重なる金属音が廊下に木霊し、リノリウムの床を踏み締めては飛ぶ足音が響く。
小学校の校舎という場所には似つかわしくない派手な衣装に刀を振るう血濡れの男の前髪を、戦斧が切り飛ばした。それを握るのは、小学生ほどの少女。場所へのそぐい方に対してアンバランスな巨大な得物を、まるで手足の如く正確に操り、男の和服をまたも切り裂く。
ピンクのツインテールを揺らして滑るように肉薄する少女に、男は斜め後ろに飛ぶ。壁を利用して戦斧の振るいを妨げようとする動きに、少女は冷静に刺突へと切り替え、男は三角跳びでなんとか躱すもまた服が裂かれた。
破壊と殺傷を言葉無くとも雄弁に語る大きな斧は、その勢いを止めることなく執拗さを男に感じさせて追従する。床に倒れ込むように低く伏せて躱すも、そこに振り下ろされた刃を転がって寸前で回避できたのはもはや幸運さが理由であった。
幼い使い手による殺戮ショーを前に、自身が狩られる側として盛り上げる役目にあることを自覚せざるを得ない。どこにそんな力があるのかと言いたくなるその細腕から、少女はまるで素手であるかのように2m近くある全長の武具を振るう。おかしい、こんなことは許されない、そう内心で思いながら、乙和瓢湖は己の息が切れてきたのを認識せざるを得なかった。
小学校の校舎という場所には似つかわしくない派手な衣装に刀を振るう血濡れの男の前髪を、戦斧が切り飛ばした。それを握るのは、小学生ほどの少女。場所へのそぐい方に対してアンバランスな巨大な得物を、まるで手足の如く正確に操り、男の和服をまたも切り裂く。
ピンクのツインテールを揺らして滑るように肉薄する少女に、男は斜め後ろに飛ぶ。壁を利用して戦斧の振るいを妨げようとする動きに、少女は冷静に刺突へと切り替え、男は三角跳びでなんとか躱すもまた服が裂かれた。
破壊と殺傷を言葉無くとも雄弁に語る大きな斧は、その勢いを止めることなく執拗さを男に感じさせて追従する。床に倒れ込むように低く伏せて躱すも、そこに振り下ろされた刃を転がって寸前で回避できたのはもはや幸運さが理由であった。
幼い使い手による殺戮ショーを前に、自身が狩られる側として盛り上げる役目にあることを自覚せざるを得ない。どこにそんな力があるのかと言いたくなるその細腕から、少女はまるで素手であるかのように2m近くある全長の武具を振るう。おかしい、こんなことは許されない、そう内心で思いながら、乙和瓢湖は己の息が切れてきたのを認識せざるを得なかった。
「お前はなんなんだ……!」
「……」
「……」
思わずそう問う乙和に、少女は──水分身を少女の姿に変化させている桃地再不斬は戦斧で答える。これから殺す雑魚に会話する必要性を感じえない。学校という場所に紛れ込みやすい容姿に、自分の愛刀である首斬り包丁と間合いが近くかつ与える印象が違う戦斧を変化の術で用意し、キルスコアの稼ぎを進める。ちょうど相手もマーダーのようで好都合だ。ライバルを減らしつつ自分が殺すための子供も守れる。気兼ねなく殺せてファーストキルにはうってつけである。さっきのバギーはどういうわけか斬れなかったし、ライオンのキルスコアはおそらく自分には入らなかっただろうなという今この時、まず殺るべきは乙和だった。
「お前も殺し合いに乗っているんだろ? どうだ? ここは二人で──」
無理だろうなと思いながら言った乙和の言葉に再不斬が返したのは怪しく煌めく刃である。既に再不斬は相手の実力は把握している。いいところ下忍レベル、忍術も使えない侍だとすれば下忍にすら負けるだろう。この程度ならアカデミーの卒業試験で皆殺しにしてきた。
忍刀七人衆は武器頼りの無能ではない。再不斬も若手の頃は乙和が持つような刀を握ってきたことがあった。ゆえにその間合いも特性も把握済みである。加えて、乙和は手負いなのに対して再不斬は能力の落ちる水分身とはいえ無傷の無消耗。その結末は明白だった。
足音も無く間合いを詰める再不斬に、乙和は後退を余儀なくされる。失った片手の指が恨めしい。梅花袖箭が通じる相手とは思えないが、己の得意とする暗器が使えないのはやはり痛い。シンプルに手傷の煩わしさと出血もある。長引けば今以上に不利なのは明らかだが、さりとて今なにかできるというわけでもない。
銃を使うか、頭の中をそんな考えが過るが直ぐに打ち消す。刀を片手でしか実質握れていない今、撃ちなれない武器を使おうと思えば一瞬だが無手になる。その隙を見逃す相手とは思えない。
迫る戦斧をなんとかいなしながらその勢いで更に後ろに下がる。文字通りに、太刀打ちができない。あんな斧を受け止めれば刀は断たれその刃は自身へと突き刺さるだろう。武器の質量が違う、頑丈さが違いすぎる。手にかかる力からその異常な筋力を痛感するが、痛感という言葉を文字通りに女児に味合わされる日が来るなど思わなかった。
思えば、最初に殺そうとした女児、あれに一杯食わされてからケチがついて回っている。なぜ自分がこんな小娘に翻弄されているのか、あってはならないことが起こり続けている。
忍刀七人衆は武器頼りの無能ではない。再不斬も若手の頃は乙和が持つような刀を握ってきたことがあった。ゆえにその間合いも特性も把握済みである。加えて、乙和は手負いなのに対して再不斬は能力の落ちる水分身とはいえ無傷の無消耗。その結末は明白だった。
足音も無く間合いを詰める再不斬に、乙和は後退を余儀なくされる。失った片手の指が恨めしい。梅花袖箭が通じる相手とは思えないが、己の得意とする暗器が使えないのはやはり痛い。シンプルに手傷の煩わしさと出血もある。長引けば今以上に不利なのは明らかだが、さりとて今なにかできるというわけでもない。
銃を使うか、頭の中をそんな考えが過るが直ぐに打ち消す。刀を片手でしか実質握れていない今、撃ちなれない武器を使おうと思えば一瞬だが無手になる。その隙を見逃す相手とは思えない。
迫る戦斧をなんとかいなしながらその勢いで更に後ろに下がる。文字通りに、太刀打ちができない。あんな斧を受け止めれば刀は断たれその刃は自身へと突き刺さるだろう。武器の質量が違う、頑丈さが違いすぎる。手にかかる力からその異常な筋力を痛感するが、痛感という言葉を文字通りに女児に味合わされる日が来るなど思わなかった。
思えば、最初に殺そうとした女児、あれに一杯食わされてからケチがついて回っている。なぜ自分がこんな小娘に翻弄されているのか、あってはならないことが起こり続けている。
