で、竜宮奥深くでいじけるね。 -- (名無しさん) 2012-07-14 21:28:16
- 乙姫を深く愛している以上の感情を生まれ変わったというくらいに変化した荒ぶる神に見ました。龍神の力が乙姫にはたらいている以上その関係はどこまで続くんでしょうか -- (名無しさん) 2014-09-28 17:52:18
最終更新:2012年07月14日 02:24