『あーあー聞こえるかー! オレ達は殺し合いに乗ってない! みんなも殺し合いなんてやめようよ! LOVE&PIECE! 愛だよ愛! てかさ、いきなり変な森に連れて来られて殺し合うヤツいねえよ! あんな変なウサギっぽいやつに殺し合えって言われてさ、殺し合うなんてさ、こんなんでいいのかよ! だから! 殺し合いなんてやら『お前放送ヘタすぎんだろ変われ!』ちょっと待てジャンケンで勝ったのオレじゃん!『爆弾のこと言わないと』それで! あの、この、灯台『展望台』展望台に、ちがう、展望台の、裏に、爆弾があんのよ! 仕掛けたの! で、あの展望台来るときはこの下の崖みたいな坂の下の方で、合図してほしいのよ! そしたらあの爆弾のスイッチオフにするから、あの、あれ、あれだ、『あのーあれだよ』あの『アレだね』おい全員ド忘れしてんじゃねえか!』
どうしよう、どうしよう。
園崎詩音は藪の中で悩む。
つい今しがた聞こえた放送。
関本和也・小林旋風・早乙女ユウの3名による拡声器の声は、あてもなく山地をさまよっていた詩音の耳にも届いた。
そしてその後に聞こえた爆発音。
これで何が起こったかわからないような少女ではない。
園崎詩音は藪の中で悩む。
つい今しがた聞こえた放送。
関本和也・小林旋風・早乙女ユウの3名による拡声器の声は、あてもなく山地をさまよっていた詩音の耳にも届いた。
そしてその後に聞こえた爆発音。
これで何が起こったかわからないような少女ではない。
「幻覚だと思いたいんだけどな……本当に、殺し合いを?」
本当に考えにくいことだが、これが現実に殺し合いだという可能性が捨てきれない。
さすがにこれがオヤシロ様の祟りとまでは思わないが、だがその可能性もゼロではない。
ようするに、殺し合いに向けての方針を先送りせずに決めなくてはならない。
今現在、山で1時間も迷子の詩音にとって、あの爆発と放送だけがヒントである。
不本意だが、あのあからさまに危険な音以外に、何も頼りがない。
雛見沢という田舎育ちの彼女であっても、いや、だからこそ、赤い霧という超常現象が発生している見知らぬ森でこれ以上遭難し続けることの危険性はよく理解している。
迷った末に詩音は、結局拡声器の声を目指すこととした。爆弾という発言や爆音といった不穏な要素はあるが背に腹は替えられぬ。
幸か不幸か、歩き始めて少しすると立ち上る煙が見えるようになった。霧に紛れて直ぐに薄くなってしまったが、野山の歩き方を知っている彼女ならば、なんとか歩けなくもない。そして途中からしだした刺激臭に困惑しながらも、それらしき展望台をどうにか確認した。
さすがにこれがオヤシロ様の祟りとまでは思わないが、だがその可能性もゼロではない。
ようするに、殺し合いに向けての方針を先送りせずに決めなくてはならない。
今現在、山で1時間も迷子の詩音にとって、あの爆発と放送だけがヒントである。
不本意だが、あのあからさまに危険な音以外に、何も頼りがない。
雛見沢という田舎育ちの彼女であっても、いや、だからこそ、赤い霧という超常現象が発生している見知らぬ森でこれ以上遭難し続けることの危険性はよく理解している。
迷った末に詩音は、結局拡声器の声を目指すこととした。爆弾という発言や爆音といった不穏な要素はあるが背に腹は替えられぬ。
幸か不幸か、歩き始めて少しすると立ち上る煙が見えるようになった。霧に紛れて直ぐに薄くなってしまったが、野山の歩き方を知っている彼女ならば、なんとか歩けなくもない。そして途中からしだした刺激臭に困惑しながらも、それらしき展望台をどうにか確認した。
──余談だが、このとき詩音が嗅いだ臭いの発生源である蜘蛛の鬼(兄)とは入れ違いになっていた。
彼は光彦たちに標的を移したところ、ちょうどピカチュウたちと合流しているのを見つけて襲撃の準備に入っていたところであった。
彼は光彦たちに標的を移したところ、ちょうどピカチュウたちと合流しているのを見つけて襲撃の準備に入っていたところであった。
「あんなところにあったら、狙われるわな……周りに人は、うん?」
増えていく独り言を言いながら周囲を見渡す。
放送していた少年を襲った人間がまだ近くにいるかもしれないし、あの爆音につられて自分のような遭難者が集まってくるかもしれないという予想は、ドンピシャだった。
森の中を素早く移動する黒い影を見つける。その存在に先んじて気づけたのは幸運だろう。
乙和瓢湖は、彼女のような引き集められた参加者を殺そうと爆音を目指してきたのだから。
放送していた少年を襲った人間がまだ近くにいるかもしれないし、あの爆音につられて自分のような遭難者が集まってくるかもしれないという予想は、ドンピシャだった。
森の中を素早く移動する黒い影を見つける。その存在に先んじて気づけたのは幸運だろう。
乙和瓢湖は、彼女のような引き集められた参加者を殺そうと爆音を目指してきたのだから。
(うっわ〜、見るからに不審者だ。なにあれ? 忍者?)