「舐めるなぁっ!!」
こうなったらやるしかない。
乙和は裂帛の気合いと共に刀を投げつけた。その自棄糞な攻撃は全く再不斬の足を止めることはできずに迫られるが、そこで梅花袖箭を差し込む。当然のようにこれも防がれ、初見の不意打ちに反応するなと言いたくなるのを堪えて自由になった手で手榴弾のピンを抜いた。
その動きに再不斬の反応が遅れる。乙和はこういう時の為に死角を生みやすい服を着ている。何よりその行動が再不斬を惑わせた。煙玉のような物を作動させ、そのまま持っているのか、これはどういうことなのか、判断に迷う。そして。
乙和は裂帛の気合いと共に刀を投げつけた。その自棄糞な攻撃は全く再不斬の足を止めることはできずに迫られるが、そこで梅花袖箭を差し込む。当然のようにこれも防がれ、初見の不意打ちに反応するなと言いたくなるのを堪えて自由になった手で手榴弾のピンを抜いた。
その動きに再不斬の反応が遅れる。乙和はこういう時の為に死角を生みやすい服を着ている。何よりその行動が再不斬を惑わせた。煙玉のような物を作動させ、そのまま持っているのか、これはどういうことなのか、判断に迷う。そして。
キイィィィィィィィィィン!!!
「チッ!!」
再不斬の良い目が閃光に、良い耳が爆音に潰される。しまった、このタイプかと思った時には前後不覚に陥っていた。それでも慣れで立ち続け勘で戦斧を振るうと、直前の位置取りから素早く教室へと駆け込んだ。五感が潰されていても無音殺人術の達人である再不斬だからこそできる芸当だが、だからこそこの一撃の影響は大きい。なまじ鋭い感覚を持つがゆえにそのダメージもひとしおである。
そしてなんとか感覚を取り戻した時には、既に乙和の姿は無かった。
そしてなんとか感覚を取り戻した時には、既に乙和の姿は無かった。
「自爆覚悟とはやるじゃねえか。にしても、チャクラをケチり過ぎたな……忍術も使えねえのはナメ過ぎたか。」
再不斬は少女の外見に似つかわしくない笑みを浮かべると印を結ぶ。あれだけいたのに誰一人殺せないとは我ながら甘く見過ぎていた、そう自重しながら少女がただの水へと戻る。水分身の術を解いたことでその経験は再不斬にフィードバックされるのだ。
どのみちこの校舎には人も物音も多すぎて大きすぎて水分身では限界がある。もう情報は手に入った、斥候としては充分だろう。
どのみちこの校舎には人も物音も多すぎて大きすぎて水分身では限界がある。もう情報は手に入った、斥候としては充分だろう。
「しっかし……あのガキは早いとこ始末しておいたほうがいいな。」
(ハハハハハ、やったぞ!!)
一方、乙和瓢湖はその頃2階にひとまず潜伏し、荒い息を整えながら喜びを噛み締めていた。
逆転の一手を思いついたのは紫苑メグに一泡吹かされた時のことを思い出したからだった。
防犯スプレーという未知の暗器で出し抜かれた屈辱は乙和に現代の武器への関心を産んでいた。その中でも気に入ったのがさっき使ったフラッシュバンである。銃などの直接的な武器ももちろん使うが、こういう搦手の方が性に合っている。数時間前に手に入れた最初は手榴弾と間違えて投げてその効果と殺傷能力の無さに驚いたものだが、それならそれで使い用もあると暗器として仕込んでいた。
気合いとは裏腹に一目散に逃げ出したわけだが、逃げるが勝ちだと乙和は安堵のため息を吐く。刀も拾ったし、今は指の止血も始められた。状況は確実に改善している。後は下で戦っている縁に合流するなり押し付けるなりしようと思いながら、ふと窓から校庭を覗いた。
縁が殺ったのだろう、死体らしきものがいくつか転がっている。乙和としては暴れ回る縁を囮に静かに殺した数を稼いで行く気だったが、結果的にマーダー同士で潰し合っている間に縁にだいぶ稼がれてしまった。とはいえまだ階下からは怒号混じりの戦闘音が響いている。ひとまずさっきのメスガキをどうにかさせてそこからだと、息を整え体制を立て直すことを優先した。
逆転の一手を思いついたのは紫苑メグに一泡吹かされた時のことを思い出したからだった。
防犯スプレーという未知の暗器で出し抜かれた屈辱は乙和に現代の武器への関心を産んでいた。その中でも気に入ったのがさっき使ったフラッシュバンである。銃などの直接的な武器ももちろん使うが、こういう搦手の方が性に合っている。数時間前に手に入れた最初は手榴弾と間違えて投げてその効果と殺傷能力の無さに驚いたものだが、それならそれで使い用もあると暗器として仕込んでいた。
気合いとは裏腹に一目散に逃げ出したわけだが、逃げるが勝ちだと乙和は安堵のため息を吐く。刀も拾ったし、今は指の止血も始められた。状況は確実に改善している。後は下で戦っている縁に合流するなり押し付けるなりしようと思いながら、ふと窓から校庭を覗いた。
縁が殺ったのだろう、死体らしきものがいくつか転がっている。乙和としては暴れ回る縁を囮に静かに殺した数を稼いで行く気だったが、結果的にマーダー同士で潰し合っている間に縁にだいぶ稼がれてしまった。とはいえまだ階下からは怒号混じりの戦闘音が響いている。ひとまずさっきのメスガキをどうにかさせてそこからだと、息を整え体制を立て直すことを優先した。
(しかし……あのガキもなんとかしないとな。)
「緋村さん、離してくれ!」
スケボーに乗っているときのようなスピードを人間に担がれて味わうことになるとは。その異常なまでの身体能力に驚きながら、江戸川コナンは遠ざかっていく、つい先程まで話していた子供たちが死体へと変わっていく現場へ向かって叫んでいた。
緋村剣心がコナンを選んだ理由、それは最もあの場で幼かったからだ。チラリと見えたさっきの銀髪の男はおそらく焙烙火矢を持っていた。爆発物を撃ち込まれれば剣でできることなどない。ましてや自分以外の誰かに向けられたものとなっては、できることはただ一つ、誰か1人抱えて逃げることだけだった。
緋村剣心がコナンを選んだ理由、それは最もあの場で幼かったからだ。チラリと見えたさっきの銀髪の男はおそらく焙烙火矢を持っていた。爆発物を撃ち込まれれば剣でできることなどない。ましてや自分以外の誰かに向けられたものとなっては、できることはただ一つ、誰か1人抱えて逃げることだけだった。
「少年、しばらくこの屋敷の中で……」
パァン!
