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―首輪番号38 「空条承太郎」、首輪番号48 「吉良吉影」の音声 午前02時08分32秒です


◇  ◆  ◇




キイィ――…… ガチャン コツコツコツコツ……

「…お前、なにしてやがる………」
「見てのとおり、スリッパを探してるんだ。私からしたら土足のまま家に上がっていく貴様こそ『なにしてやがる』ってとこなんだが…」
「これは殺人ゲームだ。いつ、どこで、誰が襲ってくるかわからない。そんな状況でこの家にくつろごうとするお前の神経はどうかと思うが…」
「……フン。最強のスタンド使い、空条承太郎と我がスタンド、キラークイーン。この二つをもってしてもこの家から“逃げ”の一手を打たなければならないほどの脅威があるとでも?」
「…」
「フム…緑色はあまり好きじゃないんだが、仕方ない。これで我慢しよう」

コツコツコツコツ…… パタパタパタパタ……
ガチャ――

「…」
「庭に面した大きな窓。他にも二箇所の窓。庭には外からは見えないくらいの高さの壁。そして二階へと通じる階段。ここでかまわないだろ、承太郎……」
「ああ…」

ガダッ ドサァッ ガサゴソ…

「…情報交換をするのではなかったのか?」
「お前とおしゃべりする前にこっちにもやることがあるんでな…」
「まさか今の今までデイバッグの中身を確認してなかったとでも言うのか・・・?」
「………………」
「やれやれ、だな」
「………………」

ガサゴソガサゴソ… グシャ、バサバサ…

「現在地はE-4ってところか……?」
「貴様がスペースシャトルをめちゃくちゃにしていた音は隣のエリアであるD-5までにも響いてたぞ?八つ当たりをするにも時と場合を考えたほうがいいぞ。なにせ『これは殺人ゲーム』なんだからな…」
「………………周囲1マスずつには聞こえたと思って間違いない、ということか…」
「すくなくとも私には聞こえていたんだ。おそらくそうだろう。」

―――― ガダンッ!!  グシャァ…ッ

「…・…!!」
参加者名簿…。どうしたのだ、承太郎?お人よしの仲間を見つけて嬉しさに飛び上がったのか?見慣れた殺人鬼の名前に怒りでも覚えたか?」
「…………」
「……それとも、愛娘の名前でも見つけて驚愕しているのか?」
「――ッ!!」
「フフフフフフ…。空条徐倫…名前からして女だと思っていたがやはり、だったか。そんなに驚くことでもないぞ、承太郎。簡単な推理と観察力、後は貴様がブラフにひっかかるかどうかだったが…。“空条”なんて苗字、そんなにたくさんないしな」
「………………だからどうした?確かに俺の娘が参加しているが、だからなんだ?」
「そう殺気立つな、承太郎。その娘がいるから私と同盟を組む気になった、荒木を倒す決心をした。図星だろう、承太郎?」
「てめぇ…」
「…私としては別にここで闘ってもかまわないんだぞ?」

   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
           ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

「わがスタンドキラークイーン。一度は貴様に敗れたが二度は負けん…。この私の平穏を乱した罪をここで償わせてやる…!!」

                         ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
                    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

「…」
「…」
「…そうか、お前が闘る気であるって言うんなら俺が気づいた『荒木のスタンド能力』、それから『何故生きている』についての話は無しってことだな」
「………」
「なら仕方ないな…。かかってこいよ、吉良吉影」
「………」
「都合が悪くなったらだんまりか…やれやれだぜ…」
「………」

「荒木のスタンドは時間を操作するスタンドだ」

「…………!」
「お前も持っている名簿を見直せばわかることだがお前が殺した重清君の名前がある。そしていくつか俺の知った死んだはずの名前も載せられている…。ひとつだけじゃねぇ…。十はあるだろう…。それこそ十年前、いや何十年、何百年前に死んだはずのな…。」
「………」
「名簿がウソ…って可能性がないわけじゃないが、あいつとしては俺たちが殺しあうのを楽しんでいるはずだ。だとしたらこの名簿がニセモノの可能性はほとんどないだろう…。それに時間がたてば裏が取れるしな…」
「………」
「それと俺が言った『何故生きている』についてだが…逆にお前の記憶はどこで……、いや、お前は『いつから』呼び出された?」
「…貴様には関係のないことだ。」
「………そうか」

ガサゴソガサゴソ… ピラッ―――ゴトッ

「……!」
「…荒木も言ってたがが私たちにはそれぞれ“ランダム支給品”とやらが配られてるらしい。」
「…」
「貴様に支給されたのは…“携帯電話”か…」

とおるるるるるるるる とるるるるるるるん

「…だめか。110番、スピードワゴン財団、自宅…。通じないどころかコール音すらかからない…」
「つまり“ここ”は完全に切り離された杜王町である、と…」
「…おそらく」
「貴様の予想した荒木のスタンド能力、外れてる可能性もあるな…」
「ただ単に時間を操作するだけじゃ、この奇妙な杜王町も作ることはできないからな…」
「と、なるとやはりやつのスタンド能力は…」
「………」