その異様な出で立ちに心の中でツッコまずにはいられない。
自分のバイト先の制服を棚に上げてそう思うと、詩音は瓢湖の進行方向と直角に方向転換した。
あんな不審者と同じ方向には行けないが、展望台から離れるわけにも行かない。こうなったら早めにり手がかりなりなんなり見つけて離れようと心に決める。
そう思って展望台を横から周り込むような動きで移動を開始すると、すぐに人を見つけた。もっとも、詩音が望むような出会いではなかったが。
自分のバイト先の制服を棚に上げてそう思うと、詩音は瓢湖の進行方向と直角に方向転換した。
あんな不審者と同じ方向には行けないが、展望台から離れるわけにも行かない。こうなったら早めにり手がかりなりなんなり見つけて離れようと心に決める。
そう思って展望台を横から周り込むような動きで移動を開始すると、すぐに人を見つけた。もっとも、詩音が望むような出会いではなかったが。
「車椅子の、女の子?」
森の中で見つけたのは車椅子の少女だった。スタックしているのか、全く動こうとせずに、途方に暮れたように空を見上げている。
詩音は迷った。森の中で車椅子。どう考えても足手まといだ。こんな場所で障害者に道徳心を出すような余裕などない。
せっかくの参加者だが、彼女は見なかったことにしよう。そう思って他の参加者を探すことにした。
詩音は迷った。森の中で車椅子。どう考えても足手まといだ。こんな場所で障害者に道徳心を出すような余裕などない。
せっかくの参加者だが、彼女は見なかったことにしよう。そう思って他の参加者を探すことにした。
「……」
参加者を探すことにした。
「…………」
参加者を探す……
「目覚めが悪いです……あーもう! 見つけちゃったからしょうがない!」
諦めた。ダメだった。
この状況でどこにも動けずにただ一人で待つ。それは自分の比ではない心細さだろう。と、彼女の心情を一度想像してしまうとダメだ。そこで放って置けるほど詩音は人間が腐っていない。それに、彼女だって誰かと話したかったのだ。
「すみません」と声をかけながら近づく、少女の体が大きく震え、頭を大きく動かして振り返った。少女の顔が驚愕と怯えが混ざった顔になっていて、そんなに怯えなくてもと思うが、次に聞こえてきた言葉で、今度は詩音が表情を変えた。
この状況でどこにも動けずにただ一人で待つ。それは自分の比ではない心細さだろう。と、彼女の心情を一度想像してしまうとダメだ。そこで放って置けるほど詩音は人間が腐っていない。それに、彼女だって誰かと話したかったのだ。
「すみません」と声をかけながら近づく、少女の体が大きく震え、頭を大きく動かして振り返った。少女の顔が驚愕と怯えが混ざった顔になっていて、そんなに怯えなくてもと思うが、次に聞こえてきた言葉で、今度は詩音が表情を変えた。
「後ろだ、よけろ!」
「えっ?」
「えっ?」
とっさにサイドステップを踏む。視界の端で緑色の物が舞う。それが自分の髪の毛だと気づいて総毛立ったときにはもう遅い。大きな悲鳴を上げながら瓢湖に組み伏せられ、首に刃を当てられていた。
(こいつ戻ってきてたの!?)