最寄りに見えた体育館に駆け込み、コナンに語りかけたところで、足元に撃ち込まれた弾丸に飛び退く。追いつかれたか、そう思い顔を上げると目が合ったのは、虚ろな瞳をした少年だった。
「居想さん!? やめてくれ! この人は敵じゃない!」
「みー……居想……そうです……ボクは、居想……違う、クソッ、頭が、のたうつ……動くな、ミツルか?」
(おいおい勘弁してくれよ!)
「みー……居想……そうです……ボクは、居想……違う、クソッ、頭が、のたうつ……動くな、ミツルか?」
(おいおい勘弁してくれよ!)
そこにいたのは居想直矢だった。最後に見たのは保健室だったと思うがなぜここにいるのか。いや、今はそれはいい。問題は明らかに錯乱しているところだ。
コナンは直矢がどんな人間か全くと言っていいほど知らない。まだ元太の方が同じ部屋にいた時間が長いぶん人となりを知っているだろう。だからわからない。なぜ直矢が錯乱しているのかを。彼から聞いた知り合いの名前は放送では呼ばれていなかったはずである。というか放送前から突然具合が悪くなっていたので、何が原因かすらわからない。
一つ確かなのは、やけに殺気立ってこちらに銃を向けていることだ。
コナンは直矢がどんな人間か全くと言っていいほど知らない。まだ元太の方が同じ部屋にいた時間が長いぶん人となりを知っているだろう。だからわからない。なぜ直矢が錯乱しているのかを。彼から聞いた知り合いの名前は放送では呼ばれていなかったはずである。というか放送前から突然具合が悪くなっていたので、何が原因かすらわからない。
一つ確かなのは、やけに殺気立ってこちらに銃を向けていることだ。
パァン!
更に発砲がおき、直矢は己の足元を銃撃した。これにはコナンも剣心も言葉を失う。銃を持ち錯乱している子供の扱い方などさすがの2人でもわからない。そうこうしている間に更に銃声は増えていく。あの銀髪の男だけでなくおそらく何人も殺し合いに乗った人間がいるのだろう。あるいは、直矢のように錯乱した人間がいるのだろう。こうしている間にも、そんな人間たちによって誰かが傷つき、死んでいく。
「コナン、合図をしたら走れ。」
「緋村さん、何する気だ。」
「黙らせる。」
「緋村さん、何する気だ。」
「黙らせる。」
コナンを下ろすと剣心は刀に手をかけた。ギョッとするコナンに「殺しはしない」と続けるも、武器を使って黙らせること自体に探偵として言いたいことはある。峰打ちで気絶させるとかそういうのだとは思うが、剣心にも直矢にも危険すぎる。
なんとか剣心を止めて、直矢を刺激しないようにできないかとコナンは思うが、事態の進展は彼を待ってはくれない。ふと影が刺し、なぜ室内で曇りがかったように突然暗くなったのだと思うより早く、また剣心に抱きかかえられていた。
なんとか剣心を止めて、直矢を刺激しないようにできないかとコナンは思うが、事態の進展は彼を待ってはくれない。ふと影が刺し、なぜ室内で曇りがかったように突然暗くなったのだと思うより早く、また剣心に抱きかかえられていた。
ガガッ!!
(今度はなんだ!?)
さっきまで自分たちがいたところに上から突き刺さった黒い影。見上げると、宙にセーラー服の少女が浮いていた。
(──あの動き、只者じゃないな。旅人か?)
