錯綜する思春期のパラベラム(後編)  ◆j1I31zelYA



「い、今ですっ!」

初めて聞く少女の声と足音が、バタバタと動き回る気配。

「光子、無事か!?」
「え、ええ……」

怪我をした右目に煙を当てられて、御手洗はしゃがきこんだ。
そばで光子が心配そうに肩をよせる。
“水兵”に、ある程度の戦う力はあれど自律思考は無い。
命令者である御手洗たちさえ視界の利かない空間で、複数の標的を補足することなどできなかった。

煙が晴れるのを待てば、その場からは標的の少女たちが消えている。

「逃げられた、か……」
「いいえ、あんな状態の杉浦さんを抱えながら走ることはできないはずよ。ほら……」

光子の指さした先には、最も手近なエレベーターがある。
閉ざされた扉の上で、階数表示が上の階まで上昇を続けていた。

「よし、追って仕留めよう」
「怪我はいいの?」
「視力に支障はないさ……それに、『惚れた女』にヘマばかりを見せていられないからね」




御坂美琴と吉川ちなつから荷物を回収していたので、ディパックの数には余裕があった。
あとは、学校での『爆発』と同じやり口で御坂美琴の不明支給品を詰め込んで着火し、投擲したまでである。

「できれば、もうちょっと早く援護してほしかったけどね」
「すみません。『交換日記』だと救助者はすぐに動かせない様子だったので、管理室まで寄ってたら遅くなっちゃって……」
「まぁ、いいわ。カメラを潰してくれたおかげで、こうして隠れられたわけだし……あんたも、感謝しなさいよ」
「ありがとうございます……式波さん」

やっと酸欠から回復したポニーテールの少女が、返事をした。
吉川チナツと同じ制服から、座りこんだ床に水滴がしたたっている。

「ん? 確かにその名前で合ってるけど……ほら、その服だと水滴で居場所がばれるから、これでも着てなさい。急いで」

ミツコから名前を聞いたのだろうか、と自己完結しながら、ミコトの支給品だった洋服を手渡す。売り場から拝借したタオルもついでに。
スプリンクラーの放水でアスカたちも少しは水を浴びたけれど、“水兵”に飲まれた彼女は完全にぐしょ濡れだった。
渡された服が胸元の大きく空いたフリルドレスだったのを見て顔を引きつらせたけれど、文句を言わずに受け取る。

「借りがある知り合いって……吉川さんのこと?」

後ろでせわしなく衣服を脱ぎ着する音を出しながら、少女は尋ねる。
そんなことを尋ねたからには、御手洗との会話中も意識があったらしい。

「まぁね」
「……ごめんなさい」
「なんでアンタが謝るのよ」
「私……支給品で、吉川さんの居場所が分かってたのに
……放送に夢中で、ちゃんと見てなかったから……だから」

だから合流できなくてアスカたちを危険な目に遭わせてしまった、とでも言いたいのだろうか。
ばかばかしい。
そう思ったから、アスカは一蹴した。

「だから罪悪感を感じてますってこと? 助けられる資格がないって言いたいの?
それってチナツを犠牲にして生きてるアタシに対する嫌味なの?」
「ご、ごめんなさい! そんなつもりじゃなかったの」

隣を見れば、初春カザリがこちらも表情を暗くしていた。
なので、続けて言う。

「ひとつ聞くけど。アンタ、もしチナツを殺したヤツが、改心して心の底から謝ってきたらどうするの?
そいつが必至に罪の償いをがんばってても、絶対に許せないって復讐しちゃうわけ?」
「そ、そこまでは……会ったら怒るかもしれないけど、もし償いをしようって気持ちが本当なら、時間をかけて許したい……と思うんじゃ、ないでしょうか」
「やっぱりバカ。許せるなら、アンタが自分を許さない理由だって無いじゃない。
あ、ちなみにその『殺したヤツ』っていうのがここにいる初春カザリだから」
「は? え? ……えぇっ!?」
「そ、そうなんです! 悪いのはあなたじゃなくて、わた――」
「だーかーらー。そういうジメジメしたのは棚上げにしようって言ってんの。
今はミツコたちをどう切り抜けるか考える時でしょーが」

振り向くと、少女はちょうど着終えたところだった。両腕でもじもじと露出のひどい胸元を隠している。
さて、エレベーターは途中の階で降りたし、監視カメラは初春が潰している。
交換日記の予知にも異常はないから現時点では安全だが、あいつらに捕捉されるのも時間の問題だろう。
あの水の化け物からどう逃げ切るか、どう撃退するか。
非常階段とエスカレーターを上手く使ってひっそり脱出するか。
デパートにある物を使って戦うか。あるいは時間を稼いで救援のアテを探るか。
どっちにせよ、即席のトリオに『チームワーク』が求められようとしている。
これまでのアスカには必要のないものだったけれど、これから戦う相手は強大で得体がしれないのだから。

「そう言えば、あの男の眼……ちょっと前のカザリに似てたわね」

本性を露わにした御手洗たちのことを思い出し、アスカは既視感を覚えた。


【F-5/デパート/一日目 夕方】

【杉浦綾乃@ゆるゆり】
[状態]:健康(まだ少し濡れている)
[装備]: エンジェルモートの制服@ひぐらしのなく頃に、壊れた携帯電話
[道具]:基本支給品一式、AK-47@現実、図書館の書籍数冊、加地リョウジのスイカ(残り半玉)@エヴァンゲリオン新劇場版、ハリセン@ゆるゆり、七森中学の制服(びしょ濡れ)
基本行動方針:みんなと協力して生きて帰る
1:式波さんたちと協力して、菊地さんのところに戻る。
2:式波さんに、碇くんのことを伝えたい。
3:誰も殺さずにみんなで生き残る方法を見つけたい。手遅れかもしれないけど、続けたい。
[備考]
※植木耕助から能力者バトルについて大まかに教わりました。
※携帯電話が水没して友情日記ごとダメになりました。支給品はディパックに入れていたので無事です。

【式波・アスカ・ラングレー@エヴァンゲリオン新劇場版】
[状態]:左腕に亀裂骨折(処置済み)、腹部に打撲
[装備]:ナイフ、青酸カリ付き特殊警棒(青酸カリは残り少量)@バトルロワイアル、
   『天使メール』に関するメモ@GTO、トランシーバー(片方)@現実 、ブローニング・ハイパワー(残弾0、損壊)、スリングショット&小石のつまった袋@テニスの王子様
[道具]:基本支給品一式×4、フレンダのツールナイフとテープ式導火線@とある科学の超電磁砲
風紀委員の救急箱@とある科学の超電磁砲、釘バット@GTO、スタンガン、ゲームセンターのコイン×10@現地調達
基本行動方針:エヴァンゲリオンパイロットとして、どんな手を使っても生還する。
1:ミツコたちをどうにかする。
2:スタンスは変わらないけど、救けられた借りは返す。

[備考]
参戦時期は、第7使徒との交戦以降、海洋研究施設に社会見学に行くより以前。
※イングラムM10サブマシンガン(残弾わずか)@バトルロワイアルは燃え尽きました。
※光子を捕獲する際に使ったのは、デパートの警備員室からもちだした包丁@現地調達です。現在はデパートの床に落ちています。

【初春飾利@とある科学の超電磁砲】
[状態]:健康
[装備]:交換日記(初春飾利の携帯)@未来日記、交換日記(桑原和真の携帯)@未来日記、小さな核晶@未来日記?、宝の地図@その他
[道具]:秋瀬或からの書置き@現地調達、吉川ちなつのディパック
基本行動方針:生きて、償う
1:杉浦さんを助ける。
2:辛くても、前を向く。
3:白井さんに、会いたい。
[備考]
初春飾利の携帯と桑原和真の携帯を交換日記にし、二つの未来日記の所有者となりました。
そのため自分の予知が携帯に表示されています。
交換日記のどちらかが破壊されるとどうなるかは後の書き手さんにお任せします。
ロベルト、御手洗、佐野に関する簡単な情報を聞きました。御手洗、佐野に関する簡単な情報を聞きました。

【相馬光子@バトル・ロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、、乾汁セットA(甲羅、シンジャエール、イワシ水)、おにぎり(毒入り)のお弁当箱@テニスの王子様、不明支給品×0~1(武器じゃない) 
基本行動方針:どんな手を使っても生き残る。
1:獲物を始末する。
2:御手洗清志に奉仕し、利用する。

【御手洗清志@幽遊白書】
[状態]:全身打撲(手当済み)、右瞼に切り傷
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ブーメラン@バトルロワイアル、ラムレーズンのアイス@ゆるゆり、鉄矢20本@とある科学の超電磁砲、水(ポリタンク3個分)@現地調達
基本行動方針:人間を皆殺し。『神の力』はあまり信用していないが、手に入ればその力で人を滅ぼす。
1:獲物を始末する。
2:相馬光子と共に参加者を狩り、相馬光子を守る。そして最後に相馬光子を殺す。
3:ロベルト・ハイドンと佐野清一郎は死亡したので、同盟は破棄。
4:あかいあくま怖い……。
[備考]
※参戦時期は、桑原に会いに行く直前です。
※ロベルトから植木、佐野のことを簡単に聞きました。




――宗屋ヒデヨシは、殺し合いに反抗する少年だ。

主催者とも戦えるだけの戦力を集めて、首輪を外して主催者の居所をつきとめ、ぶっ倒す。
そんな目標を掲げて、信頼できる仲間を集めようと会場を巡っていた。
転機は第一放送の後、ホテルで多数の参加者が集まった時に起こる。
多数の対主催派が集まっていた拠点を、ロベルト・ハイドンという危険人物が襲撃してきた。
皆はロベルトを迎えうとうと、協力体勢を取る。
殺すつもりなんてない。殺し合いに乗った人間だからといって、殺していい理由など有り得ない。
しかし、一行の中に裏切り者がいた。
殺し合いが始まった当初から行動を共にしていた少年――七原秋也だ。
七原は、冷酷なほどに合理主義の人間だった。
殺し合いに乗った人間は脱出派の障害だから殺すと宣言し、意見が対立したヒデヨシたちを、もう利用価値がないと処分しにかかった。
ロベルトに注意を向けていた不意をついて、仲間だった桐山和雄と赤座あかりを射殺。
そして動揺した仲間たちをロベルト・ハイドンの前にオトリとして放置し、一人だけすたこらさっさと逃げ出したのだ。
裏切られ、ロベルトの手によって全滅は免れないヒデヨシたちだったが、その場に残った仲間である佐野清一郎が奮戦する。
ロベルトを相手に時間を稼ぐと宣言し、盾となってヒデヨシだけを逃がすことに成功した。
ヒデヨシは涙をのんで、ホテルから続く坂道を走った。
七原はおそらく、新たに利用する集団を求めるつもりだろう。
ヒデヨシたちを騙した時のように、表向きは主催者に逆らう革命家を気取って。
信用を築いた相手を、潰し合わせる駒として利用するために。
七原には中川典子という相方もいたようだし、そういう知り合いの口からも七原を誤って信用した犠牲者がこれから増えるかもしれない。

さっきの放送では、佐野とロベルトの両者の名前が呼ばれた。
きっと、相打ちになってしまったのだろう……。



「じゃあ、お前の仲間でもう生き残ってるのは、植木ってヤツだけになっちまったのか……」
「ああ、ぶっちゃけそいつの消息を知りたくて、お前らと接触したってわけだ」

向かって右手には、なだらかな丘陵とその先にある海岸線。
左手にはきれいに整備させた人口の林道。
そんな遊歩道に建てられた東屋で、三人の男女が会話をしていた。
いや、紅一点である常盤は聞き訳で、しんみりとした会話を交わしているのは浦飯と宗谷ヒデヨシだった。

東屋の丸椅子にどっかと腰かけ、テーブルの上には、口を半開きにしたディパックを無防備に置いている。
その姿は一見するとくつろいでいて、人を簡単に信用する男のように見えた。
裏切られたばかりにしては甘すぎると思わないでもないが、それだけ七原という男は特例扱いなのかもしれない。
実際、浦飯は疑うのが苦手なのか、素直にその話を受け入れている。
しかし、常盤愛の方は別だった。


(おかしいよね……?)


ヒデヨシの話には、違和感がぬぐえない。
七原秋也という名前には、聞き覚えがあったからだ。
『あの』中川典子の、彼氏。
彼女とともに殺し合いを共に生きのびた、絶対に信頼できるパートナー。
中川典子が目を輝かせて語っていたことを聞く限り、とても自分の保身を第一に考えるような人物ではなかった。
あの時は語られた七原像を『美化しすぎなんじゃないの』と否定したけれど、偏見を取り除いた頭で思い返してみれば、全てがお姫様の誇張だとは考えにくい。
しかも、ヒデヨシの話ではもう死んでいる中川典子だって怪しいと言う。
典子が人を利用して殺せる人間かどうかは、襲って拘束して脅迫までしたからよく知っている。

「そういうわけだから、お前らの探してる御手洗ってヤツには会ってねぇんだ」
「そっか。悪かったな。信用し合うためとはいえ、嫌なことまで話させちまって」
「気にすんなよ。辛いことがあったのは、そっちもみたいだしな」

むしろ、真実は逆だとすれば。
宗谷ヒデヨシこそが、七原秋也を裏切って殺し合いに乗っているとすれば。
七原秋也を悪人だと伝えるのは?
殺し損ねた七原が、宗谷ヒデヨシには気を付けろと伝えて回るかもしれないから。
中川典子のことまで信用できないと言い切ったのは?
典子が放送で呼ばれたのは、第二放送の時点だから。
とっくに中川典子経由で『七原は信用できる』という情報が出回っているかもしれないし、そうなれば悪評の真偽が疑われる。
ヒデヨシの話に出てくる人物が、『桐山和雄』や『赤座あかり』など、既に死んだ人間ばかりなのは?
死人に口無し。ヘタに生きている人間の名前を出せば、『その後そいつはどうなったんだ』と追究されてボロが出るかもしれない。
仮定だけれど、つじつまが合う。

「ところでよ、その御手洗ってヤツは、そんなにヤバい相手なのか?
ロベルトみたいに、能力者だったりとか……」
「ああ、水さえあれば簡単に人を殺せるヤツだ。
もっとも、ヤツと戦ったのはオレじゃなくて桑原のヤローだけどな……」
「ぶっちゃけ、詳しく教えてもらっていいか? 聞いといて損はないだろうし――」

つつがなく進行する情報交換が、とても落ち着かない。
仮定が真実だとすれば、ヒデヨシは殺し合いに乗っていないふりをして、乗っている。
この瞬間も、情報を引き出せるだけ引き出してから浦飯たちを始末する算段をつけている。
しかし、ヒデヨシに向かって疑念をつきつけることはできなかった。
中川典子のことを説明すれば、どうなるか。
愛が犯したことを、避けて通れない。
ぼかして『中川典子と情報交換していた』だけでは、『中川典子の方が嘘をついている』で押し通される。
『人を殺すように脅す』という特殊すぎる対応をしたからこそ、殺し合いに乗る少女ではないと確信を持てている。
ヒデヨシの化けの皮を剥がす行為は、愛自身のそれも剥がしてしまう行為だ。
浦飯に、自分のしたことを、知られてしまう。

「そんなヤバい奴らと渡り合ってきたのかよ……浦飯って、強いんだな」
「強くたって、守れなきゃ意味ねぇよ。俺と知り合ったヤツも、もう常盤と秋瀬とお前ぐらいしか残ってねぇしな……」
「すまねぇ……ぶっちゃけ浦飯の方が辛いはずなのに。
オレは佐野と生きてるうちに合流できたけど、亡くなった後で見つける方が、辛いに決まってるよな」

だとすれば、どうすればいい。
保身を優先するなら、ヒデヨシが直接的な危害を加えてくる前に、浦飯の元から離れるべきなのだろう。
浦飯を見捨てて、自分だけ逃げる。
想像した瞬間に、ぞくりとする戦慄が全身を震わせた。

(アタシが……浦飯のことを、気にかけてる?)

見捨てると考えただけで、嫌悪感でたまらなくなった。
自分の方が置きざりにされるような寂寥感でいっぱいになった。
もう、誰かを気にかけるのも今さらなほど、手を汚しているのに。
まして浦飯は愛の庇護者でも居場所でもなんでもない、雪村螢子の大切な人で。
しかも、『女の子を脅迫して人を殺させる』なんて卑劣なことは、絶対に許さないようなヤツで――

――なんだ。
気づく。
とっくに浦飯幽助のことを、いいヤツだと認めていたんじゃないか。
浦飯は、いいヤツだ。
殺されてはいけないヤツで、理不尽な目に遭ったし人も殺したけれど、救われるべき人間だ。

そんな心変わりなど知る由もなく、ヒデヨシは次の話題を切り出した。

「あの……これは、浦飯も大切な人を亡くしてるから、聞きたいんだけどよ」

喪った人間のことを思いだして、悲しい顔をする浦飯に向かって。
内緒話を打ち明けるように声をひそめて。

「滅多なヤツには言えねぇことだし、不快ならすぐに忘れてほしい」

言い訳のように前置きを入れて、尋ねた。



「放送で、死んだ人間を生き返らせることもできるって言われたよな。
アレをどう思った?」



ねぇ、神様。
いいかげん、うんざりしてもいいですよね?



「もし、優勝したら本当に生き返るとしてだな。そしたら――」
「また、なの?」

思わず、冷えた声が出る。
浦飯も同情するような顔はしていたけれど、やれやれと頭を掻いた。

「アンタが言ったことは、とぉーっくに通過してるんですけど」
「常盤、それはしょうがねぇよ。宗谷は放送で初めて『生き返る』とか聞いたんだから。
もっとも、オレも考えすぎて頭痛くなってきたところだけどな」

これまで、二人は『蘇生』に関する一連の出来事を伏せていた。
園崎魅音のケースや常盤愛自身のケースのようによけいな諍いを生みかねないし、何より浦飯たち自身さえ確信していない希望を餌のように示すのは悪趣味だったからだ。
しかし、こうなっては隠しておいた方がためにならない。

浦飯は、全てを話した。
過去に、蘇生に立ち会ったこと。
雪村螢子をはじめ、死んだ人間の蘇生を考えたこと。
園崎魅音に、できなかったらどうすると問われて悩んだこと。
常盤愛から、蘇生を前提で考えるのはおかしいと言われたこと。

「なに、いってんだよ」

ヒデヨシが、つりあがった太い眉の下にある大きな目をぎょろりと見開いた。

「生き返るって知ってて、選ばなかったのか?」

ワンテンポ遅れて、目だけではなく、口も開かれる。
冷静さも配慮も欠いた、言葉の羅列が流れだした。

「被害者が蘇生を望まない? それなら、加害者はどうなるんだよ。
オレの知り合いには、殺し合えって言われたら殺しちまいそうな奴もいるんだぜ?
そいつらは、悪者にされたままなのかよ。だったら全部チャラにした方が、誰も傷つかずに済むじゃねぇか」

かっと、愛の激情に火がついた。
加害者の勝手な都合で、全員を生き返らせる。
それこそ常盤愛が、神崎麗美からそそのかされて、そして拒んだ考えだった。
しかも、殺し合いに乗っている可能性が高いヒデヨシがそれを言っている。
つまり、自分自身の罪を無かったことにしたいから、蘇生させようという意味にしか取れない。

怒りに任せて口を開く前に、愛は自問する。
これは、ただの逆ギレか? 感情に任せての愚考なのか?
違う、許せないからだ。心からの、答えだ。
浦飯がこんなヤツに利用されるのも。
保身のために、こんなヤツに利用される浦飯を黙って見ている、自分自身も。
だから愛は、叫んだ。

「アタシだって……アタシだって、最初は加害者だったのよ!
女の子を脅して殺せって命令して、間接的に何人も殺したんだから!」

認めよう。今なら認められる。
常盤愛は、ただの怖がりだ。
でも、怖がりには怖がりの意地がある。
傷つけられるのが怖いなら、知っている人が傷つけられるのだって怖い。

「アタシは、七原の彼女の中川典子って女に会った。
そいつはすっごくお人好しで、自分と恋人の保身のために、周りを利用するようなヤツじゃなかった。
あたしは自分の生き残りたさに、そいつを脅して人を殺してこいって言ったのよ。
男が怖かったからって、そんな理由で――」

ぶちまける。
自分のしたこと。男性恐怖症のこと。中川典子にしたこと。
道中で、逆恨みに近い感情から高坂王子らを襲ったこと。
越前リョーマたちの悪評を広めるつもりで、浦飯と接触したこと。
自分の知らぬ間に、中川典子への恐喝がたくさんの犠牲者をもたらしていたこと。
自分の汚いところ。理不尽だったところ。糾弾されたこと。
全部吐き出して、吐き出し尽くして。
目を丸くする宗谷ヒデヨシに、小気味よさを覚える。
そして、即座に問いかけた。
自分の価値観を、変えてくれた少年に。

「浦飯。あたしのことを、殺したくなった?」

同情は求めない。裁いてほしいワケでもない。結論を急かすつもりもない。殺されたって文句は言えない。
ただ、率直な感想を。

「いいや」

返答は、否定。
表情には、ありありと怒り。

「やったことは反吐が出そうだし、お前がやったって言われてもピンと来ねえとこもある。
これが、もし同じことをされたのが螢子だったら、オレは女でもテメェをぶっ殺してたと思う」