口を三日月のように大きく開いた瓢湖が得物を振りかぶるのを見て、詩音は戦慄を深めた。
瓢湖は詩音に発見されて少しして鋭い角度で方向転換していた。詩音に気づいたわけではない。ジグザグに移動することで進行方向を読ませず追跡を撒くためだ。闇乃武という江戸幕府を闇から支えた者たちにとって、野山は詩音以上に歩きなれたものだ。
瓢湖は詩音に発見されて少しして鋭い角度で方向転換していた。詩音に気づいたわけではない。ジグザグに移動することで進行方向を読ませず追跡を撒くためだ。闇乃武という江戸幕府を闇から支えた者たちにとって、野山は詩音以上に歩きなれたものだ。
「こ、こんにちは〜! あの〜、なにかご用でしょうか?」
いちおう友好的に話しかけてみる。
ふっと重さが消えて詩音は慌てて立ち上がる。もしかしたら、心が通じたのかもしれない。
和服っぽい服に、顔はピエロのような白塗り、そして両手には曲がったデケェ鎌。
ふっと重さが消えて詩音は慌てて立ち上がる。もしかしたら、心が通じたのかもしれない。
和服っぽい服に、顔はピエロのような白塗り、そして両手には曲がったデケェ鎌。
「そうだな……あぁ、『御命頂戴』。」
ダメでした。
ふざけた返答だが、その殺気は本物だ。常人とは思えない速さで間合いを詰めると、詩音に向けて鎌が振るわれた。
ふざけた返答だが、その殺気は本物だ。常人とは思えない速さで間合いを詰めると、詩音に向けて鎌が振るわれた。
「避けろ!」
「できるがああっ!?」
「できるがああっ!?」
避けろと言われて避けれるものではない。なんとか身をよじるが、当然のごとく鎌は詩音の腹に直撃する。痛みと熱に、声は悲鳴へと変わった。
(あれ? 傷が浅い、なんで?)
だがその痛みが詩音に疑問を抱かせた。先の攻撃に自分は全く反応できなかった。なのになぜ死んでいないのか。なぜ一度組み伏せたのに開放したのか。その疑問は瓢湖の顔を見て理解した。
瓢湖は笑っていた。
瓢湖は笑っていた。
(ああ、こいつヤバい。)
乙和瓢湖は快楽殺人者である。
そのことを理解した絶望が詩音の顔に出たのか、瓢湖は哄笑を上げた。
そのことを理解した絶望が詩音の顔に出たのか、瓢湖は哄笑を上げた。
「もっといい顔をしろ!」
「がっはぁ!」
「がっはぁ!」
瓢湖の蹴りがなんとか立っていた詩音の腹へと刺さる。開いた傷が体を二つに割くような感覚にたまらず悲鳴を上げると、瓢湖の笑いが大きくなる。
膝をついたところに再び放たれる大鎌。詩音の腹にバツ字に傷が刻まれ、制服が赤く染まった。
仰向けに倒れた体をなんとか起こして咳き込む詩音。その目が周囲を探す。なにか生き残るすべはないか、そう思って目があったのは、さっきの車椅子の少女だ。
助けて、そう言おうとして少女の顔に言葉を飲み込む。きっとその顔は自分以上に恐怖に歪んでいたから。
瓢湖に体を掴まれ少女の前へと歩かされる。あ、もしかしてこの子年上かなとどうでもいいことに気づいたのは現実逃避からだろうか。
後ろから詩音の肩越しに大鎌が少女の頬を撫でる。綺麗な顔に血の筋が一つ引かれ、少女の体がビクリと震えた。
膝をついたところに再び放たれる大鎌。詩音の腹にバツ字に傷が刻まれ、制服が赤く染まった。
仰向けに倒れた体をなんとか起こして咳き込む詩音。その目が周囲を探す。なにか生き残るすべはないか、そう思って目があったのは、さっきの車椅子の少女だ。
助けて、そう言おうとして少女の顔に言葉を飲み込む。きっとその顔は自分以上に恐怖に歪んでいたから。
瓢湖に体を掴まれ少女の前へと歩かされる。あ、もしかしてこの子年上かなとどうでもいいことに気づいたのは現実逃避からだろうか。
後ろから詩音の肩越しに大鎌が少女の頬を撫でる。綺麗な顔に血の筋が一つ引かれ、少女の体がビクリと震えた。
「な、なんでこんなことを……あんな話真に受けたんですか!?」
無駄だとわかっていても他に何もできないのでそう言うしかない。
案の定返ってきたのは男の笑う声で、顔の前で見せつけるように大鎌が振られた。
どうやらまともに話す気はないようだ。そんな相手にこれからいたぶられるとなったら背筋が寒くなるのを抑えられない。もちろん話ができるのにそんなことをする相手でも鳥肌が立つのだが。
そんなことを冷静に考えられるのは、車椅子の少女の顔を間近で見ているからだろう。実際に痛めつけられている自分以上の絶望を表情に出しているのを見て、パニックになりそうなのをなんとか抑え込む。どこにも行けない、何もできない体で、目の前で人が切り刻まれていくのを眺め続けるしかない感情はどれほどのものだろうか。
案の定返ってきたのは男の笑う声で、顔の前で見せつけるように大鎌が振られた。
どうやらまともに話す気はないようだ。そんな相手にこれからいたぶられるとなったら背筋が寒くなるのを抑えられない。もちろん話ができるのにそんなことをする相手でも鳥肌が立つのだが。
そんなことを冷静に考えられるのは、車椅子の少女の顔を間近で見ているからだろう。実際に痛めつけられている自分以上の絶望を表情に出しているのを見て、パニックになりそうなのをなんとか抑え込む。どこにも行けない、何もできない体で、目の前で人が切り刻まれていくのを眺め続けるしかない感情はどれほどのものだろうか。
(このままこいつになますにされてたまるか! なんとか生き残る方法を考えないと、なんとか、なんとか……!)
