列車が到着する。扉が開き、十数人の乗客がいっせいに降りる。
昨年設置されたばかりの自動改札機は、たった2台で乗客の切符の回収とICカードの処理作業に追われている。
当然のことながら、改札口付近は大渋滞。
昨年設置されたばかりの自動改札機は、たった2台で乗客の切符の回収とICカードの処理作業に追われている。
当然のことながら、改札口付近は大渋滞。
『またねー』『うん、バイバイ』
『今日は一杯やりますかぁ』
『それじゃ、また明日』
『お疲れ~、あとで電話するわ』
『今日は一杯やりますかぁ』
『それじゃ、また明日』
『お疲れ~、あとで電話するわ』
がらんとした駅前広場は少しだけ賑やかになる。
お勤め帰りのサラリーマン、部活で遅くなった高校生、買い物帰りの主婦……。
お勤め帰りのサラリーマン、部活で遅くなった高校生、買い物帰りの主婦……。
しばらくすると、再び静寂が駅を支配する。
「………まだかな」
そんな地元の小さな駅で、私は人を待っていた。
午後7時。約束はとうに過ぎた。『彼』はまだ来ない。
改札口は1箇所しか無いので、ここで待っていれば確実に彼に会えるはず。
しかし、まだ、来ない。
午後7時。約束はとうに過ぎた。『彼』はまだ来ない。
改札口は1箇所しか無いので、ここで待っていれば確実に彼に会えるはず。
しかし、まだ、来ない。
遅れる事は分かっていた。約束の時間の30分前、彼から「少し遅れます」というメールが届いていた。
彼は今日も仕事で忙しいのだろう。
彼は今日も仕事で忙しいのだろう。
仕事でトラブルでもあったのかしら?
電話が繋がらないので、おそらく『彼』はまだ会社に居るに違いない。
電話が繋がらないので、おそらく『彼』はまだ会社に居るに違いない。
次の電車は19時27分。
昨日までとは打って変わって冷蔵庫のような寒さの中、私はただただ待ち続ける。
今日の夜は特に冷える。立っているのは正直しんどい。
でも、私たちは約束した。ここで会う、と。
だから、私は待つ。彼が来るまで。
昨日までとは打って変わって冷蔵庫のような寒さの中、私はただただ待ち続ける。
今日の夜は特に冷える。立っているのは正直しんどい。
でも、私たちは約束した。ここで会う、と。
だから、私は待つ。彼が来るまで。
午後7時。仕事はまだ終わらない。
今日は人と会う約束をしている。おれの大切なあの人に。
それなのに、天はどうもおれに深夜残業をさせたいようだ。
今日は人と会う約束をしている。おれの大切なあの人に。
それなのに、天はどうもおれに深夜残業をさせたいようだ。
「日下部さん、どう?」
「こりゃ重傷だ。まさか回路が完全にイカれてるわ」
「まさかこんな時にトラブル起こすとは……。とんだ誕生日プレゼントだね」
「ああ………最高のプレゼントだな…………おれ、帰っていいかな…」
今日だけは今すぐ帰りたい。
「そうすると、月曜日の実験には間に合わなくなるよな」
「……そうなんだよなぁ。」
「こりゃ重傷だ。まさか回路が完全にイカれてるわ」
「まさかこんな時にトラブル起こすとは……。とんだ誕生日プレゼントだね」
「ああ………最高のプレゼントだな…………おれ、帰っていいかな…」
今日だけは今すぐ帰りたい。
「そうすると、月曜日の実験には間に合わなくなるよな」
「……そうなんだよなぁ。」
おれは同僚と共に、いきなり故障した実験装置の原因を調べていた。
いきなりトラブルを起こした装置は、吹っ飛んだバルブだけ交換すれば何とかなるかと思っていた。
しかし、バルブが吹っ飛んだせいで、破片が装置の心臓部にまで吹っ飛び、あらゆるモノを部品交換送りにしてくれた。
中でもおれが設計した制御機は中の回路が損傷しており、事態は深刻となった。
いきなりトラブルを起こした装置は、吹っ飛んだバルブだけ交換すれば何とかなるかと思っていた。