再不斬と乙和との三つ巴からいち早く撤退した芦川美鶴は、狩場を体育館に定めていた。
元々一番階段に近いポジションだったこともあり素早く撤退すると、再不斬も乙和も互いに背中を刺されることを警戒して追跡することはなかった。悠々と退くとさてどこに向かうかと考えて、下に行けば行くほど聞こえてくる銃声に校舎からの退避を決める。銃弾の弾速はバルバローネでは反応できず、かと言って常に全方位に防御をしていれば魔力の消費も馬鹿にならず移動にも支障が出る。どうしようかと考えたところに見えた体育館に、あそこなら校舎を逃げ出した子供が向かいそうだと防災訓練などの経験から思って待ち伏せをすることとした。
既に3人もいて戦闘になりかけているのには少々驚いたがむしろ好都合。ここで皆殺しにすれば一気に3人殺害で首輪解除に近づく。銃を持っているらしい少年は気がかりだったが、拳銃1つぐらいならまあなんとでもなると、まずは獲物を横取りせんと侍とメガネの子供を狙った。
元々一番階段に近いポジションだったこともあり素早く撤退すると、再不斬も乙和も互いに背中を刺されることを警戒して追跡することはなかった。悠々と退くとさてどこに向かうかと考えて、下に行けば行くほど聞こえてくる銃声に校舎からの退避を決める。銃弾の弾速はバルバローネでは反応できず、かと言って常に全方位に防御をしていれば魔力の消費も馬鹿にならず移動にも支障が出る。どうしようかと考えたところに見えた体育館に、あそこなら校舎を逃げ出した子供が向かいそうだと防災訓練などの経験から思って待ち伏せをすることとした。
既に3人もいて戦闘になりかけているのには少々驚いたがむしろ好都合。ここで皆殺しにすれば一気に3人殺害で首輪解除に近づく。銃を持っているらしい少年は気がかりだったが、拳銃1つぐらいならまあなんとでもなると、まずは獲物を横取りせんと侍とメガネの子供を狙った。
「ミツルぅ!!」
「邪魔だよ。」
「邪魔だよ。」
なぜ名前を知っているのか、銃弾をバルバローネで防ぎつつミツルは直矢へと影の腕を伸ばす。元の学校にあんな奴はいなかったし、転校先でも見ない顔だ。たぶん。なら、幻界の関係者か? 自分と同じような旅人か?
「ぐうっ!」
「走れ!」
「走れ!」
あるいはそれらから話を聞かされた人間かとも思ったが、それにしてはやけに殺気立っている。剣心が飛び込んで直矢を抱えて走るのを追撃しつつ考える。それとも、さっき殺した奴らの関係者か?
「殺せば同じだよな……バルバローネ!」
コナンが剣心とは逆方向に駆けるのを見て、一瞬迷ってからコナンを追う。「こっちかよっ」と毒づくコナンを狙うのは、射程の問題からだ。さすがに真逆に移動する2組を同時に狙うことはできない。まずはさっさと殺せる低学年らしき方から殺し、銃を持つ方と旅人らしき方を確実に殺す。片目で直矢たちを警戒し影を盾としつつ、コナンの頭上に飛んだ。放った腕がコナンの腕を掠め、飛び散った肉片が体育館のフローリングを汚す。それを踏み締めて必死に駆けるコナンの背中に迫った腕を、逆刃刀が弾いた。
「じゃあそっちだ。」
剣心がコナンのガードに回ったということは直矢が1人だということ。
ポケットから拳銃を取り出すと片手で直矢に向ける。剣心が戻ろうとするところにバルバローネを差し向け、コナンを抱えさせて逃げ惑わせる。歯噛みする剣心をほくそ笑みながら発砲すれば、直矢の頭から赤い血が迸った。
ポケットから拳銃を取り出すと片手で直矢に向ける。剣心が戻ろうとするところにバルバローネを差し向け、コナンを抱えさせて逃げ惑わせる。歯噛みする剣心をほくそ笑みながら発砲すれば、直矢の頭から赤い血が迸った。
(手が足りない。)
ギリ、と口から音を立てて剣心は駆ける。この数分に立ちはだかった三者相手に、尽く無力な己に苛立つ。
宙を舞い、黒い影を操り、拳銃まで持つ少女──実際は少年なのだが──を相手に、文字通り手も足も出ない。数メートルの埋められない距離と、攻防一体の怪腕、そして射撃。3つが揃ってもコナンか直矢どちらか1人なら守りきれる。だがそれが2人となれば、しかも片方は錯乱して銃を持ち、片方はまだ10歳にも満たない童子となれば。
宙を舞い、黒い影を操り、拳銃まで持つ少女──実際は少年なのだが──を相手に、文字通り手も足も出ない。数メートルの埋められない距離と、攻防一体の怪腕、そして射撃。3つが揃ってもコナンか直矢どちらか1人なら守りきれる。だがそれが2人となれば、しかも片方は錯乱して銃を持ち、片方はまだ10歳にも満たない童子となれば。
「消せ、バルバローネ。」
直矢に迫る影をいなし続ける。その間にコナンが銃撃され、逃げ惑ううちにこちらに近づいてしまう。コナンへも向く腕をいなしきれずに、剣心に生傷が増えていく。その度に剣心の動きは鈍り、心の中にはある考えが浮かんでいった。
(飛龍閃ならば、手加減をしなければ──)
己が飛び上がる龍翔閃では届かない。しかし、全力で逆刃刀を飛ばす飛龍閃ならば、あの影の防御を上回る速度で飛刀術による一撃を与えられれば、無力化はできる。それによって殺しかねないことを甘受するのであれば。
活人剣。人を活かす剣という、剣心が神谷薫に見た理想が遠ざかる。人斬りはできても子供1人守れず戦いを収められない現実に直面する。理想を捨てればその現実に抗える、現実に抗おうとすれば理想を捨てることになる。それは即ち現実に負けるということ、人を斬らずに収めるという道を捨てるということ。そしてその道こそがコナンと直矢を救うことになると、剣心は冷徹に理解していた。
かつて、刀狩りの張という男の一戦があった。恩人の孫を人質にとり、己と戦い刀を奪うために赤子を弄ぶ外道を殺す気で斬ったことがあった。仕方なかった。守るため。仕方なかった。
あの時のように、あの少女を斬り捨てれば、不殺などという、殺し合いの血河と屍山の等活地獄にそぐわない甘い理想を、新しい時代の夢を捨てれば、緋村剣心を捨てれば。
徐々に上がる息は剣心から時間を奪う。それは思考の時間であり、この場の2人以外を守る時間であり、打開策を打つことが可能な時間である。あと何分、いや何十秒耐えられるのか。狭まっていく可能性が、剣心に人斬りの選択肢を突きつける。
活人剣。人を活かす剣という、剣心が神谷薫に見た理想が遠ざかる。人斬りはできても子供1人守れず戦いを収められない現実に直面する。理想を捨てればその現実に抗える、現実に抗おうとすれば理想を捨てることになる。それは即ち現実に負けるということ、人を斬らずに収めるという道を捨てるということ。そしてその道こそがコナンと直矢を救うことになると、剣心は冷徹に理解していた。
かつて、刀狩りの張という男の一戦があった。恩人の孫を人質にとり、己と戦い刀を奪うために赤子を弄ぶ外道を殺す気で斬ったことがあった。仕方なかった。守るため。仕方なかった。