絶望している暇はない。必死に頭を回転させて、ここから窮地を脱する術を探す。こんなところでは死ねない。まだ自分は、大切な人がどうしているかもわからないのに。そう思い、今できる精一杯をすることにした。
「誰かあ! 助けてえっ!」
それは最もシンプルな方法。大声で助けを呼ぶ。小学生でも知っている不審者に襲われた時の対処法だ。
後ろで瓢湖の笑い声が上がる。
こんな森の中で叫んでも意味が無いと。
それは詩音だってわかっている。こうすることが男を喜ばせることだというのも承知だ。だがそれでも、生を諦めないためにはそうするしかない。
そしてその悪あがきは、功を奏した。
後ろで瓢湖の笑い声が上がる。
こんな森の中で叫んでも意味が無いと。
それは詩音だってわかっている。こうすることが男を喜ばせることだというのも承知だ。だがそれでも、生を諦めないためにはそうするしかない。
そしてその悪あがきは、功を奏した。
「ちいっ!」
「はあっ!」
「はあっ!」
鎌が目の前から消えると、後ろで金属がぶつかる音がした。同時に、ここにはいない4人目の叫び。その声は、詩音のものとは違い裂帛の気合が込められている。そしてもう一つ。竹のような軽い木の鳴る音だ。
「■■■!」
「なんだお前は。」
「……勇者?」
「なんだお前は。」
「……勇者?」
現れたのは、ゲームから抜け出してきたような剣士だった。
剣にマントという出で立ちはまさしくファンタジー。かけられた言葉は何語なのかわからない。
そしてその横顔は美しかった。
黒い髪に黒いまつ毛、意志の強い瞳はとび色で、真っ直ぐに白塗りの男を睨む。
剣にマントという出で立ちはまさしくファンタジー。かけられた言葉は何語なのかわからない。
そしてその横顔は美しかった。
黒い髪に黒いまつ毛、意志の強い瞳はとび色で、真っ直ぐに白塗りの男を睨む。
「■■■!」
男は手を振るジェスチャーをする。それが逃げろという意味だと、自分に向けて斬りかかった瓢湖を止めてわかった。
「ありがとうございます!」
瓢湖の連撃をなんとか捌いているのを見て我にかえると、詩音は礼を言って駆け出した。
腹はじくじくと痛むが、服を上げてみた感じ、皮が少し切れただけのようだ。怪我としては傷跡が残ることを覚悟するのならば、ばんそうこうでも治るようなものだろう。この痛みでこれしか怪我していないのかとまた戦慄する。イケメンが来てくれなければ、死ぬまでどれだかの時間がかかってどれだけ痛めつけられていたかわからない。
腹はじくじくと痛むが、服を上げてみた感じ、皮が少し切れただけのようだ。怪我としては傷跡が残ることを覚悟するのならば、ばんそうこうでも治るようなものだろう。この痛みでこれしか怪我していないのかとまた戦慄する。イケメンが来てくれなければ、死ぬまでどれだかの時間がかかってどれだけ痛めつけられていたかわからない。
「あなたも!」
いちおう車椅子の少女も助けようとする。が、そこで気づいた。森の中で車椅子は、無理だ。
「え、これ、ちょっと、無理ですよ! すみませんお兄さん、無理です!」
切り結ぶイケメンに叫ぶ。ちらりとこちらを見たイケメンは「嘘だろ……」と言葉がわからなくても伝わる表情をした。
そこにすかさず瓢湖が大鎌を振るい、イケメンの鎧から破片が飛ぶ。慌てて前を向き直ったイケメンからは、全く余裕がなかった。
そこにすかさず瓢湖が大鎌を振るい、イケメンの鎧から破片が飛ぶ。慌てて前を向き直ったイケメンからは、全く余裕がなかった。
「アイツ、強すぎる……」
素人目に見ても、どちらが強いかはハッキリしていた。
剣の腕ではイケメンは瓢湖に勝てない。イケメンも相当な剣士なのだろう。詩音から見てもその剣捌きはなんとなく凄さがわかる。
だが瓢湖はそれを上回っていた。イケメンの全力を軽くいなして、いたぶるように斬りかかる。実際、瓢湖はいたぶる気で剣を振るっている。