しかし、バルブが吹っ飛んだせいで、破片が装置の心臓部にまで吹っ飛び、あらゆるモノを部品交換送りにしてくれた。
中でもおれが設計した制御機は中の回路が損傷しており、事態は深刻となった。
今日は定時で帰るつもりだった。
17時30分までに自分の抱えている仕事を全て終わらせ、
5分後のチャイムと同時におれは退社するつもりだった。
17時30分までに自分の抱えている仕事を全て終わらせ、
5分後のチャイムと同時におれは退社するつもりだった。
17時34分。
「よし、あと1分だ」と思ったところで同僚から嫌~な連絡が入ったのだ。
「よし、あと1分だ」と思ったところで同僚から嫌~な連絡が入ったのだ。
暖房の効かない現場で過ごす11月16日。
おれにとって目出度いこの日は、思わぬ所からのプレゼントを強制的に受け取るハメになった。
おれにとって目出度いこの日は、思わぬ所からのプレゼントを強制的に受け取るハメになった。
『もしもし?』
「もしもし?あやの?」
『うん、そうよ』
「ん~どした?元気ねぇな?」
『うん………何でもないよ』
「そ、それならいーんだけど。あのさ、兄貴とはもう会った?」
『それが……』
あのアホ兄貴、帰りにエロ本でも立ち読みしてやがるな。
『それは流石にないと思うけど…』
「冗談、冗談、マイケルジョーダン」
『もうっ、みさちゃんってば!』
「はっははー。少しは元気出たか?
なんだったら一緒についていてやろうか?」
『うん……ありがと。でも、大丈夫』
「そ…そっか。大丈夫か。寒ぃから風邪引くなよ?」
『うん。有り難う』
「兄貴のせいであやのが風邪引いたら、こっちまで心配になるんだぜ。にはは」
『ふふふ、みさちゃんらしいわね。明日の方はどうなの?』
「ん~?準備万端だぜ。兄貴、喜ぶかな?」
『絶対喜ぶよ。可愛い妹さんからプレゼント貰えるんだから』
「か…可愛いって////て、照れるな…。と、とにかく寒ぃから気を付けろよ、じゃあな」
『うん、じゃあね、また明日』
「ばいにー」
「もしもし?あやの?」
『うん、そうよ』
「ん~どした?元気ねぇな?」
『うん………何でもないよ』
「そ、それならいーんだけど。あのさ、兄貴とはもう会った?」
『それが……』
あのアホ兄貴、帰りにエロ本でも立ち読みしてやがるな。
『それは流石にないと思うけど…』
「冗談、冗談、マイケルジョーダン」
『もうっ、みさちゃんってば!』
「はっははー。少しは元気出たか?
なんだったら一緒についていてやろうか?」
『うん……ありがと。でも、大丈夫』
「そ…そっか。大丈夫か。寒ぃから風邪引くなよ?」
『うん。有り難う』
「兄貴のせいであやのが風邪引いたら、こっちまで心配になるんだぜ。にはは」
『ふふふ、みさちゃんらしいわね。明日の方はどうなの?』
「ん~?準備万端だぜ。兄貴、喜ぶかな?」
『絶対喜ぶよ。可愛い妹さんからプレゼント貰えるんだから』
「か…可愛いって////て、照れるな…。と、とにかく寒ぃから気を付けろよ、じゃあな」
『うん、じゃあね、また明日』
「ばいにー」
はっくしゅんっ!!あー寒ぃ~。私は家(団地)の前で兄貴の帰りを待っていた。
時計は……20時40分。うぉっ、こんなところで2時間も待ってたんだ、私。
それにしても兄貴は帰ってくる気配がない。とっくに兄貴があやのと一緒に姿を見せてもおかしくない時間だ。
時計は……20時40分。うぉっ、こんなところで2時間も待ってたんだ、私。
それにしても兄貴は帰ってくる気配がない。とっくに兄貴があやのと一緒に姿を見せてもおかしくない時間だ。
あー、またあやのに迷惑かけやがって。
ちっと様子見に行ってみっか。兄貴、自転車借りるぞー。
ちっと様子見に行ってみっか。兄貴、自転車借りるぞー。
11月16日。木枯らし舞う鉛色の夜空の下、私は兄貴から拝借したスポーツバイクで駅へと向かった。
