不気味なまでの静けさと、辺りを包む冷たい闇。
生き物の存在が一切感じられないその陰鬱さは、
一見何の変哲もないDIOの館に、まるで悪霊が住み着いた廃墟の如き
邪悪なオーラを纏わせ、えも言われぬ近寄り難さを演出していた。
もし手元の時計を覗きこんだならば、88人がこの殺し合いゲームに巻き込まれてから
もうじき丸一日が経過すると分かるだろう。
時計の針が2周する。たったそれだけの間にこの館で4つの命が散った。
彼らの深き怨念が渦巻くこの建物は、これから更に幾人の血を浴びる事になるのだろうか―――。
◇ ◆ ◇
DIOの館に着いたシーザーと
ディアボロ。
虹村億泰らと別れてから、何の滞りも無く此処に来たまでは良かった。
だがその幸運は長く続かない。
シーザーの波紋で作る探知機を用い、慎重に探索するも館に人の気配はなく。
危険はないと判断し、二手に分かれて隅々まで調べたが、目ぼしい物は何一つ見付からなかった。
幾つかの部屋に、戦闘があったと思しき家具や壁の破壊、血痕は見られたが、
この殺し合いの場において、そのような光景はさして珍しい物ではない。
「こっちは駄目だ。お前の方はどうだった?」
落胆の表情を滲ませつつ、ディアボロは傍らの青年に呼びかける。
「俺も大して変わらないさ。だがついさっきまで、ここに誰か居たのは確かだ。
あそこのテーブルに置いてあったティーカップ、まだ底が乾いていなかった。」
視線で示した先に置かれていたのは、白いティーカップ。
ご丁寧にソーサーとティースプーンまで付いている。
ディアボロはカップを片手で持ち上げ、中身を調べる。
成程確かに、紅茶の香りがするそのカップを傾けると、水滴がゆらりと底を流れる。
飲み終えて一時間もすれば、底に溜まった茶の成分や砂糖が固まり、茶色くこびり付くだろうに。
「追うか?そこまで遠くには行っていないと思うが。」
「いや、そいつがゲームに乗ってなければ有難いが、ここまで生き延びてきた連中だ。
安易に接触していきなりズドン。じゃあ笑えないだろう?特定人物と分かっているならともかく、
得体の知れない奴に無暗にコンタクトを取るのは考えものだな。」
「先方がやる気なら、とっくに攻撃を受けてるぜ。案外俺達に警戒して、逃げ隠れた非戦闘員かも
分からないぞ。もしそいつがか弱い女の子だったら、俺はこのまま放っておく気は無いね。」
「やる気のある無しや性別は関係ないだろう。お前だったら男二人に後を追われて、大人しく話に応じるか?
俺含め、ここにいる奴らは皆導火線が短くなっている。逃げた奴を下手に刺激するメリットがどこにある?」
「例えの話さ。俺だって関わり合いを避けているのに、深追いするのは気が進まない。
あくまで『選択肢』を提示して、意見を聞きたいだけだ。それにしても、あんた慎重過ぎやしないか?」
「……。とにかくこんな所に長居しても仕方がない。一旦ここを出るぞ。」
◇ ◆ ◇
「正直あてが外れたな…。これからどこに行く?」
「ナチス研究所だな。確かに館にいた奴も気にかかるが、運が良ければいずれ会える。億泰達の安否も確認したい。」
「同感」
念のため波紋の探知機はそのままに、二人はナチス研究所へ歩みを進めた。
これをやり続けるのも楽じゃねぇんだけどなーーッ!と愚痴るシーザーをよそに、ディアボロは考えていた。
不自然だ。もし館に居たのが非力で臆病な奴なら、あんなに目立つ建物に、
まして戦闘の爪痕が残るあの場所で、少なくとものんびり紅茶を飲むほどくつろげるだろうか。
俺だったら入口にバリケードを築くなり、糸か何かで来客を知らせる仕掛けを作るなり、
脱出経路を確保するなりと、突然の襲撃を防ぐ手立てをするだろう。だがそういった形跡は無い。
それにあのティーカップ。俺達にビビって着の身着のままで逃げたとして、ちょっと前までここにいました。
とこれ見よがしな証拠を残すだろうか?逆に考えるんだ、『俺達を恐れる奴』が尻尾を巻いて逃げた、
のではなく『俺達を狙う奴』におびき寄せられている、と考えるんだ―――。
「おい、待てシーザー」
「おい、待てディアボロ。今あそこの茂みで何かが光ったぞ?」
同時に言葉が飛ぶ。お互いが自分の思考に夢中で、相手の言わんとする事を深く考えられない。
微かな二つの輝きの正体を調べようと『何か』に近寄るシーザーに、慌ててディアボロが叫ぶ。
「よせシーザーッ!!そいつに近付くんじゃあないッ!!」
『コッチヲ見ロ』
―――カチリ。
◇ ◆ ◇
館を離れ、徐々に南下。そう提案したのは吉良だ。
あれから2~4時間は経過した筈だ。だのに彼らが依然、館周辺に身を置くのは何故か?
