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snow drop

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「snow drop」





冬休みに入ってクリスマスも超えてお正月も近付いて来た頃、
朝目覚めると外にはちらほらと雪が舞い降りていた。
朝といっても時計を見る限りは昼に近いのだけれども。
昨日も夜遅くまで毎年の恒例である積みゲ崩し冬の陣に励んでいたので
このくらいの時刻に起きる事は予想済である。
というかまだ眠いぐらいだ。
歯を磨き顔を洗いリビングへ向かうと、
ゆーちゃんがこたつに入ってテレビを見ながら蜜柑の白い線と格闘していた。
こういう何気ない誰も見ていない所でも可愛いんだから従姉妹ながら少し羨ましい。
「ゆーちゃんおはよ~、朝からまた萌えるねぇ」
と朝っぱらからニヤニヤしながらゆーちゃんに挨拶すると
「あ、お姉ちゃんおはよう!えっと…萌えるってどういうこと?」
と期待通り少し赤面しつつ返してくれた。
「いやいや、ゆーちゃんが蜜柑の白い線を一本一本取ってたのが面白かったんだよ!」
「あ、ああ!!?暇だから全部とっちゃおっかなって思っただけだよ!」
ホントだよ~!?と手をぶんぶん振ってるゆーちゃんを見て
また萌えを感じてしまう自分はつくづく姉失格だなぁ~と思いつつトーストを一枚焼いた。
温かいミルクたっぷりのコーヒーを飲みつつトーストにかじりついていると、
お父さんの姿が見えない事に気付いた。
「ゆーちゃん、お父さんまだ寝てるの?」
「ううん、お姉ちゃんより先に起きてたけど、
なんだか『締切りがヤバい』とか言って朝ご飯食べてすぐにおじさんの部屋に行っちゃったみたい」
そういえば昨日徹夜するとか言ってたけどこたつで寝てたなぁ。


我が家のライフラインを担っているんだから
うたた寝して食い淵を潰すなどという事は止めて貰いたい。
コーヒーをすすりながら新聞のテレビ欄を見ても
こんな微妙な時間に面白そうな番組はなく、
お昼頃までまた積みゲに勤しもうと朝食を片付けて二階に上がろうとすると
「えっと、お姉ちゃん今から用事とかある?」
とゆーちゃんに声をかけられた。
今日はかがみ達と遊ぶ約束もしてないし、
天と地がひっくり返ろうとも宿題などやる気はないので、
用事といえばネトゲか積み木崩しぐらいしかないのだがそれは置いておく。
愛する従姉妹と天秤にかけられる程の価値は持っていない。
「別にわたしは暇だけど何カナ~?」
宿題関連の用事ならば積み木の重さは2割増し程度にはなるだろう。
「じゃあ今日ね、なんだか宿題する気が起きないの。だから一緒に遊んで欲しいなって思って」
普段勤勉なゆーちゃんが宿題する気が起きないというのはそれはそれで驚きだが、
何故にこんなに改まっているのだろう?
「いいヨ~。何して遊ぶ?」
まぁやる事といえば大方ゲームぐらいしかないのだが。
「えっとね、今雪降ってるでしょ」
なるほど元来思考が外に向くタイプではないので
雪なんか一自然現象程度にしか感じられなかったが、
ゆーちゃんにとっては初雪は嬉しい物なのだろう。
「だから雪だるま作ろうよ!」
「おーけーおーけー。そういうと思ったヨ。でもゆーちゃんは」
そう言い含めると彼女はナニ~?と頭を傾げた。
「まだまだ子供っぽくて可愛いなって思ってね!」
「子供じゃないもん!」
そう言ってまたゆーちゃんは頬を膨らませぶんぶんと手を上下させた。
こういう事にも一々反応してくれるからゆーちゃんは面白い。


かがみだったら
『はいはい』の一言で済みそうなのに。
いや、逆にかがみはそういうのに反応してくれるかな。
と思考の罠にはまっているといつの間にかゆーちゃんが
わたしの分も一緒にマフラーと手袋と帽子をリビングから取ってきてくれていた。
「お!ゆーちゃんありがとう。そんなにはしゃいじゃってやっぱり雪が楽しみなのカナ~?」
「もうお姉ちゃんのいじわる~!!」
からかいがいがあるのは人間として愛される人種の人なんだろうな。
そんな事を思いつつ、すっかり防寒着に身を包んだわたしとゆーちゃんは真冬の雪空の中に飛び出した。














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