ぐつぐつと、私たちの目の前にある土鍋が炊き上がりを主張する。
柊家の居間で美味しそうな香りを漂わせるそれは今日の主役であり、ギャラリーである
私達のハートを掴んでやまない。
濡れ布巾を使って蓋を開けられると、沸騰したダシ汁が弾け、肉が白菜がその他榎とか
が踊っていた。
家族揃っての「いただきます」の後、其々の好物に端を伸ばす。
焦って口の中を火傷させるのは素人と言うもの。いくら急いでもそれでは次を美味しく
いただけない。
静と動を上手に使い分けるのが通と言うものだ。
なーんてモノローグは知的に見えないかしら?
柊家の居間で美味しそうな香りを漂わせるそれは今日の主役であり、ギャラリーである
私達のハートを掴んでやまない。
濡れ布巾を使って蓋を開けられると、沸騰したダシ汁が弾け、肉が白菜がその他榎とか
が踊っていた。
家族揃っての「いただきます」の後、其々の好物に端を伸ばす。
焦って口の中を火傷させるのは素人と言うもの。いくら急いでもそれでは次を美味しく
いただけない。
静と動を上手に使い分けるのが通と言うものだ。
なーんてモノローグは知的に見えないかしら?
『こなたを 待ちながら』
「年末寒波?」
すき焼きの最中に年の瀬の予定を話しているお父さんから、良くないニュースが伝えら
れる。
聞き慣れない言葉にみんなの箸が止まり、お父さんを注目する。
「うん。今年は年を跨いで寒波が来るから、手伝いをしてくれる時は暖かくしておいてお
くれよ」
声を聞くだけで温厚な性格であるとわかるお父さんの言葉。
それに続いてお母さんが補足する。
「記録的な積雪になるって予報がしてたから、みんな無理はしないでね」
「社務所に貼るカイロを用意しているから、それを貼り付けて暖まるんだよ」
「それって、CMであざらしの背中に貼り付けてるカイロだよね」
貼るカイロという単語につかさが反応する。
「つかさ、あの動物はセイウチじゃなかったっけ?」
「最近はあのCM流れてたっけ?」
「今はテントのバージョンが流れてたわね」
CM談義に講じている姉妹を眺めながら私はずっと疑問だったことを思い出した。
あれってガチで撮影しているのかしら?
すき焼きの最中に年の瀬の予定を話しているお父さんから、良くないニュースが伝えら
れる。
聞き慣れない言葉にみんなの箸が止まり、お父さんを注目する。
「うん。今年は年を跨いで寒波が来るから、手伝いをしてくれる時は暖かくしておいてお
くれよ」
声を聞くだけで温厚な性格であるとわかるお父さんの言葉。
それに続いてお母さんが補足する。
「記録的な積雪になるって予報がしてたから、みんな無理はしないでね」
「社務所に貼るカイロを用意しているから、それを貼り付けて暖まるんだよ」
「それって、CMであざらしの背中に貼り付けてるカイロだよね」
貼るカイロという単語につかさが反応する。
「つかさ、あの動物はセイウチじゃなかったっけ?」
「最近はあのCM流れてたっけ?」
「今はテントのバージョンが流れてたわね」
CM談義に講じている姉妹を眺めながら私はずっと疑問だったことを思い出した。
あれってガチで撮影しているのかしら?
再びみんなが鍋を突き出す。
肉を器に取り、間違って摘み上げたハマグリはつかさの器に入れてあげる。
「お手伝いの時の装束って、どこに張ればいいのかな?」
食べながらさっきのカイロの話を引きずっているのかつかさが疑問を口にする。
「つかさは胸に張ってもいいんじゃない?」
「まつり姉さん、それは直球すぎ……何処でもいいからバレない場所にしなさいよ」
適当すぎるまつり姉さんに突っ込む。
けど、人にバレずに貼れる場所と言っても結局は装束が膨らんで見えるんじゃないかな
ぁ、と思う。
一応、と言う形でお父さんが付け加える。
「お参りに来る人にはカイロを使っているコトは秘密にするんだよ」
肉を器に取り、間違って摘み上げたハマグリはつかさの器に入れてあげる。
「お手伝いの時の装束って、どこに張ればいいのかな?」
食べながらさっきのカイロの話を引きずっているのかつかさが疑問を口にする。
「つかさは胸に張ってもいいんじゃない?」
「まつり姉さん、それは直球すぎ……何処でもいいからバレない場所にしなさいよ」
適当すぎるまつり姉さんに突っ込む。
けど、人にバレずに貼れる場所と言っても結局は装束が膨らんで見えるんじゃないかな
ぁ、と思う。
一応、と言う形でお父さんが付け加える。
「お参りに来る人にはカイロを使っているコトは秘密にするんだよ」
