【いにしえのうた】

日本、瀬戸内、ポートアイランド。
ここは私立十津那学園。地球と異世界の交流を目的とした巨大総合学園である。

  らー…りゅらー…らー…

学園の外れに聳え立つ大時計塔の頂上に腰を掛けて、一人の少女が異世界の歌を口ずさんでいる。
少女の透明な歌声が、瀬戸内の潮風に乗ってどこまでもどこまでも遠く響き渡っていく。
透きとおるように白い肌ときらきらと輝く銀の髪。春の陽ざしのように麗かな風情。
そして額の中央に、まるで砕け散った角の根元ような大きな傷跡。

ふと地上を見下ろすと、一人の竜人の少女が息を切らせて走っているのが目に入る。
異世界からの転入生だろうか。地球製の制服がまだ身体に馴染んでいない。
小路小路で道を確かめながら、港から学園に続く坂道を駈け登っていく。
銀髪の少女はどこか懐かしげな眼差しで竜人の少女を見つめている。
やがて竜人の少女は学園の付属施設である博物館に入っていった。

それを見届けた銀髪の少女は、にっこりと微笑み大時計塔の頂上から無造作に飛び降りた。





時遡ること数百年前。

天空に轟々と渦巻く無数の光精と闇精。
ミズハミシマ列島最北端の孤島、マガツオオシマ。
鬱蒼と茂る暗い森を前にして、一人の竜人の武者が立っている。
眼光鋭く容貌魁偉。刃渡り三尺五寸柄長五尺の大薙刀『髭切』を持ち、身の丈七尺を超える偉丈夫である。
竜人の名はカイエン。まつろわぬ者を狩る為に武と術を極めた武者『鬼狩』であった。

「精霊を使った隠術か。小賢しい」

カイエンは忌々し気に呟くと、裂帛の気合と共に髭切の柄尻を地面に叩きつけた。
周囲の空間から滲み出るように無数の闇精が姿を現し、灰を散らすように逃げ去っていく。
闇精が逃げ去ると同時に、眼前の空中に見たことも無い異形の躍字が出現した。
途轍もない密度と複雑さ。恐らく複数の躍字を組み上げたのだろう。
鬼の術師が闇精を使って周囲の景色に溶け込ませていたのだ。

「鬼風情が躍字を使うか」

カイエンは眼前に立ちはだかる未知の躍字を睨み据え、その構造の解析を開始した。
偏・旁・冠・脚・構・垂・繞。複雑に絡み合う躍字の構成要素。

「見えたぞ」

立体的に絡み合う複数の躍字の中に巧妙に隠された、全ての要となる躍字『括』。
カイエンは百斤はある大薙刀を閃かせ、その切先で空中に対抗躍字『解』を描いた。
相克する『括』と『解』が絡み合い、喰らい合い、溶けるように空中に消えていく。
束縛から解き放たれた躍字たちがくるくると宙を舞う。

      『禁』
   『封』   『隠』

   『靜』   『幻』
      『離』

すかさずカイエンは大薙刀の切先で一息に対抗躍字を描いた。
『禁』に『許』 『隠』に『顕』 『幻』に『現』
『離』に『来』 『靜』に『音』 『封』に『開』
躍字の効果が消え、眼前の光景が一変し巨大な石造りの鳥居が出現した。
巨大な鳥居の向こうに、無数の石段と幾重にも連なる朱塗の鳥居が山上まで続いている。
鱗族のそれと異なる独特な様式の鬼鳥居。鱗族の侵攻から逃れたまつろわぬ者どもの隠れ里の標。
鬼族の残り少ない安息の地が、また一つその在り処を曝かれたのだ。 

既に十年近く続く鱗族によるミズハミシマ地上侵攻。
統一国家を持たず緩やかな部族連合でしかなかった鬼族は、個体としては強大な戦闘力を持ちながら
鱗族の圧倒的な兵力と洗練された用兵術、そして手段を選ばぬ謀略に各個撃破され、次々とその生存領域を失っていった。
ある部族は最後の一兵まで抵抗を続け、ある部族は隠れ里に身を隠し、またある部族は一族の故地を捨て北方へと逃れた。
陸棲鱗族を主体とする士族達のミズハミシマ地上侵攻は、その最終段階を迎えつつあった。

  らー…りゅー…るらー

躍字の結界が解けた途端、高く澄んだ幼女の声が風に乗って微かに聞こえてくる。

「行け」

カイエンは髭切の柄尻を地に突き立て、低い声で命じた。
それに応えて地面に伸びた薙刀の影がむくりと頭を擡げ、矢の速度で地を滑るように走り去って行った。
影に見えたのは子飼いの闇精である。闇精はこれまでの道程を遡り後続の鬼狩に隠れ里の在り処を伝えるだろう。
闇精の影矢が走り去ったのを見届け、カイエンはゆっくりと石段を登り始めた。