あの時のように、あの少女を斬り捨てれば、不殺などという、殺し合いの血河と屍山の等活地獄にそぐわない甘い理想を、新しい時代の夢を捨てれば、緋村剣心を捨てれば。
徐々に上がる息は剣心から時間を奪う。それは思考の時間であり、この場の2人以外を守る時間であり、打開策を打つことが可能な時間である。あと何分、いや何十秒耐えられるのか。狭まっていく可能性が、剣心に人斬りの選択肢を突きつける。
「剣心さん、俺がやられた演技をする。その間に居想さんを抱えて逃げてくれ。」
「なにっ。」
「死ぬ気じゃねえよ。囮になってほしいんだ。」
「なにっ。」
「死ぬ気じゃねえよ。囮になってほしいんだ。」
腕の疲れと痺れが増す中で聞こえたコナンの言葉に、剣心は思考停止した。そしてそれが煮詰まった考えをリセットする。己だけでなんとかしようという、子供を守る大人として当然の考えに一石を投じることになった。
(オレたちって足手まといが無くなったこの人なら、たぶんなんとかなる。なんとかできちまえる。)
人を殺すことを良しとしないものは剣心だけでは無い。
剣心が不殺であるように、コナンもまた不殺である。それは人斬りであった剣心とは真逆の探偵の立場から、この殺人未遂真っ最中の現場を収めるという心意気であった。
痛む傷を圧迫して血を抑えながら、コナンはしかし冷静に状況を見ていた。まるで魔法としか思えない攻撃を加えてくる女子校生に、それを人間を辞めているとしか思えない動きで太刀打ちし続ける剣心。どちらもどんなトリックなんだと思ったが、それでも観察は続けた。
およそ5mほどの高さに浮かび、その足元から実態を持つ影で常人では対応が困難なスピードで攻撃を行っている。その制御は拳銃による銃撃や本人の飛行または浮遊と同じタイミングでは、スピードも狙いも甘くなる。つまりはあれはマニュアルで制御しているのだろう。あるいはセミオートで正確な調整だけしているのかもしれないが、本人の気が逸れればあの謎の影の動きも鈍るとコナンは見ていた。
ここに来てコナンは、ファンタジーとかメルヘンもひとまずそういうのだと受け入れることにした。受け入れた上でその法則を考える。マジックかトリックかは判断できないが、ともかく人間が操るものならば、そこには犯人の思考が出る。先からバルバローネと呼びかけているあたり、奴さえなんとかすればあの影の制圧ができるかもしれない。ならそれをするしかない。江戸川コナンは、目の前で殺人事件もそれを防ぐための正当防衛による死亡も良しとしない探偵なのだから。
剣心が不殺であるように、コナンもまた不殺である。それは人斬りであった剣心とは真逆の探偵の立場から、この殺人未遂真っ最中の現場を収めるという心意気であった。
痛む傷を圧迫して血を抑えながら、コナンはしかし冷静に状況を見ていた。まるで魔法としか思えない攻撃を加えてくる女子校生に、それを人間を辞めているとしか思えない動きで太刀打ちし続ける剣心。どちらもどんなトリックなんだと思ったが、それでも観察は続けた。
およそ5mほどの高さに浮かび、その足元から実態を持つ影で常人では対応が困難なスピードで攻撃を行っている。その制御は拳銃による銃撃や本人の飛行または浮遊と同じタイミングでは、スピードも狙いも甘くなる。つまりはあれはマニュアルで制御しているのだろう。あるいはセミオートで正確な調整だけしているのかもしれないが、本人の気が逸れればあの謎の影の動きも鈍るとコナンは見ていた。
ここに来てコナンは、ファンタジーとかメルヘンもひとまずそういうのだと受け入れることにした。受け入れた上でその法則を考える。マジックかトリックかは判断できないが、ともかく人間が操るものならば、そこには犯人の思考が出る。先からバルバローネと呼びかけているあたり、奴さえなんとかすればあの影の制圧ができるかもしれない。ならそれをするしかない。江戸川コナンは、目の前で殺人事件もそれを防ぐための正当防衛による死亡も良しとしない探偵なのだから。
「……オレも銃を持ってる。アイツがオレを襲ったタイミングで出せば、こけおどしにはなる。その隙に走ってくれればどっちを追うか迷うだろ?」
これは嘘だ。コナンは銃など持っていない。急いでる中で手っ取り早く遠距離攻撃の手段はあると伝える方便だ。キック力増強シューズとどこでもボール射出ベルトを組み合わせれば、強力なサッカーボールをシュートすることができる。当たるかは怪しい。きっと、あの影に防がれてしまうだろう。それ以前に、最初の囮の段階で致命傷を受けかねないし、シュートするまでにどうしても隙が生まれる。そこを剣心が惹き付けてくれるかは完全に賭けだ。
それでも、やる価値はある。この場の誰も死なせずに場を収めるには、そんな分の悪い賭けに命をベッドする意味がある。
それでも、やる価値はある。この場の誰も死なせずに場を収めるには、そんな分の悪い賭けに命をベッドする意味がある。
「……お前は……なぜそんな。」
そういえば名前も聞いていなかったので剣心は呼びかけることもできず、ただその伝わってきた覚悟に惑う。
なぜこの少年はこんな絶望的な状況でも冷静でいられるのか。
なぜこの少年はこんな幼くても命懸けの覚悟を持って踏み出そうとするのか。
なぜこの少年は不殺の誓いを剣心が破ろうとしていても人斬り以外の道を歩もうとできるのか。
なぜこの少年はこんな絶望的な状況でも冷静でいられるのか。
なぜこの少年はこんな幼くても命懸けの覚悟を持って踏み出そうとするのか。
なぜこの少年は不殺の誓いを剣心が破ろうとしていても人斬り以外の道を歩もうとできるのか。
「江戸川コナン、探偵さ。」
なぜなら。江戸川コナンは探偵なのだから。
「内緒話は終わりかい?」
「うわあああ怖いよおお!!」
「うわあああ怖いよおお!!」
泳がせていた剣心の動揺を見て、ミツルは仕留めにかかる。何を話しているかは剣戟の音で聴こえなかったが、何かしてくることはわかる。どうせバカみたいに落ちている銃を拾っていてそれで抜き打ちでもする気だろう。あるいは手榴弾のような爆発物か。だがわかっている奇襲ならば対応はできる。しっかりとバルバローネで防ぎつつ、仕掛けてきたタイミングで腕の1つで天井を壊して瓦礫による範囲攻撃で片付ける。それがコナンたちの会話の間に思いついたミツルの必殺の策だ。また抱えて走られたら厄介だが、仕掛けてくるのならそこにカウンターを差し込める。
勝負は一瞬。互いに一度きりの切り札をぶつけ合い、勝つのは自分だ。ミツルはそう思いながら、わざとらしく叫び声を上げて逃げだすコナンはスルーして剣心に銃撃を加えようとして。
勝負は一瞬。互いに一度きりの切り札をぶつけ合い、勝つのは自分だ。ミツルはそう思いながら、わざとらしく叫び声を上げて逃げだすコナンはスルーして剣心に銃撃を加えようとして。
「お前が芦川ミツルか。」
「なにっ。」
「なんだあっ。」
(こいつ正気に!?)
