少女が目を覚ました。
そこは幻想郷のどこにでもあるような日本家屋。彼女は勢い良く布団から半身を起き上がらせる。
周囲を見渡すも納得のいかない様子。意識を落とす直前と今いる空間が繋がらなかった。
だが徐々に浮かび上がる記憶の中で決定的な決別があったことを思い出す。
我知らず両腕で自分を抱きしめていた。冷えた自分の体温が伝わる。そして、それとは別の熱があったのを微かに感じた。
もうとっくに少女は玄関を突き抜け、外へと走り出している。
意識を落としている間に外は随分と冷え切っていたが少女は物ともしない。
そこにあるはずのもっと温かなモノを目指して、小さな身体をなりふり構わず使った。
ほどなくして池に辿り着いた。
本来なら猫の隠れ里の入り口に位置する場所だが、今はそこに遠慮なく大きな水溜りが占拠している。
他の誰でもない、この少女の仕業だった。その身一つで地下水脈を呼び起こしそこに池を創り出す。その所業は正に神の御業に等しかった。
彼女の走っている様は、一対の目玉が付いた滑稽な帽子を被ったせいで、活力が漲る童のように見えたかもしれない。
しかし実際は老婆のように酷く憔悴している。目の前にある事実にただ立ち尽くしている。帽子は深く被り直しその表情は見えない。
自分の身体が濡れていることを今になって思い出し、雪が舞い降りるほどの寒さで震えが止まらない。
老婆のような童が行き付いた先には結局誰もいなかった。
そこに誰かいてほしい、という願いも叶うことなく、ここには生きた者と死んだ者が一人ずついるだけだった。
震える身体で声までは震わせぬように。
良く通る声でそう口にした後、亡骸に頭を下げて謝った。
少女の傾いた頭の先にリサリサと呼ばれた遺体が血だまりで横たわっていた。
リサリサの名の通り、遺体は女性のものだった。脚線美と呼ぶに相応しいスラッと伸びた脚は、彼女が美しさに磨きをかけた女性であることを教えてくれる。
そして、本来ならばそのボディラインに見合ったクールなマスクをしていた。
今はもう、見る影もない。
その血だまりの全てが、彼女の頭部から流れ出ている。
ただひたすら徹底的に、鈍器のようなモノで打ち付けに打ち付けられている。
命と共にリサリサの美貌も奪う悪辣非道な所業であった。
「仇は取るよ。必ず」
そう言ってあげたかった。
ただ、その仇の事を考えた途端、言葉が出て来なかった。
決して敵の存在に臆したワケではない。しかし今は、敵と呼ばざるを得なくなった味方がいる。その存在が言葉を遮る。
「神奈子……」
八坂神奈子。
風雨の神であり山の神でもあり、闘えば天下無双の大和の神。そして折を見てはその神性を柔軟に変えてしまう大らかな気風。
敵に始まり、利用される間柄になり、いつしか友になり、きっと家族だった仲。
そして今、彼女は忌むべき敵である。
「私はどうしたら良いんだろうね」
尋ねても誰も答えてはくれない。仮に目の前に神奈子がいても答えてはくれない。それでも口に出さずにはいられない。
「同じモノを私たちは見てるって、私はそう思ってたけどなぁ」
ここにいる少女もまた八坂神奈子と同じく神の一柱。
生誕から軍事果ては耕作まで司り、背けば祟りに祟られる恐怖の象徴。命の始まりから終わりまで、その信仰を決して絶やすことはできない。
かつての栄あるその肩書きも、今は似つかわしい、弱い少女。
その神の名前を―――
洩矢諏訪子と言った。
パチパチと弾ける音がする。
ゆらゆらと炎が揺れては薪が燃えていく。
その炎はリサリサの死体を天へと還すには余りにも弱々しく、今の諏訪子には相応しかった。
彼女はぼうっとしていた。小さな火を眺めながら、ただ暖を取っている。
諏訪子は囲炉裏の前にいる。ついさっき目覚めた日本家屋に戻ってきたのだ。
彼女には強い目的があり、一刻も早くここを発つべきだった。しかし、諏訪子の状態はとても良好とは言い難い。