◇◇◇

それは延々と続く死の罠だった。
『斬』『潰』『扼』『轢』『烙』『裂』『剥』
カイエンは踏み出す足に氣を込めながら、一段一段ゆっくりと石段を上っていく。
一歩足を踏み下ろす度に、石段から滲み出た躍字が宙を舞って侵入者に襲いかかる。
対抗躍字に相殺されて躍字が宙に溶けて消える度に、目の前に新たな石段が出現する。
カイエンは次々と襲い来る躍字を片端から斬り捨てながら考え続けていた。
この禁術の密度は尋常ではない。恐るべき術者が待ち受けている。
この先に何かがある。

三百段ばかり上ったところで、開けた空間に出た。
それは巨大な祭壇であった。巨石で組まれた環状列石にぐるりと注連縄が廻らされている。
そこでカイエンを待ち受けていたのは、各々が武器と松明を手にした十人程の戦鬼の一群。
黒鬼、赤鬼、青鬼。種々雑多な鬼達から成る異様な集団。いずれも歳を経た古強者であろう。
中央の小柄な白鬼の老人が鬼達の長か。優に五寸を超える額の角は相当な神通力の証である。
カイエンは鬼の群れをぐるりと睨め回し、錆を含んだ低い声で呟いた。

「年寄りしか居らぬな。女子供は何処かに隠したか」
「我が術をこうも易々と破るとは恐るべき武者。然らば次は現身の闘いとなるか」
「飽きるほど鋼を喰らったのであろうが、鬼が武で我等『鬼狩』に敵うと思うか」
「重々承知。しかし我等もむざむざ狩られる訳にはゆかぬのでな…征くぞ、竜人」

鬼達が口々に自らの真名を唱え始める。
赤鬼の筋肉が漣の様に粟立つ。肉体が一回り巨大化し爪と牙が軋みながら伸びていく。
黒鬼の皮膚に針金の様な剛毛が生え、蒼黒い光沢を放つ金属の鎧が全身を覆っていく。
青鬼の全身に躍字の刺青が浮かび、青白い炎の大蛇がのたうちながら全身に絡みつく。
いずれも生来温和で争いを好まぬ鬼族がその生涯で幾度も取ることのない武装形態である。
鬼達を見回して、カイエンは鋼の如く無表情なその貌に獰猛な笑みを浮かべた。

「それで良い。存分に戦え」

暗い森に、鬼達の咆哮と剣戟の音が鳴り響いた。

◇◇◇

半刻後。折り重なる鬼達の骸の中にカイエンが一人立ち尽くしていた。
カイエンの全身が己の血と鬼達の返り血で湯を被ったように赤く濡れそぼっている。
その足元に致命傷を受けた白鬼の長老が蹲り、苦しそうに喘ぎながらカイエンを見上げている。

「竜人よ…村を焼き、土地を奪い、若者どもを殺し、我等からこれ以上何を奪うというのか」
「一切の希望だ」

竜人の言葉のあまりの酷薄さに白鬼の長老は息を呑んだ。

「お前たちは偽りの絶望の背後に一片の希望を隠している。
 希望は気力を生み、気力は抗心を生む。故に一片の希望も残さず潰さねばならぬ。
 我はまつろわぬ者どもを悉く討ち滅ぼすべしとの命を賜りこの地に来た。
 じき後続の兵が来る。答えよ、お前達の希望の在り処を」

長老は悲しそうに目を伏せ、深い溜息を吐いた。

「無残な事よ…人の情も愛も知らずして何の為の生か、何の為の死か」
「戯言を。生死に良しも悪しも無い」

長老は幼子をあやす老爺のような笑みを浮かべ、ゆっくりと首を振った。

「いやいやそれが有るのじゃ。左様、これから儂が迎える死はまず"良き死"と言えるであろう」
「良き死、だと?」
「つまりこういうことよ」

次の瞬間、長老の角がカイエンの心臓目がけ凄まじい速度で伸長した。
カイエンはとっさに身を捻りながら『髭切』で長老の首を薙いだ。
地に転がった長老の首は確かに満足そうな笑みを浮かべていた。

  りゅー…るらー…らー…

再び、どこからともなく微かに響く童唄。
生き残りの鬼の子供か。鬼は余さず狩らねばならぬ。
カイエンは声が聴こえる方角に向ってゆっくりと歩を進めた。

◇◇◇

唄声は環状列石の中央にある巨大な磐座(いわくら)の奥から届いていた。
磐座の背面に据えられた巨大な石蓋を除けると、その奥に下りの石段がどこまでも続いていた。
カイエンは唄声に誘われるように、一歩一歩石段を下って行った。

ぼとり、ぼとりとどす黒く濁った血が零れ続ける。全身の傷口から瘴気の黒煙が立ち上る。
白鬼の長老は恐るべき躍字の使い手だった。『怨』『祟』『恨』。最凶の躍字がカイエンの全身を蝕む。
そして長老の角。辛うじて心臓は外したが、カイエンの右肩の付け根に黒々と丸い傷痕が穿たれている。
傷口からどす黒い血が止め処なく零れ続けている。長老の怨念か、血は一向に止まる気配を見せない。
しかしカイエンは一向に動ぜず、ゆっくりと真暗な石段を下り続けている。
カイエンは歩きながら、白鬼の長老の言葉を思い出していた。