北埼玉の夜は特に冷える。
20時50分発の上り列車が走り去っていく。次は21時20分。30分待ちだ。
寒さで体はすっかり冷えてしまい、手は氷のように冷たくなっている。
20時50分発の上り列車が走り去っていく。次は21時20分。30分待ちだ。
寒さで体はすっかり冷えてしまい、手は氷のように冷たくなっている。
携帯電話を取り出す。着信は……無い。
そろそろ帰らないと、父親に怒られる。
アルバイトでもしていない限り、流石に高校生がうろうろしていい時間ではない。
「姉ちゃん、こないなとこで何してん。風邪引いてまうで」
「わ、私は大丈夫です。有り難う御座います」
駅の前でずっと立っていたのを心配していたのか、改札口の駅員さんが私に声を掛けてくれた。
「人、待ってん?」
「…はい」
「寒いやろ、ほな、これ飲んで温み」
「あ、有り難う御座います」
「ほな、おっちゃんそろそろ帰るさかい。変な人多いから気ぃ付けや」
「は、はい」
そろそろ帰らないと、父親に怒られる。
アルバイトでもしていない限り、流石に高校生がうろうろしていい時間ではない。
「姉ちゃん、こないなとこで何してん。風邪引いてまうで」
「わ、私は大丈夫です。有り難う御座います」
駅の前でずっと立っていたのを心配していたのか、改札口の駅員さんが私に声を掛けてくれた。
「人、待ってん?」
「…はい」
「寒いやろ、ほな、これ飲んで温み」
「あ、有り難う御座います」
「ほな、おっちゃんそろそろ帰るさかい。変な人多いから気ぃ付けや」
「は、はい」
この駅は、夜になると無人駅となる。田舎の駅なので仕方がないが、何だか心細い。
この駅を出る路線バスも、
みさちゃんの住んでる団地行きを数本残すだけとなった。
田舎の夜は、寂しい。
この駅を出る路線バスも、
みさちゃんの住んでる団地行きを数本残すだけとなった。
田舎の夜は、寂しい。
手には駅員さんから貰った缶コーヒー。
相当手が冷えていたのだろう。ハンカチでくるんでも熱い。
相当手が冷えていたのだろう。ハンカチでくるんでも熱い。
21時20分発が去る。
もう、帰ろうかな。明日、みさちゃん家で会えるし。
もう、帰ろうかな。明日、みさちゃん家で会えるし。
──あら?誰かしら?
「はぁ、やっと終わった。後は月曜にやるとしよう」
「これで、何とか実験には間に合いそうだな。宿題出来ちまったけど」
「おれはもう帰るよ。人待たせてるから」
「お、彼女ですか~?今日、日下部さんの誕生日だもんな。勢いで襲っちゃったりして」
「アホ、せんわ。美水、先帰るぞ。お先~」
「お疲れさん~」
「これで、何とか実験には間に合いそうだな。宿題出来ちまったけど」
「おれはもう帰るよ。人待たせてるから」
「お、彼女ですか~?今日、日下部さんの誕生日だもんな。勢いで襲っちゃったりして」
「アホ、せんわ。美水、先帰るぞ。お先~」
「お疲れさん~」
取り敢えず、最低限の処置を済ませ、何とか月曜日の実験には間に合うようにしておいた。
例の回路はもっぺん設計し直さないとダメだな。あーあ。
例の回路はもっぺん設計し直さないとダメだな。あーあ。
さて、おれは大急ぎで帰らなければならない。
そう、待っている人がいる、いつもの駅で。
あやのの事だ。多分ずっとその場を動かずに待っているハズだ。
そう、待っている人がいる、いつもの駅で。
あやのの事だ。多分ずっとその場を動かずに待っているハズだ。
この時間になると、いつも乗っている列車の本数がガクンと減る。
時間は…21時30分。次の列車は21時40分。間に合うかな。いや、間に合わせねば。
時間は…21時30分。次の列車は21時40分。間に合うかな。いや、間に合わせねば。
「お疲れ様ですっ!!」
おれは作業着の上に上着を羽織ったまま、会社を飛び出し、駅へと向かった。