片腕片脚を一度切り離されるは、あわや心臓を引きずり出される手前だった死闘の連続。
そんな状態で戦いを繰り返し、雨に濡れた状態で意識を失ってしまった。
いざという時にロクに動けず、足を引っ張ったりでもしたら後悔してもし切れない。
加えて、諏訪子は誰かと落ち合う予定を立てておらず、今まで会った参加者の動向に対してかなり疎い。
さらに
第二回放送の禁止エリアを聞き損じており、エリアを超えた移動に理由がほしかった。
「全部言い訳だ」
己を呪うよう言葉を吐く。自身に嫌気が差す。敗北は死を意味するこの場所で彼女は既に二度死んでいる。
故に護る者のためなら自分を犠牲にする腹積もりでさえいる。四の五の言っている場合ではない。
諏訪子は今猫の隠れ里にいる。ここで既に大規模な戦闘があったのは見て取れた。加えてつい先ほど二柱の神が激突したのだ。
戦いの爪痕深いこの場所に、好んで誰かが訪れる可能性は限りなく低い。危険を承知で移動しなければ参加者には会えない、彼女はそう踏んでいた。
ただ、それでも今は足を止めていたかった。
どうして、とそれだけが頭を埋め尽くしていて止まらなかった。
愛を以て早苗の苦痛を祓うために殺す。それが言い分。殺すにしても筋は通したい、そういう義理はアンタらしい、のか。
でも、そこだけだ。何のために殺すのかさっぱり分からない。分かるワケないだろう。私と早苗を殺してまで成そうとする決意なんて分かりたくもない、そう思うのは高慢なのかな。
神は、しきたりに生かされる者。郷に入っては郷に従え。あの時そう言ったけど、じゃあなんで私を殺さなかった。先に会った早苗も殺してないらしいじゃないか。
殺さなくて正解だ。でもそのおかげでアンタがどこへ向かおうとしているのか、ますます分からない。
私はアンタが怖いよ、神奈子。
「郷に入っては郷に従え、か」
私は、ずっとアンタに感謝していたんだ。
ここじゃない私たちにとっての最後の故郷、幻想郷に連れて来てくれたことに。
もし仮に今も外の世界にいたのなら、アンタはまだしも私は確実に消えていた。
あの時もう誰も私のことを視えてなかったし、逆にアンタは早苗っていう巫女がいたから。
早苗は便宜上で言えば神奈子の巫女だし、早苗でさえ時には私のことが視えなくなっていた時もあったっけ。
そして夏には良く三人で行った海水浴。いつの頃だったかな。その帰りに早苗は視えなくなるばかりか私との記憶も失った。
あの時が一番絶望した。流石にそれはないだろ、って油断してた。私はひどく腹を立てて、神奈子に言ったんだ。
早苗が自分で思い出すまで決して私の話をするなって。
結局、早苗が私のことを完全に思い出すのは幻想郷へと発つほんの数日前。
自分で私のことを思い出してくれたのかな早苗は。
まあ、私も結局あの後早苗にはちょくちょく会ってたけどね。記憶は失ったままだったけど、視えている時もあったから。
足長おじさん宜しく影で見守りながら、またある時は謎の神様として姿を現し修行の手ほどきをしてたんだ。
気になるだろう。血の繋がった『家族』なんだから。
早苗は私に会うと時折難しい顔をして、ひょっとして思い出そうとしていたのかもしれない。
だけど、早苗が思い出さないままその日を迎えてしまっていたら、絶対に幻想郷には行かせなかった。
譲れない一線だった。私が『家族』として見ていた相手から『家族』として見られてなかったのは。
だから早苗には何度会っても自分から名前と正体を明かすことはしたくなかった。
いや、あの子にはもう私が必要とされていない。正体を告げても思い出せない。そっちの方が怖かった。
この子に流れているのは私の血。
たとえそう信じていても、信仰という正に信じる力をじわじわと失い続けて来た私には、早苗との血の繋がりさえも引き裂かれたように思えてならなかった。
情けないけどさ。神奈子が早苗に私の事を教えてあげたって構わなかった。どうせ私が何で悩んでいるかなんて見抜いてしまうだろうしさ。