「なにっ。」
「なんだあっ。」
(こいつ正気に!?)
それまで明らかに錯乱していた直矢がしっかりと両手で拳銃を構えてミツルに向かって銃撃した。
「すまない、正気に戻った!」
何を隠そう、皆さんご存知のように居想直矢は異能力者である。
物に残された記憶を読み取るというその能力は、古手梨花との接触により彼女の特異性とその膨大な記憶により彼を錯乱させるには充分であった。これまでの間絶え間なくひぐらしのなく声がリフレインし、視界はどっかの片田舎を自分の故郷だと信じ込み、今いる学校や元の自分自身の記憶を他人のもののように感じる有様であった。
それを変えたのが、緋村剣心と江戸川コナンとの接触。特に、コナンが持つ居想直矢という少年への記憶である。
古手梨花であるという己の記憶に対し、居想直矢であるという第三者の記憶を読み取ったことで、己が己を古手梨花だと思いこんでいるのではないか?そう気づけたとき、直矢は急速に錯乱を鎮めていた。
夢というものは、それが夢だと認識すると醒めるものだ。
コナンと離れたことでまた古手梨花の記憶が迫ってくるのを実感する中、今この時、この瞬間だけはミツルという危険人物に集中することで、自分が何者かということを忘我、我を忘れることで正気であるかのように振る舞う。メンタルに関係する異能力だからこそその作用のコントロールのきっかけを掴めた。人の記憶を読み取ることへのリミッターが外れたことによるこのチャンスに全てを賭ける!
物に残された記憶を読み取るというその能力は、古手梨花との接触により彼女の特異性とその膨大な記憶により彼を錯乱させるには充分であった。これまでの間絶え間なくひぐらしのなく声がリフレインし、視界はどっかの片田舎を自分の故郷だと信じ込み、今いる学校や元の自分自身の記憶を他人のもののように感じる有様であった。
それを変えたのが、緋村剣心と江戸川コナンとの接触。特に、コナンが持つ居想直矢という少年への記憶である。
古手梨花であるという己の記憶に対し、居想直矢であるという第三者の記憶を読み取ったことで、己が己を古手梨花だと思いこんでいるのではないか?そう気づけたとき、直矢は急速に錯乱を鎮めていた。
夢というものは、それが夢だと認識すると醒めるものだ。
コナンと離れたことでまた古手梨花の記憶が迫ってくるのを実感する中、今この時、この瞬間だけはミツルという危険人物に集中することで、自分が何者かということを忘我、我を忘れることで正気であるかのように振る舞う。メンタルに関係する異能力だからこそその作用のコントロールのきっかけを掴めた。人の記憶を読み取ることへのリミッターが外れたことによるこのチャンスに全てを賭ける!
「いっけぇぇぇ!!!」
この思わぬチャンス、逃すコナンではない。
ベルトから出したサッカーボールが膨らみ、床を跳ねる間にシューズのダイヤルを回す。威力は上げ過ぎない。ミツルは肉体的にはおそらく子供、必要なのはパワーよりもコントロール。
直矢の銃撃をガードし、がら空きになった側面に向けてインサイドキックによりシュートを放つ。直矢に銃口を向け直し、しかし自身の影で射線が潰れ、予定通りに天井への攻撃をしようと再度影を操作していたところにボールが迫る。コナンの声により気づき、攻撃に回す怪腕は防御へと回された。
それでいい。コナンはほくそ笑みながら体育館から出ようと出口へ駆ける。無力な行動でもそれに付き合わせて相手に主導権を握らせない、後手に回させる、それが今ここでは最重要、薄氷を踏む連携がミツルにとっさの行動を取らせ続けるのだ!
ベルトから出したサッカーボールが膨らみ、床を跳ねる間にシューズのダイヤルを回す。威力は上げ過ぎない。ミツルは肉体的にはおそらく子供、必要なのはパワーよりもコントロール。
直矢の銃撃をガードし、がら空きになった側面に向けてインサイドキックによりシュートを放つ。直矢に銃口を向け直し、しかし自身の影で射線が潰れ、予定通りに天井への攻撃をしようと再度影を操作していたところにボールが迫る。コナンの声により気づき、攻撃に回す怪腕は防御へと回された。
それでいい。コナンはほくそ笑みながら体育館から出ようと出口へ駆ける。無力な行動でもそれに付き合わせて相手に主導権を握らせない、後手に回させる、それが今ここでは最重要、薄氷を踏む連携がミツルにとっさの行動を取らせ続けるのだ!