 "人の情も愛も知らずして何の為の生か、何の為の死か"

下らぬ。戦に生き、戦に死す。武人とはそういうものだ。
己は唯の刃に過ぎぬ。刃は意志を持ってはならぬ。勅命を果たすこと、まつろわぬ者を滅ぼすこと。それだけだ。
しかしカイエンの脳裏から長老の死顔が離れない。
良き死、長老はそう言った。

  らー…りゅー…るー…

カイエンは唄声に導かれるように石段を下っていく。上りと異なり罠も障害も一切無かった。
石道の奥から湿った風に乗って強い潮の香りが運ばれてくる。そして歩を進める毎に強まっていく強烈な神気。
気が遠くなるくらい長い下りの石段は、やがて巨大な洞窟につながった。

◇◇◇

そこは百尋四方はある巨大な空間だった。
高い天井から無数の鍾乳石が垂れ下がり、洞窟の奥はそのまま穏やかに揺れる暗い海面に繋がっている。
そして洞窟の奥の入り江に浮かぶ巨大な丸い影。帆も櫂もなく金属製の椀を二つ合わせた異形の船。
どう見ても外洋を航行する構造ではない。他の全てを犠牲にして堅牢さを追求した造り。
そして船殻にびっしりと刻まれた『転位』とも『跳躍』とも微妙に異なる未知の躍字。
カイエンは確信した。古事の記にある『虚ろ船』。これが鬼どもの希望とやらか。
いずれにせよ鬼風情に造れる代物ではない。手引きするものが居る。

カイエンは海面の微かな揺らぎに集中した。
全ての水には流れの筋がある。水面に現れるその筋を読み、深淵に潜む影を見抜く。導水功の一種、『読水』である。
カイエンの眼は、暗い水底で蠢く巨大な影とそれを取り巻く多数の小さな影を正確に読み取っていた。
大海蛇と人魚たち。龍神の寵愛を一身に受ける"半神"とも呼ぶべき存在、乙姫。その眷属たちが密かに鬼どもと通じていたのだ。
元々、水棲鱗族を中心とする祀族達はミズハミシマの地上制覇に積極的ではなかった。しかしこれは明白な裏切りである。

無論、主として陸棲鱗族から成る士族達も一枚岩ではではない。
鬼族との共存を唱える者、一定の領土を切り取って良しとする者、征服者として君臨すべしと唱える者。
様々な派閥がそれぞれの思惑で動く中、最も武断的な一派が『鬼狩』を造り出した。
まつろわぬ者どもを殲滅すべし。鬼を狩る為に練り上げられた技と術。
乙姫への尊崇の念は変わらない。しかしミズハミシマの地上制覇は龍神の神勅である。

(……手緩い)

カイエンは虚ろ船に近づこうとして一瞬立ち止まった。  
視界が霞み、その頑強な肉体が揺らぐ。血を流し過ぎたか。
ふと視界の端に、虚ろ船の上にちょこんと座る白鬼の幼子が映る。
カイエンと目が合い、白鬼の幼子がにっこりとあどけなく笑った。
次の瞬間、目の前が急速に暗くなりカイエンの意識は暗黒の淵に沈んでいった。

◇◇◇

  るらー…りゅー…らー…

子守唄が聞こえる。
それは母親が子供をあやす歌。
しかし歌っているのは幼子の声だ。
カイエンのうめき声に気付き、歌声が止んだ。
眼を開けると岩窟の天井が見える。その手前に心配そうに覗き込む白鬼の幼子の顔。
首を曲げて周囲を伺うと、やや離れて護衛のように黒鬼の娘が立っている。
十四、五歳くらいだろうか。少年のようにすらりとした肢体。微塵の隙も無い身のこなし。
起き上がろうとするカイエンを、白鬼の幼子が必死に止める。

「あー、うあー…」

口がきけぬのか。鬼の幼子が心配そうに声を上げる。
身体に全く力が入らずカイエンは再び地面に身体を横たえた。
黒鬼の娘がカイエンの口に椀をあてがい、温い薬湯を注ぎ込む。

「呑まねば死ぬぞ」

拒む力も無い。カイエンは口の端から滴を零しながら薬湯を嚥下した。
温かくとろりとした甘露が五臓六腑に沁み渡る。痛みが和らぎ四肢と丹田に活力が戻る。
ほっとしたように白鬼の幼子が微笑む。急激な眠気に誘われカイエンは再び意識を失った。