あやの、待ってろよ。今、そっちに向かうからな。
あやの、待ってろよ。今、そっちに向かうからな。
この時、相当焦っていたのですっかり忘れてしまっていたが、
あやのにメールを入れておけば良かったと思った。おれ、空気読め。
あやのにメールを入れておけば良かったと思った。おれ、空気読め。
21時50分
ふう、何とか駅に着いた。
何でパンクなんかするんだ、この自転車は。
兄貴から拝借したカーボンフレームのロードバイクは、
あろうことか走り出して数百メートルで先のとがった石を乗り上げ、あっけなくパンクしてしまった。
お陰様で私は駅までの数kmを押していくハメになった。
ふう、何とか駅に着いた。
何でパンクなんかするんだ、この自転車は。
兄貴から拝借したカーボンフレームのロードバイクは、
あろうことか走り出して数百メートルで先のとがった石を乗り上げ、あっけなくパンクしてしまった。
お陰様で私は駅までの数kmを押していくハメになった。
畜生、寒い。
陸上では真冬の大会でハーフトップのユニフォームを着ていたりはするが、
夏生まれの私にとってこの寒さは地獄に等しい。特にあのユニフォームは地獄に等しい。
まぁ、私のことはいい。
あやのはアホ兄貴のせいでもっと寒い思いをしているに違いない。
きっとえらく心配しているだろう。妹の私だって心配だ。
陸上では真冬の大会でハーフトップのユニフォームを着ていたりはするが、
夏生まれの私にとってこの寒さは地獄に等しい。特にあのユニフォームは地獄に等しい。
まぁ、私のことはいい。
あやのはアホ兄貴のせいでもっと寒い思いをしているに違いない。
きっとえらく心配しているだろう。妹の私だって心配だ。
お、あやのいたいた。うわっ…あの格好じゃ寒そうだな。
まさかこんな時間まで突っ立ってるとは思わなかっただろうしな。
まさかこんな時間まで突っ立ってるとは思わなかっただろうしな。
「よう、あやの」
「み、みさちゃん…!!ど、どうしたの?」
「み、みさちゃん…!!ど、どうしたの?」
何でそんなに驚くんだよ。私の顔に何か付いてるか?
「ち…ちょっと気になってさ。こんな寒ぃ中あやのを立たせたままにするとは、酷い兄貴だぜ。
悪ぃな、あやの」
本当だ。全く。
「み、みさちゃんが謝らなくても…。それに私は全然怒ってないし。
………で、でも、心配だな…。何処かで倒れてないかしら」
「心配すんなって。ああ見えても兄貴はちょっとやそっとじゃ倒れたりしねーよ。喧嘩も私で鍛えているし」
「うん、まぁ」
「うおっ、あやの、手、冷てーじゃねーか!!ほら、これ着ろよ」
悪ぃな、あやの」
本当だ。全く。
「み、みさちゃんが謝らなくても…。それに私は全然怒ってないし。
………で、でも、心配だな…。何処かで倒れてないかしら」
「心配すんなって。ああ見えても兄貴はちょっとやそっとじゃ倒れたりしねーよ。喧嘩も私で鍛えているし」
「うん、まぁ」
「うおっ、あやの、手、冷てーじゃねーか!!ほら、これ着ろよ」
さっきまで着ていた上着を、さり気なくあやの背に羽織らせる。
「有り難う。でも、みさちゃん寒くないの?」
「いいっていいって、私はこのポンコツ押して走って来たから、むしろ暑いくらいだ……へ、へっくしゅん!!」
「もう、無理しちゃって。ほら」
「いいって、あやのの方が寒そうだぞ」
薄手で胸元の開いた、デートモード全開の格好だからな。
「それなら、ほら」
「おうわっ」
あやのは私の体を引き寄せ、私の上着の半分を羽織らせる。
一人用の上着を二人で羽織っているので、見事に寸法足らずだ。
駅が無人状態だからいいけど、これ、ハタから見たらどう見えるんだろうな。
「いいっていいって、私はこのポンコツ押して走って来たから、むしろ暑いくらいだ……へ、へっくしゅん!!」
「もう、無理しちゃって。ほら」
「いいって、あやのの方が寒そうだぞ」