ここにいる乙和瓢湖は、原作漫画のるろうに剣心の乙和瓢湖ではなく、映画のるろうに剣心の乙和瓢湖。明神弥彦に負ける醜態を晒した剣の腕は、緋村剣心と渡り合うまでに強化されている。下手に技量で追いすがれている分、瓢湖は剣士をいたぶると決めていた。
剣の腕ではイケメンは瓢湖に勝てない。イケメンも相当な剣士なのだろう。詩音から見てもその剣捌きはなんとなく凄さがわかる。
だが瓢湖はそれを上回っていた。イケメンの全力を軽くいなして、いたぶるように斬りかかる。実際、瓢湖はいたぶる気で剣を振るっている。
ここにいる乙和瓢湖は、原作漫画のるろうに剣心の乙和瓢湖ではなく、映画のるろうに剣心の乙和瓢湖。明神弥彦に負ける醜態を晒した剣の腕は、緋村剣心と渡り合うまでに強化されている。下手に技量で追いすがれている分、瓢湖は剣士をいたぶると決めていた。
「こんなの、勝ち目ないじゃない……ごめんなさい。」
こうなってはしかたない、少女を置いて逃げよう。
見捨てることになるのは忍びないが、いくらなんでもこれは無理だ。恨むのなら森の中に車椅子で放置された自分を恨んでくれ。
そう思い駆け出そうとして、何かに飛びかかられた。
押し倒されてキャッと悲鳴を上げてみれば、少女が自分にすがりついていた。というか、体に手を回してがっつりホールドしていた。
見捨てることになるのは忍びないが、いくらなんでもこれは無理だ。恨むのなら森の中に車椅子で放置された自分を恨んでくれ。
そう思い駆け出そうとして、何かに飛びかかられた。
押し倒されてキャッと悲鳴を上げてみれば、少女が自分にすがりついていた。というか、体に手を回してがっつりホールドしていた。
「見捨てようとすなー!」
「ええ!? こういう時ってふつう『私はいいから先にいけ!』とか言いません!?」
「そんなわけあるか! 死にたくなんてない!」
「ふ・ざ・け・ん・な・や・め・ろ・バ・カ! は・な・せ!」
「■■■!」
「よそ見してていいのか?」
「■■!」
「ええ!? こういう時ってふつう『私はいいから先にいけ!』とか言いません!?」
「そんなわけあるか! 死にたくなんてない!」
「ふ・ざ・け・ん・な・や・め・ろ・バ・カ! は・な・せ!」
「■■■!」
「よそ見してていいのか?」
「■■!」
イケメンが瓢湖に蹴り飛ばされ地を這うように、詩音も少女にまとわりつかれて地を這う。引き剥がそうにもそのたびに的確に腹の傷をつついてくる。なんとも醜い争いである。
「さっき叫んで助けを呼んでやったろ! 誠意見せろ誠意!」
「はぁ!? そんなん頼んでないですけど! 離せこら! 離せこら!」
「なんやねんその態度!」
「いいから離せやオラァ!」
「それしか言えんのかこの猿ゥー!」
「はぁ!? そんなん頼んでないですけど! 離せこら! 離せこら!」
「なんやねんその態度!」
「いいから離せやオラァ!」
「それしか言えんのかこの猿ゥー!」
ギャーギャーと喚き散らしながら詩音と少女は地を転がる。
それを見て瓢湖は高笑いし、イケメンは顔を白くした。
懸命な読者諸兄ならばこれがいかに無駄な行いかわかるであろう。この状況の詩音と少女の行いはなんのアドバンテージも生み出さない。どう考えても全員この場で登場話退場であろうと。
しかしこの場合は、瓢湖が道化のバギーを殺したと思いこんでいたために、再び功を奏した。
それを見て瓢湖は高笑いし、イケメンは顔を白くした。
懸命な読者諸兄ならばこれがいかに無駄な行いかわかるであろう。この状況の詩音と少女の行いはなんのアドバンテージも生み出さない。どう考えても全員この場で登場話退場であろうと。
しかしこの場合は、瓢湖が道化のバギーを殺したと思いこんでいたために、再び功を奏した。
「バラバラフェスティバル!」
「ぐあっ!?」