カイエンはそれから丸一昼夜眠り続けた。時折目を覚ますと枕元にはいつも白鬼の幼子が居た。
心配そうに覗き込んでいる時もあれば、看病疲れで正坐しながらうつらうつらしている時もあった。
長老の角に抉られた傷は塞がる気配すら見せず、流血と躍毒に頑強な肉体もみるみる衰えていった。
それでもカイエンが生き長らえたのは、白鬼の幼子がなにかれとカイエンの世話を焼いたからであった。
傷口を洗い、薬湯と粥を口元に運び、額の汗を拭う。理由を訊いても白鬼の幼子は首を傾げるばかりだった。
白鬼の幼子にとって怪我人は労わるもの、ただそれだけだった。

頬に雫が垂れる感蝕。熱にうなされた後の何度目かの目覚め。
枕元でこっくりこっくり居眠りしている白鬼の幼子の口から涎が垂れている。
あれから黒鬼の娘は一切姿を見せていない。カイエンは改めて白鬼の幼子を見つめる。
銀髪と白い肌。何の変哲もない白鬼の幼子だ。しかし幼いとはいえ白鬼にしては角が小さすぎる。
微かな違和感がカイエンの脳裏に浮かぶ。何かが隠蔽されている。
カイエンは直観に身を任せて己が血で白鬼の幼子の額に『顕』の躍字を描いた。
その途端、幾つかの躍字が弾け飛んだ。
『隠』『矮』『縮』
躍字たちが蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていく。
そして現れたのは、小さな額に聳え立つ巨大な水晶の角。
長さは優に一尺八寸に及び、内部から朧な燐光を放っている。
カイエンは戦慄した。あの恐るべき長老すら遥かに凌駕する巨大な角。
どれほどの神力を秘めているか見当も付かぬ。虚ろ船ではない。この白鬼の幼子が鬼どもの切り札か。
今のうちに刈り取らねばならぬ。ここで殺しておかねば、いずれ恐るべき力を振るい鱗族に仇為す存在になる。
カイエンは軋む身体を無理矢理起こし、手探りで髭切を探した。驚くべき事に髭切は枕元に無造作に置かれていた。
白鬼の幼子は小さい膝をきちんと折りたたみ、鼻提灯を膨らませてこっくりこっくり居眠りしている。
限界まで膨らんだ鼻提灯が割れた弾みでころんと仰向けに転がり、へそを丸出しにしてかーかー寝息を立て始めた。
カイエンは柄に手を置いたまましばらく白鬼の幼子を見詰め、やがて柄から手を離して白鬼の幼子の腹にそっと布を掛けた。

「どうした竜人。殺さぬのか」

突然、澄んだ鈴の音の様な声が響いた。いつの間にかカイエンの背後に黒鬼の娘が腕を組んで立っている。
カイエンは内心舌を巻いていた。完璧な隠形だ。声をかけられるまで黒鬼の娘の存在に気付きもしなかった。
カイエンは黒鬼の娘を睨み、腹の中の疑問を吐き出した。

「何故俺を助けた。何故俺を殺さぬ」
「では、貴様は何故その子を殺さぬのだ?」

笑いを含んだ黒鬼の娘の問いにカイエンは答えられなかった。
カイエン自身、己の行為に驚愕していたのだ。

「それに貴様は助かった訳ではないぞ。その傷はあの長老が死力を尽くして貴様に刻んだもの。
 私ではとても手に負えん。諦めろ」

言われずとも判っていた。刻一刻と傷口から生命が零れ落ちている。
恐らく保って二、三日の命だ。

「眼が覚めたのなら丁度いい。来い」

黒鬼の娘に促され、カイエンは軋む身体を無理やり起こし髭切を杖代わりにして立ちあがった。
誘われるまま海面にたゆたう虚ろ船に歩み寄る。乗り込む為に使うのだろう。海面に小船が浮かんでいる。
黒鬼の娘はカイエンを乗せると、器用に櫂を操り小船を巨大な虚ろ船に寄せた。

「見ろ」

虚ろ船の外周をぐるりと丸い覗き窓が取り囲んでいる。
覗き窓には水晶のような透明で硬質の材質の物体が嵌め込まれている。
内部を覗くと虚ろ船の中に襁褓に包まれた大勢の鬼の赤ん坊が眠っていた。

「……何故、これを俺に見せた」
「その意味はお前自身で考えろ」

カイエンは、言葉もなくただ虚ろ船の中で眠る鬼の赤ん坊たちを見つめ続けている。
我も衰えたものだ。これまでの生を武に捧げてきた竜人の武者は心の中でしみじみと溢した。