「えーっと……」
暫く考え込んだ後、顔を輝かせて納得したように返事をした。
「秘密の場所に貼ればいいんだね!」
我が家の食卓に記録的な水害が発生した。
暫く考え込んだ後、顔を輝かせて納得したように返事をした。
「秘密の場所に貼ればいいんだね!」
我が家の食卓に記録的な水害が発生した。
翌日、大雪の大晦日。
気象庁の予想の通りに日本海側と東日本は大雪に見舞われた。
大陸からやってきた白いプレゼントは、ウィンタースポーツを嗜む人々にとっては最高
の贈り物かもしれないが、私達のように普段の営みに徹する人には邪魔者でしかない。
月も星も顔を隠している黒塗りの空から降りてきた侵略者は寒波の支援を受けて溶ける
ことなく着実にその勢力を増やしていく。
そんな状況であっても、新年を迎える事を大切に思う人たちがこの神社にやって来る。
年越しを迎えた鷹宮の境内では正月を祝う特有の笛の音が流され、その場に参拝者を清
めようとしているように見える。
気象庁の予想の通りに日本海側と東日本は大雪に見舞われた。
大陸からやってきた白いプレゼントは、ウィンタースポーツを嗜む人々にとっては最高
の贈り物かもしれないが、私達のように普段の営みに徹する人には邪魔者でしかない。
月も星も顔を隠している黒塗りの空から降りてきた侵略者は寒波の支援を受けて溶ける
ことなく着実にその勢力を増やしていく。
そんな状況であっても、新年を迎える事を大切に思う人たちがこの神社にやって来る。
年越しを迎えた鷹宮の境内では正月を祝う特有の笛の音が流され、その場に参拝者を清
めようとしているように見える。
装束に設けられたポケットからケイタイを取り出し、メールキーを押して表示される一
番上のメールを何度も確認する。
番上のメールを何度も確認する。
『最愛の恋人であるこなたからかがみへ。朝から降ってる雪が凄くて今年は巫女服のかが
みを見に行けないかも。隣の市なのに雪が降っただけで身動きできないなんて思わなかっ
たよ。年が明けたら必ず行くから無理しないで寝てていいからネ。PS.お餅が美味しいから
って食べ過ぎたら太るヨ!』
みを見に行けないかも。隣の市なのに雪が降っただけで身動きできないなんて思わなかっ
たよ。年が明けたら必ず行くから無理しないで寝てていいからネ。PS.お餅が美味しいから
って食べ過ぎたら太るヨ!』
何度見ても内容が変わるわけでもないと解っているつもりなのに、それを見るたびに溜
息を吐き、その息が掛かった社務所の窓が曇る。
それに『バカ』と書くと誰にも見られないうちに手で拭って消しておいた。
「おねえちゃん、こなちゃんお参りに来れないって?」
社務所に備えられた小さなキッチンからつかさがやってくる。
お盆の上で湯気を立てる二つの年越し蕎麦、それには大きい海老天とかき揚げがトッピ
ングされて食欲をそそる。
もちろんどれもスーパーの惣菜コーナーで買ってきた間に合わせではなく、台所担当に
なったつかさが全て用意してくれたもの。
家の仕事柄、柊家の年越し蕎麦は家族揃って食べることは出来ないから、私たちは毎年
ローテーションで食べることになっているわけ。
「ありがと。無理に来てもらってもこの雪だし。何か事故なんてあっても困るしね」
どんぶりを受け取りいい香りを胸いっぱいに吸い込む。
屋外での手伝いで冷え切った体が早く温まりたいと要求している。
少しだけ汁を啜ると甘みと辛さが絶妙な割合で口の中に広がる。ほっくりと体の心から
温まる。
一息ついた私は割り箸を半分にする。今までバランス悪く割れていたそれが今日は中央
のラインに沿って二つになった。
「まあ、この大雪だから仕方ないわ。うん。いつでも会えるんだから、別に今日会えなく
ってもなんとも無いわよ」
窓の外で盛大に舞う粉雪に目をやった後、「いただきます」と、つかさの力作である年越
し蕎麦に箸をつける。
何処までレパートリーを増やすつもりなのか、蕎麦まで手打ちをやってのけたつかさを
讃えつつ自慢の蕎麦を堪能する。
本人曰く、どんな料理でも作れるようになりたいとか。
主役だとばかりに存在を誇張している大きい海老天を頬張ると、張りのある身が歯に押
しつぶされてプチプチと小気味良い音を立てて、海老独特の風味が広がる。
「つかさはどうなの? 明日の予定。ちょっと心配になってるんじゃないの?」
テーブルの向かいで蕎麦を冷ましながら食べている妹に振ってみる。