「ぐあっ!?」
森に響いた声は、この場にいない5人目のもの。
同時に響いたのは、瓢湖の叫びだ。
同時に響いたのは、瓢湖の叫びだ。
「お前は……!」
「さっきは良くもやってくれたなチンピラがぁ! ハデ死刑だぁ!」
「またピエロ!?」
「さっきは良くもやってくれたなチンピラがぁ! ハデ死刑だぁ!」
「またピエロ!?」
現れた道化のバギーの姿を見て詩音は叫ぶ。まさか白塗りの男を襲いに現れたのは、ピエロのような白塗りの男だった。まさかのダブル白塗りに驚かざるをえない。
しかし、一番に驚いていたのは瓢湖だった。
彼は人斬りには一言ある。
確実に刃はバギーの体を通っていたことを覚えている。
にも関わらず現れたバギーに信じられないものを見る目で見る。
そこでハッと気づく。人を両断したいにしては、やけに手応えがなかったか?と。
しかし、一番に驚いていたのは瓢湖だった。
彼は人斬りには一言ある。
確実に刃はバギーの体を通っていたことを覚えている。
にも関わらず現れたバギーに信じられないものを見る目で見る。
そこでハッと気づく。人を両断したいにしては、やけに手応えがなかったか?と。
「仕切り直しだ。」
「こら! 逃げんな!」
「■■■!」
「え、なんて?」
「こら! 逃げんな!」
「■■■!」
「え、なんて?」
瓢湖は速やかに逃げていく。それをバギーが投げナイフで追撃しようとして、イケメンが止めた。
園崎詩音と道化のバギー、そして少女ことジョゼ(本名:山村クミ子、24歳)とイケメン剣士ことクレイ・シーモア・アンダーソンの4人が話し合いを始めたのはこの後のことだった。
園崎詩音と道化のバギー、そして少女ことジョゼ(本名:山村クミ子、24歳)とイケメン剣士ことクレイ・シーモア・アンダーソンの4人が話し合いを始めたのはこの後のことだった。
【0114 『北部』山岳部裾野の森】
【園崎詩音@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第二話 綿流し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族や部活メンバーが巻き込まれていたら合流する。
●小目標
とりあえず、話し合う。
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族や部活メンバーが巻き込まれていたら合流する。
●小目標
とりあえず、話し合う。
【クレイ・シーモア・アンダーソン@フォーチュン・クエスト1 世にも幸せな冒険者たち(フォーチュン・クエストシリーズ)@ポプラポケット文庫】
【目標】
●大目標
みんな(フォーチュン・クエストのパーティー)が巻き込まらていないか探す。
●小目標
とりあえず、話し合う。
【目標】
●大目標
みんな(フォーチュン・クエストのパーティー)が巻き込まらていないか探す。
●小目標
とりあえず、話し合う。
【乙和瓢湖@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
殺しを楽しむ。
●中目標
赤鼻の男(バギー)を殺せる手段を考える。
●小目標
山を降りて森を抜け、街へ向かう。
●大目標
殺しを楽しむ。
●中目標
赤鼻の男(バギー)を殺せる手段を考える。
●小目標
山を降りて森を抜け、街へ向かう。
【バギー@劇場版 ONE PIECE STAMPEDEノベライズ みらい文庫版(ONE PIECEシリーズ)@集英社みらい文庫】
●大目標
とりあえず、生き残るのを優先。
●中目標
地図の場所に行き、お宝を手に入れる。
●小目標
とりあえず、話し合う。
●大目標
とりあえず、生き残るのを優先。
●中目標
地図の場所に行き、お宝を手に入れる。
●小目標
とりあえず、話し合う。