◇◇◇

轟々と天空に舞う無数の光精と闇精。
暗い海面に聳え立つ巖山。鬱蒼と木々が茂る山々。
巨大な石の鳥居の前に立つ六つの人影。六人の鬼狩。

「此処か」
「間違い無い。既に結界が破られている」
「恐るべき神気…これが『不鬼王』か」
「祀族どもより先に身柄を押さえる」
「往くぞ」
「応」

カイエンが放った闇精の影矢を受け、後続の鬼狩達が到着したのだ。
六つの影が、結界の解かれた石段を漆黒の風のように駆け上っていく。

◇◇◇

「来たか」

黒鬼の娘は振り返って地上に続く洞窟の奥を睨んだ。
カイエンもまた只ならぬ気配を察知していた。後続の鬼狩達が遂にこの地に辿り着いたのだ。
カイエンと同様に、鋼のように冷たく硬い心を持つ生粋の武人。選りすぐりの精鋭たち。
彼らは容赦なく白鬼の幼子や鬼の赤子たちを皆殺しにして虚ろ船を焼き払うだろう。
当然のことだ。何を思い悩むのか。それが我等『鬼狩』が賜った御役目ではないか。
だが、カイエンは堅い石ころのようにどうしてもその考えを呑み込むことが出来なかった。
盛大に鼻提灯が割れ、白鬼の幼子が目を覚ました。寝ぼけた顔で目を擦っている。

「うー…?」

石の様に固まって動かないカイエンを案じて白鬼の幼子がよたよたと歩み寄ってくる。
カイエンは幼子に視線を移すと、しばらく幼子の顔を見詰めた。
幼子は不思議そうな顔をしてじっと見つめ返している。
カイエンは、ふと思い出したように礼を言った。

「世話になった。お前の呉れた粥は存外美味かったぞ」

初めて聞くカイエンの言葉に白鬼の幼子はぽかんとして、それからとても嬉しそうににっこりと笑った。
結局、この笑顔がカイエンの心を決めた。
カイエンはおもむろに己の血で髭切の柄に何やら文字を書き付けると、傍らの白鬼の幼子に髭切を預けた。

「今宵は唄うな。この『髭切』はお前に預ける。俺の代わりと思え」

大薙刀を手渡された白鬼の幼子はその重さに耐えきれず、ふらふらと十歩も後ろによろけてぺたんと尻餅を突いた。
カイエンは小船に備え付けられた櫂を手に取り、軽く一振りして頷く。

「うむ。これで良い」
「奴等かなりの使い手だな。私も行こう」

黒鬼の娘が不敵に笑って立ちあがった。額の一本角が赤熱化している。
しかしカイエンは猛る黒鬼の娘を穏やかに制した。

「俺一人で良い。お前にはお前の役目があるのだろう」
「馬鹿な。一人では良くて相討ちだぞ」
「どうせ長くはもたん。それに追手に少々心当たりがあってな」
「鬼狩が鬼の子を護るか。どういう心境の変化だ?」

二人の遣り取りを心配そうに見ていた白鬼の幼子は、カイエンの意図を知って目をまん丸にして驚いた。
白鬼の幼子がとてとてと駆け寄りカイエンを必死に押し止める。あまりにか弱い力にカイエンは思わず笑みを溢した。
カイエンは白鬼の幼子の頭にやさしく掌をおいてそっと傍に押しやり、振り返って海中の人魚達に大声で命じた。

「人魚どもよ!時間が無い、今すぐこの船を沖に出せ!」

カイエンは松明から燃え盛る木切れを取り、船の櫂を担いで地上に続く石段を登って行った。
白鬼の幼子はへたりと座り込んで、呆然とカイエンの後姿を見送っていた。
黒鬼の娘は無言のまま腕組みをしていた。

◇◇◇

無数の光精と闇精が轟々と天空を舞う。
疾風の如く石段を駆け上ってくる六人の鬼狩たち。
石段を登り切ると、炎に包まれた広場の中央に松明と櫂の手にしたカイエンが立っていた。
鬼達の骸が激しい炎で焼かれ、肉と髪の毛が焼け焦げる異臭が周囲に立ち込めている。
カイエンは後続の鬼狩の長に声をかけた。

「久しいな、シエンよ」
「兄上こそ壮健そうで何より。遂に鬼どもの残党を追い詰めましたな。
 明朝には千の軍勢がこの島を取り囲む。蟻一匹這い出る隙は有りませぬ」

後続の鬼狩の長、竜人シエンはカイエンの実弟であった。
カイエンに比べてやや線は細いが、鋭さと気性の激しさは兄に勝る。
先遣と後続が合流したとは思えぬ程に剣呑な空気が場に漂っている。
後続の長シエンは親しげな笑みを絶やさずにさりげなく訊いた。