「お姉ちゃんと一緒だよ。いつでも会えるから、たまには会えなくっても平気なんだ」
すこし遠くを見ながら、でもしっかりとした口調で答えるつかさ。
「おーおー。つかさも言うようになったもんだわ」
「だって、ほら」
にっこりと笑ったつかさは綺麗に割れた割り箸を私に見せた。
「私もつかさもも同じ事を考えてたってコトかー」
どうやら双子は似たような時に同じようなことを考えていたらしい。
息を吐き、その息が掛かった社務所の窓が曇る。
それに『バカ』と書くと誰にも見られないうちに手で拭って消しておいた。
「おねえちゃん、こなちゃんお参りに来れないって?」
社務所に備えられた小さなキッチンからつかさがやってくる。
お盆の上で湯気を立てる二つの年越し蕎麦、それには大きい海老天とかき揚げがトッピ
ングされて食欲をそそる。
もちろんどれもスーパーの惣菜コーナーで買ってきた間に合わせではなく、台所担当に
なったつかさが全て用意してくれたもの。
家の仕事柄、柊家の年越し蕎麦は家族揃って食べることは出来ないから、私たちは毎年
ローテーションで食べることになっているわけ。
「ありがと。無理に来てもらってもこの雪だし。何か事故なんてあっても困るしね」
どんぶりを受け取りいい香りを胸いっぱいに吸い込む。
屋外での手伝いで冷え切った体が早く温まりたいと要求している。
少しだけ汁を啜ると甘みと辛さが絶妙な割合で口の中に広がる。ほっくりと体の心から
温まる。
一息ついた私は割り箸を半分にする。今までバランス悪く割れていたそれが今日は中央
のラインに沿って二つになった。
「まあ、この大雪だから仕方ないわ。うん。いつでも会えるんだから、別に今日会えなく
ってもなんとも無いわよ」
窓の外で盛大に舞う粉雪に目をやった後、「いただきます」と、つかさの力作である年越
し蕎麦に箸をつける。
何処までレパートリーを増やすつもりなのか、蕎麦まで手打ちをやってのけたつかさを
讃えつつ自慢の蕎麦を堪能する。
本人曰く、どんな料理でも作れるようになりたいとか。
主役だとばかりに存在を誇張している大きい海老天を頬張ると、張りのある身が歯に押
しつぶされてプチプチと小気味良い音を立てて、海老独特の風味が広がる。
「つかさはどうなの? 明日の予定。ちょっと心配になってるんじゃないの?」
テーブルの向かいで蕎麦を冷ましながら食べている妹に振ってみる。
「お姉ちゃんと一緒だよ。いつでも会えるから、たまには会えなくっても平気なんだ」
すこし遠くを見ながら、でもしっかりとした口調で答えるつかさ。
「おーおー。つかさも言うようになったもんだわ」
「だって、ほら」
にっこりと笑ったつかさは綺麗に割れた割り箸を私に見せた。
「私もつかさもも同じ事を考えてたってコトかー」
どうやら双子は似たような時に同じようなことを考えていたらしい。
「それじゃ、私は姉さんと交代してくるから。ご馳走様」
「お粗末さま」
夜食をご馳走してくれた妹に礼を言って、社務所の引き戸を開ける。
温まった体に触れる冷気は今の私には気持ちいい。
カイロも新しいものに取り替えた私はまつり姉さんと交代するため、境内に設けられた
売店に向かう途中、ケイタイを取り出した。
メールだけじゃなく、一度声を聞いておきたい。そう思って。
「お粗末さま」
夜食をご馳走してくれた妹に礼を言って、社務所の引き戸を開ける。
温まった体に触れる冷気は今の私には気持ちいい。
カイロも新しいものに取り替えた私はまつり姉さんと交代するため、境内に設けられた
売店に向かう途中、ケイタイを取り出した。
メールだけじゃなく、一度声を聞いておきたい。そう思って。
「お姉ちゃん、眠いよー。寒いよー」
去年も聞いた気がする台詞を口に出したのはつかさで、その隣に居る私は欠伸をかみ締
めながらケイタイを開いたり閉じたりしている。
暫く前に掛けたときにはこなたは出なかった。
部屋に置きっぱなしでリビングにいるのか、それとも寝ているのか……どちらにしても
面白くない。
勝手だとは思ったけど、私が働いてるんだから声くらい聞かせなさいよ、みたいな?
去年も聞いた気がする台詞を口に出したのはつかさで、その隣に居る私は欠伸をかみ締
めながらケイタイを開いたり閉じたりしている。
暫く前に掛けたときにはこなたは出なかった。
部屋に置きっぱなしでリビングにいるのか、それとも寝ているのか……どちらにしても
面白くない。
勝手だとは思ったけど、私が働いてるんだから声くらい聞かせなさいよ、みたいな?