歩きながら、分配された支給品を確認していた吉良は、一転、DIOの館へ戻ると言い出した。
訝るディオとジョナサンの前に差し出されたのは、黒いプラスチック製の箱数点と配線、それに小さな部品だ。
19世紀を生きる二人には、それが何なのか見当も付かない。いや百年以上先の未来で暮らす吉良ですら、
ここまで高性能な機器をお目にかかった経験は、無いかも知れない。それは一体?
「フム…。スタンド使いを始めて見た時、俺はこいつらが本当に人間なのかと疑ったよ。しかしこういった
現実離れした機械を目の当たりにすると、やはり人間には、等しく優れた潜在能力が秘められているのだと思い知らされる」
「あぁ。素直に感嘆するね。人は成長すれば、こんな魔法みたいな道具を発明するだなんて!」
板チョコレート大のモニターに映し出されるのは、DIOの館の入口付近のカラー映像。
そう、彼が手に入れたのは、遠く離れた場所の様子を探れる『CCDカメラ』であった。
館に戻った彼らは、ここを訪れる人間が必ず通るであろう地点、すなわち入口にカメラを仕込んだ。
消しゴムサイズのカメラのレンズは、観葉植物の植木鉢に隠され、さりげないポイントに設置された。
後はもう分かり切っている。
電波がぎりぎり届く位置の民家に身を潜め、何も知らぬ参加者がのこのことやって来るのを
悠々と監視すればいいだけ。そして『誰もいないじゃないか仕方ない、別を当たろう』と
館を出た所でドカン!だ。入口付近に、爆弾化した小石を置くという案もあった。
しかし第1の爆弾は1つしか作れない。万が一何者かに襲われた場合を考えると心許ないし、
何よりDIOの館内で爆発を起こせば、カメラが壊れたり、その次の来訪者に怪しまれる危険性がある。
確実さより安全性を重視し、外に出た瞬間にシアーハートアタックを放つ事に決定した。
これならば、もしDIOの館を拠点にしようと居座られても、やはり容易に攻撃出来る利点もあった。
「なに、そう焦って動く事もないさ。せめて第4回放送までは体を休めればいい。ここからは
さらにキツくなるだろう。コンディションを整えながら、楽をして参加者を狩れて良い考えだろう?」
誰も異を唱えなかった。殺しに積極的とは言え、やはり今まで受けたダメージは回復させておきたい。
たとえ期待通りに事が運ばずとも、第4回放送までという条件もあるのだから。
そうこうしている内に、吉良の予想は見事的中した。
館に足を踏み入れたのは、イタリア人らしき男2名。金髪の男を目に捉え、ディオはギリっと歯噛みをする。
だがまだ動いてはいけない。彼らが探索を終え建物から出たら、すかさず吉良がスタンドを放つのだ。
「ディオ、こいつらを知っているのかい?」
「フン、黙っていろジョジョ…。確かにヤツには借りがあるが、馬鹿な考えを起こして飛び出しやしないさ。」
「二人ともやる事が無いからと言って無駄口叩くんじゃない。…よし、出たぞ!行け、シアーハートアタックよ!」
三十秒。
一分。
二分。
そして爆発。
「勝った!私の爆弾は熱に反応する。爆発したのなら最低でも一人は始末出来た事になる!」
「案外あっけないな。念のため死体を確認しに行くか?」
「勿論そのつもりだ、片方が生きていたとしても無事では済むまい。シアーハートアタックの回収もしなければ。」
◇ ◆ ◇
「『キング・クリムゾン』!過程は消し飛び、爆発したという結果だけが残る。」
危ない所だった。
もしこのスタンドの正体を知らなければ、恐らく咄嗟に正しい判断など出来ず、
今日のシーザー、爆破され哀れ合挽き肉の仲間入り、となっていたに違いない。
いや、目の前の危機は免れたが、退っ引きならない状況は依然変わりなくッ!だ。
ジョセフを殺したあの忌々しい爆弾スタンドは、キング・クリムゾンの発動により
シーザーを通過して、この非常事態で体温の高くなった俺の方へ、真っ直ぐ向かって来たではないか!