とおるるるるるるるる とるるる――― とおるるるるるるるる とるるる―――

「?」
「…すでに登録された番号が二つあった。音声も残せそうだったが、“声”を利用される可能性もなくはない……」
「それで?」
「両方、ワンコールできった。これで向こうには着信が残るだろう。殺し合いに乗ったやつでも乗ってないやつでも向こうからの電話は無条件で情報が得られる」
「…」

「まぁ、いい。それより今早急に考えなければならない話題に移ろう、承太郎。“これからどうする”?」
「…名簿を見る限り殺し合いに乗るやつらは半分ってところだ。ともかく動かないことにはなにも始まらない。なにより情報が足りなすぎる…。とりあえず行動すべきだ」
「…私の生き方は知ってるだろう、承太郎。植物のように平穏に生きる…。たとえ今殺し合いに巻き込まれても私のこの生き方は変わらない」
「…つまり吉良吉影は動かない、と?」
「ああ」
「…」
「…」

「承太郎、今貴様はこう思っている…、“一刻も早く行動したい。しかしはたしてこの吉良吉影を一人にしていいものか?こいつはあの殺人鬼だ、俺が見ておかなければ何をするかわからない”と…」
「…」
「お前が取れる選択肢は二つしかない。ここで私と戦うか、私と一緒にいるか、だ。」
「…」
「さぁ、どうする空条承太郎?優先すべきはどっちだ?娘の命か、それとも見ず知らずの参加者の安全か?」
「…」
「別に私は急ぎもしない…。優雅に紅茶でも飲みながら貴様の決断を待つとしよう…。」

「…俺は――……」



◇  ◆  ◇


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【E-4とD-4の境目の民家 リビング /1日目 黎明】
【空条承太郎】
[時間軸]:4部終了後
[状態]:荒木に対する怒り、抑えきれないほどの悲しみ(若干回復)、“彼女”に対する罪悪感  吉良に対して若干のストレス
[装備]: なし
[道具]:支給品一式 携帯電話
[思考・状況]
基本行動方針:荒木をぶっ飛ばす  徐倫を自分の命にかけても守る
1.どうする…?
2.吉良は信用しない(妙な真似をしたらぶっ飛ばす)
3.情報を集める
4.仲間と合流する

[備考]
※名簿をチェックしました。
※スタンドが悲しみで一時弱体化してます。先程よりかは回復しましたが、まだ本調子ではありません。一時的なも
ので心の整理がついたらもとに戻ると思われます。
※D-4にあるスペースシャトルの破壊音は、少なくともとなりのD-5にいた吉良までは届きました。それ以上響くかは
ほかの書き手さんにお任せします。
※支給品は携帯電話でした。他の二名の参加者の支給品の携帯電話に着信が残っています。
※荒木のスタンドは時間を操作するスタンドと予想しました。が、それ以上に何かあると思っています。
※吉良の参加時間軸を知りません。


【吉良吉影】
[時間軸]:限界だから押そうとした所
[状態]:若干のストレス、掌に軽度の負傷  承太郎を言い負かせたことで少し愉快
[装備]:爆弾にした角砂糖、ティッシュケースに入れた角砂糖(爆弾に変える用・残り5個)  緑色のスリッパ
[道具]:ハンカチに包んだ角砂糖(食用・残り6個)、ティッシュに包んだ角砂糖(爆弾に変える用・残り8個)、
未確認支給品×0~2個、支給品一式
[思考・状況]:
基本行動方針:植物のような平穏な生活を送る
1.承太郎の決断を待つ。
2.当面はおとなしくしていて様子を見る(まず情報の入手、場合によっては対主催に移っても良い)
3.自分の正体を知る承太郎は遅かれ早かれ必ず抹殺する
4.他に自分の正体を知る者がいたら抹殺する
5.危険からは極力遠ざかる(2と3を果たすためなら多少危険な橋でも渡るつもりではある)
6.緑色はあんまり好きじゃないんだけどなぁ…

[備考]
※バイツァ・ダストは制限されていますが、制限が解除されたら使えるようになるかもしれません。
※荒木のスタンドは時間を操作するスタンドと予想しました。が、それ以上に何かあると思っています。
※ふたりはリビングのテーブルを挟んで座り、向かい合っています。
※この音声の傍聴は荒木が気まぐれで行っています。どこまで行うかは次の書き手さんにお任せします。



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49:静かな二人 空条承太郎 87:空条承太郎V.S.吉良吉影
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最終更新:2008年12月27日 16:26