「ところで兄上、伝家の『髭切』はどうなされた」
「不覚を取ってな、鬼どもに奪われたのだ」

兄の答えにシエンは目を細めた。

「なるほど。あれは鱗族の鱗を斬れぬよう躍字で括られておりますからな」
「妙に含んだ物言いをする。気に入らぬな」

穏やかな口調のまま双方の体内に硬く鋭い殺気が練り上げられていく。
残る五人の鬼狩がカイエンを取り囲むようにゆっくりと展開していく。

「ではお伺いしよう。兄上は何故鬼どもを殺さず見逃そうとなさるのですかな?」
「戯けた事を。見てのとおり、この島の鬼どもは全て塵と灰に化した」

シエンの口調ががらりと変わった。

「惚けまいぞ。『虚ろ船』の一件は祀族の裏切り者が全て吐いたわ」

人魚どもが捕まったか。おそらく竜宮内部で凄まじい暗闘があったのだろう。
士族の軍勢の展開が思いの他速い。止むを得ぬ。カイエンは腹を括った。

「許せよ」

突如、周囲の炎の中から『睡』の躍字が飛び出した。
並みの使い手であればたちまち前後不覚に眠り込んでしまっていただろう。
だが六人の鬼狩は各々が百の兵に匹敵する手錬。それぞれ対抗躍字『醒』でこれを相殺していた。
にも関わらず、カイエンの背後に立っていた鬼狩の一人が声も立てずに地面に崩れ落ちる。
カイエンは躍字を放つと同時に真後の鬼狩の水月に正確に櫂の先端を叩き込んでいたのだ。
シエンは体内で練り上げた殺気の刃をぎらりと抜き放った。

「愚かな。鬼どもの妖術に誑かされたか」
「そうかも知れんな。ところでシエン、お前は"良き死"とはいかなるものと考えるか」
「下らぬ。死に良きも悪しきもない」
「全くだ。さあ来い、久しぶりに兄が遊んでやろう」

五人の武者が得物を構えた。鋼の様に冷たい殺気。微塵の隙も無い陣と構え。
伊達に鬼狩に選ばれていない。中でもシエンは兄カイエンに匹敵する使い手である。
一対一でも油断ならぬ相手が五人。しかもこちらは手負いで得物は船の櫂。
血が滾る。カイエンの口元に獰猛な笑みが浮かんだ。
良き生など知らぬ。まして良き死など。
だが今から始まる闘いは、間違いなく"良き闘い"になる。
刻と氣が満ち、やがて無言のまま最期の死闘が始まった。

◇◇◇

そして、人魚たちに導かれ鬼族の赤子たちを乗せた虚ろ船が出航した。
竜人が洞窟の坂を登ってから既に半刻が経過していた。

「もう少し『力』を溜めてから跳びたかったのですが、止むを得ますまい…」
「あぁー…あうー…うぅー…」
「あの竜人の事は案じなさいますな。
 これも自ら望んでの事。命の使い道は己が決めるものです」
「うぅ……」
「今から始めて夜明けに間に合うかどうか…お急ぎくださいますよう」

白鬼の幼子は悲しそうにこくりと頷いて目を瞑った。
すうっと息を吸いこんで、ぴたりと止める。

  らー……

不思議な歌声が虚ろ船の内部に響き渡る。
巨大な水晶の角の中心に微かな輝きが宿る。
虚ろ船の金属製の船殻が共鳴し歌声を増幅する。

  りゅらー…

襁褓に包まれた鬼の赤子たちが歌声に加わる。
輝きはどんどん増して虚ろ船全体を満たしていく。

  るー…らー…

光がまばゆさを増し、やがて虚ろ船そのものを包み込んでいく。
長年蓄積されてきた白鬼の幼子の神力。赤子たちの歌声。虚ろ船に刻まれた躍字。
その全てが水晶の角に集約され、眩い光となって天空に向けて迸る。
"奇跡"が為されようとしていた。

◇◇◇

水平線の彼方に陽が昇り始めていた。
カイエンは櫂を杖にして辛うじて己が身体を支えていた。
全身に突き立つ刀槍。血を流し切って死人の様に土気色の肌。
周囲には燻って煙を上げる木々と気を失って倒れている五人の武者。
カイエンの命は今にも消えそうだったが、その脳裏に己が命の事は無かった。
虚ろ船は無事に出航したか。あの白鬼の幼子は、鬼の赤子達は無事か。
眼前の海上に微かな点が光った。カイエンの目に光が戻る。
あれは鬼たちの虚ろ船か。

  らー…りゅー…るらー…

風に乗って微かに届く鬼の子守唄。竜人の耳に何故か懐かしく響く。
しかしまだ危機は去っていない。水平線の彼方から無数の船影が見え始めていた。士族の大軍船団である。
海こそが鱗族の本領。たとえ人魚どもの手引きがあってもあの船では到底逃れられぬ。

その時、巨大な光の柱が海上に突き立った。

無音の激震が大気と海面を揺るがす。神力の奔流が強引に空間を切り裂く。
光の渦が虚ろ船を呑みこみ、そのまま天に昇りやがて消えていった。
カイエンは暫くの間、呆然と水平線を見つめていた。 

「なんと……界門を開いて……」

古事の記に記された『界門』。
かの乙姫もこの界門を通ってこの地に降臨したと記されている。
しかし界門を開き、虚ろ船ごと瞬時に遥か彼方に移動するとは…
カイエンの脳裏に一つの名前が浮かぶ。
まつろわぬ者の長。神の如き力を振るう者。
神代からその名を残す伝説の鬼、『不鬼王』。