結局、早苗は自分で幻想郷に行くことを選んでくれたし、私は心置きなく最後の遊びとして幻想郷に渡ることが出来た。
だから神奈子ずっとアンタには感謝していたんだ。私の血を守ってくれてありがとうって。
そして今。私は貴方の血を奪わなければいけないのかな。私の血を守った貴方を、この手で。
血が繋がってないからもう二度と戻れないってそんなのはないよね…
「か、なこ……」
もう無理だって分かってる。届かないことも知っているさ。
何なのかは毛筋一本分も理解できないけど、神奈子の覚悟は本物なんだ。
そのくせ私を殺さないだけでなく、わざわざこんな場所にまで運んだ中途半端な覚悟だけどな。
ああ、嫌だ。アンタが迷えば、私も迷う。覚悟が鈍るし、やっぱり私たちは一蓮托生だって思いたい。
だけど次は無いよ。アンタだけ迷っててよ。その間に殺してやる。死して尚恐ろしい祟り神をよりにもよって生かしたんだ。
もう許さないって決めたんだから。
諏訪子は深い溜息を付いた。依然として囲炉裏の前に張り付いている。冷えた身体を、何より心に少しでも、熱が宿る様に。
彼女の手には小さな紙が握れていた。四つ折りにされたそれは支給品が納めてあるエニグマの紙。
現在一切の支給品を持ち合わせていない諏訪子だったがこのエニグマの紙は都合良く、リサリサの死体の近くに落ちていた。
誰かが落としたのだろう。あの修羅場にこんな失態をするヒトがいたとは考えにくく、そうなると消去法で
ディアボロと呼ばれた少年ぐらいしかいない。
彼は深く昏倒していた。目を覚ましたはいいがダメージが深く意識が定まらず、何かの拍子に落としたか。
リサリサの支給品一式も紛失していた。さらに彼女の持っていたクラッカーヴォレイと死因が直結することから彼は怪しい。
当然、気絶していた諏訪子に確証はなく、ウェスが殺した可能性もある。非合理的ではあるが、残忍な印象のあの男が激昂し撲殺に及んでも何ら不思議ではない。
さて、そんな開けば収納閉じれば密封のスタンドアイテムを拾った諏訪子だが、今それを棺桶としている。
リサリサの死体を諏訪子はそこに眠らせている。
死んだ者は物も当然。物体を納められるならば、死体がそこに納まることも道理。近くに落ちていたことも幸いして、ふと閃き実行に移した。
倫理的な問題など諏訪子の眼中にない。家族としての問題を優先しての行動だった。
リサリサはついぞ口を割らなかったが、彼女の家族がここにいて、それが誰なのかを諏訪子はそれとなしに掴んでいた。
『……偶然とはいえ、同じ家族を捜す者同士』
神奈子と戦う直前のこと、諏訪子には直接言ってくれなかったがリサリサはそう言ってあの場に残ってくれた。
『かつては捨てたこの名を、再び名乗らせてもらうわッ! 我が名はエリザベス・ジョースター!』
DIOと対峙する時、諏訪子はリサリサの胸の内を初めて知ったのを思い出す。彼女の家族の姓はジョースター。
『そうか、知らないか……なら教えておこう、彼は……いや奴は危険人物だ。
街中で突如襲われて戦いになったが、卑怯な搦手ばかり使ってきて、私も間一髪だった。
なんとか動きを止めたところで戦闘不能にしようとしたのだが、奴の支給品によってグォバッッ!!』
そしてプッチ神父。奴がタコ殴りにされる直前に空飛ぶ不思議な神父は一人の名前を挙げていた。
ジョセフ・ジョースター。
諏訪子がアタリを付けている、リサリサの、いやエリザベス・ジョースターの家族の名前だった。
あの時プッチを放っておけば殺してしまう程手酷く殴り続けていたのも、家族の繋がりを考えれば納得がいかなくもない。
せめて彼に無念のまま命を落としたリサリサの訃報を届けるつもりだった。
本当ならここで埋葬して彼を連れて来るのが筋だが、生憎こんな殺し合いの中で互いに時間の余裕などないと考えるべきだろう。
尤も諏訪子はジョセフの動向はおろか容姿さえ知らない。まずは他の参加者に会って情報を集めるところからスタートしなければならない。
そこまで考えるといよいよもって時間が足りない事実を突き付けられ、ぼうっとしているのもバツが悪くなった。
「行くか」
特別名残惜しそうにもせず、囲炉裏の火をさっさと消す。
どれだけ温めても冴えた心には何も届かない。そんなことぐらい分かっていたから。
そのまま歩き出す諏訪子だったが、何の気まぐれかフラっと囲炉裏の前まで戻ってしまう。
燻る囲炉裏の元に屈むと腕を伸ばして、ほんの少しの間待つ。目的が達成したのを確認すると、立ち上がりいよいよ玄関へ向かって歩き出す。
「ゲェーッ!!うっッぇゴホッゴホ!うぇーげえぇ」
突如、悲鳴と咳込みが仲良く手を取りあい聞くに堪えないハーモニーを奏でる。
その指揮者たる諏訪子は廊下で突っ伏し力尽きていた。
指から細い煙がゆらゆら踊る。彼女が通り過ぎていった空間にはごく薄い紫煙が棚引いていた。
ニコチンとタールの独特の香り、その小さな指にはタバコが挟まれている。
いまいち喫煙の要領を忘れてしまった諏訪子は、あろうことか最初の煙を一気に吸い込んでしまった。
火を付けてすぐの煙は味わうのは多少の慣れが必要で、一般的に吐き出すのが正解である。
さらに付け足すと彼女は臆面もなく使っているが、そのタバコはリサリサの立派な遺品である。
「うーあーマズいー」
諏訪子は必死に口や鼻から煙を逃がすもヒーヒー苦しんでいる。
遺品を失敬する彼女の行いに無事天罰が下り、いよいよやっと歩き出す。かと思ったら今度は床に張り付いたまま動かなくなった。
背信者にはミシャグジの祟りを一族の末代はおろか飼い犬鳥にまで振るう。そんな権能を持つ彼女がタバコの毒で沈むとは何とも情けない話だ。
本人も動かないなら仕方ないなと、いやに諦めも良い。もう少しだけもう少しだけ。そうして逃げようとしている自分をかつて送った言葉で遮った。
「生きてて生き損、死んで死に損。誓いも、後悔も、愛も、前を向くために」
ヒトが死に悔しくても悲しくても、誓いや後悔そんな『想い』があれば前に進める。前を向こう。そんな風にリサリサに言った。
だが、無念の死。前を向いた者は己の願いに殉じることなく散った。だからせめて、彼女の生に意味を持たせたい。そう願ってしまう。
しかし、愛する家族に会うこともなく、惨たらしくその命は断たれた。その殺した張本人も因縁のある吸血鬼ですらない。
いや、たとえリサリサが憂う全ての怨敵を打ちのめすことが出来ても、その魂が安らぐことはない。
ならば如何にして、彼女の魂は、想いは鎮まるだろう。諏訪子は考える。
家族と会うことじゃあないのか、と。
それこそがリサリサの無念を雪ぐことができるはず。
だから、死体を持っていく。
今吹かしているタバコを遺品として届けるだけでも十分なはずだった。それでも惨たらしい遺体を諏訪子は持って行く。
少なくとも今。今の諏訪子は死んでも一度は家族に会いたい。そう思ったから。
リサリサがどういった感情を抱いて家族を探しているのかは分からない。
ただDIOと対峙した時、彼女は自身の血統に強い敬意を見せていた。ならば自分の家族への愛情もまた深いのではないかと推し量れる。
そこまで考えると自分に呆れて笑った。
リサリサに何もしてやれなかった自分が何を勝手なことを、と。
彼女とは最初から一緒にいるのに何もしてやれてない、大して話せてもいないし、彼女の最期すらロクに知らないと来た。
おこがましいのだ。そんな自分が彼女の家族に何を今更。だから笑えた。
しかしそれでも構わない。余計なお世話でも差し出がましくても、今はただ目的が欲しい。
神奈子を殺す。早苗に会う。それだけじゃ寂し過ぎるから。
「そうじゃないとここで止まってしまいそう」
諏訪子は今すぐ自分の家族と向き合える自信がなかった。今の自分のあり様では、早苗に掛ける言葉の全てが偽りになる。それだけは嫌だ。
だがここでこれ以上無為に時間を過ごすなど、無念のまま死んだリサリサに殺されたって文句は言えない。
それに比べれば、自分の行動が独りよがりかどうかなんて余りにもちっぽけだ。
そして何よりも、自分の身内が家族の仲を引き裂いたのだ。たとえそれが間接的だとしても。
それなのに。親と子はもう会えないのに。家族に起きたことは家族で片付けろなんて、家族間の問題だなんて、そんなモノ絶対にバカげてる。
家族という神聖な領域を土足で踏み荒らすのなら赤の他である私こそが相応しい。
ならば、ああ、もう。本当にいい加減動き出そう。
両腕に力を込めて突っ伏した身体をさっさと起こす。続いてうんっと伸びをする。打って変わって、少しだけ身体が軽い。
しぶとく焚かれ続ける煙を吸って吐けば、ほんの少しだけ気持ちも軽い。一歩一歩踏み締める。大丈夫、燻らせるのはこのタバコだけで十分。そう言いたげに足取りは軽やかだ。
玄関の戸を開ければ、身を切り付けるような冷えた空気がひゅるりと滑り込む。タバコの火を消してしまおうと舞い落ちる雪は悪さをするだろう。
それでも止まらず、むしろ走る。その傍には雪を除けるために蓮の葉が寄り添っている。
長い茎をしならせ地面を滑り必死に付いて来る。甲斐甲斐しいと言うより異様な光景だがそれもまたご愛嬌。
風を切りながら、睨む空は曇天。雪雲の向こう側にはきっと夕陽が傾いている。
何故だろう。どうしてあの厚い雲を裂いてまで日暮れを望むのだろう。夕焼けなどいくらでも見て来たのに。黄昏の思い出なんかいくらでもあるのに。
そこにある答えのようなナニカが記憶を揺さぶる。幻想郷に渡る前のあの日が私に語り掛ける。
『“あっち”に行っても同じ空の下で、私たちはこうやって同じ酒を呑むんだろうねぇ』
「ああ。“あっち”でもお酒は呑めたよ。でもアンタは今“どっち”にいるんだ」
同じ空の下にいるのに、杯はもう交わされることはない。そう思うと酒を飲んでもないのに胸が焼ける。
どうしてとか、分からないとか。そんな言葉で止まらないで、その先を知りたい。ここにいれば夕陽が見えるかもしれない。
でも考えれば考えるほど、過去が私を縛り付ける。かつて共に歩んだ情景に目を奪われてしまう。今この瞬間の私のように。
ああ、ヒトの考えなんて真に理解できない。私がそうだ。神奈子が何を考えているのか分かってやれない。
まして死に逝く瞬間リサリサが何を考えたかなんて分かるワケもない。ヒトが生きた意味なんて、考えるだけ詮無きこと。残った者が勝手に考えて勝手に行動すればいい。
「だからリサリサ。私と貴方の家族に会いに行きましょう」
せめてそれが手向けになることを切に願う。
止まりたがる私の身体を、貴方の遺志が動かしてくれる。たとえ私に貴方の血が流れずとも。
私は赤の他人。血の繋がりなんて無い。でも通い合うモノがあれば、きっと『家族』足り得る。その事を千年の付き合いの中で誰よりも分かっているつもりだから。
さあ、行きましょう。互いの無念を晴らすために。
【夕方】D-2 猫の隠れ里
【洩矢諏訪子@東方風神録】
[状態]:霊力消費(中)、右腕・右脚を糸で縫合(神力で完全に回復するかもしれません。現状含め後続の書き手さんにお任せします)
体力消費(小)、内蔵を少し破損
[装備]:タバコ
[道具]:エニグマの紙(リサリサの死体)
[思考・状況]
基本行動方針:荒木と太田に祟りを。
1:ジョセフを探す。
2:神奈子を殺す。早苗の生存を確認する。
3:守矢神社へ向かいたいが、今は保留とする。
4:プッチ、ディアボロを警戒。
[備考]
※参戦時期は少なくとも非想天則以降。
※制限についてはお任せしますが、少なくとも長時間の間地中に隠れ潜むようなことはできないようです。
※
聖白蓮、プッチと情報交換をしました。プッチが話した情報は、事実以外の可能性もあります。
最終更新:2020年10月25日 15:53