薄手で胸元の開いた、デートモード全開の格好だからな。
「それなら、ほら」
「おうわっ」
あやのは私の体を引き寄せ、私の上着の半分を羽織らせる。
一人用の上着を二人で羽織っているので、見事に寸法足らずだ。
駅が無人状態だからいいけど、これ、ハタから見たらどう見えるんだろうな。
「あやのだけ辛い思いするのもアレだからな。私も待つよ」
「あ…有り難う。いつもごめんね、みさちゃん」
「なんで謝んだよ」
「だ、だって、みさちゃん、私は大切なお兄さんを…」
「それは言わねー約束だろ?それにこっちは毎日嫌でも顔合わせられるし。
そりゃ、確かに兄貴は好きだけどさ……、」
正直、あの時はキツかった。兄貴が取られるんじゃないかって思ってさ。でも、それは1年前の話だ。
「ほら、そろそろ次の列車が来るぞ」
「あ…有り難う。いつもごめんね、みさちゃん」
「なんで謝んだよ」
「だ、だって、みさちゃん、私は大切なお兄さんを…」
「それは言わねー約束だろ?それにこっちは毎日嫌でも顔合わせられるし。
そりゃ、確かに兄貴は好きだけどさ……、」
正直、あの時はキツかった。兄貴が取られるんじゃないかって思ってさ。でも、それは1年前の話だ。
「ほら、そろそろ次の列車が来るぞ」
22時13分、最終から3番目の列車が最寄り駅に到着する。
降りた客はたった1人。
某ブレーキメーカの作業着姿の疲れ果てた技術者っぽい人が、無人の改札口を通る。
間違いない。あれは兄貴だ。
この後、私は一歩離れて、2人のやりとりを、ただ見ていた。
いやー、いいもん見ちまったなぁ。
降りた客はたった1人。
某ブレーキメーカの作業着姿の疲れ果てた技術者っぽい人が、無人の改札口を通る。
間違いない。あれは兄貴だ。
この後、私は一歩離れて、2人のやりとりを、ただ見ていた。
いやー、いいもん見ちまったなぁ。
「ごめん、あやの。こんな遅くまで待たせて」
「………………」
「あや…の?」
「………………」
「………………」
「あや…の?」
「………………」
「ほ……本当に……ごめん……なさい。お、怒ってるよ…な。
と、当然だよな。こんなに寒いのに何時間も待たせちゃってさ」
と、当然だよな。こんなに寒いのに何時間も待たせちゃってさ」
「………………………。くすっ」
「??」
「??」
「ばぁ!!」
「ほわっ!!!!」げほっげほっ、
「ほわっ!!!!」げほっげほっ、
「ふふ、驚いた?」
「はぁ、心臓停まるかと思った」
「待たせた罰よ。はい、これ。お誕生日おめでとう!」
「待たせた罰よ。はい、これ。お誕生日おめでとう!」
「え?おれに」
「ええ、開けてみて?」
「どれどれ……………おおおおおおおお!!!!!!!」
「ど……どうかな/////」
「あ、有り難う!!どれどれ、早速………おお、あったかい。本当に有り難う」
「どういたしまして。私も、ほら」
「あ……付けてくれてたんだ」
「ええ、だって、お兄さんがプレゼントしてくれたから」
「そ、そういやあれから2週間しか経ってないんだったな」
「そ、そうね。同じ11月生まれだからね」
「ええ、開けてみて?」
「どれどれ……………おおおおおおおお!!!!!!!」
「ど……どうかな/////」
「あ、有り難う!!どれどれ、早速………おお、あったかい。本当に有り難う」
「どういたしまして。私も、ほら」
「あ……付けてくれてたんだ」
「ええ、だって、お兄さんがプレゼントしてくれたから」
「そ、そういやあれから2週間しか経ってないんだったな」
「そ、そうね。同じ11月生まれだからね」
「あの……お兄さん//////」
「ん?」
「もうちょっと顔寄せて」
「へ?………………あ。//////」
「ん?」
「もうちょっと顔寄せて」
「へ?………………あ。//////」
ちゅっ
甘~~~~~~~~~~~~~~~~~い!!