しかしあの幼子は伝説の鬼とは似ても似つかない。
巨大な神力に見合わない、か弱い身体と無垢で幼き心。
あるいはこれこそが『不鬼王』の真の恐ろしさなのかも知れぬ。
長老達が命を盾にしてあの白鬼の幼子を護った理由がカイエンにも解る。
あまりのか弱さと健気さに、カイエンもまた我が身を盾にして白鬼の幼子を護った。
これからもあの幼子の行く先々で無数の者たちが喜んでその身を捧げ、死んでいくだろう。
だが、それでいい。己が決めた命の使い道に悔いはなかった。
ゆっくりと暁の空に消えていく光の残滓を見送りながら、カイエンは晴れ晴れとした笑みを浮かべた。

(なるほど、これが良き死か。)

カイエンはどっかりと地に腰を下ろし、しばらくの間、船が消え去った水平線の彼方を眺め
やがて眠るように頭を垂れて、息絶えた。

◇◇◇

「ぐっ…」

うめき声を上げてシエンは目を覚ました。
痛みを堪えて身を起こすと、既に夜は明け周囲の炎も消えていた。
シエンは気絶して倒れている武者達を眺めながら、昨晩の闘いを思い出した。
見事な舞だった。あれ程の技を持ちながら何故…
だが周囲にカイエンの姿が見当たらない。大きな血溜まりから点々と血痕が続いている。
それを辿っていくと、遠く海原を臨む断崖の淵に腰を下ろしてカイエンが息絶えていた。
全身に傷を受けぼろぼろに朽ち果てた骸。主上の命に背き鬼どもに通じた裏切り者。
あれ程の技を持ちながら、忠義も武名も捨てた愚かな兄。
しかしその死に顔は何故か満足げな笑みを浮かべている。
シエンは兄の言葉を思い出す。"良き死"とは何か。カイエンはそう言った。

「死に、良きも悪しきもあるものか」

シエンは吐き棄てるように呟き、水平線の彼方に視線を移した。
眼前の海域に士族の大軍船団が展開している。先鋒の陣は既に上陸を開始している。
列島最北端の孤島マガツオオシマの制圧を以て、十年に亘る鱗族のミズハミシマ地上制覇は完了した。





日本、瀬戸内、ポートアイランド。
ここは私立十津那学園。地球と異世界の交流を目的とした巨大総合学園である。

学園付属博物館の一室。一人の黒鬼の女性が窓から外を眺めている。
突然、バタンと扉を開けて制服姿の竜人の少女が息を切らせて部屋に駆け込んで来た。

「お、遅くなりましたぁ!」
「やあ、キミが紫炎ミチカ君だね。私は非常勤講師の黒鋼ホヅマという者だ。
 転入早々申し訳ないが、キミに是非見せたいものがあって来て貰ったんだ」
「すみません道がよく判んなくて…お待たせしちゃいました?」
「気にしなくていい。私が少し早く来過ぎただけだ」

鈴の様に澄んだ声が心地よく響く。ぶっきらぼうな口調だが冷たさはない。
成熟した大人の女性の雰囲気と小柄で引き締まった肢体が不可思議な魅力を醸し出している。
黒鬼の女教師、黒鋼ホヅマは優しく微笑みながら、ふと溜息を付いて言葉を続けた。

「でも"私達"はキミが此処に来るのを随分長いこと待っていたんだ……本当に長い、長い間」
「待っていた…?どういう事でしょう」
「すぐ解る。来たまえ、こっちだ」

黒鋼ホヅマは訝しげな紫炎ミチカを促し、部屋の一角にあるエレベータに乗り込んだ。
下りしかない奇妙なエレベータ。加速も減速も感じさせない無音の降下が延々と続く。
ミチカは、ふと微かな『力』の気配を感じて首筋をぽりぽり掻いた。

「感じるか?ここはゲートから近い。ごく僅かだが神力が届いているんだ。ところでキミは躍字を扱えるか?」
「見れば意味は解りますが、書くのは苦手でして…」
「そんなところだろうな。着いたぞ」

音もなくエレベータの扉が開くと、そこからまっすぐ正面に通路が伸びていた。
超近代的な通路をきびきびと歩いていく黒鋼ホヅマの後ろを、紫炎ミチカがきょろきょろしながら付いて行く。

「さあ、入りなさい」

到着したのは何の変哲もない一室。ドアにはプレートもかかっておらず、調度品も見当たらない。
部屋の中央には長さ5、6メートルの巨大なガラスケースが据え付けられていた。

「ここは…?」
「この博物館の地下特別展示室の一つだ。学園の創設者達がこちらの世界で集めた『遺物』を保管している。
 要するにタイムカプセルみたいものだと思ってくれればいい」

ケースの中には一振りの古びた大薙刀が収められている。長大な柄と普通の刀の何倍もの厚みのある巨大な刃。
ボロボロになった柄の表面から察するに相当古いものだろうが、その刃は鍛えられたばかりの様に冴え冴えと凄みのある光沢を放っている。
柄の中央部、丁度握り手と思われる個所に、くすんだ茶色の塗料の様なもので何やら見知らぬ文字が書きつけられている。
黒鋼ホヅマが小さな画面に指先で何やら文字を書き込んでロックを解除すると、ガラスケースの蓋が音もなく開いた。
その瞬間、力の脈動とも、見知らぬ者の声とも付かない異様な気配がミチカの全身を包んだ。
黒鬼の淑女は紫炎ミチカの方に向き直り、姿勢を正して恭しく一礼した。