年が明けて3時を回れば参拝客の動きも少しは落ち着いたように見える。
破魔矢やお守りを求める人も少なくなって来たこともあり、動かない私たちには寒さが
堪えるようになってきた。
足元で働き続けているストーブには悪いと思うけど、外と仕切っていない売店の構造上
から、その熱は少し離れると逃げていってしまう。
定期的に魔法瓶の熱いお茶を飲んで体を温めるのはいいんだけど、困ったことに今度は
トイレが近くなってしまうという諸刃の剣。素人にはお勧めできない。
「ほら、つかさ。もう限界なら今日はもう寝な」
メトロノーム状態のつかさに声を掛ける。
「ううん。お姉ちゃん頑張ってるから私もまだまだ起きておこうって思うの」
「明日はみゆきが来るんでしょ? 遠慮しないで寝ちゃっていいわ」
「でも……」
「私は交代が来るまで待ってるだけだから。ね?」
しばらく考えた末睡魔の誘惑に負けたつかさが欠伸をする。
「うん、それじゃ先に寝ちゃうね」
破魔矢やお守りを求める人も少なくなって来たこともあり、動かない私たちには寒さが
堪えるようになってきた。
足元で働き続けているストーブには悪いと思うけど、外と仕切っていない売店の構造上
から、その熱は少し離れると逃げていってしまう。
定期的に魔法瓶の熱いお茶を飲んで体を温めるのはいいんだけど、困ったことに今度は
トイレが近くなってしまうという諸刃の剣。素人にはお勧めできない。
「ほら、つかさ。もう限界なら今日はもう寝な」
メトロノーム状態のつかさに声を掛ける。
「ううん。お姉ちゃん頑張ってるから私もまだまだ起きておこうって思うの」
「明日はみゆきが来るんでしょ? 遠慮しないで寝ちゃっていいわ」
「でも……」
「私は交代が来るまで待ってるだけだから。ね?」
しばらく考えた末睡魔の誘惑に負けたつかさが欠伸をする。
「うん、それじゃ先に寝ちゃうね」
目を擦りながら家に向かうつかさを見送って、再び私は暇を持て余す。
またケイタイを開くが都合良く電話が掛かってくるハズもない。
今日は本当にコレばかりしていると思うけど仕方ない。
ケイタイを閉じる度にアイツのくれた手作りのストラップが揺れる。
どこにでもあるストラップに一枚のプレートが取り付けられたもので、そのプレート部
分には私とこなたの写真が填め込んである。
人に見られると恥ずかしいなんて嫌がったものの、それから私のケイタイには常にこの
ストラップが下がっている。
写真の中でじゃれている二人を羨ましく見つめる私。
またケイタイを開くが都合良く電話が掛かってくるハズもない。
今日は本当にコレばかりしていると思うけど仕方ない。
ケイタイを閉じる度にアイツのくれた手作りのストラップが揺れる。
どこにでもあるストラップに一枚のプレートが取り付けられたもので、そのプレート部
分には私とこなたの写真が填め込んである。
人に見られると恥ずかしいなんて嫌がったものの、それから私のケイタイには常にこの
ストラップが下がっている。
写真の中でじゃれている二人を羨ましく見つめる私。
常識的に考えてこの時間に、しかも大雪の日に来るハズなんて無いって解っている。
それでもやっぱり来てくれると乙女チックに信じてる自分も居るわけで。
来るか来ないか解らないこなたを待ちながら私は起きている。
体のほうが限界なのか、欠伸の間隔が短くなってきた。
目蓋が次第にゆっくりと落ちてきて、頭が下がる。
寝てはいけないと、じぶんをしったしていたはずが、やがてそのゆうわくにかてなくな
って……
それでもやっぱり来てくれると乙女チックに信じてる自分も居るわけで。
来るか来ないか解らないこなたを待ちながら私は起きている。
体のほうが限界なのか、欠伸の間隔が短くなってきた。
目蓋が次第にゆっくりと落ちてきて、頭が下がる。
寝てはいけないと、じぶんをしったしていたはずが、やがてそのゆうわくにかてなくな
って……
「起きるんだかがみん! 寝ると死ぬヨ!」
「ひゃあっ!」
突然肩を強く掴まれて激しく揺すられて目を覚ます。
声の主が笑いながら肩揺すっているのが見えた。
何度も見た事のある濃紺の子供用のコートと子供用の長靴を履いた少女は……
「あれ? 本当にこなた?」
信じられない思いで見る私と、不満そうに見えて、それでいて少し恥ずかしそうに頬を
掻くこなた。
「こーんな、可愛くて、ちっさくて、貧乳で、かがみのちょーっとアブノーマルな趣味の
ツボにヒットして、大雪の日の真夜中に会いに来てくれるような女の子が、私以外にこの
世界のドコに居るっていうのさ?」
大げさな身振り手振りを加える度に傘に積もった雪が落ちる。