「────────」
切り裂かれたサッカーボールにミツルの目が奪われる。
思い出されるのはミツルの哀しき過去。
七夕、自身の誕生日のこと。
帰宅した彼が見たのは、血に沈む妹と母の姿。
そして知った、父親の殺人と自殺。
あの日、ミツルが放課後にサッカーをして遅くなっている間に崩壊した家庭。
本当に死ぬべきだったのは、ミツル。
思い出されるのはミツルの哀しき過去。
七夕、自身の誕生日のこと。
帰宅した彼が見たのは、血に沈む妹と母の姿。
そして知った、父親の殺人と自殺。
あの日、ミツルが放課後にサッカーをして遅くなっている間に崩壊した家庭。
本当に死ぬべきだったのは、ミツル。
「バルバローネエエ!!」
その瞬間、ミツルはブチ切れた。
自分が逆ギレをしているという自覚を持ちながら、この煮えくり返る腸を誰かにぶつけないと、自分で自分を殺してしまいそうな衝動に、心の中では酷く冷静になりながら意識して激怒する。
自分が逆ギレをしているという自覚を持ちながら、この煮えくり返る腸を誰かにぶつけないと、自分で自分を殺してしまいそうな衝動に、心の中では酷く冷静になりながら意識して激怒する。
「ちょっとぐらいさせてくれよ! 殺人を!」
街を騒がせる殺人鬼の息子、妻を寝取られた一家心中サレ夫の子供。ご町内で有名な「あの子と遊んじゃいけません」、ならばそのとおりに振る舞おうじゃないか。
ミツルはしかし冷静にサブマシンガンを取り出した。バルバローネをガードに回しつつまずは剣心を弾幕で蜂の巣にし、直矢、コナンと順に殺そうとする。そこで気づく。剣心はどこだ。
ミツルはしかし冷静にサブマシンガンを取り出した。バルバローネをガードに回しつつまずは剣心を弾幕で蜂の巣にし、直矢、コナンと順に殺そうとする。そこで気づく。剣心はどこだ。
「そこかぁ!」
「飛天御剣流……」
「飛天御剣流……」
ミツルは横に向けて乱射した。剣心は僅かな隙に駆けていたがそれは横ではなく縦、壁を蹴って壁際にある2階の廊下へと手をかけると素早く登り、手摺の上を駆けて勢いをつけると跳躍していた。しかし、届かない。高さは稼げたがそのぶん以上に横に距離が開いてしまっている。こちらに向かって飛びかかっているが飛距離が足りない。ミツルは全方向をバルバローネで囲わせ一対一の体制を作ると、銃眼の様に開いた隙間から銃口を出してそして。
キイィィィィィィィィィン!!!
「があっ!」
「──龍鳴閃。」
「──龍鳴閃。」
飛天御剣流・龍鳴閃。
限界まで意識を剣心に集中させていた所に、剣心は己の逆刃刀を神速で納刀、それによって発せられた超高周波の鍔鳴りをミツルにぶつけた。
たまらずミツルは平衡感覚を失う。聴覚へのダメージは近くで意識を向けていたミツルが最も大きい。特に魔法で宙に浮いている都合上、それは墜落を意味する。
限界まで意識を剣心に集中させていた所に、剣心は己の逆刃刀を神速で納刀、それによって発せられた超高周波の鍔鳴りをミツルにぶつけた。
たまらずミツルは平衡感覚を失う。聴覚へのダメージは近くで意識を向けていたミツルが最も大きい。特に魔法で宙に浮いている都合上、それは墜落を意味する。
「クソ……魔法か?」
床に転がるミツルがふらつきながらバルバローネの隙間から外を見たとき、生きている者は体育館にはいなかった。
「ハァ……ハァ……ミー……死ぬかと思ったわ。」
「お前治ってねえじゃねえか!」
「ぐっ、頭が……悪い、催眠的なのを喰らってな……」
「2人とも急いで学校から離れろ。」
「離れろっつったってどこに逃げればいいんだよ。」
「そうだ……それに仲間もいる。」
「お前治ってねえじゃねえか!」
「ぐっ、頭が……悪い、催眠的なのを喰らってな……」
「2人とも急いで学校から離れろ。」
「離れろっつったってどこに逃げればいいんだよ。」
「そうだ……それに仲間もいる。」
逃げ出した剣心たち3人は、コナンに誘導されて校庭側の木陰に隠れていた。
コナンの予想通り、既にさっきの殺人鬼の姿は無かった。目的を考えれば、校庭などという人が少なくて目に着く所に長居するはずがないという読みだ。その結果3人は校庭に転がる死体を見つけることになるが、他にまともな隠れ場所も無いのが実情である。この木陰、じっとしていれば体育館内どころか校庭や校舎からも意外と見にくく、またその位置取り的にわざわざ接近しようという人間も少ないという塩梅であった。そんな場所を咄嗟に避難場所として思いつくコナンに益々剣心は何者なのかと思うが、そんなことを気にしている場合ではない。
コナンの予想通り、既にさっきの殺人鬼の姿は無かった。目的を考えれば、校庭などという人が少なくて目に着く所に長居するはずがないという読みだ。その結果3人は校庭に転がる死体を見つけることになるが、他にまともな隠れ場所も無いのが実情である。この木陰、じっとしていれば体育館内どころか校庭や校舎からも意外と見にくく、またその位置取り的にわざわざ接近しようという人間も少ないという塩梅であった。そんな場所を咄嗟に避難場所として思いつくコナンに益々剣心は何者なのかと思うが、そんなことを気にしている場合ではない。
「そうだ、名前……居想直矢……です。たぶん……それとこれを。」
「緋村剣心でござる。これは……」
「この学校にいる人間とその知り合いのリストです。持っててください。」
「緋村剣心でござる。これは……」
「この学校にいる人間とその知り合いのリストです。持っててください。」
話す間にも校舎内からは銃声が響いている。そのことに総毛立つ3人だが、まずは最低限の情報交換を優先する。でなければ誰が襲撃しているマーダーで誰が殺気立っているだけの人間か区別のつけようが無い。特に剣心は完全なる部外者、彼をこの学校で知っている者は近藤勲や鱗滝左近次などごく僅かである。
そして考えるべきは、先のマーダー、ミツルの処遇である。現状、彼を止めれるのはタイマンの剣心のみ。しかしそれでは、あの銀髪の男を止めれるかは校舎の人間任せになってしまう。それに。
そして考えるべきは、先のマーダー、ミツルの処遇である。現状、彼を止めれるのはタイマンの剣心のみ。しかしそれでは、あの銀髪の男を止めれるかは校舎の人間任せになってしまう。それに。