「――――ッ!!」
『コッチヲ見ロォ~~~!』
俺の懐に飛び込もうとする爆弾スタンドを、キング・クリムゾンの両手ががっちり受け止める。
押し負けはせずとも、相手は疲れを知らぬ自動操縦スタンド。このままではジリ貧だ。
どうする?また時を飛ばすか?いや、着弾を一度だけ防げても、俺という熱源が消滅せぬ限り
すぐさまクルリとUターンして来るだろう。肝心なのはこいつを破壊する事だ。
「ディアボロォ!そいつをこっちに投げろッ!!」
「何だと!?」
「いいから投げるんだ!但し俺にはぶつけるなよ、足元を狙え!」
このままでは埒が明かない。俺は半信半疑ながらも、爆弾スタンドを奴の足元に放り投げた。
スタンドは引っくり返るもすぐに体制を立て直し、再び俺の元へ……来なかった。
「くっつく波紋を地面に流した!これでこいつはもう動けないッ!」
「でかしたぞシーザー!そのまま爆弾スタンドを足止めしろ!本体は俺が倒す!」
「ああ、敵はいずれ来る!こいつを止めている限り、俺もここを動けない。襲撃に備えろ!」
言われずとももうやっていた。『エピタフ』を発動し、数秒後の未来を予知する。
俺の死角を狙い投擲された、円盤状の何かが頭部に刺さる寸前の映像が脳内に浮かぶが、
まだ直撃の瞬間を見た訳ではない。キング・クリムゾンが難なく円盤を掴み取る。
「どうやら、我が能力を過信しすぎたらしい。何故、『シアーハートアタック』が炸裂したと分かった?
『ドッゴオ ̄ ̄ ̄Z__ォォンッ!!』と爆発した音を聞いた覚えが無いのに?
実に奇妙だがこれが君らの能力か。反省せねばなるまい。」
物陰から姿を現したのはスーツ姿の東洋人と、左手首から先が無い、眼光鋭い男だった。
「やっと姿ァ見せやがったか!『はじく波紋』!」
シーザーの波紋は、爆弾スタンドを敵目がけて弾き返した。俺も持っていた円盤を奴らにブン投げる。
これで連中が、自分の放ったスタンドにより自爆してくれれば万々歳だったが、
期待は外れ、現れた2体のスタンドの手が阻み、どちらも消失してしまった。
「我が『シアーハートアタック』を封じるとは。貴様の様な厄介な男は、この
吉良吉影がじきじきにブチのめす。」
「
シーザー・アントニオ・ツェペリだったか?その節は世話になったなァ…。ツケはキッチリ返させて貰うぞ?」
二人の男に因縁を付けられたシーザー。だが当の本人は上等だと啖呵を切る事も、
また会ったな
ディオ・ブランドー、祖父のカタキだ覚悟しやがれと飛びかかろうともしない。
彼は地面を伝う生命の振動を読む事が出来る、ゆえに気付いていた。
「!?ぐわあッ!」
敵は『三人』居た。いつの間に放ったのか、彼の必殺技シャボンランチャーは、
隙を窺い、茂みに潜む襲撃者を見事捕らえ、その姿を白日の元に晒し出した!
その容姿を目の当たりにしたシーザーが受けた衝撃は、如何ほどだっただろうか?
親友JOJOに瓜二つの容貌。殺めた人数を物語る返り血まみれの服。
この2つが意味する事柄は?シーザーは怒りに震え、双眸に冷たい炎が宿る。
ジョナサンは何も答えない。返事の代わりと言わんばかりに、サブマシンガンをカチャリと構え、
弾道上に自身の仲間が立つのもお構いなしに、迷わず引き金を引いた!