「私は何か? 変態趣味なのか? んんー?」
売店から身を乗り出して柔らかい両頬をつねってやる。
「いはいいはいーははみはまー」
ムニムニすると私の手を振り解いて頬に手を当てながら上目遣いの抗議をする。
「やっぱ会いたくなって、歩いてきちゃったよ」
「歩いて?」
「そうだよ。ホントはタクシーで来るつもりだったのに全然通らなくて、結局家からここ
まで徒歩でたどり着いちゃった。ケイタイを家に忘れてたから連絡も取れなくてさ」
こなたの手の平が私の頬に添えられる。
「一時はどうなる事かと思ったヨ」
頬からその手が、こなたが冷え切っているのが理解できる。
「ひゃあっ!」
突然肩を強く掴まれて激しく揺すられて目を覚ます。
声の主が笑いながら肩揺すっているのが見えた。
何度も見た事のある濃紺の子供用のコートと子供用の長靴を履いた少女は……
「あれ? 本当にこなた?」
信じられない思いで見る私と、不満そうに見えて、それでいて少し恥ずかしそうに頬を
掻くこなた。
「こーんな、可愛くて、ちっさくて、貧乳で、かがみのちょーっとアブノーマルな趣味の
ツボにヒットして、大雪の日の真夜中に会いに来てくれるような女の子が、私以外にこの
世界のドコに居るっていうのさ?」
大げさな身振り手振りを加える度に傘に積もった雪が落ちる。
「私は何か? 変態趣味なのか? んんー?」
売店から身を乗り出して柔らかい両頬をつねってやる。
「いはいいはいーははみはまー」
ムニムニすると私の手を振り解いて頬に手を当てながら上目遣いの抗議をする。
「やっぱ会いたくなって、歩いてきちゃったよ」
「歩いて?」
「そうだよ。ホントはタクシーで来るつもりだったのに全然通らなくて、結局家からここ
まで徒歩でたどり着いちゃった。ケイタイを家に忘れてたから連絡も取れなくてさ」
こなたの手の平が私の頬に添えられる。
「一時はどうなる事かと思ったヨ」
頬からその手が、こなたが冷え切っているのが理解できる。
「こなたちゃん来てたんだ?」
「まつり姉さん」
「お姉さんコンバンワー」
「かがみ。交代するから、アンタはもう上がっていいよ」
備え付けられた時計に目を向けるが、交代の5時迄にはまだ時間がある。
「姉さん、まだ交代時間じゃないし悪いわ」
「疲れてるくせに。じゃあ明日の恋エプロンのスペシャル、かがみは録画で我慢するって
ことが条件でどう?」
ニヤリと笑ってウインクひとつ。
「ほら、アンタの恋人が来てるんだから、ここはお姉さんに任せてさっさと行く」
「あ、ありがとう」
普段はいい加減なのに、こういう時は姉っぽく振舞えるなんてちょっと尊敬してもいい
かもね。
「まつり姉さん」
「お姉さんコンバンワー」
「かがみ。交代するから、アンタはもう上がっていいよ」
備え付けられた時計に目を向けるが、交代の5時迄にはまだ時間がある。
「姉さん、まだ交代時間じゃないし悪いわ」
「疲れてるくせに。じゃあ明日の恋エプロンのスペシャル、かがみは録画で我慢するって
ことが条件でどう?」
ニヤリと笑ってウインクひとつ。
「ほら、アンタの恋人が来てるんだから、ここはお姉さんに任せてさっさと行く」
「あ、ありがとう」
普段はいい加減なのに、こういう時は姉っぽく振舞えるなんてちょっと尊敬してもいい
かもね。
こなたを連れて社務所に戻って、熱いお茶を淹れる。
「しかしなんだ。ホントに来てくれるなんて嘘みたいだわ。」
熱いから気をつけて飲みなさい、と付け加えて湯呑みをこなたに渡す。
「いやー、何とかなるって思って歩いてたら、そこはもう鷲宮の町役場だったり。人間の
底力を目の当たりにしたね」
私と同じで冷えた手を湯呑みで暖めながら同時にひと息吐く。
「そこまで来たら後は会いに行くだけだって思えて、ちょっと頑張った自分を褒めてやっ
ても良いよネ」
「こなた」
こなたの家からの距離を考えるとそれは褒めるなんてものじゃないと思う。だから私か
ら、褒める以上の……
「ありがとう」
やっぱりこういう時は感謝でしょ?
「しかしなんだ。ホントに来てくれるなんて嘘みたいだわ。」
熱いから気をつけて飲みなさい、と付け加えて湯呑みをこなたに渡す。
「いやー、何とかなるって思って歩いてたら、そこはもう鷲宮の町役場だったり。人間の
底力を目の当たりにしたね」
私と同じで冷えた手を湯呑みで暖めながら同時にひと息吐く。
「そこまで来たら後は会いに行くだけだって思えて、ちょっと頑張った自分を褒めてやっ
ても良いよネ」
「こなた」
こなたの家からの距離を考えるとそれは褒めるなんてものじゃないと思う。だから私か
ら、褒める以上の……
「ありがとう」
やっぱりこういう時は感謝でしょ?