しかし、見つめてくる眼光は変わらない。ぐっと鋭さを増しただけで、そのまっすぐさは変わらない。

「でも、それはお前と死んだ奴らの間のことだろ。ここで白状したってことは、もう止めたってことだ。
オレに言ったことが全部ウソだったわけでもねぇし、それで常盤に態度を変える理由にゃならねーよ」

そう言い切るや、怒りが解ける。それだけで、いつもの浦飯に戻る。
どっと拍子抜けがして、体が一気に温かくなった心地がする。
なんだ、と内心でつぶやき、笑った。
こんなに簡単なことだったのか。
弱さを認めて、自分を見てもらう。
謝っても許されないことをしたかもしれない。
たった一人に認められただけで、現状が変わったわけじゃない。罪の重さに潰される末路は変わらないのかもしれない。
それでも、常盤愛を常盤愛として見てくれた人がいる。それだけで、こんなに心が違う。

「むしろ、テメェの方が気に食わねぇよ」

常盤の意思に呼応するかのように、浦飯が眼光を鋭くしなおしてテーブルの向こうを見据える。

「さも辛い目に遭ったような顔をして、何も悪くない連中を陥れて。
しかも、生き返りが本当なら殺し合いに乗ってもいいって考えらしいな」

見据える先には、額から汗を流しながらも、断固とした顔をする宗谷ヒデヨシがいた。
もはや開き直りと言っていいのか、ヒデヨシは反論する。

「証拠はあるのかよ。なんで情報が食い違ってただけで、乗ってたことにされなきゃいけねぇんだ。
生き返りの話にしたって、放送であんなことを言われたら誰だって気にするだろ?
いくら殺すのがいけないことだって、それで皆が助かるなら――」
「いや……っていうかさ」

完膚なきまでにこいつの主張を粉砕する言葉を、愛は知っている。
浦飯が、教えてくれた。



「百歩ゆずって、みんな生き返らせてチャラにするとしても、殺し合いに乗る理由は無いよね?」



「は……?」
「だから、さっきも浦飯が説明したでしょ。浦飯も最初は、生き返りを期待してたの。
でも、優勝するんじゃなくて、皆で首謀者をぶっ倒してから生き返らせようとしたのよ」

晴天の霹靂とは、青空の下で雷に打たれるようなという例えだったか。
まさにそんな感じの顔に、ヒデヨシはなった。

「け、けどよ……! 首謀者をぶちのめしたりして、生き返らせてくれなくなったりしたらどうすんだよ」
「生き返らせて『くれなくなった』ら? ……アンタは、こんな最低のイベントを考えた大人が、ちゃんと約束を守ってくれるって信用してるの?」

ヒデヨシは、言葉を詰まらせた。
やはり、ダメだった場合のことは何も考えていなかったらしい。

「殺し合いを楽しむような連中が、殺し合いに乗せようとして『願いを叶える』って言ってきたのに賭けるのと。
主催者を倒せるだけの戦力が残ってるうちに皆で突撃して、無理にでも生き返らせるのと。
同じ可能性が低いでも、悪党の性格から考えて、まだ二つ目の方があり得ると思うんだけど」
「…………」

「それでもアンタが『殺し合いに乗る方がいい』って言うなら、それは『正しいから』じゃなくて、『自分の間違いを認めたくないから』って以外に理由が見つからないんだけど?
アンタ、これでも殺し合いに乗る方が『正しい』って言える?」
「…………」

自分が正しいと思っている相手は、その論理の瑕疵を指摘されると窮する。
神崎麗美と交わした会話から、我が身をもって思い知らされたことだった。
相手が蘇生を『正しい』と信じているなら、その言い訳を取り除くまでのこと。

「よーく、分かったよ」

彫像のように固まって、うつむいていたヒデヨシが顔を上げた。
すっと、右手が半開きになったディパックの中に動く。
素早く引き抜かれたそこには、黒い鉄の塊が握られていた。

「他の参加者に、そんなことを漏らされる前に死んでくれ」
「テメェッ――!」
「やめなよ、浦飯」

逆ギレして襲い掛かってくるぐらいは、予想している。
しかも、他の二人は座っていたのに対して、愛は最初から立っていた。
だから、この時ばかりはもっとも早く動けた。
一挙動で、テーブルへと飛び乗る。右足を回し、振りぬく。
革靴のつま先が正確にヒデヨシの右手首を撃ちぬき、コルトパイソンを弾きとばした。

「だっ……!」

ヒデヨシが痛みにうめいて手首をおさえた瞬間には、既にして第二撃がととのっている。
最短で、まっすぐに、一直線に、前方に、足を放つ、ぶっ飛ばす。
テコンドーの蹴り技、その基本である前蹴り(アプチャギ)が、顔面を直撃した。

「ごっ……!」

猿顔の鼻筋に、蹴りがめり込む。その勢いのまま首をがくんとそらせて椅子ごと巻き込み、ヒデヨシは後方へと倒れ、地面をすべった。
浦飯が、初めて目にする常盤愛のテコンドーに目を丸くしている。

「と、常盤……?」
「勘違いしないでよね。自分でぶっ飛ばしたいから止めたんじゃない。
こんなヤツの命を、アンタがしょいこむことないからよ」

浦飯なら、もしかして血がのぼった拍子にまた殴り殺してしまうかもしれない。
そう思ったから、先に動いた。
人を殺しておいて、それを罪とも認めない。間違っていると指摘されても、さらに人を殺して上塗りするヤツ。
遅すぎる償いかもしれないけれど、こんなヤツを野放しにはしたくない。
何より、こんなヤツを放置したって殺したって、浦飯は救われないだろう。

「とりあえず気絶させてから、秋瀬のところまで連れていくわよ」

ヒデヨシが起き上がってこないかを警戒しながら、愛はヒデヨシを拘束すべくじりじりと距離をつめる。

むくり、とヒデヨシが顔だけを起こし。
愛と目が合って、笑みが浮かんだ。
とても卑屈そうな、しかし『してやったり』と言いたげな笑みが。



!?