ぱらららららっ。とタイプライターを打つような銃声が鳴り響く。
シーザーは低くしゃがみこんで銃弾を避け、ディアボロも時間を吹き飛ばし身を躱す。
割りを食ったのは吉良とディオだ、何しろ彼らに弾が命中するという結果だけが残ったのだから。
頭パープリンなのか?と言いたくなる彼の愚挙にシーザーは怯まない。座ったままの姿勢で大きくジャンプし、
誰かを思い出したか、目を丸くするジョナサンに、波紋を込めたパンチをお見舞いする。
負けじとジョナサンも拳を振るう。激しい肉弾戦を繰り広げる二人は、いつしか道の奥へ奥へと消えて行った。
罵詈雑言を浴びせつつ、彼らを追おうとする吉良とディオを阻んだのは、ディアボロだ。
言葉を交わさずとも、彼には分かっていた。シーザーには、乗り越えねばならない過去がある。
つけねばならない落とし前がある。ケジメを重んじるギャングの元ボスだからこそ、
彼の『血統』の問題に、無粋な横槍を入れるつもりはなかった。
「行けシーザー、奴と闘うのはお前でなければならない!」
【C-5西部 /1日目 /真夜中 】
【歴代ボス達によるまさかのバトル(
カーズはハブ)】
【吉良吉影】
[時間軸]:限界だから押そうとした所
[状態]:左頬が殴られて腫れている、掌に軽度の負傷、軽~中程度の銃創、爪の伸びが若干早い
[装備]:ティッシュケースに入れた角砂糖(爆弾に変える用・残り4個)、携帯電話、折り畳み傘、クリップ×2 、ディオの左手
[道具]:ハンカチに包んだ角砂糖(食用)×3、ティッシュに包んだ角砂糖(爆弾に変える用)×7、ポケットサイズの手鏡×2
未確認支給品×0~1個、支給品一式×2、緑色のスリッパ、マグカップ、紅茶パック(1/4ダース)、ボールペン二本、CCDカメラの小型モニター
[思考・状況]
基本行動方針:植物のような平穏な生活を送るため荒木を含む全員を皆殺し。
0.ジョナサンに対し怒りの感情。ディアボロを倒し二人を追いたい。
1.植物のような平穏な生活を送るため荒木を含む全員を皆殺し。ただし無茶はしない。
2.手を組んだ由花子と協力して億泰、早人を暗殺する。ただし無茶はしない。
3.危険からは極力遠ざかる。
4.利用価値がなくなったと思ったら由花子を殺して手を愛でる。
[備考]
※バイツァ・ダストは制限されていますが、制限が解除されたら使えるようになるかもしれません。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※シアーハートアタックの制限は「スタンド以外の能力も通用する」でした。(波紋の影響を受けたのもその為)
※サブマシンガンによりダメージを受けました。どの程度の負傷かは次の書き手さんにお任せします。
【ディオ・ブランドー】
[時間軸]:大学卒業を目前にしたラグビーの試合の終了後(1巻)
[状態]:内臓の痛み、右腕負傷、左腕欠損(波紋と、ジョナサンが持っていた包帯で処置済み)、軽~中程度の銃創、ジョルノ、シーザー、由花子、吉良(と荒木)への憎しみ
[装備]:『ホワイトスネイク』のスタンドDISC
[道具]:ヘリコの鍵、ウェザーの記憶DISC、基本支給品×2(水全て消費)、ジョージの首輪、不明支給品0~1(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:なんとしても生き残る。スタンド使いに馬鹿にされたくない。
0.カエルの小便よりも下衆な銃弾なぞをよくもこのおれに!だがまずは貴様(ディアボロ)だ!
1.ジョージ殺しの罪をジョナサンか吉良になすりつける。
2.吉良が憎い憎い。ジョナサンにも殺意。
3.吉良は絶対に殺すが、今は同盟の規約を守る。
4.スタンド使いを『上に立って従わせる』、従わせてみせる。だが信頼などできるか!
5.ジョルノ、由花子に借りを返す
6.ジョナサンには最終的には死んでほしい
7.ジョルノが……俺の息子だと!?