「動いたから小腹がすいたね~」
ちょっとは体が暖まったのかアホ毛を揺すりながらキッチンに向かうこなた。
「こら、勝手に人ん家の台所漁るなー」
とは言いつつ、自分も何か摘みたいと思っていたので一緒に冷蔵庫を開ける。
「蕎麦セットを発見したヨ!」
つかさが用意してくれた蕎麦が一人分、こなたの分が冷蔵庫の中に残っていた。
「半分コにしてミニ年越し蕎麦にしようや。かがみんや」
にっこりと笑うが早いか、こなたはなれた手つきで流し下の扉を明けて鍋やざるやらを
取り出す。
私は冷蔵庫から蕎麦、スープ、掻き揚げやら何やらを取り出して並べていく。
「エプロン使わせてもらうヨ」
今まで羽織っていたコートを脱ぐと一つだけ備えられたエプロンを着ける。
お子様にエプロンという微笑ましい姿に変身して食材に向かい合った。
冷めたスープを片手鍋に移し、もう一つ用意した大き目の鍋に湯沸かし器から湯を張っ
て同時にコンロにかける。
「かがみ、どんぶり二つ出しといて」
「はい、これ?」
手元にあった何か中華っぽい模様の鉢を手にとって見せる。
「それはラーメン鉢だよ!」
「し、知ってるわよ! 解ってボケただけだから」
お、おかしいわね。今日は自信があったのに。
ちょっとは体が暖まったのかアホ毛を揺すりながらキッチンに向かうこなた。
「こら、勝手に人ん家の台所漁るなー」
とは言いつつ、自分も何か摘みたいと思っていたので一緒に冷蔵庫を開ける。
「蕎麦セットを発見したヨ!」
つかさが用意してくれた蕎麦が一人分、こなたの分が冷蔵庫の中に残っていた。
「半分コにしてミニ年越し蕎麦にしようや。かがみんや」
にっこりと笑うが早いか、こなたはなれた手つきで流し下の扉を明けて鍋やざるやらを
取り出す。
私は冷蔵庫から蕎麦、スープ、掻き揚げやら何やらを取り出して並べていく。
「エプロン使わせてもらうヨ」
今まで羽織っていたコートを脱ぐと一つだけ備えられたエプロンを着ける。
お子様にエプロンという微笑ましい姿に変身して食材に向かい合った。
冷めたスープを片手鍋に移し、もう一つ用意した大き目の鍋に湯沸かし器から湯を張っ
て同時にコンロにかける。
「かがみ、どんぶり二つ出しといて」
「はい、これ?」
手元にあった何か中華っぽい模様の鉢を手にとって見せる。
「それはラーメン鉢だよ!」
「し、知ってるわよ! 解ってボケただけだから」
お、おかしいわね。今日は自信があったのに。
「おおう。この蕎麦って手打ち? お母さんが作ったの?」
「全部つかさが作った蕎麦よ。美味しいわよ」
食べた年越し蕎麦の味を思い出してお腹が鳴る。
「……」
「ちょっとだけ待ってて。つかさに負けないくらい美味しく作るから」
沸々と泡立つ鍋にそばを投入、その間に湯沸かし器からどんぶりに湯を取って暖める。
隣で再沸騰してきた鍋の火力を弱めてひと息つく。
「かがみ、氷はあるー?」
「あるけど、こんな寒いのに何を作るつもりなのよ?」
「氷水でしめるとコシが出ておいしいのだよ」
冷蔵庫に向かい冷凍室から氷を取り出す。
そのまま氷をボウルに落として水を張る。
「スタンバイOKよ。いつでも来なさい」
「今行くよー」
蕎麦をざるに引き上げたこなたが氷水に蕎麦を落とす。
「とりゃー」
楽しそうに手を突っ込んで蕎麦を洗う。
「それはマジっすか、こなたさん」
「ぬめりが残った蕎麦なんて嫌じゃん」
「そりゃそうね」
「これこそ蕎麦茹でのクライマックスだよ」
しかしこれは冬場に見たくない光景だなぁ。
「全部つかさが作った蕎麦よ。美味しいわよ」
食べた年越し蕎麦の味を思い出してお腹が鳴る。
「……」
「ちょっとだけ待ってて。つかさに負けないくらい美味しく作るから」
沸々と泡立つ鍋にそばを投入、その間に湯沸かし器からどんぶりに湯を取って暖める。
隣で再沸騰してきた鍋の火力を弱めてひと息つく。
「かがみ、氷はあるー?」
「あるけど、こんな寒いのに何を作るつもりなのよ?」
「氷水でしめるとコシが出ておいしいのだよ」
冷蔵庫に向かい冷凍室から氷を取り出す。
そのまま氷をボウルに落として水を張る。
「スタンバイOKよ。いつでも来なさい」
「今行くよー」
蕎麦をざるに引き上げたこなたが氷水に蕎麦を落とす。
「とりゃー」
楽しそうに手を突っ込んで蕎麦を洗う。
「それはマジっすか、こなたさん」
「ぬめりが残った蕎麦なんて嫌じゃん」
「そりゃそうね」
「これこそ蕎麦茹でのクライマックスだよ」
しかしこれは冬場に見たくない光景だなぁ。
しめた蕎麦を軽く湯に通して湯きりをした後、温まったどんぶりに移す。
そのあと用意しておいたスープでどんぶりを満たし、仕上げに半分に切った海老天とか
き揚げを盛り付けて出来上がり。
「完成~☆」
テーブルに二つのどんぶりを置くとこなたはエプロン壁に引っ掛けた。
「早速いただきましょ」
新年初めての食卓をこなたと一緒する。
沸騰まで過熱させなかったスープが心地よい熱さで体を温める。
同じスープでありながら、別のアプローチを試みたこなたの年越し蕎麦は、つかさとは
また違った美味しさを演出させていた。
「いやー、美味しいね」
「ほんとにね。毎日家事してるだけあって美味しいわ」
こなたが作ってくれたと思うとより一層美味しく感じる。
なんだろ、手作りの味ってやつ?