おかしい。なぜ笑う。
まるで、『計画通り』だとでも言わんばかりに。
常盤愛によってぶっ飛ばされることで、ヒデヨシがこうむる利益なんて――







「お前ら!! オレの『仲間』に、何してんだあぁぁぁぁっ!!」







――『木』が、常盤愛に向かって一直線に突進してきた。



「危ねぇっ!」

とっさに浦飯が飛び出し、愛を抱きかかえるようにして飛びずさる。
太くて茶色くてがっしりした、木の幹にしか見えないものが、
一直線にのびて常盤のいた場所を貫き、東屋の支柱に激突して止まった。

(なんで……!? 『逆ナン日記』の予知からは、ノイズが聞こえなかったのに)

携帯を露骨にチェックするような真似は避けていたけれど、未来予知のノイズには絶えず耳を傾けていた。
『逆ナン日記』では、遭遇する『男』のおおざっぱな印象しか予知できないけれど、
それでも出会いがしらに攻撃してくるほど強烈な印象の『少年』ならば、未来予知が変わらないはずない。
遊歩道ぞいのゆるやかな丘陵地に着地させてもらうと、背負っていたディパックのポケットから日記を取り出し、開く。

「何よ……これ」

宗谷ヒデヨシの“似顔絵”が。
携帯電話の液晶ディスプレイに内側から張り付けられ、日記の文字を塗りつぶしていた。
そして、予知には表示されていなかった少年が、ヒデヨシを介抱するように駆け寄る。

「ヒデヨシ、大丈夫か!?」
「植木っ! ああ、ぶっちゃけこれぐらい何ともねぇよ」

宗谷ヒデヨシの顔に浮かぶのは、安堵したような笑み。
芝草のような緑色の髪をした少年が、意思の強そうな両眼に怒りを宿して二人を見下ろした。




携帯電話のディスプレイは、『液晶』という液体と固体の中間物質から構成されている。
液晶ディスプレイとひと口にいっても、『偏光フィルタ』『ガラス基板』『液晶』『光源』などのパーツに別れているのだけれど、詳しく内部構造を熟知している中学生はむしろ少数派だろう。
とにかく、それは何枚もの薄い板を重ね合わせて作られていることぐらいなら、ヒデヨシの知識でも覚えていた。
そして、“声を似顔絵に変える能力”を使えば、似顔絵を“どこにでも”貼り付けることができる。

情報を聞き出してから殺す上で、未来日記の予知は必要不可欠だ。
交渉が決裂するとあらかじめ分かっていれば、それより先に不意をつくこともできる。
かといって、会話を行いながらもチラチラと携帯を気にしたり、携帯電話から何度もノイズ音を出したりしていれば、相手が日記所有者でなくとも不審に思われてしまう。
では、どうすれば未来変化のノイズを防げるか。
ノイズ音が走るのは、未来予知が書き変わる時に、日記の画面に砂嵐が走るからだ。
ならば砂嵐が走る瞬間に、ディスプレイに別のものを上書きすればノイズは防げるのではないか。
ディスプレイの偏光フィルタに“似顔絵”を貼りつけて、未来予知を塗りつぶす。
ホテルから移動するまでの間に実験をして、効果があるかは確認した。
ディパックを半開きにしてテーブルに置くと、ディスプレイの角度を調節して携帯電話を内部に設置する。
ちらりと視線をうつむけるだけで、未来予知を読めるように。
そして、日記にノイズが走りかけた瞬間に、“似顔絵”でディスプレイのフィルターを上書きする。
ノイズが通過するだけの時間を置いてから“似顔絵”を消せば、変化後の予知はきちんと読める。
画面を書き換えただけで、日記が壊れたわけでも、未来予知が狂ったわけでもないのだから。
ついでに、常盤愛がこそこそとディパックに携帯電話を隠していたようだったので、そちらのディスプレイもあらかじめ“似顔絵”で潰していた。
たとえ未来日記と契約していても、予知が読めなければ意味がない。

交渉は、決裂した。
殺し合いで大切な幼馴染を喪った人物なら、上手く唆せば殺し合いに乗ってくれるかもしれない。
そう見込んでいたのが、裏目に出ようとしていた時だった。
無差別日記にはひとつの予知が表示される。
植木耕助が、時をおかずして駆けつけること。
ここから導き出される最善手はひとつしかなかった。
植木と浦飯たちを、協力させてはならない。
『全員が生き返る』と力説したところで、あの植木がそうそう殺し合いに乗るとは思えなかった。
だからその動向と生存とを確認して、ヒデヨシ自身の生還が絶望的になった時にでも、後を託せればいいと考えていた。
いくら植木でも、大切な仲間から『どうかオレを生き返らせてくれ』と頼みこまれてしまったら、無下にはしないだろう。
しかし、『殺し合いに乗らずに生き返らせる方法』を提示されてしまった。
『あの』植木なら、悪党の言いなりになって殺し合いに乗ってからすべてをやり直す方法と、
悪党をぶっ飛ばした後ですべてをやり直す方法とでは、どちらを選ぶだろうか。
考えるまでもない。
その選択肢がある限り、植木耕助は主催者の打倒を諦めないだろう。
ならば、浦飯たちの口をふさぐしかない。