「我が主がお預かりしたこの薙刀をお返しします。武人カイエンの血に連なる者よ」

態度だけでなく口調も一変している。
ミチカは誘われるように大薙刀に手を伸ばした。
巨大な薙刀の柄を握った瞬間、全身に電流の様な衝撃が走った。
ミチカの手は、ちょうど煤けて黒茶けた文字が書かれている箇所を握っていた。
読まずとも解る。『躍字』とはそういうものだ。然るべき相手には文字が自らの全てを物語る。
黒茶けた血書きの躍字。カイエンの一族の真名。血と魂を共有する者たちの名。それはどこか「誇り」と「忠誠」を現す躍字に似ていた。
血書きの躍字から、雷光のように無数の記憶が流れ込んでくる。
轟々と天空を舞う無数の光精と闇精。マガツオオシマ。鬼狩。鬱蒼と茂る鬼達の森。鬼の子守唄。
巨大な『髭切』が羽毛のように軽い。武術など学んだことはないのに体の一部のように自在に操れるような気がする。
血が滾る。ミチカは、自分が猛々しい笑みを浮かべていることに気付いていなかった。
黒鋼ホヅマは懐かしそうな表情で竜人の少女の顔を見つめている。

突然、地下深くの特別展示室に潮の匂いが漂ってきた。 
潮風に乗って微かな歌声が響いてくる。

  りゅらー…らー…

透明で不思議な旋律。懐かしさで胸が一杯になる。
言葉は分からなくても、想いは伝わる。血が、憶えている。
ミチカは、歌声に応えるように、たん、と足踏みをして舞う様に軽々と髭切を振り回した。

「うむ、見事な舞だ…」

黒鋼ホヅマが惚れ惚れとした溜息を洩らす。
既にミズハミシマでも絶えて久しく、今は誰も知る者の無い古流刀術の舞。
ひとしきり舞った後、ミチカは名残りを惜しむ様に髭切をケースに戻した。

「行こう。我等が王がお待ちだ」

黒鋼ホヅマと紫炎ミチカは特別展示室を後にしてエレベータに乗り込んだ。
エレベータの扉が閉じ無人となった特別展示室に、再びあの不思議な歌声が響いてくる。

  らー…りゅらー…らるー…

歌声は古き血の再会を言祝ぐように、特別展示室の一室に、十津邦学園の空に、瀬戸内の海に響き渡る。
少女の歌は、やがてゲートを越えて向こう側の世界にまで響き渡るだろう。

竜の眠る海。砂漠を潤すオアシス。月光に照らされた古城。
星空の草原。鉱山の篝火と溶鉱炉の炎。夏の国の世界樹の森。
天空を舞う鳥たち。深山幽谷の仙人境。北海の荒波を渡る船乗りたち。
蟲達の乾いた大地。風吹き荒ぶ新たなる荒野。

そしてあの懐かしい、今は亡き鬼達の森に。



end








●あとがき
 読んでくださった方ありがとうございました。
 独自設定てんこもりですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 
 ミズハミシマ地上侵攻、躍字の効力、鬼族の亜神、十津那学園関係など設定未確定な部分については
 今後のスレの議論等に応じて擦り合わせていきたいと考えてます。

  • かっこいい雰囲気だねー -- (名無しさん) 2012-08-19 06:33:49
  • しっかりできているだけに雰囲気の違う幾つかのまとまりで分けてもよかったのでは?と思っちゃうくらいのボリュームでした -- (とっしー) 2012-08-19 16:54:36
  • 大作である -- (名無しさん) 2012-08-19 23:02:15
  • 躍字の見せ方は感心した。文面上でやってのける発想力 -- (としあき) 2012-08-26 15:05:01
  • これは他に繋がるSSとかあるんだろうか。断片や詩篇であるものが一つになったものが読みたくなった -- (名無しさん) 2014-01-22 00:43:56
  • 息を飲む緊張感でした。ただ武の塊となり戦うカイエンの芯を倒したのが一片の武を伴わない情だったのはそうなるべくしてなった運命の様に感じました。ミズハミシマだけでなく世界各地に光を越えた想いがあるのかもしれませんね -- (名無しさん) 2014-12-07 18:09:09
  • 凄腕の竜人が出てくるということはそれでないと倒せない相手がいたのではと思うと戦いの熾烈さが思い浮かぶ -- (名無しさん) 2015-01-20 23:37:33
  • ミズハミシマの争乱はどんどん目的も状況もぐっちゃぐちゃになっていってたんじゃないかなぁと想像させてくれる一本 -- (名無しさん) 2016-02-05 23:47:40
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最終更新:2012年08月19日 02:43