「いやいや、これは二人で作ったからこそなのだよ」
そうなのか、とスープをすする私に悪戯な笑みを見せて。
「愛の共同作業ってね」
「ブハッ!」
盛大に吹いた。
ほんわかしてるのに空気読みなさいよっ。
そのあと用意しておいたスープでどんぶりを満たし、仕上げに半分に切った海老天とか
き揚げを盛り付けて出来上がり。
「完成~☆」
テーブルに二つのどんぶりを置くとこなたはエプロン壁に引っ掛けた。
「早速いただきましょ」
新年初めての食卓をこなたと一緒する。
沸騰まで過熱させなかったスープが心地よい熱さで体を温める。
同じスープでありながら、別のアプローチを試みたこなたの年越し蕎麦は、つかさとは
また違った美味しさを演出させていた。
「いやー、美味しいね」
「ほんとにね。毎日家事してるだけあって美味しいわ」
こなたが作ってくれたと思うとより一層美味しく感じる。
なんだろ、手作りの味ってやつ?
「いやいや、これは二人で作ったからこそなのだよ」
そうなのか、とスープをすする私に悪戯な笑みを見せて。
「愛の共同作業ってね」
「ブハッ!」
盛大に吹いた。
ほんわかしてるのに空気読みなさいよっ。
蛇口を捻るとしばらく時間を置いて温水に切り替わる。
文明の利器はここでも私たちを支えてくれる。
「ねえ、お祈り済ませた?」
一緒に食器を洗いながらふと思ったことを尋ねる。
「まだだよ。今年はかがみと一緒にお祈りしようと思って」
「じゃあ、行こっか」
洗い終わったどんぶりを乾燥機に入れ終わるとこなたにコートを着るように促す。
「巫女さんと一緒にお祈りって結構貴重な体験だって思うんだけど、どうかな?」
「ハイハイ。私が巫女の手伝いしてて良かったわね」
戸を開けて手を伸ばすと、もう雪は感じなかった。
「雪、やんだ?」
「そうね。今からお参りに行くから神様が止ませたってことじゃない?」
こなたの手を引いてもう一度境内へ向かう。
「むう、かがみなのに乙女チックなことを……」
小さい恋人をエスコートする巫女。
これは傍からみればどう見えるんだろう?
文明の利器はここでも私たちを支えてくれる。
「ねえ、お祈り済ませた?」
一緒に食器を洗いながらふと思ったことを尋ねる。
「まだだよ。今年はかがみと一緒にお祈りしようと思って」
「じゃあ、行こっか」
洗い終わったどんぶりを乾燥機に入れ終わるとこなたにコートを着るように促す。
「巫女さんと一緒にお祈りって結構貴重な体験だって思うんだけど、どうかな?」
「ハイハイ。私が巫女の手伝いしてて良かったわね」
戸を開けて手を伸ばすと、もう雪は感じなかった。
「雪、やんだ?」
「そうね。今からお参りに行くから神様が止ませたってことじゃない?」
こなたの手を引いてもう一度境内へ向かう。
「むう、かがみなのに乙女チックなことを……」
小さい恋人をエスコートする巫女。
これは傍からみればどう見えるんだろう?
二人の手が古く長い時間を感じさせる鈴緒を振る。
頭の上の鈴が鳴ったのを確認して神様にお祈りする。
二人が投げ込む五百円硬貨が賽銭箱に吸い込まれていく。
今年のお願いはひとつ。
未来に繋げる為の大切なひとつ。
「「一緒に大学に受かりますようにっ」」
小さく祈った声がハモる。驚いてこなたをみると、同じく驚いた表情のこなたが私を見
ていた。
頭の上の鈴が鳴ったのを確認して神様にお祈りする。
二人が投げ込む五百円硬貨が賽銭箱に吸い込まれていく。
今年のお願いはひとつ。
未来に繋げる為の大切なひとつ。
「「一緒に大学に受かりますようにっ」」
小さく祈った声がハモる。驚いてこなたをみると、同じく驚いた表情のこなたが私を見
ていた。
参拝客の少なくなった石畳を手を繋いで歩く。
いつの間にか雲が切れた空から冬の星たちが二人を見守っていた。
その星たちの時間を終わりだと告げるように、東の空から白みがかってくる。
「そういえばさ、かがみー」
コンパスの違う歩みを私に合わせながら見上げるこなた。
「かがみのお祈りってさ、去年は神様に届かなかったよね」
「なんでよ?」
何を言い出すのか。
私の顔から何かを感じたのか、こなたは不思議そうな顔をする。
「だって、『私と同じクラスになる』ってお祈りしたのに、結局叶わなかったじゃん?」
「違うわよ。お願いは叶えて貰えたわ」
クスっと笑ってこなたの頭に手を置く。
納得のいかなそうな顔をしたままのこなたと視線を重ねる。
「私がお願いしたのはね……」
一度区切って、聞き逃さないように、聞き返されることが無いよう、しっかりとした口
調で伝える。