時を同じくして、植木耕助もまた『探偵日記』を確認する。
しかし、日記所有者の予知をするという最強格の日記でも、死角はあった。
いや、それはすべての未来日記に共通する死角。
未来の行動を予知しても、その行動の意図を読むことまではできはしない。
かつて『探偵日記』を使った秋瀬或が、『雪輝日記』所有者の行動を読み切っていながらも『敢えて予知どおりに事を運ばれる』ことで出し抜かれたように。

植木耕助が、探偵日記によって宗谷ヒデヨシの居場所を知る。
宗屋ヒデヨシが、無差別日記によって『植木耕助がこの場にやってくる』という未来を知る。
知った上で、ヒデヨシは行動を決める。
図らずもその結果として、探偵日記にはヒデヨシの予知が更新された。



『ヒデヨシが日記を使って未来を変える。
[結果]ヒデヨシが、リーゼントの男と小柄な女の二人組に襲われる。
小柄な女の蹴りでぶっとばされる。』



そんな予知を見れば、植木は仲間を守るために突撃するに決まっている。




「ヒデヨシ、大丈夫か!?」
「植木っ! ああ、ぶっちゃけこれぐらい何ともねぇよ」

そんな会話を聞いて、浦飯幽助はマズイと直感する。
おそらく植木は、仲間が殺し合いに乗っていることを知らないのだろう。
ヒデヨシにこれ以上のことを喋らせてはならない。
しかし、幽助たちが口を開こうとするよりも素早く、ヒデヨシは人差し指で常盤たちを指し示した。

「植木、こいつらは殺し合いに乗ってる!
手を組んで、乗ってないふりをして人を殺して回ってるヤバい奴らだ!!」

常盤が焦って、ヒデヨシを指差し返す。

「な……なに言ってるのよ!!
殺し合いに乗ったのも、先に銃を抜いて撃とうとしたのも、そっちじゃない!」

失言だった。
一瞬にして、植木のまとう空気が更なる怒りで熱くなる。

植木耕助にとっての宗谷ヒデヨシは、優しくて勇敢な少年だ。
ビビりなところもあるけれど、いざという時は命を賭けてでも大切な者を守ろうとする強い意思を持った友達だ。
面倒をみている孤児院の子どもたちから兄貴分のように慕われている、人望のある仲間だ。

「なに言ってんだ。ヒデヨシが、殺し合いなんかに乗るはずねぇだろうが!!」

『あの』宗谷ヒデヨシが、殺し合いに乗っている?
有り得ないを通り越して、想像するだに腹立たしい。
悪党が、仲間を陥れようとして口にする卑劣な虚飾にしか聞こえない。

さらに理由を足せば、植木には時間がなかった。とてもとても、時間がなかった。
どこかを一人で彷徨っている、杉浦綾乃を見つける。
綾乃を見つけ出して、同じく一人で行動している菊地善人を待つ。
二人を守らなければいけないからこそ、無差別に人を襲う者たちをうろつかせることなどできなかった。
それに、仲間を探すために、別の仲間が襲われているのを見過ごすことなんてできない。
だから今の植木にできる最善で最速の方法とは、一刻も早くこの2人を気絶させてからヒデヨシとともに綾乃を探し出すことだった。

「植木が来てくれたなら、もう百人力だ。『仲間』の結束の強さを、アイツらに見せてやろうぜ!」
「ああ!」

偽りの結束でもって、かつての仲間は『殺し合いに乗っている』少年と少女に戦火を交えようとする。
そんな二人を見て、幽助たちは同じ言葉を心中で吐き捨てた。

――この……ゲス野郎っ!!

【E-6/F-6との境界付近/一日目 夕方】

【宗屋ヒデヨシ@うえきの法則】
[状態]:冷静 、右手に怪我(噛み傷)、顔に殴られた跡
[装備]:無差別日記@未来日記、パンツァーファウストIII(0/1)予備カートリッジ×2、コルトパイソン(5/6) 予備弾×30、決して破損しない衣服
[道具]:基本支給品一式×5、『無差別日記』契約の電話番号が書かれた紙@未来日記、不明支給品0~6、風紀委員の盾@とある科学の超電磁砲、警備ロボット@とある科学の超電磁砲、
タバコ×3箱(1本消費)@現地調達、木刀@GTO、赤外線暗視スコープ@テニスの王子様、
ロンギヌスの槍(仮)@ヱヴァンゲリヲン新劇場版 、手ぬぐいの詰まった箱@うえきの法則
基本行動方針:植木か自分が優勝して 、神の力で全てをチャラにする
1:常盤愛の問いかけに対して――
2:植木を利用して、浦飯たちを処分する。
[備考] 
無差別日記と契約しました。
“声”を“似顔絵”に変える能力を利用して、未来日記の予知を表示できなくすることができます。


【植木耕助@うえきの法則】
[状態]:全身打撲、仲間を傷つけられた怒り
[装備]:探偵日記@未来日記
[道具]:基本支給品一式×3、遠山金太郎のラケット@テニスの王子様、よっちゃんが入っていた着ぐるみ@うえきの法則、目印留@幽☆遊☆白書
    ニューナンブM60@GTO、乾汁セットB@テニスの王子様
基本行動方針:絶対に殺し合いをやめさせる
1:ヒデヨシを守りながら殺し合いに乗った二人を倒し、一刻も早く綾乃を探す。
2:自分自身を含めて、全員を救ってみせる。
3:学校へ向かい、綾波レイを保護する。
4:皆と協力して殺し合いを止める。
5:テンコも探す。
[備考]
※参戦時期は、第三次選考最終日の、バロウVS佐野戦の直前。
※日野日向から、7月21日(参戦時期)時点で彼女の知っていた情報を、かなり詳しく教わりました。
※碇シンジから、エヴァンゲリオンや使徒について大まかに教わりました。
※レベル2の能力に目覚めました。