[備考]
※見せしめの際、周囲の人間の顔を見渡し、危険そうな人物と安全(利用でき)そうな人物の顔を覚えています
※ジョルノからスタンドの基本的なこと(「一人能力」「精神エネルギー(のビジョン)であること」など)を教わりました。
ジョルノの仲間や敵のスタンド能力について聞いたかは不明です。(ジョルノの仲間の名前は聞きました)
※
ラバーソールと由花子の企みを知りました。
※『イエローテンパランス』の能力を把握しました。
※『ホワイトスネイク』の全能力使用可能。頭部を強打されればDISCが外れるかもしれません。
※サブマシンガンによりダメージを受けました。どの程度の負傷かは次の書き手さんにお任せします。
※CCDカメラ一式はラバーソールのラス1のランダム支給品でした。
※その他のラバーソールの支給品は吉良とディオが持っていると思われますが、どう分けたかは不明です。
※ヨーロッパ・エクスプレスはDIOの館を離れました。どこに行ったのかは不明です。
【CCDカメラセット】
現実世界からの出典。探偵や盗撮魔が使ってそうな小型の監視カメラで、
送受信機と小型モニターもセットになっている。ワイヤレス式なので、電池が切れれば動かなくなる。(5~6時間程度)
どんなに性能が良くても100m以上は離せないらしいが、ちゃんと映像は届いたのか?
◇ ◆ ◇
さて、話は少しだけ逸れる。ここでディアボロについての疑問点に触れようと思う。
読者諸君は、彼のスタンド『キング・クリムゾン』にかけられた制限とは一体何だ?と想像した事はあるだろうか。
ディアボロがシーザーを救うべく時を吹き飛ばした頃、彼は聞きたくもない荒木の言葉を耳にし、
人知れず顔をしかめた。荒木は、いや正確には首輪から発せられた音声は、こう言っていた。
『あと4分』と。
初めて能力を発動した時は『あと10分』だった。だが減りに減って、今や当初の半分以下である。
にわかには信じ難い。消し去った時の中で自由に動けるのは、帝王たるディアボロただ一人の筈だった。
だが荒木は、その無敵の能力にいともたやすく入門し、あまつさえ彼に警告しやがったのだ!
吹き飛んだ時の中で『4分』というのは妙だが、とにかく荒木はディアボロが都合の悪い未来を
消し去る度に、彼にしか聞こえない世界で、一分おきに不愉快極まりないカウントを告げたのである。
驚くべきは、彼の底が見えぬ謎に包まれたスタンド能力だが、それについてはまた機会があれば語ろう。
『あと4分』。では『あと0分』となった時、ディアボロを待ち受ける運命や如何に?
言わずもがな。その瞬間、我らの帝王は彼らにしか知り得ぬ理由を持って、壮絶な死を遂げるのだ。
ディアボロに逆らう術はない。出来る事といえば、一か八か首輪の解除を試みるか、
これも試練と諦め、制限時間に悩まされつつ粛々と殺し合いに参加する。それだけなのである―――。
【ディアボロ】
[時間軸]:レクイエムジョルノに殺された後
[状態]:全身の各所に僅かなダメージ(全て波紋で治療済み)。強い決意。強い恐怖。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水は全消費)、ポルナレフのデイパック(中身は確認済み):
空条承太郎の記憶DISC、携帯電話
[思考・状況]
基本行動方針:ジョセフの遺志を継ぎ、恐怖を乗り越え荒木を倒す。
1.ここは俺に任せろ、シーザー。
2.別行動を取った露伴たちが心配。
無事ジョルノに『伝言』が伝わればいいが……
3.恐怖を自分のものとしたい。
4.『J・ガイルを殺す、花京院に謝る』。2つのポルナレフの遺志を継ぐ。
5.駅にあるデイパックを回収したい。
[備考]
※
音石明の本名とスタンドを知りました。
※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました。
※『恐怖を自分のものとして乗り越える』ために生きるのが自分の生きる意味だと確信しました。
※
アレッシーとの戦闘により、『エピタフ』への信頼感が下がっています。
※キング・クリムゾンの制限は『吹き飛ばせる時間に限りがある』でした。これを破ると首輪が爆発します。
※
サンドマンのメッセージを聞きました。
※露伴たちと情報交換をしました。内容は『迷える奴隷』参照。
※荒木を倒し全てが終わった後、露伴に『記憶を読ませる』という約束をさせられました。
※ポルナレフのデイパックも確認しました。DISCに描かれている絵が空条承太郎であることは把握しましたが、DISCの用途はわかっていません。
◇ ◆ ◇
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最終更新:2011年02月05日 15:06