「『こなたが私に振り向いてくれますように』よ」
私を見上げるこなたの顔がみるみるうちに赤くなる。
「ぁぁ……」
こなたの顔が緩んでいく。それでも私を見続けている。
その子の瞳に自分が映っていること……これ以上の幸せなんてあるものか。
こなたはガバッっと抱きついてきて、私の胸に顔を埋める。
「でもね、かがみ。残念な事にやっぱりお祈りは届いてなかったのだよ!」
「まだ言いますかアンタは」
強く私を抱きしめると小さい声で、新年一番の殺し文句を見舞ってくれた。
「私は、ずっと前から、かがみしか見てなかったから」
ボンッと自分の顔が赤くなるのが解る。
ほんっとにこの子は私を夢中にさせるのが得意だから。
「かがみ、耳まで真っ赤ー」
「うるっさい」
負けずに強く強く抱き寄せる。
「苦しいよかがみ」
「我慢しろ」
いつの間にか雲が切れた空から冬の星たちが二人を見守っていた。
その星たちの時間を終わりだと告げるように、東の空から白みがかってくる。
「そういえばさ、かがみー」
コンパスの違う歩みを私に合わせながら見上げるこなた。
「かがみのお祈りってさ、去年は神様に届かなかったよね」
「なんでよ?」
何を言い出すのか。
私の顔から何かを感じたのか、こなたは不思議そうな顔をする。
「だって、『私と同じクラスになる』ってお祈りしたのに、結局叶わなかったじゃん?」
「違うわよ。お願いは叶えて貰えたわ」
クスっと笑ってこなたの頭に手を置く。
納得のいかなそうな顔をしたままのこなたと視線を重ねる。
「私がお願いしたのはね……」
一度区切って、聞き逃さないように、聞き返されることが無いよう、しっかりとした口
調で伝える。
「『こなたが私に振り向いてくれますように』よ」
私を見上げるこなたの顔がみるみるうちに赤くなる。
「ぁぁ……」
こなたの顔が緩んでいく。それでも私を見続けている。
その子の瞳に自分が映っていること……これ以上の幸せなんてあるものか。
こなたはガバッっと抱きついてきて、私の胸に顔を埋める。
「でもね、かがみ。残念な事にやっぱりお祈りは届いてなかったのだよ!」
「まだ言いますかアンタは」
強く私を抱きしめると小さい声で、新年一番の殺し文句を見舞ってくれた。
「私は、ずっと前から、かがみしか見てなかったから」
ボンッと自分の顔が赤くなるのが解る。
ほんっとにこの子は私を夢中にさせるのが得意だから。
「かがみ、耳まで真っ赤ー」
「うるっさい」
負けずに強く強く抱き寄せる。
「苦しいよかがみ」
「我慢しろ」
視界の端に光が溢れ出す。
ぽんぽんと優しく背中を叩かれる。
「ほら、かがみ。初日の出だよ」
腕の力を緩めてこなたを解放すると、同じく私を強く締め付けていたこなたの手も離れ
る。
夜明け。新年の夜明け。
東の空を赤く紅く染めながら今年の太陽が姿を現し、柔らかい光で二人を赤く照らす。
ぽんぽんと優しく背中を叩かれる。
「ほら、かがみ。初日の出だよ」
腕の力を緩めてこなたを解放すると、同じく私を強く締め付けていたこなたの手も離れ
る。
夜明け。新年の夜明け。
東の空を赤く紅く染めながら今年の太陽が姿を現し、柔らかい光で二人を赤く照らす。
この光は私達の『これから』への祝福。
この夜明けは私達の『これから』の始まり。
この夜明けは私達の『これから』の始まり。
「明けましておめでとう。こなた」
「うん、あけおめ。かがみ」
「うん、あけおめ。かがみ」
今年も良い事がありますように。
コメントフォーム
- とても読みやすい良い話
でした!作者さんに感謝
です!ハマグリのトコの
軽いユーモアが、吹きました
-- チャムチロ (2012-08-26 22:12:01) - ぬくみずクソフイタw
感慨ぶち壊しww -- 名無しさん (2009-05-21 00:11:24) - イイハナシダナー -- 名無しさん (2008-02-02 01:42:45)
- ↓ぬくみずバロスwww -- 名無しさん (2008-02-02 01:01:37)
- 温水をぬくみずってよんだ俺…orz -- 名無しさん (2008-02-02 00:08:45)
- 読み進むにつれ心が温まって、読んだ後嬉しくなる
凝ってなくて無駄のない読みやすい文章もよいと思います -- 名無しさん (2008-01-02 19:58:42) - 読んでるこっちも幸せな気分だw GJ
-- 名無しさん (2008-01-02 11:08:12) - 新年から癒された -- 名無しさん (2008-01-02 07:48:41)