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危険な関係

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 1.


 秋も深まる11月の夜。

 トントン――
 午前4時を過ぎたころ、遠慮がちに2回ドアが叩かれる。
「ちょっと待って」
 私は攻略中の美少女ゲームをセーブし、画面を隠してから立ち上がった。
 ドアをあけると見慣れた少女が立っている。足元が微かに震えて、頬が上気している。

「ゆーちゃん」
 私は、微笑を浮かべながら、小柄な少女を招き入れる。
 ゆーちゃんは、瞳を微かに潤ませながら、小鳥の鳴くような声で呟いた。
「こなた…… お姉ちゃん」
「どったの? 」
 私は一応聞いてみたけど、ゆーちゃんがここに来た理由は分かっている。これから
何を求めているか。何を言い出すのかも知っている。
「眠れないの」
「ゆーちゃん。一緒に寝る? 」
 先回りして誘いをかけてみると、ゆーちゃんは頬を更に紅潮させて頷いた。

 部屋の片隅に備え付けられたベッドに、二人で一緒にもぐりこむ。パジャマ越しに、
ゆーちゃんの柔らかい肌の感触と体温がダイレクトに伝わる。 
「お姉ちゃん」
 ゆーちゃんは、私の首筋に腕を伸ばして、長い髪を解きほぐしながら、複雑な顔を
している私を物理的に絡めとる。


大好き
 甘えた声で囁くと同時に、小さな唇を押し付けてくる。
 私は戸惑う。ゆーちゃんはとっても可愛いし、妹のように大切な存在だ。
 好意を寄せられること自体は素直に嬉しい。
 でも、ゆーちゃんが私に向けているであろう『好き』と、私がゆーちゃんへの向ける
『好き』は微妙に食い違うような気がする。
 それでも、好きの境界線はとっても曖昧で、ぼやけていて…… 
 私は今日も彼女の唇を拒まずに受け入れる。

「ん…… 」
 キスの合間にゆーちゃんの指先がうなじをなで、私はくすぐったそうな声をあげた。
 ゆーちゃんは瞳だけで悪戯そうに笑いながら、小さな舌をねじ込んでくる。
 私は何もいわずに、彼女の行為を受け入れる。熱い体温とともにゆーちゃんが私の喉を、
歯茎を、そして舌を絡めとる。
 舌端が絡み合う度に、ぴちゃぴちゃと、かなり恥ずかしい音が漏れ聞こえる。
 お気に入りの美少女ゲームの萌えキャラが、そのまま飛び出したようなゆーちゃんとの
ディープなキス。
 2次元のゲームではなくてまぎれもない現実なんだけれど、どこかリアルに
感じられず、私はあやふやな浮遊感に覆われている。
 もしかしたら、同性の血縁者と性的な行為をしているという倒錯的な行為が、
理性の大事な部分を麻痺させているのかもしれない。


「ん…… んんっ」
 ゆーちゃんは私にしがみつきながら、喘ぎ声をあげ続ける。
 私も彼女より少しだけ低い嬌声を何度か漏らす。

 しかし、深い口づけの途中にも、もしお父さんに見つかったら何て言うのだろうな、
なんて無意味なことも考えてしまう。もっとも、一般の父親像とはかけ離れているから、
苦笑したまま何も言わないかもしれないが。

 10分? それとも、まだ数分?
 ようやくゆーちゃんの唇が離れる。ふたりの唇の間に銀色の橋が架けられ、窓から
差し込んだ月光を浴びて煌き、直後にぷつりと消える。
 何度か荒い呼吸を繰り返したゆーちゃんは、救いを求めるような表情で私に聞いてくる。

「お姉ちゃん。私のこと好きでいてくれる? 」
 私は、問われた意味をあえてぼかして、いつも通りの返事をする。
「うん。好きだよ。ゆーちゃん」
「ありがとう。お姉ちゃん」
 ゆーちゃんは、心底ほっとした表情を浮かべて、身体中の緊張を解いた。
 私の懐に包まれるような格好で丸くなり、ほどなく静かな寝息をたてはじめる。
 私は、彼女が完全に夢の世界の住人となったことを確認すると、大きな溜息をついた。


 寝転んだまま天井を見上げると、微かに明るくなっている。明日は日曜日だから
学校の心配はない。お昼近くまで寝ていても誰も文句は言わない。
 少しずつ明るくなる天井から視線を動かさずに、時々きこえる小鳥のさえずりと、
自動車の排気音をBGMにしながら、思考の泉に身を横たえてみる。
 ゆーちゃんは、今はキスをすることで精一杯だ。でも、たぶんごく近い将来、次の
ステップを求めてくるだろう。
 その時、私はゆーちゃんを受け入れることができるのだろうか? 
曖昧な想いが、冷たい拒絶に変わらないだろうか?

 顔を横に向けて、ゆーちゃんを見つめる。天使のような可愛らしい寝顔は、9割の安堵と
1割の不安があるように見える。もし、私にはっきりと拒まれた場合、ゆーちゃんは
どこか逃げ場はあるのだろうか?
 自分の態度が曖昧なことが悪いことは分かりきっているのに、ゆーちゃんの好意を完全に
受け入れることも、冷たく拒むこともできない。

「私…… ずるいな」
 私は考えること自体に疲れて瞼を閉じた。間もなく全てを忘れさせてくれるような
強烈な睡魔に襲われて、深い眠りの井戸に落ちていった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
危険な関係 第2話へ続く












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  • 良いですねぇはぁはa(ry(´д`)・・冗談です。
    変な興奮はしませんがGJです。
    -- 九重龍太 (2008-03-14 22:31:06)
  • ゆたこな大好き!!次はエロでお願いします!!! -- 名無しさん (2007-11-15 00:42:48)

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