アットウィキロゴ
kairakunoza @ ウィキ
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

kairakunoza @ ウィキ

あなたに、つたえたいこと

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
僕は風呂からあがり、歯をみがき終えた。
あったかい風呂は、バイトあがりの体には気持ち良すぎた…頭をちょっと拭いて、そのままベッドに倒れこんでしまった。
ふかふかの感触に、思わずにんまりしてしまう。

ふと見た時計は、11:59と表示していた。
いつもと変わらない日が終わる。
また同じような日が始まる。
そうだと思っていた。

綺麗に最後の2桁に0が並ぶ。
日付が変わった合図。
僕はそのときを、たまたまみていた。



その瞬間、手元にある携帯が鳴り始めた。
面倒だがディスプレイをみてみる。聞き慣れた着信音だったが、敢えて確認する。

眠い…なんでこんな微妙な時間に…?
とりあえず、通話のボタンをおし、携帯を耳にあてると……


「しらいしぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」


絶叫された。
思わず耳から携帯を離し、顔を背けてしまう。それほどの威力だ…近所迷惑とかは考えているのだろうか…

「うぅ…あきら様、おはようございます…」
「おはようじゃない!あんた何時だと思ってんの!!」

なんのことだ。今の言葉はあなたにそのまま返してあげようか。
「12時…回ったところじゃないですか…むにゃ…」
「とりあえず開けなさい。」
「へ?どこをですか?」
「家。」
なんだって?

「え?え?今あきら様どこにいらっしゃるんですか?」
「あんたの家のドアの前。5秒以内に開けなさい。」

僕は青ざめた。血の気がひいていくって、これなんだ。
僕は猛ダッシュで玄関まで行き、鍵を開ける。
その間絶対2秒だ。ん?うそ。



「遅い。」
「も…申し訳ありません…、あきら様…」
「入るわね。」
「散らかって…ますけど…」

ずかずかとあきら様は僕の部屋に入ってくる。
なにか持っているのか、手は塞がっているようだ。
眼鏡がないのでよく見えないが、とりあえずそのようだ。
あ…洗濯物ほしっぱなしだし…

あきら様はくるり、とこちらを向いた。

「白石!」
「は…はいっ!」

あきら様は真っ直ぐこちらを見ない。どうしたんだろう…?

「あげる。」

僕の目の前には箱がふたつ。
大きめの箱の上に、ちょこん、と小さめの箱が乗っている。

「これ…2つともですか?」
「良いから机の上で開けなさい。」

言われるがまま、床に座り、食事をいつもする机に箱を置く。
この重さ、そういえば昔にも持っていたことがある気がした。
まずは大きいほうの蓋を、ゆっくりと開ける。

「お…?」

中からでてきたのは、白い塊だった。ところどころ、赤いイチゴが乗っている。

「……ケーキ?」
「…そうよ」
ケーキ?ケーキ?
なんで?

「今日、あんた誕生日でしょ」
「あ……」

覚えていて、くれたんだ。

「どうして、そんなこと…」
「あたしの誕生日は忘れられてたけど、ちゃんと覚えててあげたわよ。」
「うぐ」

確かに、僕はあきら様の誕生日を忘れていた。認める。
しかし、まさかあきら様が、僕の誕生日を覚えていてくれるなんて…

僕は眼鏡をかけてじっくりみてみる。
ちょっと不格好だが…いやしかし、可愛らしいケーキだ。
デコレーションに砂糖菓子が乗っており、可愛い猫と熊が乗っていた。
白い面に茶色のチョコペンで僕の名前が書いてある。

『たんじょうびおめでとう みのる』



まじまじとケーキを見つめてしまった。あきら様って料理出来たっけ?お菓子つくるとかいってたっけ?あれ?
あれ?なに、この気持ち…どうしよう…

え、誰のため?
僕の、ため?

「白石…?」
「……………」
「なに泣いてるの」
「べ…別に泣いてなんか…ないです…よ…」

自然と溢れて来る涙を、止めることが出来ない。
うわ、カッコわるい。
ダメダメ、見ないで下さい!

「うわ、マジ泣きしてる!」
「違います!うわぁ、ダメだー!!」

あきら様の手の中には可愛い色のろうそくが握られている。

「ほら、ろうそく立てるから手伝いなさい!」
「何本たてる気なんですか?!」
「29」
「それは中の人です!」
「いくつだっけ」
「18です!」

細いろうそくを18本立て、全てに火をつける。そして電気を消すと、暖かい光が僕とあきら様を包む。

「はーっぴばーすでーとぅーゆー♪」
隣で陽気にあきら様が歌う始める。

はーっぴばーすでーでぃーあみーのるー♪
はーっぴばーすでーとぅーゆー♪

「さ、消せ!」
「「ふー!」」

なんであきら様も消すんですか…
真っ暗になってしまったので、電気をつける。

「おめでと、みのる!」
「ありがとうございます、あきら様!」

電気をつけたあとにみたその笑顔を、僕は一生忘れないだろう。

「ほら、こっちもあけてあけて?」

僕は昔から誕生日なんてそんなに祝われなかった気がする。
子供のころは祝ってもらえたが、上京してきてからは、誕生日を覚えてくれている人が周りには居なかった。
久々に、こんなあったかい誕生日を迎えることができました…

「はやくー」
「あ、開けますよ?」

ありがとうございます、あきら様。
今伝えたくなるこの気持ちは後回しにして、
僕は箱のリボンを、解いた。













コメントフォーム

名前:
コメント:
  • 注釈:日付は10月18日の設定です。なんの日かは…☆ -- 17-234 (2007-10-22 23:24:32)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー