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らっきー☆くりすます

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匿名ユーザー

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───
白石さんっ♪今日は、待ちに待ったクリスマスです♪
あきらの元にも、サンタさんはくるのかしら…☆

…………じゃねぇよ!!
なぁぁにがサンタさんだ!
ばっかじゃなかろうか!

12月の後半になってみんなしてクリスマスクリスマスって騒ぎやがって…。
サンタなんかいるわけねーよ!
いるんならそれを証明して見せろっつーに!!
クリスマスなんてね!
年末の売り上げをあげるためだけのイベントにすぎないのよ!!!


───

……と、あきら様は今日言っていた。
ラジオの収録のときに堂々と反クリスマス宣言をなさった。
クリスマスケーキは買わないのかと問うと、鼻で笑われた。
ケーキ屋の売り上げに貢献する必要など、微塵もないということだ。

相変わらずいじっぱりですね、と言おうと思ったが、やめた。
鉄拳が飛んでくるに違いない。

家に帰ってから気がついたが、今日1日、休みなのだ。
僕も、あきら様も。なんの予定もないのだ。
これを使わない手はない。
僕は自分の財布を確認する。年末はなんとかなりそうだ。年始?そんなの知らん。

─────

収録から帰ってきたのは午後10時。
さて、ここからどんな攻撃を仕掛けようかと飯を食いながら考えていたら、変なところから電話がきた。

「おーしらいしー?めりくりーだってばー。クリスマスプレゼントはいらないかい?」

日下部だ。珍しい奴から電話がきたもんだ。ってクリスマスプレゼント…?
なんだ?俺に?

「ぶっぶー、甘いなしらいしー。今日は君が、サンタさんになるんだよ?とりあえず駅まで来い。じゃな」
「え、くさかb」

ぷちっ。電話が切れた。
確か日下部は俺と同じ駅に住んでいるはずだった。ついでにあきら様も一緒なのだ。
とにかく、駅に向かうため、俺はあたたかい格好をして、携帯と財布をポケットに突っ込んで、自転車に跨がった。

12/24 23:20

─────

駅につくと日下部が立っていた。陽気にぶんぶんと手をふってりゃ目立つ目立つ。
変なものを持っている。赤と白の……なんだありゃ。
俺はチャリから降りて、日下部の元へ。

「おー、しりゃいしー!」
「俺はしらいしだ!ちゃんと発音せい!そして何持ってんだこれ。」

一応訂正させてもらうよ、俺はしらいしさ。
日下部が持つ赤と白の物体。それを、日下部はにやにやしながら俺に差し出す。

「あげる!はい、着る!」
「あぁ?!」

ばさ、と頭の上から強制的に被せられる。なんだ、俺はまだなにも言ってないぞ?
日下部、ちょ、待てよ!なんだこの衣装!

サ ン タ だ ぞ ?!

なんでお前持ってるんだ?しかも男性用。はいできた、って、帽子まで被せるな!

「んじゃぁなしりゃいしー♪あとはがんばるんばー♪」
「ちょ、ま、日下部!!!」

日下部は時速100km/hくらいのスピードで駆けていった。電車より早いんじゃないか?
怪我なく帰ってくれたまえ。去り際の一言がものすごく気になるが…気にしないことにしよう。
気にしたら負け。

12/24 23:40

─────

しかしこの格好でチャリを漕げというのか?
は、恥ずかしいぞ?結構注目されてるし…あわあわ。

俺が駅前から離れようと、サンタの格好でチャリを漕いでいると、後ろから派手なバイク音がした。
…かなりデカそうなバイクだ。ぱららら~ぱららら~言ってる…絡まれなけりゃ良いんだが。
しかし無情にも俺のチャリについてくる。
ぶん!といって急加速し、俺の前に出て止まった。
オワタ…と思ったが…
あれ?この人…まさかこんなところに出て来るなんて…!

「よぅ白石、久しぶりじゃねぇか。」
「ご…ゴットゥーザ様!!」

フルフェイスのヘルメットを外さずとも分かる。
白い特攻服、金色の刺繍、木刀、ヘルメットからはみ出た栗色の髪…そしてこの口調。
間違えるわけがない。
彼女は愛車からおり、俺の前に立ちはだかる。
俺もチャリから降りて、スタンドをたてる。

「お前、あきらとは仲直りしたんだよな?」
「あ、えぇ、もちろんですよ?その証拠に、僕は今からあきら様の家にいってドッキリを仕掛けようかと…」
「ほー、でもその格好は若干間抜けだよな。」
「…?なにがですか?」

自分の格好…サンタは上だけだが…あと帽子。似合わないとは思うが…。

「お前、サンタがプレゼント持ってなくてどーすんだよ。ほらよ。」
「ぬおっ?!」

俺に投げ付けられた、大きな白い袋。もうすでに中になにか入っており、パンパンである。

「な、なんかすいません…!」
「おめーなー、サンタがプレゼント持って行かなくてどーすんだよ。ちーっとは
頭働かせようぜ?だーからいつまでたってもモブキャラしかできねぇんだよ」


「ふっ…みくるちゃんにしては、言葉遣いが荒すぎないかい?」

一度聞いたら忘れないキザな声…人を落ち着かせようとして全く逆の効果しか持たない男。

「「小野っ!」」
「どうも、お2人お揃いで♪」




あかだまに乗ってやってき…てないのね、残念。
その代わりに黒い車から顔を覗かせている。どこまでもキザな野郎だ腹が立つ。
むかつくので、頭を異様に撫で回して髪を崩してやる。

「お前!今更なにしにきやがった!レギュラーならたくさん持ってるだろ!SSまでレギュラー出演とか許さんぞ!!」
「それは、SSの職人さんたちに任せますよ?それはそうと、時間は大丈夫なんですか?」

乱れた髪を直すように…といってももともとさらさらだから乱れてもいないんだ
が…前髪をふい、と上に払って言った。

「時間?」
「日付が変わりますが?しるいしくん。」
「だからしらいしだっ………えぇ?!」

時間は23:45を示している。ここから15分で行けるのか?
早くしないとクリスマス終わるぜ?!

俺が頭のなかでルートを組み立てていると、小野がぼっそぼそと言い始めた。

「知ってますか?ゴットゥーザ様、午後9時以降から午前3時まではこの世の中でカップルが一番愛を確かめあう時間なんですよ?」
「ねーよ。ってか某スレのコピペをそこまで信じるな!」
「んーだよ汁石!汁まみれになる予定の汁石!」
「それなんか全体的にちげーよ!!」

は ら た つ っ

とりあえず、ゴットゥーザ様はいいとしよう。
小野、お前は何でいるんだ。

「僕ですか?あきら様にプレゼントをしようと思ったんだけど…汁石君に預けることにしようかな」
「小野も、正直じゃねぇなぁ、ほらここ、見ろよ白石。」
「な、なんですか?」

ケーキと一緒に入れられたクリスマスカードに、
「Merry Christmas☆ Dear Akira From Minoru」

俺の名前だった。
んだよ小野、俺のためか?素直じゃないのぉ。
にやり、と小野が笑った。

「さ、乗ってください。これなら5分以内にいけるでしょう?」


12/24 23:50

―――――

「ほら、つきましたよ?」
「うい、さんきゅ。」

ケーキを小野にもらい、ゴットゥーザ様に勇気をもらい、
俺はなんとかあきら様の家の前まで来た。
そのおかげで時間の短縮ができたわけだが。

「…でもなんで俺がここにいるってわかったんだ?」
「…虫の知らせです☆」

ウインクしやがった。
なんで似合うんだろ。

「ほら、あきら様によろしくね、汁石君。」
「白石だってーの!」

俺は走る。間に合うように、日付変更線を超えないように。
ゴットゥーザ様と小野が、せっかくくれたチャンスを無駄にしたくない。

走れ、俺。

12/24 23:55

―――――

すっかりサンタの格好になってしまった自分に苦笑しつつ、
俺は袋とケーキの箱を持ってぴんぽん、とインターフォンを押す。
出ない。
連打する。
ぴん…ぽん…ぴんぽんぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴ

「うるさいっ!!」
「ぬおっ!あきら様!」

あきら様はたいそう驚いた顔をしている。
そりゃそうだ、一見すると不審者だからな。
サンタの格好に帽子をかぶって袋もって、だもんな。

「な、なにしてんの…」
「あきら様、今何時ですか!」
「…えっと、11時、57分。」
「間に合ったぁぁぁ!」

ふぅ、まにあった…
俺は膝をついて、袋を置く。
緊張感から開放されてしまって力が抜ける。

ぎゅ、と、彼女を抱きしめる。
確かにそんな関係ではないけれど、でも今日くらいは許して欲しい。
大好きな人を抱きしめたって、いいじゃないか。
お風呂に入ったのか、シャンプーの香りがする。

ぽかん、とした彼女がかわいくて。
一瞬顔が赤くなって、信じられないって顔をして。
あなたには、クリスマスの楽しさを知って欲しかったんです。
誰かと一緒にいたら、楽しいでしょう?
一緒に騒いで、ケーキ食べて。
一日中一緒にいるなんて、いいじゃないですか。

それが僕じゃ、ダメですか?
僕と一緒じゃ、ダメですか?

「あきら様っ!メリークリスマス!」
「め、めりー、くりすます…って、なんで今日なの?」
「へ?」
「あしたもくりすますじゃん?」

ん?今日何日?
25じゃないの?

「今25日になったよ?」


あれ?
急いだ意味ってなかった?
俺今日が25だと思ってたから急いだんだけど。

あれ?


「あ、あれです、サンタさんは24の夜に来るんですよ?」
「白石、あんた、マジで間違ってたでしょ」
「すいません、マジ間違ってました。」

12/25 0:00












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