ってこれ、誰かのネタだったな。
いやいや、いいもん見ちまったぜ。あやの、すげー。
てか、ちょっと羨ましい……くなんかないぞ、兄貴とはいつも一緒だし。
流石に兄貴と「ちゅー」はしたことねーからな。風呂ならこの前一緒に入ったけど。
てか、2人とも空気読め。ほら、あそこで誰か見てるぞ。
いやいや、いいもん見ちまったぜ。あやの、すげー。
てか、ちょっと羨ましい……くなんかないぞ、兄貴とはいつも一緒だし。
流石に兄貴と「ちゅー」はしたことねーからな。風呂ならこの前一緒に入ったけど。
てか、2人とも空気読め。ほら、あそこで誰か見てるぞ。
「あの、お二人さん、仲が宜しいのは分かったが、そろそろ行かねーか」
「あ…みさお、来てたんだ」
「みゅ~~~~あやの~~~~兄貴がいじめる~~~><」
「よしよし、お兄さんは悪気があってやったんじゃないんだから」
「私は兄貴の前でも背景ですぜ…。うぅ~~~~」
「す、すまないみさお。まさか迎えに来てくれてたなんて知らなくて」
「もういいもん。明日のプレゼントは父ちゃんにあげちゃおっ…「ちょっと、みさちゃん!!」
「あ、やべ………」
「え?明日が何だって?」
「「え?いえいえ、何でもないです。はい」」
「あ…みさお、来てたんだ」
「みゅ~~~~あやの~~~~兄貴がいじめる~~~><」
「よしよし、お兄さんは悪気があってやったんじゃないんだから」
「私は兄貴の前でも背景ですぜ…。うぅ~~~~」
「す、すまないみさお。まさか迎えに来てくれてたなんて知らなくて」
「もういいもん。明日のプレゼントは父ちゃんにあげちゃおっ…「ちょっと、みさちゃん!!」
「あ、やべ………」
「え?明日が何だって?」
「「え?いえいえ、何でもないです。はい」」
「……うーん、まぁいいか。さて、そろそろ行くか。
ところで、みさお、何でそこにおれのロードバイクがあるのかな?かな?」
「あ、えっと、それはみさちゃんが…」
「あ、兄貴とあやのの事が気になったから急いで駅に来たんだよ!
兄貴がまたアホなことやらかしたらあやのが可哀相だかんな」
「なっ、だからっておれのを乗らなくてもいいだろ!
お前、自転車持ってるだろ、おれがあげたやつ」
「いーじゃん、たまにはこっちに乗ってみたかったんだよ」
「まさかお前、またぶっ壊したとか言うんじゃないんだろうな」
「………バレた?」
「アホ!!みさお~、許さんぞ、コラ、待て、逃げるな!!」
「へっへ~こっこま~でお~いで~♪」
「コラ~~~~~」
「きゃははははあはは」
ところで、みさお、何でそこにおれのロードバイクがあるのかな?かな?」
「あ、えっと、それはみさちゃんが…」
「あ、兄貴とあやのの事が気になったから急いで駅に来たんだよ!
兄貴がまたアホなことやらかしたらあやのが可哀相だかんな」
「なっ、だからっておれのを乗らなくてもいいだろ!
お前、自転車持ってるだろ、おれがあげたやつ」
「いーじゃん、たまにはこっちに乗ってみたかったんだよ」
「まさかお前、またぶっ壊したとか言うんじゃないんだろうな」
「………バレた?」
「アホ!!みさお~、許さんぞ、コラ、待て、逃げるな!!」
「へっへ~こっこま~でお~いで~♪」
「コラ~~~~~」
「きゃははははあはは」
「もう、相変わらずね。やっぱりみさちゃんには敵わないわ。
私も負けないよ。みさちゃんよりも仲良くなってみせるんだから!!」
私も負けないよ。みさちゃんよりも仲良くなってみせるんだから!!」
「待て~~~~」
「いやだ~~~~」
「待って~~~~~」
「うげ~!!あやのまで追ってきた~~~」
「いやだ~~~~」
「待って~~~~~」
「うげ~!!あやのまで追ってきた~~~」
11月16日。おれは24回目の誕生日を迎えた。
生意気だけど可愛い妹、それにいつも優しい小さな恋人に祝福され、ちょっと恥ずかしいかも。
でも、嬉しかった。誕生日、ありがとう。
生意気だけど可愛い妹、それにいつも優しい小さな恋人に祝福され、ちょっと恥ずかしいかも。
でも、嬉しかった。誕生日、ありがとう。
fin.//