「あの銀髪の男、拙者の知り合いかもしれぬ。」
「なっ。」
「顔をよく見たわけではないから断言はできないが、あの顔立ち……」
「なっ。」
「顔をよく見たわけではないから断言はできないが、あの顔立ち……」
剣心の顔が曇る。あの銀髪の男は、どことなく似ているのだ。
剣心がその手で殺した元妻に。
剣心がその手で殺した元妻に。
(まさか、な。だがもし、その為に俺を殺しに来たのなら……)
押し黙ると、銃声がまた響く。考えている間は無い。
ミツルを制圧する、銀髪の男も制圧する、なんならそれ以外の錯乱している人間も制圧する。やることが多い。その中で誰を優先するか、誰を後回しにして犠牲が出るのを見過ごすか、その選択は刻一刻と問われ続けている。すでに数分というかけがえのない時間が失われている。剣心の出した答えは──
ミツルを制圧する、銀髪の男も制圧する、なんならそれ以外の錯乱している人間も制圧する。やることが多い。その中で誰を優先するか、誰を後回しにして犠牲が出るのを見過ごすか、その選択は刻一刻と問われ続けている。すでに数分というかけがえのない時間が失われている。剣心の出した答えは──
そしてそんな3人を見る1人の少年。
その名は鑑隼人、双葉マメをつい先程殺害した(と思いこんでいる)マーダーである。
隼人は近くの死体から銃を奪うと、それを簡単に検めてから更なるキルスコアの調達を図らんとしていた。
そんなところで体育館から逃げ出して来た3人に気づき銃口を向ける。見ればそれは緋村剣心、彼が以前から手練と睨んでいた相手である。
その名は鑑隼人、双葉マメをつい先程殺害した(と思いこんでいる)マーダーである。
隼人は近くの死体から銃を奪うと、それを簡単に検めてから更なるキルスコアの調達を図らんとしていた。
そんなところで体育館から逃げ出して来た3人に気づき銃口を向ける。見ればそれは緋村剣心、彼が以前から手練と睨んでいた相手である。
「殺るんだ……さっきみたいに……この手で……」
うわ言のように呟きながら、とにかく弱そうな相手を狙う。あの剣心が息が上がっているあたり、今なら殺せる、子供を守りながらで動きが遅く、なんか疲れていて弱っている今なら殺せる。
弱き者から狩る。 第3の刺客は…隼人…!?
弱き者から狩る。 第3の刺客は…隼人…!?
【0621 『北部』小学校とその周辺】
【乙和瓢湖@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
殺しを楽しむ。
●中目標
ピンク髪の少女(再不斬の水分身)や赤鼻の男(バギー)や角の生えた男(キリヲ)を殺せる手段を考える。
●小目標
傷の手当をしつつ隠れ潜み休む。
●大目標
殺しを楽しむ。
●中目標
ピンク髪の少女(再不斬の水分身)や赤鼻の男(バギー)や角の生えた男(キリヲ)を殺せる手段を考える。
●小目標
傷の手当をしつつ隠れ潜み休む。
【桃地再不斬@NARUTO-ナルト-白の童子、血風の鬼人(NARUTOシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
首輪解除の保険として使えそうな対主催には接触しておくが、それ以外は間引く。
●小目標
マーダー共を直接殺す。
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
首輪解除の保険として使えそうな対主催には接触しておくが、それ以外は間引く。
●小目標
マーダー共を直接殺す。
【江戸川コナン@名探偵コナン 紺青の拳(名探偵コナンシリーズ)@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、脱出する。
●中目標
元太や灰原のような知り合いと合流する。
●小目標
校内のマーダーを捕まえる。
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、脱出する。
●中目標
元太や灰原のような知り合いと合流する。
●小目標
校内のマーダーを捕まえる。
【緋村剣心@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
一つでも多くの命を救う。
●中目標
鱗滝と近藤の治療の術を探す。
●小目標
銀髪の男(縁)や少女(ミツル)の襲撃から人々を守る。特に銀髪の男は──
●大目標
一つでも多くの命を救う。
●中目標
鱗滝と近藤の治療の術を探す。
●小目標
銀髪の男(縁)や少女(ミツル)の襲撃から人々を守る。特に銀髪の男は──
【居想直矢@異能力フレンズ(1) スパーク・ガールあらわる! (異能力フレンズシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
???
●中目標
???
●小目標
古手梨花……記憶が混ざる……忘れないように意識し続けないと……
【目標】
●大目標
???
●中目標
???
●小目標
古手梨花……記憶が混ざる……忘れないように意識し続けないと……
【芦川美鶴@ブレイブ・ストーリー (4)運命の塔(ブレイブ・ストーリーシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
ゲームに優勝し、家族を取り戻す。
●中目標
学校にいる人間を殺していき首輪を解除する。
●小目標
……仕切り直しだ。
【目標】
●大目標
ゲームに優勝し、家族を取り戻す。
●中目標
学校にいる人間を殺していき首輪を解除する。
●小目標
……仕切り直しだ。
【鑑隼人@パセリ伝説 水の国の少女 memory(3)(パセリ伝説シリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
パセリと秀人を生き残らせる。
●中目標
優勝する。
●小目標
光矢……パセリは守るよ。
【目標】
●大目標
パセリと秀人を生き残らせる。
●中目標
優勝する。
●小目標
光矢……パセリは守るよ。