【常盤愛@GTO】
[状態]:右手前腕に打撲
[装備]:逆ナン日記@未来日記、即席ハルバード(鉈@ひぐらしのなく頃に+現地調達のモップの柄)
[道具]:基本支給品一式、学籍簿@オリジナル、トウガラシ爆弾(残り6個)@GTO、ガムテープ@現地調達
基本行動方針:認めてくれた浦飯に恥じない自分でいる
1:どうにかして2人を止める。
2:浦飯に救われてほしい
[備考]
※参戦時期は、21巻時点のどこかです。
※幽助とはまだ断片的にしか情報交換をしていません。

【浦飯幽助@幽遊白書】
[状態]:精神に深い傷、貧血(大)、左頬に傷
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×3、血まみれのナイフ@現実、不明支給品1~3
基本行動方針: もう、生き返ることを期待しない
1:宗谷たちをどうにかする。
2:圭一から聞いた危険人物(金太郎、赤也、リョーマ、レイ)を探す?
3:殺すしかない相手は、殺す……?



「くそっ……何があったってんだよ」

菊地善人が戻ってくると、杉浦綾乃も植木耕助も姿を消していた。
残されていたのは、『綾乃がいなくなったから探す。すぐ戻る』という、植木の簡潔な書き置きだ。

こういう時は迷子の鉄則にのっとって『その場を動かずに待つ』ことで行き違いを回避すべきかもしれない。
だが、こうしている間にも状況は進行している。
碇シンジから託された綾波レイをはじめとする仲間たちが、菊地たちを待っている。それも、戦いの渦中に身を置いて。
第一に、杉浦のことが心配だった。
まだ半日の付き合いでしかないけれど、よっぽどのことでも無い限り勝手な行動をとって人を心配させる少女ではないと確信がある。
彼女の精神状態に、何事かがあったとしか思えない。
そういう時に、追いかけてやらないでどうするのだ。

「問題はどっちに行ったかつかめないってことだが……泣き言は無しだ。
『先生』なら、そんな時にも『生徒』のピンチに駆けつけてやるもんだからな」

最悪の未来を回避するために、菊地は走り出した。

「頼むから、間に合ってくれよ!」


【F-6/一日目 夕方】

【菊地善人@GTO】
[状態]:健康
[装備]:デリンジャー@バトルロワイアル
[道具]:基本支給品一式×2、ヴァージニア・スリム・メンソール@バトルロワイアル 、図書館の書籍数冊 、カップラーメン一箱(残り17個)@現実 、997万円、ミラクルんコスプレセット@ゆるゆり、草刈り鎌@バトルロワイアル、
クロスボウガン@現実、矢筒(19本)@現実、火山高夫の防弾耐爆スーツと三角帽@未来日記 、メ○コンのコンタクトレンズ+目薬セット(目薬残量4回分)@テニスの王子様 、売店で見つくろった物品@現地調達(※詳細は任せます)、
携帯電話(逃亡日記は解除)、催涙弾×1@現実、死出の羽衣(4時間後に使用可能)@幽遊白書
基本行動方針:生きて帰る
1:植木と杉浦を探して走る。
2:綾波レイたちの元へ再合流。
3:落ち着いたら、綾波に碇シンジのことを教える。
4:次に仲間が下手なことをしようとしたら、ちゃんと止める
[備考]
※植木耕助から能力者バトルについて大まかに教わりました。
※ムルムルの怒りを買ったために、しばらく未来日記の契約ができなくなりました。(いつまで続くかは任せます)

【スリングショット@テニスの王子様】
吉川ちなつに支給。
弾丸として、大量の小石がつまった袋も付属している。
作中で三船入道コーチの行った『スポーツマン狩り』というサバイバルゲームの最中に、
越前リョーマと遠山金太郎が現地調達した木の枝などを利用して制作した簡単なパチンコ。
ゲーム中に不正をはたらいた高校生の風船(割られたら失格)を狙い撃ちしてリタイアに追いこむ活躍をした。
上記の出来事は、『テニスの強化合宿』の真っ最中に起こったことである。

【目くらまし詰め合わせ@現実】
御坂美琴に支給。
花火、爆竹、発煙筒などなど、とにかく火花とか音とか煙とかを出すモノの詰め合わせ。
これで支給品ひと枠。

【エンジェルモートの制服@ひぐらしのなく頃に】
御坂美琴に支給。
ファミリーレストラン『エンジェルモート』のウエイトレスの制服。
とても昭和のウエイトレスの制服とは思えないデザインをしている。



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君に届け(I for you) 菊地善人 最良の選択肢
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子どもたちは毒と遊ぶ 御手洗清志 スノードロップの花束を
悪魔にだって友情はあるんだ 宗谷ヒデヨシ 最良の選択肢
ルートカドラプル -Before Crysis After Crime- 浦飯幽助 最良の選択肢
ルートカドラプル -Before Crysis After Crime- 常盤愛 最良の選択肢


最終更新:2021年09月09日 19:55